倉知淳デビュー作。別名義で商業誌初登場の『競作五十円玉二十枚の謎』で既に登場していた猫丸先輩の短編集。
一つ一つの物語もトリックも素晴らしいのはもちろん、猫丸先輩というのは性格はハタ迷惑だわバイトのないように脈絡がなくて何にでも首を突っ込む人のため、毎回毎回意外なところから登場してくれる。「アレ?猫丸先輩がまだ出てこないぞ?いつ出てくるの?」と心配になる頃に出てくるので、できたらこのページの商品レビューも本の裏表紙のあらすじ紹介さえも読まないで、「いつ」猫丸先輩が出てくるのかを楽しみに一作一作読んで欲しいところ。
どれも本当に面白い物語でした。大満足です。
また、物語だけではなく、本自体にしかけがあることが巻末の短文でわかる。しかもこれで終わりか!!と見せかけてもう一つ・・・・・・
ええ?ええ?こんな終わり方じゃ、こんなに面白い猫丸先輩のシリーズは一冊で打ち止めなの??と心配していたら、やっぱりそんなことはありませんでした。他に2冊続編が出ているじゃありませんか。
是非是非、猫丸先輩の奇特な日々にお付き合いを。
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日曜の夜は出たくない (創元推理文庫―現代日本推理小説) (創元推理文庫 M く 2-1) 文庫 – 1998/1/30
倉知 淳
(著)
神出鬼没の破天荒なキャラクター“猫丸先輩”が登場する、痛快無比のデビュー作品集本格、ハードボイルド風、怪談調、シリアスタッチあり、スラプスティックあり、の7編を収録。この本を手にする貴方に幸あれ!
●収録作品
「空中散歩者の最期」
「約束」
「海に棲む河童」
「一六三人の目撃者」
「寄生虫館の殺人」
「生首幽霊」
「日曜の夜は出たくない」
●収録作品
「空中散歩者の最期」
「約束」
「海に棲む河童」
「一六三人の目撃者」
「寄生虫館の殺人」
「生首幽霊」
「日曜の夜は出たくない」
- 本の長さ411ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日1998/1/30
- ISBN-104488421016
- ISBN-13978-4488421014
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (1998/1/30)
- 発売日 : 1998/1/30
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 411ページ
- ISBN-10 : 4488421016
- ISBN-13 : 978-4488421014
- Amazon 売れ筋ランキング: - 689,913位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,353位創元推理文庫
- - 3,990位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- - 15,985位日本文学
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2009年11月29日に日本でレビュー済み
◆「空中散歩者の最期」
ダイワマンションのそばで墜死体が発見される。地上十メートルのそのマンション
の屋上から落ちたと考えられたが、検視の結果、死体は二十メートルを超える高さ
から落ちていたことが判明し……。
作中で、自ら数学に弱いと語る猫丸先輩は、どうやら物理も不得手らしく、
解決篇では、物理法則に反したトンデモな解答を提示してしまっていますw
◆「約束」
夕方、両親がまだ帰宅していない無人の家に帰りたくない麻由は何げなく
立ち寄った公園で、ベンチに寂しげに座っている「おじちゃん」と知り合う。
その「おじちゃん」も、家に帰りたくないという。
それ以来、麻由と「おじちゃん」は、ほぼ毎日、会って話をするように
なったのだが、あることをきっかけに、「おじちゃん」は、もう公園には
来られないと麻由に告げる。麻由は明日、もう一回だけ会ってほしい
と「おじちゃん」に頼み、約束を交わしたのだが……。
心優しい少女と、どこか翳のある「おじちゃん」の切なくも微笑ましい
やり取りを描くことで、ある物品に、事件を解く重要な手がかりとして
の性質が付与されます。
◆「海に棲む河童」
シゲとカズは、猫丸という小男が船頭を務める、孤島遊覧船に乗る。
しかし、船頭のバイトを始めたばかりの猫丸の操船技術
が素人同然であったため、舟は転覆し、流されてしまう。
三人は無我夢中で近くの小島にたどり着き、そこで救助を待つことに。
その際シゲが、自分たちが現在置かれた状況から、祖父に聞いた昔話を思い出したと
言い、語り始める。それは、二人の山の若者が海で遭遇した奇怪な怪物の物語だった……。
河童らしき化け物が登場する美談めいた昔話
の真相を剔抉する、民俗学ミステリ風の作品。
◆「一六三人の目撃者」
一六三人の観客が見守る劇場の舞台上で起きた、俳優の毒死事件。
小道具の酒壜に毒が入れられていたのだが、本番前にスタッフがそこに入っていた
酒を盗み飲みしており、その時点では、まだ毒が混入されていなかったことが確認
された。しかし、上演中に、「一六三人の積極的な目撃者」の眼前で犯行を行える
はずはなく……。
衆人環視の下での毒殺や、本番前に酒が飲まれていたという
事実によって容疑者の枠を広げるといった、状況設定が巧妙。
犯人が偽装をほどこすタイミングがポイントとなります。
◆「寄生虫館の殺人」
ライターの壇原は、取材に訪れた寄生虫博物館で、奇妙な殺人事件に出くわす。
一階にいたはずの受付嬢が、三階で死体となって発見されたのだ。
事件があった頃、博物館のエレベーターは点検整備中で使用できず、
階段を上ったのだとしても、二階にいた壇原が気づいたはずで……。
人の先入主を利用したトリックはもちろん、謎の提示の仕方も巧いですね。
◆「生首幽霊」
受信料の集金に訪れたアパートで、住人の女から灰皿を投げつけられた八郎。
怒りがおさまらない八郎は、ささやかな悪戯をすることで、意趣返ししてやろうと
夜になって再びアパートを訪れる。すると、なぜか玄関には鍵が掛かっておらず、
そのまま中に入ると、部屋の真ん中には、女の生首が置かれていて……。
メインとなる、アパートの特性を利用したトリックは、比較的、わかり
やすいのですが、アリバイ工作を暗示する伏線の張り方が巧妙です。
◆「日曜の夜は出たくない」
私と彼は、日曜日にデートをする習慣だった。
そしてデートの後、彼は私を家まで送り、帰宅すると私に
電話をするという「四十五分後の電話」を定例にしていた。
しかし私は、そうした行動をとる彼が、近所で跳梁する
「日曜の切り裂き魔」ではないかと疑い始めていて……。
デート中の会話に、真相に繋がる伏線が巧妙に張られています。
◆「誰にも解析できないであろうメッセージ」
一見すると挑発的な、しかし実は自嘲的なタイトル通りのエピソード。
7編の短編をリンクさせる仕掛けがほどこされていますが、作中でも
語られているように、解析に必要なデータを示さない、アンフェアな
代物。仕掛け自体はお遊びで、次話の前フリと考えるべきでしょうね。
◆「蛇足――あるいは真夜中の電話」
本書の最も“外側”に位置する最終エピソード。
これによって、ある短編の解決の不自然さは解消されますし、描き出される
「犯人」の屈折した心理は面白いとは思いますが、説得力に乏しく、読後感
が悪いと感じる向きも多いでしょうね。
ダイワマンションのそばで墜死体が発見される。地上十メートルのそのマンション
の屋上から落ちたと考えられたが、検視の結果、死体は二十メートルを超える高さ
から落ちていたことが判明し……。
作中で、自ら数学に弱いと語る猫丸先輩は、どうやら物理も不得手らしく、
解決篇では、物理法則に反したトンデモな解答を提示してしまっていますw
◆「約束」
夕方、両親がまだ帰宅していない無人の家に帰りたくない麻由は何げなく
立ち寄った公園で、ベンチに寂しげに座っている「おじちゃん」と知り合う。
その「おじちゃん」も、家に帰りたくないという。
それ以来、麻由と「おじちゃん」は、ほぼ毎日、会って話をするように
なったのだが、あることをきっかけに、「おじちゃん」は、もう公園には
来られないと麻由に告げる。麻由は明日、もう一回だけ会ってほしい
と「おじちゃん」に頼み、約束を交わしたのだが……。
心優しい少女と、どこか翳のある「おじちゃん」の切なくも微笑ましい
やり取りを描くことで、ある物品に、事件を解く重要な手がかりとして
の性質が付与されます。
◆「海に棲む河童」
シゲとカズは、猫丸という小男が船頭を務める、孤島遊覧船に乗る。
しかし、船頭のバイトを始めたばかりの猫丸の操船技術
が素人同然であったため、舟は転覆し、流されてしまう。
三人は無我夢中で近くの小島にたどり着き、そこで救助を待つことに。
その際シゲが、自分たちが現在置かれた状況から、祖父に聞いた昔話を思い出したと
言い、語り始める。それは、二人の山の若者が海で遭遇した奇怪な怪物の物語だった……。
河童らしき化け物が登場する美談めいた昔話
の真相を剔抉する、民俗学ミステリ風の作品。
◆「一六三人の目撃者」
一六三人の観客が見守る劇場の舞台上で起きた、俳優の毒死事件。
小道具の酒壜に毒が入れられていたのだが、本番前にスタッフがそこに入っていた
酒を盗み飲みしており、その時点では、まだ毒が混入されていなかったことが確認
された。しかし、上演中に、「一六三人の積極的な目撃者」の眼前で犯行を行える
はずはなく……。
衆人環視の下での毒殺や、本番前に酒が飲まれていたという
事実によって容疑者の枠を広げるといった、状況設定が巧妙。
犯人が偽装をほどこすタイミングがポイントとなります。
◆「寄生虫館の殺人」
ライターの壇原は、取材に訪れた寄生虫博物館で、奇妙な殺人事件に出くわす。
一階にいたはずの受付嬢が、三階で死体となって発見されたのだ。
事件があった頃、博物館のエレベーターは点検整備中で使用できず、
階段を上ったのだとしても、二階にいた壇原が気づいたはずで……。
人の先入主を利用したトリックはもちろん、謎の提示の仕方も巧いですね。
◆「生首幽霊」
受信料の集金に訪れたアパートで、住人の女から灰皿を投げつけられた八郎。
怒りがおさまらない八郎は、ささやかな悪戯をすることで、意趣返ししてやろうと
夜になって再びアパートを訪れる。すると、なぜか玄関には鍵が掛かっておらず、
そのまま中に入ると、部屋の真ん中には、女の生首が置かれていて……。
メインとなる、アパートの特性を利用したトリックは、比較的、わかり
やすいのですが、アリバイ工作を暗示する伏線の張り方が巧妙です。
◆「日曜の夜は出たくない」
私と彼は、日曜日にデートをする習慣だった。
そしてデートの後、彼は私を家まで送り、帰宅すると私に
電話をするという「四十五分後の電話」を定例にしていた。
しかし私は、そうした行動をとる彼が、近所で跳梁する
「日曜の切り裂き魔」ではないかと疑い始めていて……。
デート中の会話に、真相に繋がる伏線が巧妙に張られています。
◆「誰にも解析できないであろうメッセージ」
一見すると挑発的な、しかし実は自嘲的なタイトル通りのエピソード。
7編の短編をリンクさせる仕掛けがほどこされていますが、作中でも
語られているように、解析に必要なデータを示さない、アンフェアな
代物。仕掛け自体はお遊びで、次話の前フリと考えるべきでしょうね。
◆「蛇足――あるいは真夜中の電話」
本書の最も“外側”に位置する最終エピソード。
これによって、ある短編の解決の不自然さは解消されますし、描き出される
「犯人」の屈折した心理は面白いとは思いますが、説得力に乏しく、読後感
が悪いと感じる向きも多いでしょうね。
2011年10月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最後の蛇足はいらなかった気がします。
司法解剖すればだいたいの凶器の形状判明するでしょうに…
うってつけのもん持った人物が簡単な取り調べだけですむはずはありませんよね…。
蛇足なければ星4
この話のおかげで納得のいかなさしか残りませんでした。
司法解剖すればだいたいの凶器の形状判明するでしょうに…
うってつけのもん持った人物が簡単な取り調べだけですむはずはありませんよね…。
蛇足なければ星4
この話のおかげで納得のいかなさしか残りませんでした。
2006年9月30日に日本でレビュー済み
1994年に出た単行本の文庫化。
猫丸先輩シリーズの第一作。すでに著者の持ち味が良く出ていて面白い。良い点としては、パロディの腕が巧みなこと。それから人間の心理が良く書けていること。殺人(犯罪)の動機を、これだけ手際よく書けるというのは、尊敬に値する。
悪い点としてはトリックが甘いこと。完全なミスもあるし、納得のいかない結末も。また、はやりだからかは知らないが、連作形式にして最後に全体をつなぐキーが説き明かされるというのは、大失敗だった。
まあ、今後に期待というところだろう。
猫丸先輩シリーズの第一作。すでに著者の持ち味が良く出ていて面白い。良い点としては、パロディの腕が巧みなこと。それから人間の心理が良く書けていること。殺人(犯罪)の動機を、これだけ手際よく書けるというのは、尊敬に値する。
悪い点としてはトリックが甘いこと。完全なミスもあるし、納得のいかない結末も。また、はやりだからかは知らないが、連作形式にして最後に全体をつなぐキーが説き明かされるというのは、大失敗だった。
まあ、今後に期待というところだろう。
2011年6月7日に日本でレビュー済み
著者の作品は、何かホッとするところがある。
多分、徹底した悪意が存在しないせいかもしれない。
謎はある。
犯罪まがいのこともある。
そして、ロジックによる解決という、きれいなミステリではある。
本書のような短編でこそ、著者の持ち味は十分に発揮されるのかもしれない。
長編作品では、どうしてもそのライトウェイトな文体が、作品の質まで軽く見せてしまう。
実際には、著者の作品が内包するものは、そんなに軽いものばかりではないのだが。
それは、「壺中の天国」を読んだら良く分かる。
それと、著者の作品にはしばしば、ひとの一途な思い、というのが登場する。
それも子供のものが。
だから、私はこの短編集の中では、「約束」が最も好きだ。
もちろん「寄生虫〜」の論理の飛躍など、往年の都筑道夫作品を思わせるようなものも好きだが、やはりなんと言っても「約束」はいい。
そう、著者のミステリには、この論理の飛躍という、かつて都筑が求めていたものがある。
だから、都筑ファンの私にとって、著者の作品はとても好感のもてるものなのだ。
多分、徹底した悪意が存在しないせいかもしれない。
謎はある。
犯罪まがいのこともある。
そして、ロジックによる解決という、きれいなミステリではある。
本書のような短編でこそ、著者の持ち味は十分に発揮されるのかもしれない。
長編作品では、どうしてもそのライトウェイトな文体が、作品の質まで軽く見せてしまう。
実際には、著者の作品が内包するものは、そんなに軽いものばかりではないのだが。
それは、「壺中の天国」を読んだら良く分かる。
それと、著者の作品にはしばしば、ひとの一途な思い、というのが登場する。
それも子供のものが。
だから、私はこの短編集の中では、「約束」が最も好きだ。
もちろん「寄生虫〜」の論理の飛躍など、往年の都筑道夫作品を思わせるようなものも好きだが、やはりなんと言っても「約束」はいい。
そう、著者のミステリには、この論理の飛躍という、かつて都筑が求めていたものがある。
だから、都筑ファンの私にとって、著者の作品はとても好感のもてるものなのだ。
2006年12月11日に日本でレビュー済み
短篇連作集です。
作風というか、それぞれの雰囲気が違っていて面白いです。
全然雰囲気は違うのに、謎を解くのは名探偵猫丸先輩。
そして、脇役の登場人物がそれぞれの作品の中に、バトンリレーのように登場します。
最後の章では、意外な落ちで面白かったです。
ミステリー好きの方はぜひ
『いいか、忘れるな、人にはな、捨て去らなきゃいけない過去と、造り上げていかなきゃならん未来ってもんがあるってことを』(BY猫丸先輩)
過去は捨てられるもんじゃないぞ、猫丸くん…
作風というか、それぞれの雰囲気が違っていて面白いです。
全然雰囲気は違うのに、謎を解くのは名探偵猫丸先輩。
そして、脇役の登場人物がそれぞれの作品の中に、バトンリレーのように登場します。
最後の章では、意外な落ちで面白かったです。
ミステリー好きの方はぜひ
『いいか、忘れるな、人にはな、捨て去らなきゃいけない過去と、造り上げていかなきゃならん未来ってもんがあるってことを』(BY猫丸先輩)
過去は捨てられるもんじゃないぞ、猫丸くん…
2007年1月5日に日本でレビュー済み
"猫丸先輩"を探偵役とする連作短編集。連作短編集にしては物理的トリックもの、とぼけた妖怪談、船上もの等、良く言えばバラエティに富んでいる、悪く言えば一貫性がない構成になっているが、その訳が最後で明かされる所が本作のミソ。
それにしても、冒頭の「空中散歩者の最期」のトリックは酷い。作者には物理の初歩が分かっていないのではないか。物語の添え物として話題に出すくらいなら笑って済ませられるが、これがメイン・トリックなのだから開いた口が塞がらない。作者は根っからの文系なのではないか。
他の作品も各々違和感を感じさせながらも、一応の解決を見る。韜晦戦術である。そして、最後で作品全体の構想が明かされて、ナルホドとなる仕掛けだが、正直あまり感心はしなかった。全体構成がこうなのは、作者の都合であって読む方には関係ない。それより、短編一作々々に磨きをかけた方が良かったのでは。
それにしても、冒頭の「空中散歩者の最期」のトリックは酷い。作者には物理の初歩が分かっていないのではないか。物語の添え物として話題に出すくらいなら笑って済ませられるが、これがメイン・トリックなのだから開いた口が塞がらない。作者は根っからの文系なのではないか。
他の作品も各々違和感を感じさせながらも、一応の解決を見る。韜晦戦術である。そして、最後で作品全体の構想が明かされて、ナルホドとなる仕掛けだが、正直あまり感心はしなかった。全体構成がこうなのは、作者の都合であって読む方には関係ない。それより、短編一作々々に磨きをかけた方が良かったのでは。
2004年4月15日に日本でレビュー済み
創元社からデビューしているミステリ作家の方はみんなどこか一癖ある気がします。この本の作家倉知淳さんもその一人ではないでしょうか。
(そして佳作が多いけど寡作・・・)
猫丸先輩という稀有なキャラクターを世に送り出してくれてありがとうと言いたいです。
短編連作集なので、一話づつでも楽しめますが、全体はつながっているといってもいいでしょう。
私は最後のオチでちょっとガーンとなってしまいました。ぜひ読んで確かめてください。
(そして佳作が多いけど寡作・・・)
猫丸先輩という稀有なキャラクターを世に送り出してくれてありがとうと言いたいです。
短編連作集なので、一話づつでも楽しめますが、全体はつながっているといってもいいでしょう。
私は最後のオチでちょっとガーンとなってしまいました。ぜひ読んで確かめてください。