ある医師が昔から憧れていた上流階級の館の住人と知り合うことになり、既に昔の面影が無くなり衰退していく過程を医師の目線を通して描かれています。
情緒ある描写でストーリの起伏がなく、淡々と衰退していく光景が不気味さと怖さを助長します。
時代の流れについていけず、上流階級のプライドだけで生きていく姿を最初は凛とした美しさから、徐々に狂気へと変貌していく様が、何とも言えない怖さを感じます。
ページが進むにつれて謎も残ります。
下巻で館の住人を狂気に陥れた正体は何か知りたいです。
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エアーズ家の没落上 (創元推理文庫) 文庫 – 2010/9/18
斜陽の領主一家と屋敷を静かに襲う、不幸な“事故”の数々。中年医師の眼を通して描かれる悲劇には、悪意ある何者かの仕業なのか。第二次大戦後を舞台にした待望の最新作。
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2010/9/18
- ISBN-104488254071
- ISBN-13978-4488254070
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2010/9/18)
- 発売日 : 2010/9/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 336ページ
- ISBN-10 : 4488254071
- ISBN-13 : 978-4488254070
- Amazon 売れ筋ランキング: - 195,307位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 707位創元推理文庫
- - 1,175位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多少、古くて、表紙が色あせているのですが、内面は、さしつかえなく、
とても安価で、ほぼ期待通りでした。
大学の課題図書なので、さっと読めればよいので、今後も、利用するかもしれません。
安価で、助かります。(^-^)
とても安価で、ほぼ期待通りでした。
大学の課題図書なので、さっと読めればよいので、今後も、利用するかもしれません。
安価で、助かります。(^-^)
2011年11月14日に日本でレビュー済み
かつては華々しく社交界の舞台でもあった
ハンドレッズ領主館。
戦争によりその陰はどこにも残っていない。
私(ファラデー医師)は メイドの治療を担ったことで
この館に住む エアーズ家と交流を持つことになる。
領主であるロデリックの姉の登場場面が不気味すぎて
そこから一気にはまってしまい…
のめりこんでしまった。こういう館ものが好きなので
半端ない。
次に何が起こるのかハラハラしながら読みました。
ハンドレッズ領主館。
戦争によりその陰はどこにも残っていない。
私(ファラデー医師)は メイドの治療を担ったことで
この館に住む エアーズ家と交流を持つことになる。
領主であるロデリックの姉の登場場面が不気味すぎて
そこから一気にはまってしまい…
のめりこんでしまった。こういう館ものが好きなので
半端ない。
次に何が起こるのかハラハラしながら読みました。
2011年2月17日に日本でレビュー済み
’10年、「このミステリーがすごい!」海外編、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門で共に第7位となった、英国の女流作家サラ・ウォーターズの長編第5作。2作目の『半身』(’99年)、3作目の『荊の城』(’02年)は、邦訳された’03年と’04年に「このミス!」の第1位を連覇している。
また、講談社の文庫情報誌『IN★POCKET』の’10年11月号「2010年文庫翻訳ミステリー・ベスト10」で「総合」第20位、「読者が選んだ」部門第17位、「翻訳家&評論家が選んだ」部門同点第17位にランクインしている。
さらに、『荊の城』、第4作の『夜愁』、本書と、3作続けて受賞には至らなかったが、英国および英連邦文学の最高峰「ブッカー賞」にノミネートされた。
時は第二次大戦が終わって間もない頃、イングランド中部のウォリックシャー地方で200年余の伝統を守ってきた、エアーズ家が所有するハンドレッズ領主館。10才の子どもの頃にその隆盛に憧れを抱いていた‘私’こと男やもめの医師ファラデーは、自宅兼診療所のあるリドコート村から8キロの距離にあるその館に30年ぶりに主治医の代役でメイドの往診に訪れる。館は、見る影もなく落ちぶれて、先代の未亡人とその娘キャロラインと息子ロデリックの3人だけが、通いの家政婦とたったひとりの住み込みのメイドと暮らし、いまや凋落の一途をたどっていた。
ストーリーは、ひんぱんに出入りするようになった‘私’の視点から、一年間の館で次々と起こる、住人を恐怖と狂気に陥れる怪事件と怪現象の数々が、‘私’のキャロラインへの熱烈な恋心と併せて描かれる。そしてついに二重・三重の悲劇が・・・。
私は、はじめはダフネ・デュ・モーリアの『レベッカ』を連想したが、すぐにホラー映画『悪魔の棲む家』を思い浮かべた。本書をゴシック・ロマンと評するむきもあるが、私はホラーを軸とした「時代の進歩に取り残された誇り高き自滅」の物語であり、「過去に固執した名家の滅びの美学」の結晶のように思われた。
また、講談社の文庫情報誌『IN★POCKET』の’10年11月号「2010年文庫翻訳ミステリー・ベスト10」で「総合」第20位、「読者が選んだ」部門第17位、「翻訳家&評論家が選んだ」部門同点第17位にランクインしている。
さらに、『荊の城』、第4作の『夜愁』、本書と、3作続けて受賞には至らなかったが、英国および英連邦文学の最高峰「ブッカー賞」にノミネートされた。
時は第二次大戦が終わって間もない頃、イングランド中部のウォリックシャー地方で200年余の伝統を守ってきた、エアーズ家が所有するハンドレッズ領主館。10才の子どもの頃にその隆盛に憧れを抱いていた‘私’こと男やもめの医師ファラデーは、自宅兼診療所のあるリドコート村から8キロの距離にあるその館に30年ぶりに主治医の代役でメイドの往診に訪れる。館は、見る影もなく落ちぶれて、先代の未亡人とその娘キャロラインと息子ロデリックの3人だけが、通いの家政婦とたったひとりの住み込みのメイドと暮らし、いまや凋落の一途をたどっていた。
ストーリーは、ひんぱんに出入りするようになった‘私’の視点から、一年間の館で次々と起こる、住人を恐怖と狂気に陥れる怪事件と怪現象の数々が、‘私’のキャロラインへの熱烈な恋心と併せて描かれる。そしてついに二重・三重の悲劇が・・・。
私は、はじめはダフネ・デュ・モーリアの『レベッカ』を連想したが、すぐにホラー映画『悪魔の棲む家』を思い浮かべた。本書をゴシック・ロマンと評するむきもあるが、私はホラーを軸とした「時代の進歩に取り残された誇り高き自滅」の物語であり、「過去に固執した名家の滅びの美学」の結晶のように思われた。
2010年9月27日に日本でレビュー済み
ウォーターズが「シャイニング」を書いたら、といった趣。……なのですが、単なるお化け屋敷の話ではありませんので。誤解のないように。
雰囲気で読ませる作家さんなのですね。スピード感も、ビックリするような展開もなし。時に冗長ですらあります。が、丁寧に描かれた情景やら人物描写がたまらなく魅力的なのですよ。その国と時代の空気に触れている感覚にさせてくれる。これもまた一つの読書の悦楽かと。
分かりやすいWho done itを期待する方にはアレかしらん。。
雰囲気で読ませる作家さんなのですね。スピード感も、ビックリするような展開もなし。時に冗長ですらあります。が、丁寧に描かれた情景やら人物描写がたまらなく魅力的なのですよ。その国と時代の空気に触れている感覚にさせてくれる。これもまた一つの読書の悦楽かと。
分かりやすいWho done itを期待する方にはアレかしらん。。
2011年2月9日に日本でレビュー済み
これを読んでいて、屋敷を維持していくというのは、
お金も人手もかかるんだなぁと思いました。
ストーリーは怪奇現象が起きるというものです。
怪奇現象の真相は最後まで明かされませんが、
本当に幽霊がいた、と思いそうになる展開です。
結末もよくできていると思いました。
少しホラーっぽい要素も入っています。
お金も人手もかかるんだなぁと思いました。
ストーリーは怪奇現象が起きるというものです。
怪奇現象の真相は最後まで明かされませんが、
本当に幽霊がいた、と思いそうになる展開です。
結末もよくできていると思いました。
少しホラーっぽい要素も入っています。
2010年12月28日に日本でレビュー済み
『茨の城』『半身』でファンの心を掴んだサラ・ウォーターズに、『夜愁』では作風の違いを見せられて戸惑った人も多いはず。しかし今回の『エアーズ家の没落』では、ぐんぐん展開していく謎とロマンの連続で楽しませてくれます。ただし、二番煎じは行わないのがウォーターズのすごいところ。読者は再び『茨の城』のブライズ城に戻ったかのような興奮を覚えつつも、主人公が中年の男性医師であることや、結末に向かう物語の方向性に戸惑いを感じるはず。さまざまな読みを可能にする、不思議な一作です。
2020年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読む段落によっては、息もつかせずに一気に読んでしまうところがある。これはやはり作者が持っている筆力だろう。対象に正面から向かって疑問の余地なないほど真剣に追及するのだろう。それが読者にも伝わってくる。誰かこの作者が好きな人がホームページを作っていたので、読み終えたらそちらのホームページに行ってみようと思う。きっと奇異なことを発見できるだろう。