作者あとがきで、「『皇帝のかぎ煙草入れ』のような作品」と書かれていたので、共通項を探しながら読んだが、心理的なトリックが用いられていることを指しているのだろうか。「皇帝のかぎ煙草入れ」で使われている、あのトリックが形を変えて使われているのかと思ったが、そうでもなく、騙し方としては叙述系と感じた。トリックよりも、第9章で百世が気付いたことの方が類似性があるように思った。
推理の鍵となる重要な事実が後の方で明らかとなるため、読者が推理する余地は少ないが、犯人のアリバイトリックの手法、冒頭部分の記述における錯誤、絵里子の遺書と日記帳に関する真相、伏線の忍ばせ方など、数々のアイデアが盛り込まれていて、ミステリーとして、充実した内容を持っていると感じた。ただし、真相の衝撃度は少なく、あっさりとしているので、あまり騙された感じはしない。
選手や監督の不祥事ならいざ知らず、後援会の会長の不祥事ぐらいで謹慎処分になったりするだろうかと疑問に思った。
(ネタバレ)
「皇帝のかぎ煙草入れ」との類似点として、犯人が本来知らないはずのこと(日記帳の赤いカバーのこと)を証言し、発覚したことが挙げられると思う。
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空白の殺意 (創元推理文庫) 文庫 – 2006/2/10
中町 信
(著)
甲子園行きを目指し熾烈な闘いをくり展げている学校同士の醜い争いが、殺人事件に発展……!? トリック・メーカーの著者が、密かな自信を持って読者に仕掛ける巧妙なワナ。
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2006/2/10
- ISBN-104488449034
- ISBN-13978-4488449032
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2006/2/10)
- 発売日 : 2006/2/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 320ページ
- ISBN-10 : 4488449034
- ISBN-13 : 978-4488449032
- Amazon 売れ筋ランキング: - 29,633位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 134位創元推理文庫
- - 152位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
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2014年3月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自動車教習所・・・・から比べると現実感が足りず、人物の色分けが良くなくて、節角の面白い題材が活かされませんでした。この作品はなぜかデツサン力に乏しくて読むのに骨が折れました。
2008年10月28日に日本でレビュー済み
1980年にトクマ・ノベルズから『高校野球殺人事件』として出たものの改題・復刊。
東京創元社から復刊されているシリーズの第3弾だが、前作までとは違って、あっと驚くようなトリックは仕掛けられていない。それなりに意外性はあるものの、どちらかというと堅実なタイプのミステリであった。まあ、それなりに楽しめる作品といえるのではないだろうか。
『天啓の殺意』、『模倣の殺意』はトリックは良いものの、無味乾燥な文章に飽き飽きさせられたが、それが本書では文章が改善されている。どちらが望ましいのかは良く分からないが。
それにしても、高校野球というのはひどいものだ。大人の勝手な欲望と理想が、球児たちに押しつけられている。そのあたりの描写は社会派っぽいのかな。
東京創元社から復刊されているシリーズの第3弾だが、前作までとは違って、あっと驚くようなトリックは仕掛けられていない。それなりに意外性はあるものの、どちらかというと堅実なタイプのミステリであった。まあ、それなりに楽しめる作品といえるのではないだろうか。
『天啓の殺意』、『模倣の殺意』はトリックは良いものの、無味乾燥な文章に飽き飽きさせられたが、それが本書では文章が改善されている。どちらが望ましいのかは良く分からないが。
それにしても、高校野球というのはひどいものだ。大人の勝手な欲望と理想が、球児たちに押しつけられている。そのあたりの描写は社会派っぽいのかな。
2006年3月7日に日本でレビュー済み
ミステリーファンには
『高校野球殺人事件』
として記憶されているであろう作品です。
無用に高尚そうなタイトル(初出時に戻しただけなのだが)より、
『高校野球殺人事件』のバタくささがいいと思うんですが…。
甲子園出場に向けてのあれやこれや、
それに高野連の圧力、連帯責任、自粛などのキーワードは、
初出時から25年を経た現在でも相も変わらず新聞やテレビを賑わしています。
様々なタイプのトリックを盛りだくさんに放り込んだ作品で、
他の作品のような薄っぺらさもないし、
さすがは作者のイチオシだけはあります。
『高校野球殺人事件』
として記憶されているであろう作品です。
無用に高尚そうなタイトル(初出時に戻しただけなのだが)より、
『高校野球殺人事件』のバタくささがいいと思うんですが…。
甲子園出場に向けてのあれやこれや、
それに高野連の圧力、連帯責任、自粛などのキーワードは、
初出時から25年を経た現在でも相も変わらず新聞やテレビを賑わしています。
様々なタイプのトリックを盛りだくさんに放り込んだ作品で、
他の作品のような薄っぺらさもないし、
さすがは作者のイチオシだけはあります。
2006年4月28日に日本でレビュー済み
過度の期待は禁物。正直、今回の叙述トリックは、程度の低いギャグを聞かされたような感じです。作者一番のお気に入りだそうですが、やはりどの世界でも、つくり手と客の評価のギャップはあるもんですね。