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下り“はつかり"―鮎川哲也短編傑作選〈2〉 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M あ 3-2 鮎川哲也短編傑作選 2) 文庫 – 1999/3/20
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- 本の長さ604ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日1999/3/20
- ISBN-104488403026
- ISBN-13978-4488403027
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (1999/3/20)
- 発売日 : 1999/3/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 604ページ
- ISBN-10 : 4488403026
- ISBN-13 : 978-4488403027
- Amazon 売れ筋ランキング: - 36,046位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 161位創元推理文庫
- - 212位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- - 978位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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北村 薫
1949(昭和24)年、埼玉県生れ。早稲田大学ではミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、’89(平成元)年「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。’91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。作品に『ニッポン硬貨の謎』(2006年本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(’09年直木賞受賞)など:本データは『1950年のバックトス (ISBN-13:978-4101373324 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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童話の型式で残酷な殺人を幻想的に描く『絵のない絵本』は、実は初めて読んだ鮎川作品であり、個人的には印象が深い。
上記に二編の幻想小説を除く8編は、いわゆる本格物で傑作選に選ばれているだけあり、レベルの高い。どれを読んでも読んで損をしたと言うことはないだろう。
特に『誰の屍体か?』『赤い密室』の2編は傑出した出来であり、本格物の真骨頂を味あうこと請け合いなしであろう。これを読んでピンと来ないなら、そもそもこの手の小説に向かない方というべきないだろう。
『誰の屍体か?』の題名が提示する、誰が死んだのか?という雲をつかむような事件がその実、緻密な計画犯罪である点に驚愕する。しかもその悪魔的な犯罪が、あまりに明瞭な事実から解体していく手際が巧い。いや、巧いなどということで済ましていいのだろうか?巻末の対談で山口氏が「神の領域」と言っている。言い過ぎな様な気がするが、気持ちがわからないでもない。それぐらい巧い。
『赤い密室』は、個人的には史上最高の「密室小説」である。トリックの切れもさることながら、解明のロジックがすごい。複雑な事件を見事に解体していく。「解体の美学」といいたい。
これらの作品を読むにつけ思うのは、本格物で重要なのはトリックも然る事ながらロジック、レトリックだということだ。
乱歩的なグロテスク怪奇譚の「絵のない絵本」
無頼探偵が登場する「他殺にしてくれ」など、鮎川作品の
別の一面が見られます。
しかし、やはり真骨頂は「密室」「アリバイくずし」といった
本格物でしょう。
日本探偵作家クラブ定例会の席で、犯人当てのテキストとなった
「達也が嗤う」のオチには思わず「やられた!」と額を叩き
ました。
知名度は低いですが、「金魚の寝言」という本の注文が鍵を握る
同名作品は印象深く、養老院を尋ねて来た若い女性会社員が殺害される
「死が二人を別つまで」に至っては鮎川短編の中でも屈指の作品だと
思います。
本格ミステリの潮流を遡れば、必ず鮎川の名は出てくるのだ。
逆に、現代の系譜を俯瞰するとき、そこに鮎川の存在を知って見るのと、見ないのでは、その認識の精度も変ってくる。
もちろん、ミステリフアンにとって鮎川は「知るべき存在」に違いないのである。
そんな偉人鮎川哲也を知るのに、東京創元社文庫から刊行された2冊の短編集は理想的だ。
前編といえる「五つの時計」に次ぐ本作には代表作として名高い「赤い密室」「達也が嗤う」などが収録されている他、「地虫」のような異色作もあり、そして、ここに収録された全作が、現代ミステリへ脈々とエネルギーを供給する「本格の源泉」であると感じられる。
文章、文体の気高さ、無駄な虚飾を排しながらも、闇をみつめる慧眼。
そしてトリックそのものの質の高さがなんといっても素晴らしい。最近の作家であれば、こんな素晴らしいトリックをおもいついたのであれば、当然長編として仕上げるであろうアイデアを、惜しげもなく短編に降り注いでいる。
もちろん、いまとなっては時代を感じさせる部分も多いが、トリックそのものの着眼点の秀逸性は現代の読み手をも十分満足させるに違いない。
なお、末尾に収録されている鮎川に多大な影響を受けた、有栖川有栖、北村薫、山口雅也の三氏の対談も、非常に興味深いものになっている。
まるで本格推理の見本集のような本作を読んでいて気づくのは、鮎川が“トリックは犯人にとってきちんとメリットのあるものでなければならない”という規則を自分に課して書いていることです。推理小説は所詮読者の為のものであって犯罪者のものではないから、面白いけれども、冷静に考えるとそんなことやっても別に犯人にメリットはないと思えるようなトリックが結構多いです。しかし、鮎川は丹念に犯人にとってのメリットと、真相が発覚した時の読者の驚愕というものを見事に両立させるよう、骨を折っていることがよくわかります。
「地虫」「赤い密室」「碑文谷事件」「達也が嗤う」「絵のない絵本」「誰の屍体か」「他殺にしてくれ」「金魚の寝言」「暗い河」「下り゛はつかり゛」「死が二人を分つまで」が収録されている。
好編を集めた贅沢な短編集と言える。
鬼貫警部、星影などお馴染みの探偵たちが出てくる。
「達也が嗤う」、「他殺にしてくれ」、「死が二人を分つまで」などが良かった。
「地虫」と「絵のない絵本」のメルヘンチックなのが不思議。
他の選集と重なっている収録作も多いので、よく注意して買うべきだろう。
巻末には鮎川哲也の作品ノート、解説2名、鼎談・有栖川有栖+北村薫+山口雅也までついた豪華版である(●^o^●)。いかに鮎川哲也が重鎮かつ愛されているか解る。鮎川哲也はある意味外国作家と同じテーマに基づき自分なりのものを作り上げて挑戦したり、江戸川乱歩の依頼に基づき短期間で秀逸な短編を連続して発表したりと常に厳しい条件を突きつけられる名探偵のような立場にあったのが感じられる。しかもそれを鮎川哲也はものの見事にこなしてしまうのである。それらがこの傑作短編集である。
この第二短編傑作選では特に文体の光る『地虫』と短編ながら本格直球勝負の『赤い密室』が好みだ。(●^o^●)いずれも文体鮮やか。そこが外国翻訳ものにはない魅力だと再確認出来る。