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水時計 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ケ 2-1) 文庫 – 2009/9/5

3.4 5つ星のうち3.4 7個の評価

凍った川に沈んだ車の中には惨殺死体が。翌日大聖堂の屋根の上で発見された白骨死体との繋がりとは? 敏腕記者が事件を追う。CWA賞受賞作家の英国本格派新シリーズ登場。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東京創元社 (2009/9/5)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/9/5
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 432ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4488278051
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4488278052
  • カスタマーレビュー:
    3.4 5つ星のうち3.4 7個の評価

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ジム・ケリー
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上位レビュー、対象国: 日本

2018年9月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 以前より気になっていた作家ジム・ケリーの作品を読もうと思って、やはり処女作品からと思い本書『水時計』(原題:TheWaterClock)を入手した。
 この物語の舞台は、ケリーが現在住んでいるイギリス東部のケンブリッジの北東23kmにあるイーリーという町での話である。
 この町の人口は現在二万弱と典型的なイギリス田舎の小都市である。
 ただこの地方は、沼沢地が干拓された農地が多く大雨と雪解けが重なると洪水に襲われる(洪水に襲われるこの物語のエンディング描写も興味を惹いた)。
 本書の解説で杉江松恋氏が、ほとんど評者がレビューに書きたいようなことを網羅しているから、まぁ、杉江氏の解説の孫引きになるが、著者ケリーの抑えた文章に魅力があり、この寒々とした沼沢地の初冬の風景描写などは秀逸である。
 この町の最も象徴的なシンボルは「イーリー大聖堂」(11世紀から建造が始まり14世紀に完成した)である(本書中でも二人の日本人観光客が訪れている描写がある)。
 この物語は「水」が主人公ともいえるが、この大聖堂も欠かせない物語背景としてその存在感を主張している。
 沼沢地の水、河川の水、海から押し寄せる水、そして「水時計」。
 主人公のドライデンには、幼いころ凍った川でスケートをしていて氷が割れて溺れそうになったことがあり、それがトラウマとなっているから「水」が嫌いなのである。
 テーマそのものは、30年以上も昔に起きた強盗事件が絡んだ殺人事件なのだが、地方新聞記者としてドライデンが事件に関わってゆく過程が違和感なく描写されている。
 初作を読んだだけでまっとうな評価などするつもりはないが、解説の杉江氏が解説の中で、ジム・ケリーはホームペーの中で最も評価する犯罪小説作家として、R・D・ウィングフィールド、レイモンド・チャンドラー、など5名を挙げていた。
 一番に評者が最も好きな作家ウィングフィールド、そして次にチャンドラーを評価する著者に親近感を持ってまった。
 初作を読んだだけだから、このシリーズを少し読んでみようと思う。
 妻のローラの病状も今後どのようになるか?やはり気になるから・・・。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年9月28日に日本でレビュー済み
英国ミステリ作家ジム・ケリーが2002年に発表したデビュー作です。この方は長年、新聞記者として活躍してきたそうです。このシリーズの主人公ドライデンも地方都市イーリーの地元紙「クロウ」の記者ですが、取材事情や記事の締め切りまでのドタバタにリアリティがあるのは、ご自分の体験からきているのだろうと思います。
主人公が探偵や刑事でなく新聞記者ということ、交通事故で植物状態になった妻を抱えていること、運河に浮かんだボートで暮らし、主にジャンクフードばかり食べて暮らしているという荒んだ状況から、ミステリというよりはどちらかといえばハードボイルド的な印象を持ちました。主人公の鬱屈した精神状態や、背景となるイーリー周辺の泥沢地帯の荒涼とした風景、いかにも英国らしい寒く厳しい冬など、全体に暗く陰鬱な雰囲気がたちこめていて、どこか北欧ミステリにも共通したものを感じます。こういう傾向の作品が好きな方は気に入ると思います。
英国の小説には、詳細にその土地の気候風土を書き込む伝統があるそうですが、この小説も同様です。特に印象的なのは泥沢地帯です。海面下も多い湿原の低地で、何百年もの間”広大な荒地”と呼ばれて、7世紀頃には聖職者の隠遁の地となっていたそうです。干上がる夏には放牧地として使えますが、あとはあまり質のよくない燃料としての泥炭が採取できるくらいで、常に治水、排水の問題があり、冬には洪水も多発、空も大地も鉛色の風景描写が続きます。

前半では事件が次々にめぐるましく起こるので、おぼえておくのに忙しく、これらが果たして関連があるのかないのか戸惑います。
・まずはドライデン自身の過去の交通事故。暴走する車に正面衝突され凍った川に転落、妻ローラの救出が遅れて植物状態になってしまいましたが、いまだにその車のドライバーは明らかになっていません。
・教会の墓地が荒らされる事件。墓石までことごとく粉々にされたのは、ただ若い者のいたずらか、それとも犯人には何か目的があったのか。
・1966年の3人の強盗による給油所襲撃事件。大金と銀器が奪われ、店番の女性が撃たれて顔の半分を吹き飛ばされる重症を追います。身元が明らかになった犯人は1人のみ、そして3人とも逃走したまま行方不明に。
・大聖堂の修復中、屋根の死角になった場所で死後何十年もたった白骨死体が発見されます。それは給油所襲撃事件の犯人の1人でした。
・地元中学校で、備品やパソコンなどがプールに投げ込まれる事件。
・凍った川に沈んでいる車が発見され、車は盗難車で、トランクには後頭部を撃たれた死体が詰め込まれていました。
などなどです。

後半になると、だんだんと様々なことが明らかになっていき、最後はイーリー地方を襲った洪水の中で、とうとう犯人がドライデンの前に姿を見せるシーンへと収束されていきます。
確かにこれがデビュー作だとは思えない出来です。個性の強い登場人物像、独特の舞台背景、伏線が張り巡らされた複雑なストーリーなど、秀作ミステリだと思います。シリーズはすでにあと3冊翻訳されているようなので、次を読んでいきたいと思います。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年10月28日に日本でレビュー済み
いかにも定番な作りの非常にオーソドックスなミステリ。ミステリ自体は、なかなか堅牢な論理展開で納得のできるもので

ある。だが、とりたてて素晴らしいサプライズがあるわけでもなく、驚くようなどんでん返しがあるわけでもない。本当に

ストレートな犯人と動機の謎で読ませるミステリである。特筆すべきは、やはり主人公の背景だろう。敏腕の記者ながら、

彼の過去には心の傷となる事故があり、彼の妻はいまも病院で植物人間の状態で横たわっているのである。本作ではこの過

去の事故に関する秘密も明かされることになるのだが、今後このシリーズで妻であるローラがどういう風にかかわってくる

のかが要点の一つとなるだろうと思われる。

あと言及しておきたいのが、ドライデンを影でささえるタクシー運転手ハンフリーの存在だ。彼はドライデンのお抱え運転

手として常に行動を共にする。待機中は瞬時に眠りにつくという特技があり、いつもどこかの国の言葉を勉強している変わ

り者だ。彼とドライデンのコンビは、時にユーモラスで時に信頼厚く行動し、読者を飽きさせない。名コンビなのである。

というわけで、とりたててオススメというわけでもないのだが、非常に読みやすいミステリであることは間違いない。年末

のミステリベストに顔を出すような作品ではないが、落ち着いてゆっくりミステリを楽しみたいときにはこれ以上ぴったり

の作品もないのではないかと思われる。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年11月9日に日本でレビュー済み
イギリスの田舎町を舞台にした非常にシブいミステリです。地味だけど奇をてらったところが無く、人間の心理がよく描けている作品だと思う。たとえば妻が交通事故で長期間昏睡状態になっているのに、主人公は同僚の女性記者といい感じになってしまったりする。そんな主人公の心の弱さ、罪の意識などはとてもよく描けている。強権的な父親との葛藤を抱える刑事や、いろんな言語をマスターしようとしている変わり者のタクシー運転手など、どのキャラクターもリアルで人間味豊かだ。ヘニング・マンケルなんかが好きな人にはまちがいなくおススメできる作品だ。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年11月5日に日本でレビュー済み
本書は、週刊新聞『クロウ』の記者ドライデンを主人公にした、ジム・ケリーのデビュー作にあたる現代英国本格ミステリーである。
時は11月、舞台はイングランドの東部の小都市イーリー。凍った川底から引き揚げられた車のトランクから銃で撃たれた上に首を折られた身元不明の男の死体が発見される。その翌日、修復工事中のイーリー大聖堂の屋根の雨樋から白骨化した死体が出てくる。この、小都市の日常をひっくり返すような連続変死事件に敏腕記者ドライデンは調査を始める。やがて1966年に起こった強盗および殺人未遂事件と関係があることが分かるのだが、何者かの妨害の手がドライデンに迫ってくる。

シリーズの第1作らしく、ドライデン夫妻の悲惨な事故や、植物人間状態となってしまった彼の妻や、彼の日常の仕事ぶりなど背景説明にページが割かれているが、ジム・ケリーの新人離れした筆致は、実はその中に巧みに伏線が忍び込ませてある。

タイトルの『水時計』に象徴されるように、本書では「水」が物語のそこかしこにメタファーとして用いられている。そもそもイーリーという小都市自体がフェンズと呼ばれる広大な沼沢地帯の一部なのである。そしてクライマックスは、洪水を引き起こすほどの暴風雨がその地方に襲い掛かるまさにその時、スリリングな真犯人との対決と、1966年の事件の真相、さらにはドライデン夫妻に降りかかった悲劇も明らかになる。

本書は、現代風に脚色や味付けが施されてはいるものの、いわゆるフーダニットものをとことん追求した、謎解きを主眼とした21世紀版の「黄金期の探偵小説」である。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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