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六の宮の姫君 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M き 3-4) 文庫 – 1999/6/20
北村薫
(著)
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最終学年を迎えた〈私〉は、卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていくかたわら、出版社で初めてのアルバイトを経験する。その縁あって、図らずも文壇の長老から芥川の謎めいた言葉を聞くことに。王朝物の短編「六の宮の姫君」に寄せられた言辞を巡って、円紫師匠の教えを乞いつつ、浩瀚な書物を旅する〈私〉なりの探偵行が始まった。
- 本の長さ283ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日1999/6/20
- ISBN-104488413048
- ISBN-13978-4488413040
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (1999/6/20)
- 発売日 : 1999/6/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 283ページ
- ISBN-10 : 4488413048
- ISBN-13 : 978-4488413040
- Amazon 売れ筋ランキング: - 49,093位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 219位創元推理文庫
- - 306位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- - 1,280位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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北村 薫
1949(昭和24)年、埼玉県生れ。早稲田大学ではミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、’89(平成元)年「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。’91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。作品に『ニッポン硬貨の謎』(2006年本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(’09年直木賞受賞)など:本データは『1950年のバックトス (ISBN-13:978-4101373324 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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イメージ付きのレビュー
5 星
芥川龍之介が、『六の宮の姫君』はキャッチボールだと言った謎に挑む
『米澤屋書店』(米澤穂信著、文藝春秋)の中で、米澤穂信の作家人生を決定づけた本として紹介されている『六の宮の姫君』(北村薫著、創元推理文庫)を手にした。結論を先に言ってしまうと、これは文学史の謎に挑んだ大傑作である。文学部4年の女子学生の「私」は、卒論で芥川龍之介に挑戦しようと考えている。文壇の長老・田崎信から、芥川の自宅を訪問した際の、「・・・西洋の騎士物語から、話が流れて、誰かが芥川さんの『六の宮の姫君』のことに触れたんだ。芥川さんは銘仙の一枚小袖。煙草をくわえて、せわしなくマッチ箱を揺らしていた。それから、マッチを取り出すと火を点けて一服した。そして、いったな。『あれは玉突きだね。・・・いや、というよりはキャッチボールだ』」という体験談を聞かされる。「私は目を見開いてしまった。『六の宮の姫君』は題の示す通り、王朝物である。そんな言葉のおよそ不似合いな作品ではないか。『何ですか、それは』。先生は夢から覚めたようにふっと私の顔を見た。『分からんなあ。ぽつりと言葉を投げ出しただけだ。勿論、そこにいた連中もわけを聞いたけれど、笑って取り合わなかったな。髪の毛をかき上げると、すぐに話を替えてしまった。押してそれ以上聞くわけにも行かなかったよ』」。因みに、『六の宮の姫君』(芥川龍之介著、新潮文庫『地獄変・偸盗』所収)は、私・榎戸の好きな作品である。芥川が言った「キャッチボール」とは、どういう意味か、なぜ、こういう言葉を口にしたのか。その裏に隠された謎を解こうと、私は『六の宮の姫君』を調べ始めた。そして、芥川の種本である『今昔物語』へと進んでいった。【注意!】この先はネタバレになるので、結末を知りたくない人は読んではいけない。キャッチボールというからには、当然、相手がいたはずだと思いつく。キャッチボールの相手になりそうな人物を探していき、紆余曲折を経て、芥川が「兄貴」のようだと言っていた菊池寛に辿り着く。そして、菊池の短篇『頸縊り上人』を探し当てる。この短篇の種本は『沙石集』である。遂に、私は「キャッチボール」の謎を解くことができた。鎌倉時代の僧・無住の『沙石集』に反発した菊池が『頸縊り上人』を書く。『頸縊り上人』に反発した芥川が『六の宮の姫君』を書いたのである。親しい友人ではあったが、文学観の異なる菊池と芥川の間でキャッチボールが行われていたのだ。米澤のみならず、私・榎戸にとっても、本書は大切な一冊となった。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2024年2月4日に日本でレビュー済み
元々この『私』シリーズは短編連作で始まりました。
この『六の宮の姫君』は長編で、かつ「私」が大学卒業のための論文を書く話です。
しかも論文の内容は「芥川龍之介と菊池寛」。
はるか明治から続く日本の近代文学史で活躍していた二人の若い頃から晩年までを、丁寧に描いていきます。
そして、驚くべきことですが、この作品、小説を書くための教科書といってもよいぐらいなのです。
前期北村薫作品の最高峰、それがこの『六の宮の姫君』です。
この『六の宮の姫君』は長編で、かつ「私」が大学卒業のための論文を書く話です。
しかも論文の内容は「芥川龍之介と菊池寛」。
はるか明治から続く日本の近代文学史で活躍していた二人の若い頃から晩年までを、丁寧に描いていきます。
そして、驚くべきことですが、この作品、小説を書くための教科書といってもよいぐらいなのです。
前期北村薫作品の最高峰、それがこの『六の宮の姫君』です。
2024年1月4日に日本でレビュー済み
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家にあるけれど古い本なので、孫用に買いました。綺麗な本なので、読んでもらえそうです。
2018年2月1日に日本でレビュー済み
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芥川が書いた経緯が興味深く読め推理による展開が面白かった。こういう書き方があるのかと新発見でもありました。
2019年2月21日に日本でレビュー済み
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芥川龍之介が「六の宮の姫君」を執筆するにいたった機縁・状況を解き明かしていく本。
作品群の流れ、作家間の交流状況などを詳細に紹介しつつ話しを進めおり、著者の説が正しいかどうかは知らないが、興味深い内容だった。
本書の副次的な効果として、芥川や菊池寛の作品を読み直したくなった。本書を読まれる方はそのように感ずる方が多いのではないかと思う。私は岩波文庫を久々に購入した。
一方、小説としての評価はあまり芳しくない。登場人物がね。良い人、「さわやかさ」などが強調されすぎてぺらぺらな感じがする。そうそう、「神様のカルテ」みたいな、きらきら感で気持ち悪い。題材の重さと釣り合ってないこと。
なお、「六の宮の姫君」は解釈の難しい小説であり、本書は確かに執筆の動機に迫る物であるが、これをもって理解しきったとは言えないであろう。例えば、「内記の上人」が何故登場するのかなどという点には本書はふれていない。
こうした興味もあり、インターネットを検索していたら、神冴香という大学生の卒論に行き当たった。PDFがネットに掲載されているので、一読をお薦めしたい。本書とは違う角度から分析をしている。
作品群の流れ、作家間の交流状況などを詳細に紹介しつつ話しを進めおり、著者の説が正しいかどうかは知らないが、興味深い内容だった。
本書の副次的な効果として、芥川や菊池寛の作品を読み直したくなった。本書を読まれる方はそのように感ずる方が多いのではないかと思う。私は岩波文庫を久々に購入した。
一方、小説としての評価はあまり芳しくない。登場人物がね。良い人、「さわやかさ」などが強調されすぎてぺらぺらな感じがする。そうそう、「神様のカルテ」みたいな、きらきら感で気持ち悪い。題材の重さと釣り合ってないこと。
なお、「六の宮の姫君」は解釈の難しい小説であり、本書は確かに執筆の動機に迫る物であるが、これをもって理解しきったとは言えないであろう。例えば、「内記の上人」が何故登場するのかなどという点には本書はふれていない。
こうした興味もあり、インターネットを検索していたら、神冴香という大学生の卒論に行き当たった。PDFがネットに掲載されているので、一読をお薦めしたい。本書とは違う角度から分析をしている。
2018年6月10日に日本でレビュー済み
とある作家のインタビューから本書を知った。
参考までに読んでみたら、驚くほどの情報量に圧倒された。
本当の読書家は確かにいろいろ読んでいて、且つ、よく覚えているものだ。
芥川氏の本は、それほど読んでいないので
内容的なものについては、引用に頼るしかないのだが、
好きな分野にのめり込んで謎を解決していくのは、それだけで楽しい事だと
読んでいるこちらも躍動感を感じる。
更にそれが本になるのは作家冥利というものか。
シリーズ一式を揃えたので最初のシリーズから読んでいく予定。
参考までに読んでみたら、驚くほどの情報量に圧倒された。
本当の読書家は確かにいろいろ読んでいて、且つ、よく覚えているものだ。
芥川氏の本は、それほど読んでいないので
内容的なものについては、引用に頼るしかないのだが、
好きな分野にのめり込んで謎を解決していくのは、それだけで楽しい事だと
読んでいるこちらも躍動感を感じる。
更にそれが本になるのは作家冥利というものか。
シリーズ一式を揃えたので最初のシリーズから読んでいく予定。
2017年12月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
はじめて北村薫氏の本を読みましたが、とても良かったです。文豪をめぐるミステリーということで、どんどん引き込まれていきました。実は、芥川龍之介も、菊池寛も、とっつきにくく暗い印象で読んだことありませんでした。この謎解きを読んで、断然読んでみたくなりました。こんなに深く、ひとつの本、または作家を探求していくいわば研究を、読者の興味をひくように、身近なストーリーで書いてくれて居て、読みやすかったです。すでにシリーズ4作目とのことで、人気があるのですね。他の作品も読んでみます。とても勉強になりました。
2022年2月26日に日本でレビュー済み
『米澤屋書店』(米澤穂信著、文藝春秋)の中で、米澤穂信の作家人生を決定づけた本として紹介されている『六の宮の姫君』(北村薫著、創元推理文庫)を手にした。結論を先に言ってしまうと、これは文学史の謎に挑んだ大傑作である。
文学部4年の女子学生の「私」は、卒論で芥川龍之介に挑戦しようと考えている。文壇の長老・田崎信から、芥川の自宅を訪問した際の、「・・・西洋の騎士物語から、話が流れて、誰かが芥川さんの『六の宮の姫君』のことに触れたんだ。芥川さんは銘仙の一枚小袖。煙草をくわえて、せわしなくマッチ箱を揺らしていた。それから、マッチを取り出すと火を点けて一服した。そして、いったな。『あれは玉突きだね。・・・いや、というよりはキャッチボールだ』」という体験談を聞かされる。「私は目を見開いてしまった。『六の宮の姫君』は題の示す通り、王朝物である。そんな言葉のおよそ不似合いな作品ではないか。『何ですか、それは』。先生は夢から覚めたようにふっと私の顔を見た。『分からんなあ。ぽつりと言葉を投げ出しただけだ。勿論、そこにいた連中もわけを聞いたけれど、笑って取り合わなかったな。髪の毛をかき上げると、すぐに話を替えてしまった。押してそれ以上聞くわけにも行かなかったよ』」。因みに、『六の宮の姫君』(芥川龍之介著、新潮文庫『地獄変・偸盗』所収)は、私・榎戸の好きな作品である。
芥川が言った「キャッチボール」とは、どういう意味か、なぜ、こういう言葉を口にしたのか。その裏に隠された謎を解こうと、私は『六の宮の姫君』を調べ始めた。そして、芥川の種本である『今昔物語』へと進んでいった。
【注意!】この先はネタバレになるので、結末を知りたくない人は読んではいけない。
キャッチボールというからには、当然、相手がいたはずだと思いつく。キャッチボールの相手になりそうな人物を探していき、紆余曲折を経て、芥川が「兄貴」のようだと言っていた菊池寛に辿り着く。そして、菊池の短篇『頸縊り上人』を探し当てる。この短篇の種本は『沙石集』である。
遂に、私は「キャッチボール」の謎を解くことができた。鎌倉時代の僧・無住の『沙石集』に反発した菊池が『頸縊り上人』を書く。『頸縊り上人』に反発した芥川が『六の宮の姫君』を書いたのである。親しい友人ではあったが、文学観の異なる菊池と芥川の間でキャッチボールが行われていたのだ。
米澤のみならず、私・榎戸にとっても、本書は大切な一冊となった。
文学部4年の女子学生の「私」は、卒論で芥川龍之介に挑戦しようと考えている。文壇の長老・田崎信から、芥川の自宅を訪問した際の、「・・・西洋の騎士物語から、話が流れて、誰かが芥川さんの『六の宮の姫君』のことに触れたんだ。芥川さんは銘仙の一枚小袖。煙草をくわえて、せわしなくマッチ箱を揺らしていた。それから、マッチを取り出すと火を点けて一服した。そして、いったな。『あれは玉突きだね。・・・いや、というよりはキャッチボールだ』」という体験談を聞かされる。「私は目を見開いてしまった。『六の宮の姫君』は題の示す通り、王朝物である。そんな言葉のおよそ不似合いな作品ではないか。『何ですか、それは』。先生は夢から覚めたようにふっと私の顔を見た。『分からんなあ。ぽつりと言葉を投げ出しただけだ。勿論、そこにいた連中もわけを聞いたけれど、笑って取り合わなかったな。髪の毛をかき上げると、すぐに話を替えてしまった。押してそれ以上聞くわけにも行かなかったよ』」。因みに、『六の宮の姫君』(芥川龍之介著、新潮文庫『地獄変・偸盗』所収)は、私・榎戸の好きな作品である。
芥川が言った「キャッチボール」とは、どういう意味か、なぜ、こういう言葉を口にしたのか。その裏に隠された謎を解こうと、私は『六の宮の姫君』を調べ始めた。そして、芥川の種本である『今昔物語』へと進んでいった。
【注意!】この先はネタバレになるので、結末を知りたくない人は読んではいけない。
キャッチボールというからには、当然、相手がいたはずだと思いつく。キャッチボールの相手になりそうな人物を探していき、紆余曲折を経て、芥川が「兄貴」のようだと言っていた菊池寛に辿り着く。そして、菊池の短篇『頸縊り上人』を探し当てる。この短篇の種本は『沙石集』である。
遂に、私は「キャッチボール」の謎を解くことができた。鎌倉時代の僧・無住の『沙石集』に反発した菊池が『頸縊り上人』を書く。『頸縊り上人』に反発した芥川が『六の宮の姫君』を書いたのである。親しい友人ではあったが、文学観の異なる菊池と芥川の間でキャッチボールが行われていたのだ。
米澤のみならず、私・榎戸にとっても、本書は大切な一冊となった。
『米澤屋書店』(米澤穂信著、文藝春秋)の中で、米澤穂信の作家人生を決定づけた本として紹介されている『六の宮の姫君』(北村薫著、創元推理文庫)を手にした。結論を先に言ってしまうと、これは文学史の謎に挑んだ大傑作である。
文学部4年の女子学生の「私」は、卒論で芥川龍之介に挑戦しようと考えている。文壇の長老・田崎信から、芥川の自宅を訪問した際の、「・・・西洋の騎士物語から、話が流れて、誰かが芥川さんの『六の宮の姫君』のことに触れたんだ。芥川さんは銘仙の一枚小袖。煙草をくわえて、せわしなくマッチ箱を揺らしていた。それから、マッチを取り出すと火を点けて一服した。そして、いったな。『あれは玉突きだね。・・・いや、というよりはキャッチボールだ』」という体験談を聞かされる。「私は目を見開いてしまった。『六の宮の姫君』は題の示す通り、王朝物である。そんな言葉のおよそ不似合いな作品ではないか。『何ですか、それは』。先生は夢から覚めたようにふっと私の顔を見た。『分からんなあ。ぽつりと言葉を投げ出しただけだ。勿論、そこにいた連中もわけを聞いたけれど、笑って取り合わなかったな。髪の毛をかき上げると、すぐに話を替えてしまった。押してそれ以上聞くわけにも行かなかったよ』」。因みに、『六の宮の姫君』(芥川龍之介著、新潮文庫『地獄変・偸盗』所収)は、私・榎戸の好きな作品である。
芥川が言った「キャッチボール」とは、どういう意味か、なぜ、こういう言葉を口にしたのか。その裏に隠された謎を解こうと、私は『六の宮の姫君』を調べ始めた。そして、芥川の種本である『今昔物語』へと進んでいった。
【注意!】この先はネタバレになるので、結末を知りたくない人は読んではいけない。
キャッチボールというからには、当然、相手がいたはずだと思いつく。キャッチボールの相手になりそうな人物を探していき、紆余曲折を経て、芥川が「兄貴」のようだと言っていた菊池寛に辿り着く。そして、菊池の短篇『頸縊り上人』を探し当てる。この短篇の種本は『沙石集』である。
遂に、私は「キャッチボール」の謎を解くことができた。鎌倉時代の僧・無住の『沙石集』に反発した菊池が『頸縊り上人』を書く。『頸縊り上人』に反発した芥川が『六の宮の姫君』を書いたのである。親しい友人ではあったが、文学観の異なる菊池と芥川の間でキャッチボールが行われていたのだ。
米澤のみならず、私・榎戸にとっても、本書は大切な一冊となった。
文学部4年の女子学生の「私」は、卒論で芥川龍之介に挑戦しようと考えている。文壇の長老・田崎信から、芥川の自宅を訪問した際の、「・・・西洋の騎士物語から、話が流れて、誰かが芥川さんの『六の宮の姫君』のことに触れたんだ。芥川さんは銘仙の一枚小袖。煙草をくわえて、せわしなくマッチ箱を揺らしていた。それから、マッチを取り出すと火を点けて一服した。そして、いったな。『あれは玉突きだね。・・・いや、というよりはキャッチボールだ』」という体験談を聞かされる。「私は目を見開いてしまった。『六の宮の姫君』は題の示す通り、王朝物である。そんな言葉のおよそ不似合いな作品ではないか。『何ですか、それは』。先生は夢から覚めたようにふっと私の顔を見た。『分からんなあ。ぽつりと言葉を投げ出しただけだ。勿論、そこにいた連中もわけを聞いたけれど、笑って取り合わなかったな。髪の毛をかき上げると、すぐに話を替えてしまった。押してそれ以上聞くわけにも行かなかったよ』」。因みに、『六の宮の姫君』(芥川龍之介著、新潮文庫『地獄変・偸盗』所収)は、私・榎戸の好きな作品である。
芥川が言った「キャッチボール」とは、どういう意味か、なぜ、こういう言葉を口にしたのか。その裏に隠された謎を解こうと、私は『六の宮の姫君』を調べ始めた。そして、芥川の種本である『今昔物語』へと進んでいった。
【注意!】この先はネタバレになるので、結末を知りたくない人は読んではいけない。
キャッチボールというからには、当然、相手がいたはずだと思いつく。キャッチボールの相手になりそうな人物を探していき、紆余曲折を経て、芥川が「兄貴」のようだと言っていた菊池寛に辿り着く。そして、菊池の短篇『頸縊り上人』を探し当てる。この短篇の種本は『沙石集』である。
遂に、私は「キャッチボール」の謎を解くことができた。鎌倉時代の僧・無住の『沙石集』に反発した菊池が『頸縊り上人』を書く。『頸縊り上人』に反発した芥川が『六の宮の姫君』を書いたのである。親しい友人ではあったが、文学観の異なる菊池と芥川の間でキャッチボールが行われていたのだ。
米澤のみならず、私・榎戸にとっても、本書は大切な一冊となった。
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2004年2月11日に日本でレビュー済み
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卒論を『芥川』に決めている私は、バイト先で老作家・田崎先生から芥川が『六の宮の姫君』について「あれは玉突きだね。……いや、と言うよりはキャッチボールだ」と語った言葉を聞きその謎を追う。それは興味深い芥川論になっていく。私は、円紫さんの助言によりキャッチボールの相手を志賀直哉・谷崎潤一郎・佐藤春夫・菊池寛としぼりこみ推論を重ねていく。その過程が面白く読み応えがある。そしてそれは、最後に芥川の死につながる。そこで、おっ、やっぱミステリー!と思わされる。また、作者が調べ読み込んだ資料を如何に用い、『六の宮の姫君』を構成したかを推理して読めば二重の面白さが味わえる。