摩訶不思議な世界である。
物語が過去と現在を行ったり来たりするだけでなく、現在進行しているはずの出来事が過去よりも重く暗い雰囲気を漂わせている。
つまり、現在が結びついているのは少し前の過去ではなく、歴史に近いはるか昔なのである。
唐突に語られるいくつかの物語が次第に絡んでいく技法はおもしろいし、家柄や血統を重んじる人たちの考えそうなことは東西共通の点もあるから理解できるけれど、どうにも納得できない(というか、唐突すぎる)展開もあるのでこの評価にしました。
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サルバドールの復活 上 (創元推理文庫 M ト 5-2) 文庫 – 2005/10/1
- 本の長さ413ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2005/10/1
- ISBN-104488235077
- ISBN-13978-4488235079
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2005/10/1)
- 発売日 : 2005/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 413ページ
- ISBN-10 : 4488235077
- ISBN-13 : 978-4488235079
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,223,600位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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2006年3月28日に日本でレビュー済み
本書は、ミステリチャンネルの「闘うベストテン2005」海外編第1位、「週刊文春ミステリー・ベスト10」’05年海外部門第4位にランクインされた、文庫にして上・下巻合わせて784ページにも及ぶ大作。しかも会話文が少なくて、地の文ぎっしり、ボリューム満点の小説である。
若く才能あふれるギタリスト、サルバドールとその妻、リディアが相次いで不思議な死をとげた。リディアの大学時代の女友達3人が葬儀で7年ぶりに再会し、そのうち2人が、夫婦の母親である女主人に招待され、古城風の建物を訪れてつぎつぎと奇怪な事件に巻き込まれていくというゴシック・ホラー風の物語。
雪と自家用車の故障で館に足止めされ、館そのものとリディアの亡霊と女主人に翻弄される2人の<現在>と、4人の学生時代のエピソード、サルバドールとリディアの恋愛物語、さらにサルバドールの少年時代---伝統と血統を重んじる母親と新しいものに興味を抱く彼との葛藤---が描かれる<過去>。これらがたくみに錯綜しながらストーリーが進行してゆく。
さらにそのうえ、手記や日記、何の関連もないような作中小説やおとぎ話風のショートストーリー、ふざけているとしか思えない内容の大学卒業試験問題文までもが挿入される構成は’02年「このミス」第1位のデビュー長編・前作『飛蝗の農場』以上に複雑で凝りに凝っている。・・・そしてその結末・・・女主人が2人を足止めした真相が明かされる時、「---なんだ、これは?」というしかない。まさに全編にわたって“ドロンフィールドの奇抜な小説世界”が展開するのである。
本書は、一歩間違えればコミック・ノヴェル(バカミス)になりかねない、あえて言えばゴシック・ロマンスと青春回顧小説の壮大なパロディーである。
若く才能あふれるギタリスト、サルバドールとその妻、リディアが相次いで不思議な死をとげた。リディアの大学時代の女友達3人が葬儀で7年ぶりに再会し、そのうち2人が、夫婦の母親である女主人に招待され、古城風の建物を訪れてつぎつぎと奇怪な事件に巻き込まれていくというゴシック・ホラー風の物語。
雪と自家用車の故障で館に足止めされ、館そのものとリディアの亡霊と女主人に翻弄される2人の<現在>と、4人の学生時代のエピソード、サルバドールとリディアの恋愛物語、さらにサルバドールの少年時代---伝統と血統を重んじる母親と新しいものに興味を抱く彼との葛藤---が描かれる<過去>。これらがたくみに錯綜しながらストーリーが進行してゆく。
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