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秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) 文庫 – 2009/3/5

4.6 5つ星のうち4.6 416個の評価

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ぼくは思わず苦笑する。去年の夏休みに別れたというのに、何だかまた、小佐内さんと向き合っているような気がする。ぼくと小佐内さんの間にあるのが、極上の甘いものをのせた皿か、連続放火事件かという違いはあるけれど……ほんの少しずつ、しかし確実にエスカレートしてゆく連続放火事件に対し、ついに小鳩君は本格的に推理を巡らし始める。小鳩君と小佐内さんの再会はいつ? 解説=辻真先
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商品の説明

著者について

米澤穂信
1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞してデビュー。青春小説としての魅力と謎解きの面白さを兼ね備えた作風で注目され、『春期限定いちごタルト事件』などの作品で人気作家としての地位を確立する。11年に『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞、14年『満願』で第27回山本周五郎賞、21年『黒牢城』で第12回山田風太郎賞、翌年には同作品で第166回直木賞を受賞。他の著書に『さよなら妖精』『犬はどこだ』『追想五断章』『王とサーカス』『真実の10メートル手前』『本と鍵の季節』『米澤屋書店』などがある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東京創元社 (2009/3/5)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/3/5
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 242ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4488451063
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4488451066
  • カスタマーレビュー:
    4.6 5つ星のうち4.6 416個の評価

著者について

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米澤 穂信
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米澤 穂信(よねざわ・ほのぶ)

1978年岐阜県生まれ。2001年、第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞を『氷菓』で受賞しデビュー。11年『折れた竜骨』(東京創元社)で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』(新潮社)で第27回山本周五郎賞を受賞。『満願』、15年刊の『王とサーカス』(東京創元社)はそれぞれ3つのミステリ・ランキングで1位となり、史上初の2年連続3冠を達成。

(本データは「いまさら翼といわれても 「古典部」シリーズ」が刊行された当時に掲載されていたものです。「BOOK著者紹介情報」より)

カスタマーレビュー

星5つ中4.6つ
5つのうち4.6つ
416グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2022年8月28日に日本でレビュー済み
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米澤穂信は初読みの作家さんでこの本の前に氷菓を読んでみた所よかったので他の本も読んでみたいと思い購入しました。
2019年12月11日に日本でレビュー済み
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最高だった。
栗きんとん食べたくなった。
優しくて暖かい青春本格ミステリー。
ここまで読んだ方は恐らく皆米澤ファンではないかと思うので内容については敢えて触れません。やっぱり最高ですね。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年8月20日に日本でレビュー済み
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謎解きにとり憑かれた小鳩くんと、復讐を愛する小佐内さんの活躍を描く〈小市民シリーズ〉第三弾。
解決編の下巻です。

あるイギリスの作家は「誘惑を追い払うただひとつの方法、それは誘惑に従うことだ」という言葉を残しました。本巻で小鳩くんと小佐内さんのたどり着いた結論は、まさしくその言葉どおりのもの。謎解きと復讐というそれぞれが抱える「業」は逃れえないものであり、だからこそ、それらを抑圧するのではなく受け入れるべきなのだ、とふたりは長い長い迂回をしてようやく悟ります。

作中で対比される「栗きんとん」と「マロングラッセ」。「そのままではえぐい栗を、誰もが愛するお菓子にするための方法論」という、ふたつのお菓子に込められたメタファーとはどのようなものか。そしてタイトルに選ばれたのは「マロングラッセ」ではなく「栗きんとん」なのはなぜか。遊びごごろある謎かけは、おいしくもありましたが、えぐみを感じさせるものでもありました。

次作がシリーズ最終巻だと思われますが、ふたりの「業」の深さの相違が最後にどのような結果を生むのでしょうか。小鳩くんの謎解きに対する愛と、小佐内さんの復讐に対する愛とは、ともに傲慢さとナルシズムにもとづいており、一般的な倫理観に頓着しない点で一致しています。
しかしながら決定的に異なる点があります。小鳩くんは一般的な倫理観に反する他者の行為を黙認したとしても、あえて自らがそれを犯すことはないでしょう。一方、小佐内さんは内なる欲求を満たすためであれば、道徳観念から逸脱した行為も辞さないはず。
前作では、その相違がふたりの離別に帰結しましたが、はたして今度はどうなるのか。楽しみにして待ちたいです。

また〈小市民シリーズ〉の第1、第2作は以下のタイトルで出版されていますが、タイトルどおり、おいしそうなスウィーツがたくさん登場するので、お腹が空くこと請け合いです。

第1作 春期限定いちごタルト事件
第2作 夏期限定トロピカルパフェ事件
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年5月6日に日本でレビュー済み
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僕は小佐内さんと小鳩君のコンビが大好きです。
 それだけにこの巻での瓜野君の顛末には正直笑ってしまいました。いや性格が悪いのは分かっているのですが、それでもこらえきれなかった。
彼は連続放火事件を通して「何かを成したい」と必死になっています。まあやり方はともかく、努力はしています。普通の青春小説なら彼が主人公でも違和感は無いでしょう。しかし、そこは米澤作品。そんなテンプレの筈がありません。何といっても彼が良いところを見せたい「彼女」はあの小佐内さんなのですから。そして「彼」もいるのですから。
 そして彼は自分が小市民であることを思い知らされます。彼は小市民でした。高い能力は持たないかわりに埋没しようと思えばいくらでもできます。しかし、小佐内さんは違います。埋没しようとしても叶わないある種の怪物です。瓜野君の不幸は彼女が高い能力と自意識を併せ持っていたことでしょう。仮に能力だけだったら? 自意識だけだったら? 案外上手くやれたのではないでしょうか。
 僕は小鳩君、小佐内さんの共通点は「能力と自意識がとにかく高い」事だと思っています。ゆえにこそ彼等は不幸なのです。能力が高いからといって浮くとは限りません。自意識が高すぎるだけなら必ず失敗し、埋没するでしょう。しかし両方が揃っていたら?能力を縦横無尽に使うでしょう。失敗したとしても、大抵の人よりは有能なのです。再チャレンジするなと言う方が無理な話です。こんなやつらが埋没できるわけがない。結局は突出せざるを得ない。
 小市民シリーズは推理パートよりむしろそのあたりのせめぎ合いが面白いのではないかと思います。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年2月20日に日本でレビュー済み
何ともはや。他の異性とお付き合いを始めた、小鳩君と小佐内さんが、再び交際を始める予定調和ストーリー。しかし、復讐鬼小佐内さんが、「チョロイ」と言ってのけた、年下の彼氏に対する仕打ちが強烈だった。

  自らを犯人だと誤解させるべく、周到に罠をめぐらせ、彼氏のみならず、読者も欺いた小佐内さん。結局、全ては彼女の掌の上で遊ばれていただけか。読者としては、見事な手管に感心してれば良いが、彼氏の方は、完璧にメンタルをやられたこと事だろう。これもキスをしようとした報いか。

  やはり小鳩君でなければ、彼女の相手は務まらない。そう納得させてくれる、小佐内さんの復讐鬼ぶりを楽しむ下巻であった。彼女に騙されるのが快感。
2021年5月30日に日本でレビュー済み
米澤穂信さんは短編でも長編でも傑作を書きますが、今作はシリーズものの長編でしか出せない読後感が痺れます。

ベストではないが、ベターである
上下巻と読み進める中で否応にも納得させられる。
明示していないのに、小鳩くんも小山内さんも、普段と異なる相手への退屈さが滲み出ていて、それが上下巻と積み重なってからの最後のオチ、最高です。

マロングラッセと栗きんとんと対比のくだり
甘すぎます。。。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年6月29日に日本でレビュー済み
連続放火事件を追っていた新聞部新部長の瓜野君。
物語は彼目線で語られる事も多く、本書の準主役と言ってもいい人物。

しかし、事件解決後、彼がどうなったのかは一切書かれていない。
それが不満。
あんなに必死になって事件を追っていたのに、最後にあんな事になって彼のメンタルは大丈夫なのだろうか?
なんか気の毒になってしまった。

小山内さんと小鳩君の事より、瓜野君のその後の方が心配で気になる。
2015年10月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
復活。
単語一つで表すならそういう話です。

瓜野君は実力以上の過信があったとはいえ、実力自体はそこまで低くはなかったでしょうが、小鳩君と小佐内さんという曲者二人の前では『他愛ない』存在に過ぎなかったのでしょう。
この二人どころか放火魔よりも格下だったわけですし。しかし読み返すとこの放火魔、何気にかなりエグい。
仲丸さんも、小鳩君と付き合うには『普通』すぎたのでしょう。

なんとなく西尾維新の『不気味で素朴な囲われた世界』を思い出す話でした。
ここで完結でも違和感はないですが完結編を楽しみにしています。
しかし復讐の決定打がキス未遂は気の毒だけど笑った……w
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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