レビューが少ないので書きます。
ニール・ケアリーもので最も好きな2作目で、
謎めいた中国美人が絡む冒険映画のようなストーリー。
舞台も、70年代西海岸から怪しく猥雑な香港、まだ観光開発されていない頃の?成都の山奥と、大陸的スケールで楽しめます。
アメリカ男から見れば姑娘(クーニャン)=アジアンビューティというのは蟲惑的なのだろうなあ・・・
予想通り思いっきり利用され痛い目に合うけど失恋を引きずらないニールの性格もまたある意味ミステリアスで魅力的。
山中の修行でサトリをひらかず、(カルチャーショックさえほとんど受けず)アメリカ文明を懐かしがるところも日本人からすれば少し不思議だし。
とはいえ、激動する中国情勢、国家に運命を弄ばれる人々の悲劇をさらりと、でも丹念に描写するドン・ウィンズロウの筆力を堪能できます。
他でも書きましたが、表紙カバーはイメージを損なうと思います。
イラストから少女趣味的ヒロイックロマンを期待すると椅子から転げ落ちます。
こんな調子です。↓
「男子禁制のハーレムに屹立した一本の男根のようにニールは目立った。・・・」
その他下品なジョークが、この作品のキモとなります。
F**Kの訳かどうか知らないけれど。
笑いましょう!
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仏陀の鏡への道 (創元推理文庫 M ウ 7-2) 文庫 – 1997/3/1
鶏糞から強力な成長促進エキスを作り出した研究者が、一人の姑娘に心を奪われ、新製品完成を前に長期休暇を決め込んだ。ヨークシャーの荒れ野から探偵稼業に引き戻されたニールは香港、そして大陸へ。文化大革命の余燼さめやらぬ中国で傷だらけのニールが見たものとは? 喝采を博した前作に続く待望の第二弾。骨太の逸品!
- 本の長さ563ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日1997/3/1
- ISBN-104488288022
- ISBN-13978-4488288020
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (1997/3/1)
- 発売日 : 1997/3/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 563ページ
- ISBN-10 : 4488288022
- ISBN-13 : 978-4488288020
- Amazon 売れ筋ランキング: - 515,978位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
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2011年5月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2022年3月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトル通り。これまで読んできたウィンズロウ作品の中では最もつまらない。
2011年9月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
二作目で期待したが、さほどでもなかった。
「期待はずれ」というよりも「冗漫」な印象。
「文革」については、よく描けていると思うがこの時期=毛沢東亡き後すぐの
中国人がかような評価を毛沢東に下すわけがないと、少々違和感を受けた。
本格的な「文革批判」は時期的にもう少し後のこと。
だが、アメリカ人の抜きがたい偏見をウィンズロウは持っておらず、
かなり文革について調べたものだと驚きました。
ただ、中国の「食料生産」についての話だけに、アメリカのCIAや
中国共産党内部の権力闘争の動きが、わずか数人の登場人物で劇的な
変化を受けるわけもなく、不自然。
当時の中国は「アメリカの仮想敵」であったことを考えるといささか漫画的。
またこの当時の中国の描写は誤解を招く。
当時の中国を訪問した人には「こんなにホテルがいいわけない」と言われるでしょう。
「国営デパート」でも物資がほとんどなく、店員はまるでやる気なしです。
びっくりするほど物資不足が続いていた時期です。
でも、よくこの内容の小説を描ききったと脱帽。
星三つは、文章量に匹敵するだけのスピード感がないこと。
ウィンズロウをけなしているわけではありません。
「期待はずれ」というよりも「冗漫」な印象。
「文革」については、よく描けていると思うがこの時期=毛沢東亡き後すぐの
中国人がかような評価を毛沢東に下すわけがないと、少々違和感を受けた。
本格的な「文革批判」は時期的にもう少し後のこと。
だが、アメリカ人の抜きがたい偏見をウィンズロウは持っておらず、
かなり文革について調べたものだと驚きました。
ただ、中国の「食料生産」についての話だけに、アメリカのCIAや
中国共産党内部の権力闘争の動きが、わずか数人の登場人物で劇的な
変化を受けるわけもなく、不自然。
当時の中国は「アメリカの仮想敵」であったことを考えるといささか漫画的。
またこの当時の中国の描写は誤解を招く。
当時の中国を訪問した人には「こんなにホテルがいいわけない」と言われるでしょう。
「国営デパート」でも物資がほとんどなく、店員はまるでやる気なしです。
びっくりするほど物資不足が続いていた時期です。
でも、よくこの内容の小説を描ききったと脱帽。
星三つは、文章量に匹敵するだけのスピード感がないこと。
ウィンズロウをけなしているわけではありません。
2011年7月16日に日本でレビュー済み
ニール・ケアリー・シリーズの最高傑作だとおもいます。
前作以上に魅力をました主人公、後半の怒濤の展開、軽快なリズムを刻む文章。
翻訳もすばらしく、何度も再読したくなります。
前作以上に魅力をました主人公、後半の怒濤の展開、軽快なリズムを刻む文章。
翻訳もすばらしく、何度も再読したくなります。
2014年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近のアメリカ文化は中国に惹かれるみたいです。トリックもそこそこ。文化大革命についてもそこそこ。
2012年11月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
p143ニールは「千ドル数えて、チンに手渡す」とある。『ぼくを消してくれ』と。なんなんだ、これ。「消してくれ」とは、香港で、自分を付け狙っている組織(?)から身を隠して行動したいということだ。だが、ニールは、チンに遇ったのはまだ二度目だ。しかも、自分から会いに行ったわけじゃない。そもそも最初にニールがチンに遇ったのは、ホテルで怪しい行動をするニールに対して、ホテルの保安係をしているチンが追いかけたからだ。そのときも、p48「中国風のなまりもなしに、男が言う」とあり、さらにp55「その坂道を、おれはがきのころから上り下りしてきた」とニールに対して言っている。p47「保安係は若い中国人」とあるから、彼はアメリカで生まれ育った中国系のアメリカ人だなと匂わせている。それなのに、なんのリサーチもなしに、ニールにとっては(まだ、はっきりとチンの正体を知るはずもないのに)二度目に遇ったときに、唐突に香港で姿を消したいと依頼している。ご都合主義の極致というしかない。
あとで、言い訳のようにp168「すべてのチャイナタウンの日常生活をがっちり支配する犯罪組織のことを知らないとしたら、もぐりと言われてもしかたない」とある。だが、最初に遇ったとき、アメリカ育ちと思われる一介の中国系保安係が、犯罪組織と繋がっていると匂わせる会話は一切ない。そもそも、なぜ、中国イコール香港なのだ。なぜ、ニールは中国系の保安係イコール香港にコネがあると思ったのだ。中国に渡ってチャイナタウンにいる人が、全員、香港出身のわけがない。しかも、香港に渡ったら渡ったで、保安係である彼の従兄妹である中国人が、悪の世界で幅をきかせているって、あんまりだ。
p114「なかでもいちばん危険なのは電話ボックスに立つという部分だったが」とあるが、「部分」ってなんだ。(電話ボックスに立つという試みだったが)くらいでしょう。
p179「個展のパンフレットを取り出す」とあるが、七〇年代のアメリカとはいえ、個展のパンフレットに、寝起きしている住所を簡単に載せるものだろうか。あとで、住所を書き取ったのなら、いつ書き取ったのだ。そのような描写はない(はずだ)。
ラスト、なぜ、紅は自殺しなくてはいけなかったのだ。彼女は、ついこのあいだまで、数年にわたって監禁されていたのだ。しかも、自殺するほど恋仲だったと思われる相手は、唐突に姿を現したとしかいいようのないアメリカ人である彫刻家のクロウだ。どうして、その山にクロウがいなければならないのか、明確な説明はない。目の前でクロウが殺され、藍の身代わりだった紅が泣き叫んだあげく、その場で自殺するほどの関係があったとはとても思えない。それまでの二人の関係も説明なし。紅は、その直前に、ニールと肉体関係をもっているのだから、よけい説得力にとぼしい。第一、ニールが心から藍を愛してしまったのなら、藍の身代わりとなった双子の紅に微妙な違和感を感じるはずだ。紅がいくら女優志望だったとしても、彼女はそれまで長いあいだ、四川省に監禁されていたのだ。藍は美術家としてアメリカに渡っていて、英語も堪能。何年ものあいだ独房に監禁されていた人間が、英語にも堪能な藍の真似をしようとしても、そうそう、うまくいくはずはない。
文革を生き抜いた女性の手記か伝記に触発されて、無理矢理、ストーリーを創り上げた作としか思えない。
前作ほどのオフビート感もウィットもなし。冗長。
あとで、言い訳のようにp168「すべてのチャイナタウンの日常生活をがっちり支配する犯罪組織のことを知らないとしたら、もぐりと言われてもしかたない」とある。だが、最初に遇ったとき、アメリカ育ちと思われる一介の中国系保安係が、犯罪組織と繋がっていると匂わせる会話は一切ない。そもそも、なぜ、中国イコール香港なのだ。なぜ、ニールは中国系の保安係イコール香港にコネがあると思ったのだ。中国に渡ってチャイナタウンにいる人が、全員、香港出身のわけがない。しかも、香港に渡ったら渡ったで、保安係である彼の従兄妹である中国人が、悪の世界で幅をきかせているって、あんまりだ。
p114「なかでもいちばん危険なのは電話ボックスに立つという部分だったが」とあるが、「部分」ってなんだ。(電話ボックスに立つという試みだったが)くらいでしょう。
p179「個展のパンフレットを取り出す」とあるが、七〇年代のアメリカとはいえ、個展のパンフレットに、寝起きしている住所を簡単に載せるものだろうか。あとで、住所を書き取ったのなら、いつ書き取ったのだ。そのような描写はない(はずだ)。
ラスト、なぜ、紅は自殺しなくてはいけなかったのだ。彼女は、ついこのあいだまで、数年にわたって監禁されていたのだ。しかも、自殺するほど恋仲だったと思われる相手は、唐突に姿を現したとしかいいようのないアメリカ人である彫刻家のクロウだ。どうして、その山にクロウがいなければならないのか、明確な説明はない。目の前でクロウが殺され、藍の身代わりだった紅が泣き叫んだあげく、その場で自殺するほどの関係があったとはとても思えない。それまでの二人の関係も説明なし。紅は、その直前に、ニールと肉体関係をもっているのだから、よけい説得力にとぼしい。第一、ニールが心から藍を愛してしまったのなら、藍の身代わりとなった双子の紅に微妙な違和感を感じるはずだ。紅がいくら女優志望だったとしても、彼女はそれまで長いあいだ、四川省に監禁されていたのだ。藍は美術家としてアメリカに渡っていて、英語も堪能。何年ものあいだ独房に監禁されていた人間が、英語にも堪能な藍の真似をしようとしても、そうそう、うまくいくはずはない。
文革を生き抜いた女性の手記か伝記に触発されて、無理矢理、ストーリーを創り上げた作としか思えない。
前作ほどのオフビート感もウィットもなし。冗長。
2017年2月18日に日本でレビュー済み
一作目の面白さには及ばず。中国に舞台を移したことで、ニールの生い立ちや良さが、今一出てない気がしました。でも流石の描写力なので、最後まで面白く読むことが出来ました。