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誰もわたしを倒せない (創元推理文庫) 文庫 – 2006/10/24
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2006/10/24
- ISBN-104488465013
- ISBN-13978-4488465018
登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2006/10/24)
- 発売日 : 2006/10/24
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 272ページ
- ISBN-10 : 4488465013
- ISBN-13 : 978-4488465018
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,475,300位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,849位創元推理文庫
- - 6,905位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1970年京都で生まれ、大阪で育ち、現在は兵庫県に住む生粋関西人。
京都大学工学部精密工学科卒業。現在は某書店に勤めながら執筆活動中。
三度のメシも好きだが、格闘技観戦も好き。「格闘技ミステリ」という趣味に走りまくった作風のため、とにかく本が売れない。
デビューのきっかけは、勤めていた書店で北村薫さんのサイン会があり、北村さんや有栖川有栖さんを世に送り出した名編集者・戸川安宣さん(当時東京創元社社長)と知り合ったこと。
当時、高田ヒクソン戦に着想を得、生まれて初めて書いた短編ミステリ「誰もわたしを倒せない」を戸川さんに送りつけるというきわめて乱暴かつ無礼なことをしでかし、しかしなぜか気に入ってもらえて、「続きを書きなさい」と励まされ、数年かかってひねり出した連作短編集「誰もわたしを倒せない」(現在は創元推理文庫収録)でデビュー。
その後さらに数年かかって初長編「死闘館 我が血を嗣ぐもの」(東京創元社)、「ガチ! 少女と椿とベアナックル」(原書房)を上梓。また、伊坂幸太郎さん、道尾秀介さんらと競作したアンソロジー「蝦蟇倉市事件」(東京創元社→現在は「晴れた日は謎を追って がまくら市事件」として創元推理文庫に収録)にうまく潜り込み、おいしい気分を味わう。
現在、格闘技ネタ抜きの長編にチャレンジ中。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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残念なのは、私がまったくプロレス/格闘技に興味が無いことで、アイデアを支える肝心のプロットにあまり興味を持って読めなかったことです。
単に○○を舞台にしたというその他多数の作品に比べると、プロットとアイデアの融合度など高いレベルで実現していると思うので、プロレス好きの人が読めばもっと楽しめるのではないでしょうか。
プロレス、格闘技界を舞台にしたミステリーではあるが、ミステリーの謎そのものより、作者が問いかけたかったのは「世界最強とは何なのか?」という事だろう。
登場人物のプロレスラー、格闘家は、例外なく「世界最強」という言葉に妄執している。
それが殺人の動機となったり、トリックの伏線となったりしている。
全ての格闘家、格闘技ファンが一度は抱く「世界最強幻想」。
本書はその「世界最強幻想」に対する一つのアンチテーゼにもなっている。
プロレス、格闘技ファンにはたまらない一冊になっている。
4つの短篇+αからなる連作短編集。
プロレスの世界から題材を取った、珍しいミステリ。この世界ならではのトリックや仕掛けが活きていて、読み応えのある一冊だった。
それにしてもどんでん返しのつくりかたが上手い。しかも、話そのものに巧みに織り込まれているから、「おおっ」と驚かされる。この部分だけ取れば、超一流の域に達していると思う。
一方で一冊を通してのトリックが平板だったり、肝心なところでガッカリするようなオチがあったりと、まだまだ成長の余地も。見守っていきたい作家のひとりだ。
ただ、一発屋のような気がしないでもないような。
ちなみに、プロレスについて何も知らない私でも楽しめるくらい、解説・蘊蓄が盛り込まれており、読者に親切であった。
こう書くと、汗臭く、血腥い大味な小説を想像しますが、実際には緻密に構成された連作ミステリとして成立していて、驚きます。たとえば、第3話の冒頭の妙に詩的な文章とかも、ちゃんと狙いがあって書かれているのです。
1話1話で完結する各話には、密室殺人あり、叙述トリックあり、とミステリのさまざまな技巧が仕掛けられている。そして最終話の最後ですべてがつながって、真相が明らかになる。
格闘技おたくの若い刑事と、コンビを組むベテラン刑事など、味のあるキャラクターが結構いるのですが、彼らを惜しげもなく脇役に置き続ける(思ったより出番が少なく、活躍もしない)あたり、この筆者は<本格ミステリ>が書きたいんだろうなあ、と思いました。
興味がある人は、プロ野球界を舞台にした水原秀策のミステリ小説「サウスポー・キラー」と読み比べてみると面白いと思います。あちらは<ハードボイルド>が書きたいというのが伝わってくる作品です。
<八百長か、本気か>という命題を抱えるプロレス界や、巨額のお金が動くがゆえに怪しい部分があるプロ野球界(最近、暴かれつつありますね)など、一般人にとって闇の部分が多い世界は、実はミステリの題材にもってこいなのかもしれません。
個人的には、トリックを成立させるためだけに筆者が生み出した奇形の建物の中で毎回殺人事件が起きる・・・・なんてミステリよりは、よっぽどこういう現実世界に近い作品のほうが興味があります。
書き込まれたディーテール、精密な筆致、張り巡らされた複線、どんでん返しの妙。
個々の短編のトリックはもう一つですが、
連作短編として構成された全編の精緻さは見事です。
寡作な作者ということですが、この後上梓される作品、
一つ一つが待ち望まれる作家になりそうです。