ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」と同じ1897年に出版され、当時は「ドラキュラ」よりもベストセラーになった怪奇長編小説。
しかし、今や「吸血鬼ドラキュラ」は闇の貴公子としてはこの世界で誰も知らないものはいない存在になりましたが、本書はすっかりマイナーな存在になってしまいました。もっとも、ドラキュラだって、ドラキュラを知らない人はいなくても、そのほとんどは原作を読んでいないでしょうが・・・。
本書はドラキュラ伯爵のような強烈な妖怪は存在せず、終始不明瞭な存在として描かれます。その不明瞭さが本書の名声にはあだになったのかもしれませんが、ドラキュラがあまりに有名になり、いささか食傷気味になっている今読むと、その正体不明さがかえって魅力的です。
物語に古さを感じるものの語り口は詳細に入っていても、シャーロック・ホームズものをイメージすれば読みやすいです。それに古さも主人公のひとりが宴の席で女性に自分が軍事用の殺人ガスの開発に関わっていることを自慢そうに嬉々として語るようなところなど、時代の違いやその奇異さを楽しむこともできましょう。
追記：
イギリスのWordsworth者の２００７年度版のペイパーバック版の表紙にはミヤマクワガタが描かれていて、日本人だったら絶対違和感ありあり。Beetleは黄金虫のような形をした昆虫の総称のようで、広義にはゴキブリもbeetleに入るようです・・・。
Kindle版には蟻とゴキブリの合いの子ような怪物が描かれてて、怪しい・・・。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
