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変人島風物誌 (創元推理文庫 M た 2-1) 文庫 – 2000/10/1

4.8 5つ星のうち4.8 7個の評価

我利我利亡者の地主、不気味な絵を描く洋画家、弾けなくなった天才ピアニスト、元博徒の顔役、腺病質な少年、書かない小説家……といった人々が住む孤島“変人島”に続発した事件の犯人は? 本格仕立ての『変人島風物誌』と、冒頭にプロローグとエピローグを並列、連作風の構成が粋なユーモアミステリ『私の愛した悪党』を併せ収める。

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東京創元社 (2000/10/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2000/10/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 491ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4488429017
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4488429010
  • カスタマーレビュー:
    4.8 5つ星のうち4.8 7個の評価

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多岐川 恭
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上位レビュー、対象国: 日本

2011年4月28日に日本でレビュー済み
本作は、著者には珍しい長編の本格ミステリである。
いや、一癖も二癖もある著者のことだから、本格ミステリのパロディという感じかもしれない。
とにかく、孤島ものという本格ガジェットに則って、徹底的に本格ミステリに必須の遊び心を満載した作品だ。

私の初読は桃源社版だった。
高校生時代に読んで、その本格テイストの濃さに、著者を見直したものだった。
その後、著者の作品はいくつか読んだが、本作を越える本格テイストのものには出会っていない。
さまざまな書評サイトでは、本作のアンフェアな部分が指摘されたりしている。
それを探しながら読む、というのも一つの楽しみ方だろう。
このアンフェアさも、本格ミステリに対するアンチテーゼというよりは、著者の遊び心である。
いずれにしても、著者の意図したことである。

著者が、ミステリ作家のなかでは比較的文学寄りの、格調の高い文章の作家であることは、周知のことである。
しかし本作は、本格ミステリを十分に意識した、読みやすいというか、ある意味ではファルスとでも言えるような柔らかい表現を、意図して使用している。

他の多岐川作品の読者には、レベルの低い作品のように見えるかも知れない。
だが、それは著者の計算であり、本格ミステリにおける著者の遊びの一つなのである。
だから、他の多岐川作品の読者ほど、本作を楽しめるんじゃないかと思う。
そして、著者の本格ミステリに対する意識も、本書から読み取れるのである。

独特の雰囲気を持った、本格テイストをまとったミステリである。
ノンアルコールビールがビールではないように、本作も本格ミステリか?とマニアックに問われたら、否定するかもしれないが。
2004年7月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み返してみると気づきもしなかった伏線が多いこと多いこと。それが物語りでの盛り上げとして、しっかり機能している恐ろしささえ感じてしまいます。表題作の本格としての上手さと滑稽さ、「私の愛した悪党」での恋愛小説としての面白さ!最高です。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2006年4月13日に日本でレビュー済み
 『私の愛した悪党』(講談社,1960年)と『変人島風物誌』(桃源社,1961年)の2つの長編ミステリを一冊にまとめたもの。著者は1950-60年代に活躍したミステリ作家(のち時代小説に転向)で、ミステリ読者の間では長らく忘れられた存在であった。それを掘り出して読めるようにしたのが本書。

 あまり期待していなかったが、なかなか面白かった。ユーモア小説と本格ミステリが混ざったような味わいで、トリックにも見るべきものがある。ただ、小粒なトリックには切れがあるのだが、全体のプロットは弱い。最初から答えを見せてしまうような語り口もミステリには向かなかったのかも知れない。

 人情咄の色合いの濃い『私の愛した悪党』が気に入った。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2006年1月22日に日本でレビュー済み
多岐川恭の作家デビューはミステリ、『濡れた心』では江戸川乱歩賞を受賞しているということは知っていましたが、そのミステリ作品は品切れ絶版のものが多くて読みたくてもなかなか読めないまま、時代小説は何作か読んだことがあったのですが、作者のミステリはこれが初めてでした。で、驚きました。なんでこんなにおもしろいミステリがずっと品切れ状態だったのかと。

本書は『変人島風物誌』と『私の愛した悪党』の二長編を収録、片や冒頭でフェアプレイを宣言、変わり者たちの住む島でおこった連続殺人を扱った本格ミステリ、片や赤ん坊の時に誘拐された娘が二十年後に帰ってくることにからんだ殺人事件をユーモアあふれる筆致で描いた佳品、どちらも楽しめ大満足、なかなか読めないなどと言ってられない、何としてでも読んでみたいミステリ作家がまた一人増えました。

と、ほめたところでミスを一つ。『変人島風物誌』のはじめに島の地図がついていて、そこに変人たちの家の位置が示されているのですが、島の大地主で一番の変人の家が抜けている。ミステリの中身とは直接関係のないところではありますが、細かいところにも気を配ってもらいたいものです。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2003年6月19日に日本でレビュー済み
 怪しい登場人物が奏でるレクイエムが悲しい表題作もなかなかだが、「私の愛した悪党」がいい!しみる。純朴な女と、大人の男(二人とも若いのだが)の美しい交流。ああ、粋だなあ…今の日本では、こんな男女は滅びてしまっているので余計にせつねーなあ。こういうのを、〈涙が出るような恋愛小説〉と呼びたくなる。人物造形が素晴らしく、惚れ込んでしまう1冊。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年7月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
変人島風物誌 ☆☆☆☆☆

変人の多く住む瀬戸内海の小島で起きる連続殺人事件。

本作も小気味よい文章で読みやすい。

氏の作品群の中では、本格ミステリ度が高く、密室トリック、ミスディレクション、伏線・手がかり、意外な犯人など、テクニックもしっかりしている。

作者の前書きにある通り、フェアプレイに則っていると感じた。

かといって、ガチガチの本格といった堅苦しい印象はない。

適度なユーモアを醸し出しながら、信用できない語り手、書けなくなった小説家、弾けなくなったピアニスト、アバンギャルドな作風に転じて迷走する画家など、多彩な登場人物を書き分けている。

また、それぞれの登場人物の心理の掘り下げも深く、錯綜するそれらが解決編に密接に結びついている。

複雑なストーリーをコンパクトにまとめあげた傑作です。

私の愛した悪党  ☆☆☆☆☆

第一部にプロローグとエピローグを配置し、第二部でその間に起こった出来事を描く。

紹介文には「ユーモアミステリ」と銘打たれているが、殊更ユーモアに重点を置いているようには思えない。
むしろ、適度に配分されているといった印象。

本作は、ユーモア、サスペンス、ロマンス、謎、推理、トリックを絶妙に配合し、卓越したストーリー運びで魅せる。

今読んでも十分に面白いミステリの逸品です。