横溝正史の「悪魔の手毬唄」を下敷きに書かれたこの作品、「悪魔の‾」だけでなくいろんな作品で見たような人名、地名が織り込まれていて思わず「ふふふ・・・」と笑いが漏れてしまう。
主人公は探偵社の捜査員キンダイチ。八鹿村の有力者・梅のお大尽に身辺警護を依頼されるが、村に残るヘンテコな子守歌通りに連続殺人が起こる。さあどうする、キンダイチ?!
有名作品のもじりではあるが謎解きも充分楽しめるし、たいへんおいしい作品だった。
全編を通して感じられるのは、横溝作品に対する愛である。
ユーモラスな文体の中にももの哀しさが漂い、登場人物たちには作者の暖かい眼差しが向けられている。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
探偵の夏あるいは悪魔の子守唄 (創元推理文庫 404-1) 文庫 – 1990/9/1
岩崎 正吾
(著)
因習の村に伝わる奇妙な子守唄、その歌詞どおりの連続殺人劇が繰り広げられる。キチガイじゃが、とつぶやく老人、獄門寺や病院坂……横溝正史の作品を彷彿させる世界を舞台に、トリックの冴えをみせる「本歌取り」推理長編。ミステリ・ファンの絶賛を浴びた岩崎正吾の処女作であり、ここに《探偵の四季》四部作の幕が切って落とされる!
- 本の長さ346ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日1990/9/1
- ISBN-104488404014
- ISBN-13978-4488404017
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (1990/9/1)
- 発売日 : 1990/9/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 346ページ
- ISBN-10 : 4488404014
- ISBN-13 : 978-4488404017
- Amazon 売れ筋ランキング: - 738,616位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.5つ
5つのうち4.5つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
7グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2005年7月12日に日本でレビュー済み
鬼首村峠を越えて入る八馬鹿村(正しくは八鹿村だが、ある理由でこう呼ばれる)、村を流れる本陣川にかかる鬼火橋、村のお寺の獄門寺でおきた殺人事件の現場には三本指の手の跡が残され、病院坂を登った先の家では首吊り死体がぶらさがる。と、ここまで書けばお気付きでしょう(まぁ、書名を見たらすぐにわかっちゃうんですが)。本書は横溝正史へのオマージュ作品、横溝作品を本歌取りしたミステリです。
封建制の強く残る山村でおこる不可思議な殺人、飄々とした探偵像と、横溝作品によく見られるいかにもな設定、金田一耕助ファンならばスーッと作品世界に入っていけることでしょう。不思議な事件に論理的な解明と、ミステリとして重要なところもビシッときまっていて、本歌の横溝作品に勝るとも劣らないできばえ。違いといえば横溝作品のような暗く陰惨な雰囲気はなく、どちらかといえばカラッとしていて明るく、これは好みのわかれるところかもしれません。
作者のミステリデビュー作ですが、この本歌取りミステリを「探偵の四季」としてシリーズ化しており、次作の『秋』ではかのドルリー・レーンを本歌取りしているとのこと。楽しみですねえ。
封建制の強く残る山村でおこる不可思議な殺人、飄々とした探偵像と、横溝作品によく見られるいかにもな設定、金田一耕助ファンならばスーッと作品世界に入っていけることでしょう。不思議な事件に論理的な解明と、ミステリとして重要なところもビシッときまっていて、本歌の横溝作品に勝るとも劣らないできばえ。違いといえば横溝作品のような暗く陰惨な雰囲気はなく、どちらかといえばカラッとしていて明るく、これは好みのわかれるところかもしれません。
作者のミステリデビュー作ですが、この本歌取りミステリを「探偵の四季」としてシリーズ化しており、次作の『秋』ではかのドルリー・レーンを本歌取りしているとのこと。楽しみですねえ。
2015年5月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
やっと手に入れました。カバーはやや傷んでいましたが、本体は良い状態でした。
2007年6月20日に日本でレビュー済み
1987年に山梨ふるさと文庫から出た『横溝正史殺人事件』の改題・文庫化。
もとのタイトルから明らかなように横溝正史をネタにしたパロディ作品。八馬鹿村に本陣川、病院坂、鬼火橋などが登場する。獄門寺というのには笑ってしまった。しかし、最初はユーモア味が強いものの、途中からは本格的なミステリ作品となる。複雑な筋立て、錯綜する事件と、なかなか読み応えがある。横溝ファンならずとも楽しめる、質の高い作品に仕上がっていると思う。
舞台は著者の故郷でもある山梨の田舎。田舎の青春ミステリとしても読むことが出来る。
もとのタイトルから明らかなように横溝正史をネタにしたパロディ作品。八馬鹿村に本陣川、病院坂、鬼火橋などが登場する。獄門寺というのには笑ってしまった。しかし、最初はユーモア味が強いものの、途中からは本格的なミステリ作品となる。複雑な筋立て、錯綜する事件と、なかなか読み応えがある。横溝ファンならずとも楽しめる、質の高い作品に仕上がっていると思う。
舞台は著者の故郷でもある山梨の田舎。田舎の青春ミステリとしても読むことが出来る。