ある匿名の人物(たぶん著者)が手に入れた函からその函の持ち主だったと思われる人物の来歴が小説の体裁で語られるというお話。まず驚異的なのはその擬古典調ともいえる文体で、まるで18世紀か19世紀の人が書いたのではないかと思わずにはいられない程の凝り方で、よくここまでできるなと感心してしまう程でどうしたらここまで出来るか著者に聞いてみたくなりました。しかもこの手昔の小説だと大概抽象的で読みにくくなりがちですが、もの凄く読みやすく、そのリーダビリティーにも感心させられました。話の中心の一つのエロっぽい部分には賛否が分れそうですが、別の方のの機械工学や博物学にかかわる部分は万人に向けて面白く読めると思いました。
これが新人のデビュー作とはとても思えない圧倒的に面白い物語。2,3回読むのが待ち遠しい作品です。
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驚異の発明家の形見函 上 (創元推理文庫 F カ 1-1) 文庫 – 2007/6/1
- 本の長さ355ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2007/6/1
- ISBN-104488519024
- ISBN-13978-4488519025
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2007/6/1)
- 発売日 : 2007/6/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 355ページ
- ISBN-10 : 4488519024
- ISBN-13 : 978-4488519025
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,117,717位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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2011年10月21日に日本でレビュー済み
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2005年8月16日に日本でレビュー済み
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「物語」としての面白さがぎっしりつまった小説です。
18世紀ヨーロッパという舞台、魅力的な主人公の成長物語、個性的な脇役たち。
映画好きの方にもお勧めです。「天井桟敷の人々」「レッド・バイオリン」「薔薇の名前」などにはまった人は絶対楽しめると思います。
翻訳はややくだけすぎの部分もありますが、おおむね読みやすいです。
姉妹編の「形見箱と王妃の時計」はメイキングものの楽屋落ち的なストーリーであまり面白くありません。
18世紀ヨーロッパという舞台、魅力的な主人公の成長物語、個性的な脇役たち。
映画好きの方にもお勧めです。「天井桟敷の人々」「レッド・バイオリン」「薔薇の名前」などにはまった人は絶対楽しめると思います。
翻訳はややくだけすぎの部分もありますが、おおむね読みやすいです。
姉妹編の「形見箱と王妃の時計」はメイキングものの楽屋落ち的なストーリーであまり面白くありません。
2003年5月12日に日本でレビュー済み
実はあらすじを読んでもっと常軌を逸した神がかり的な人生譚を期待していたのだが、後半、波瀾万丈さがちょっとおとなしめになってしまったのが星ひとつ減点の理由。だけど奇妙な寓話の積み重ねは、久々に『百年の孤独』的なわくわく感を楽しめた。いやもちろん、そんなに《魔術的》ではないけれど。