クイーンの良質なパスティーシュが読めるかと思って期待したのだが、ふたを開けてみれば何のことはない、クイーン大好きおじさん(かつては若者)たちの昔話と道楽に付き合わされてしまった。
特筆すべき感想もそんなにないが、『シャム双子の謎』と国名シリーズがどうのこうのという考察には、なるほどねと思った。話としては、動物園での誘拐事件が未遂に終わる理由に、へえと感心した。
しかし芸能人にしろ作家にしろ、有名になると「内輪ネタ」も商売になるのだなあ、と思わずにはいられない。でも本格ミステリ大賞〈評論・研究部門〉受賞って…小説じゃないんかい! という話だが。
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ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件 (創元推理文庫 (Mき3-6)) 文庫 – 2009/4/20
北村 薫
(著)
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幼児連続殺人事件に挑む、来日中の名探偵エラリー・クイーン。〈五十円玉二十枚の謎〉との関連は? 敬愛する本格ミステリの巨匠に捧げる、北村薫の華麗なるパスティーシュ。
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2009/4/20
- ISBN-104488413064
- ISBN-13978-4488413064
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2009/4/20)
- 発売日 : 2009/4/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 336ページ
- ISBN-10 : 4488413064
- ISBN-13 : 978-4488413064
- Amazon 売れ筋ランキング: - 566,118位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,009位創元推理文庫
- - 3,432位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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北村 薫
1949(昭和24)年、埼玉県生れ。早稲田大学ではミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、’89(平成元)年「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。’91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。作品に『ニッポン硬貨の謎』(2006年本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(’09年直木賞受賞)など:本データは『1950年のバックトス (ISBN-13:978-4101373324 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年11月11日に日本でレビュー済み
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本格的な探偵小説のファン向けの小説です。時代小説やSFファンで探偵小説も読む、程度の人には向かないです。
2019年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Very nice
2018年5月21日に日本でレビュー済み
何これ? 同人誌? ひどい本だなあ。エラリークイーン知らなきゃ読めたもんじゃないよ。
パスティーシュ、パスティーシュって、そんなに煽てることないんじゃないの? 所詮は内輪受けなんだからさ。
肝心の幼児殺害事件や硬貨の謎も、中途半端どころか全く未消化。これで金取るとは・・。評価は星1つでもあげたくないくらい。
しかし、これがどうして2005年のミステリーベストテンなの? 国産ミステリーって、そこまでひどくないでしょ? 文春の見識を疑っちゃうよ、まったく。しっかりしてよね、頼りにしてるんだからさ。
パスティーシュ、パスティーシュって、そんなに煽てることないんじゃないの? 所詮は内輪受けなんだからさ。
肝心の幼児殺害事件や硬貨の謎も、中途半端どころか全く未消化。これで金取るとは・・。評価は星1つでもあげたくないくらい。
しかし、これがどうして2005年のミステリーベストテンなの? 国産ミステリーって、そこまでひどくないでしょ? 文春の見識を疑っちゃうよ、まったく。しっかりしてよね、頼りにしてるんだからさ。
2009年5月14日に日本でレビュー済み
北村薫ファン必読(もちろん)、EQファンも必読。そして何故か(笑)若竹七海ファン必読。
要するに本格好きなら読みましょう!
わざわざ翻訳推理小説の文体を使って、国名シリーズの「遺作」を書いてしまったというのが内容です。EQ来日時の日本の推理小説ファンの熱狂ぶりがうかがえますし、この人なしに日本の推理小説は語れないというあの大家も姿を見せます。
何よりうれしいのが、一冊の中で「初期」と「後期」の両方の推理スタイルが楽しめることでしょう。やっぱり北村薫は凄い。しかも、原作者相手に「初期」のスタイルで堂々と作品論を展開するのが若き日の若竹七海嬢! おまけにEQと一緒に探偵役までこなしてしまうという… ここまでいい目に遭うと、若竹さん、EQファンのねたみを買わないか逆に心配になるほどですよ(笑)
要するに本格好きなら読みましょう!
わざわざ翻訳推理小説の文体を使って、国名シリーズの「遺作」を書いてしまったというのが内容です。EQ来日時の日本の推理小説ファンの熱狂ぶりがうかがえますし、この人なしに日本の推理小説は語れないというあの大家も姿を見せます。
何よりうれしいのが、一冊の中で「初期」と「後期」の両方の推理スタイルが楽しめることでしょう。やっぱり北村薫は凄い。しかも、原作者相手に「初期」のスタイルで堂々と作品論を展開するのが若き日の若竹七海嬢! おまけにEQと一緒に探偵役までこなしてしまうという… ここまでいい目に遭うと、若竹さん、EQファンのねたみを買わないか逆に心配になるほどですよ(笑)
2019年12月7日に日本でレビュー済み
五十円硬貨ネタの架空話だという事は、若竹先生の「競作 五十円玉二十枚の謎」の話で知っていたので(目次には例によって戸川さん、法月先生と同面々)。
ヒロイン(?)奈々子他の生い立ち(おさらい)、エラリーの行動、作者のネタ出典・英訳注釈・個人話と大きく三~四の場面切り替えが同時並行し序盤は読み辛かったです。
前半で場面切り替えとしてヒロインを挟みつつ延々エラリーの来日後の活動記録(意見交換といった、作家としての講演活動程度、ずっと英語、日本語の言葉遊び)。
やっと本題に入るのが半分を過ぎた頃。ここまできてようやく例の五十円硬貨ネタを依頼。
この際、「浅見光彦」のように、北村先生ご自身が作中人物として顔を出してヒロインを食って欲しかった(同時並行のゴタゴタも、どちらもエラリーを前に「俺が俺が」なんだと無事解決)が残念でした。
「上野の動物園」や被害者児童の落書き、歌舞伎……さる謎の先生は「空飛ぶ馬」もさることながら、まるで上から写し紙を載せて線をなぞる様に先生の作品を隣に置いて一生懸命書いたのだなと微笑ましく思いながら楽しませてもらいました。生温かい目で「そろそろ動き辛くなってくるだろうし、ここまでバレバレなんだから、そろそろ仮面を剥いでみたら? 先生は読者の夢を守りたいんじゃなくて(女性)読者の強さを信じていないんだよ(その決して認めないグズグズしたところで、男女共、どちらか分かるんだよ)。読者以上に執着しているのは先生自身なんだよ。立場を弁えず、無為に頭を下げ続ける行為は、時に誤った政治的メッセージの発信や、支援者への背信行為になる時があるのですよ」のジャブ一つ位入れつつ、さる謎の先生を生温かい目で見守って頂けると幸いです。
ヒロイン(?)奈々子他の生い立ち(おさらい)、エラリーの行動、作者のネタ出典・英訳注釈・個人話と大きく三~四の場面切り替えが同時並行し序盤は読み辛かったです。
前半で場面切り替えとしてヒロインを挟みつつ延々エラリーの来日後の活動記録(意見交換といった、作家としての講演活動程度、ずっと英語、日本語の言葉遊び)。
やっと本題に入るのが半分を過ぎた頃。ここまできてようやく例の五十円硬貨ネタを依頼。
この際、「浅見光彦」のように、北村先生ご自身が作中人物として顔を出してヒロインを食って欲しかった(同時並行のゴタゴタも、どちらもエラリーを前に「俺が俺が」なんだと無事解決)が残念でした。
「上野の動物園」や被害者児童の落書き、歌舞伎……さる謎の先生は「空飛ぶ馬」もさることながら、まるで上から写し紙を載せて線をなぞる様に先生の作品を隣に置いて一生懸命書いたのだなと微笑ましく思いながら楽しませてもらいました。生温かい目で「そろそろ動き辛くなってくるだろうし、ここまでバレバレなんだから、そろそろ仮面を剥いでみたら? 先生は読者の夢を守りたいんじゃなくて(女性)読者の強さを信じていないんだよ(その決して認めないグズグズしたところで、男女共、どちらか分かるんだよ)。読者以上に執着しているのは先生自身なんだよ。立場を弁えず、無為に頭を下げ続ける行為は、時に誤った政治的メッセージの発信や、支援者への背信行為になる時があるのですよ」のジャブ一つ位入れつつ、さる謎の先生を生温かい目で見守って頂けると幸いです。
2017年11月7日に日本でレビュー済み
エラリーファンのみ読んで下さい。
これはミステリなのか?
注釈も多く読むのにかなり疲れる
これはミステリなのか?
注釈も多く読むのにかなり疲れる
2010年1月4日に日本でレビュー済み
2005年に出た単行本の文庫化。
第六回本格ミステリ大賞の評論・研究部門を受賞している。
クイーンが来日時に事件に巻き込まれ、解決していたという設定を使った推理小説である。クイーンが帰国後に自身の体験を小説化していたが、諸事情から出版されず、未発表原稿が見つかったのを気に日本語訳されたという形式を取っている。
かなりクイーンぽく、翻訳調の文体も遊び心に満ちていて楽しい。
しかし、ミステリとしては面白くない。
評論・研究として賞を受けているとおり、本書はひとつの「クイーン論」でもある。良く考えられているし、目から鱗といった指摘なのだが、それを小説としてまとめる必要があったのかどうか・・・。
第六回本格ミステリ大賞の評論・研究部門を受賞している。
クイーンが来日時に事件に巻き込まれ、解決していたという設定を使った推理小説である。クイーンが帰国後に自身の体験を小説化していたが、諸事情から出版されず、未発表原稿が見つかったのを気に日本語訳されたという形式を取っている。
かなりクイーンぽく、翻訳調の文体も遊び心に満ちていて楽しい。
しかし、ミステリとしては面白くない。
評論・研究として賞を受けているとおり、本書はひとつの「クイーン論」でもある。良く考えられているし、目から鱗といった指摘なのだが、それを小説としてまとめる必要があったのかどうか・・・。