カナダ在住の作家ロビンスンによる、アラン・バンクス首席警部シリーズ第六弾。
主人公のバンクス首席警部がとても魅力だ。警察官にしては小柄、短く刈り込んだ黒い髪。妻1人、一男一女の父。ロンドンからの流出者であり、イギリスの田舎に少しずつ順応していこうという警部の奮闘。粘り強く、時には手荒な取調べもいとわない。ストーリーは地元密着型で派手な推理もトリックもなく、バンクスもまた超人ではないが、刑事としての優れた嗅覚をもち、粘り強く、決して諦めない。圧倒的な存在感をもつ彼に惹かれてシリーズを読み進めてしまう。
ソーシャルワーカーを装った男女二人組に誘拐された少女。自堕落な母親は、騙されたとはいえ、二人組に娘を預けた時にほっとした自分を責め、その情夫も、母親と!!!警察から疑いの目を向けられる。少女の行方も安否もまるでつかめないまま、やがて新たな殺人が起こると、被害者の過去から隠された人間関係が浮かび上がり、捜査は大きく展開する。
上流階級への反発心も隠さないバンクス、今回はそのカンが事件解決に大きな役割を果たす。少女を救おうとするバンクスの、人の心というものを持たないサイコパスとの死闘。そして、バンクスと優れた上司とのコンビが、最後に感動を呼ぶ。
この第六作の前、第五作Past Reason Hated(1991)が邦訳では抜けており、また邦訳は第七作Final Account(1994)を飛ばして第八作『誰もが戻れない』(講談社文庫)が出ている。2002年時点でシリーズは第11作まで書かれており、邦訳が待たれる。
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水曜日の子供 (創元推理文庫 M ロ 1-5) 文庫 – 1998/8/1
- 本の長さ474ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日1998/8/1
- ISBN-10448827305X
- ISBN-13978-4488273057
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (1998/8/1)
- 発売日 : 1998/8/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 474ページ
- ISBN-10 : 448827305X
- ISBN-13 : 978-4488273057
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,175,243位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2002年5月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
7才の少女ジェンマが自宅からソーシャル・ワーカーを名乗る男女2人組に連れ去られた。なぜジェンマが狙われたのか、どうして母親は娘を見知らぬ相手に渡してしまったのか、バンクス主席警部の必死の捜索が続く。日本でも社会問題になっている児童虐待の問題もからみ、深みのある警察小説になっています。今回も心理学者ジェニー・フラーが登場し見えない犯人の心をバンクスとともに追っていくシーンもあり、また上司や部下の脇役たちも丁寧に描写されています。
他の国からのトップレビュー
Lois Resnick
5つ星のうち5.0
great read
2022年10月28日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
I love the way Robinson builds up the plot slowly. There is always a surprise. So much more enjoyable than the American who done its with all the gratuitous four letter word
Kindle Customer L A Kent Cornish Crime Writer
5つ星のうち5.0
Page turner with great sense of place
2024年3月11日に英国でレビュー済みAmazonで購入
Pacy and hard to put down, I enjoyed this a great deal. The personalities are plausible, crimes understandable, all set with a sense of place that helps bring it all to life. Loved it!
Cliente Amazon james.
5つ星のうち5.0
Very good
2020年11月17日にスペインでレビュー済みAmazonで購入
Ver well doney good,excellent can't praise it enough. I have just bought another of Peter Robinson's inspector Banks book.can't wait excellent
Elisabeth Bee
5つ星のうち5.0
Passionnant !
2020年5月6日にフランスでレビュー済みAmazonで購入
Je me suis très vite plongée dans l'univers de la pauvreté. La fille d'une femme célibataire paumée qui vit dans une situation plus que précaire, qui fume, boit et regarde la télé - volée, et offerte par son compagnon du moment - est enlevée. Aucun chantage : ses ravisseurs ne réclameront rien, alors pourquoi cette victime ? On suit de jour en jour l'enquête de Banks dans ce milieu glauque de la misère et de ce qu'elle engendre : le vol, le crime sexuel, l'ignorance, la violence. Ce que j'aime chez Peter Robinson, ce sont ses descriptions très réalistes de la société dans laquelle il vit et aussi de ces paysages ou lieux habités qui vivent devant nos yeux. J'ai toujours l'impression de vivre avec tous ces éléments quand je lis cet auteur, très intéressant, et dont l'écriture est si fluide. Parfait !
Sharon Johnson
5つ星のうち5.0
another good read
2018年9月28日にカナダでレビュー済みAmazonで購入
a bit of a disturbing story as it could well happen . Still good .