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影の棲む城 上 (創元推理文庫 F ヒ 5-4) 文庫 – 2008/1/1

4.7 5つ星のうち4.7 14個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東京創元社 (2008/1/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/1/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 373ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4488587046
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4488587048
  • カスタマーレビュー:
    4.7 5つ星のうち4.7 14個の評価

著者について

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ロイス・マクマスター・ビジョルド
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カスタマーレビュー

星5つ中4.7つ
5つのうち4.7つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2011年9月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「チャリオンの影」の続編です。
中世ヨーロッパを思わせる異世界を舞台にした、ロイス・マクマスター・ビジョルドのファンタジー作品、「五神教シリーズ」の第二弾になります。

「影の棲む城」は、前作「チャリオンの影」の時代から3年後のお話で、話の流れが続いています。
読む場合は必ず「チャリオンの影」を読んでからにしましょう。そうしないと、話の流れが分からないです。

「チャリオンの影」に出ていた登場人物の多くが共通して出てきます。
ただし、前作で中心的な役割を果たした人たちは、今回は一切ストーリーに絡みません。
ですから前作を読んで、登場人物に思い入れを持って「続編を読みたい」と今作を手に取ると、肩すかしを食らいます。
ストーリはつながっていますが、作品としては別だと思って読んだ方が良いでしょう。
「影の棲む城」は、ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞という SF大賞3つを受賞した傑作です。
ただ、前作の主要人物たちが活躍しないので、そこに物足りなさを感じる人が多いかもしれません。

前作の主人公はくたびれているとは言え、三十代半ばの男性でした。
男性読者にとってはすんなりと感情移入でき、とても楽しめる作品になっています。
今回は、四十代前半の中年女性(イスタ)が主人公です。
なんだかロマンスも期待できそうにない配役ですよね。
「影の棲む城」は間違いなく傑作ですが、男性読者の場合は前作「チャリオンの影」の方が面白いと感じるかもしれません。
逆に、女性読者だと今作の方が面白く感じるはずです。

上巻では最初「巡礼の旅」という感じで、割とのどかに話が進みますが、途中でイスタ不可思議な夢を見始めます。
また、神がちょっかいを出してきているんじゃあるまいか。イスタは嫌な予感を覚えます。
さらに政情不安なご時世ということで、敵性国の軍事作戦に巻き込まれてしまいます。
とろがそれは単なる軍事作戦ではなくて、前作の呪いとも関係する(不思議な夢とも関係する)、五神と人間世界との因縁に関わるトラブルだったのです。
イスタは否応もなく、トラブルの解消をせざるを得なくなる、という感じで下巻のレビューに続きます。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年3月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 内容は他の方のレビューにお任せしますが、前作では30半ばの
男性が主人公でしたが、今作に至っては40歳の子供2人を生んだ女
性が主人公です。もっと簡単に若い男女を主人公にしても良いのに、
敢えてけれんみの無い作品に仕上げられています。

 単なるファンタジー小説としても十分面白いです。しかし、単
なるファンタジー小説では再読に耐えないものも少なくありませ
んが、この作品は再読に耐え得る奥深さを持っています。

 主人公と同年代の者から言わせていただくと、まだ若い方が読んで
も、この作品の良さ(主人公の心理の動き・意味等)を十分には判ら
ないと思います。若い方は是非、自分が主人公の年齢近くになったら
再読することをお勧めします。

 きっと新しい発見があると思います。

 軽くすいすい読めるような本ではありませんが、読む価値のある本です。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年3月27日に日本でレビュー済み
チャリオンを蓋っていた呪いは忠実な家臣カザリルによって取り払われ、愛娘イセーレは国主になるとともにイブラ国子を婿に迎えたが、イスタ国太后の心は晴れない。
今は亡きアイアスは立派な国主だったかも知れないが誠実な夫であったとは言えず、19歳でチャリオンに嫁いでから40歳を迎えるこの年まで、彼女の半生は呪いと義務に縛られたものだった。
故郷のヴァレンダで廷臣や女官達に囲まれてはいるものの、母親の最後を看取った今ではイスタを真に理解する者はなく、このまま宮廷の中で朽ちていくのかと思うと居たたまれなくなる。
意を決したイスタは、周囲の反対を押し切って巡礼の旅へ出ることにした。
その身分からすれば供は僅かであるものの、安全には充分配慮された旅程のはずだったが・・・

イスタにとって「巡礼」は名目上のことで、ヴァレンダを離れるために用意した尤もらしい口実なのだが、神々に対して恨み骨髄に達している彼女のことだから、巡る先々の聖地に唾を吐きかけるぐらいのことは計画していたのかも知れない。
イスタ一行はチャリオンと敵対するジョコナ公国の軍隊と遭遇してしまうのだが、間もなくボリフォルス郡侯アリーズ率いる一隊によって囚われの身から救われることに。
旅の途上、イスタの夢の中で彼女に助けを求める謎の男性(with 小鳥)が幾度か現れていることもあり、ここからロマンスに発展してイスタが精神的に救われれば物語の王道というところなのだが、ボリフォルズの砦に案内されたイスタは、そこでアリーズから彼の妻カティラーラ(18歳の美少女)を紹介される。
その存在と惚気癖によってイスタと読者に深刻なショックを与えるボリフォルス郡妃だが、彼女のアリーズに対する一途な思慕の情は予想外に大きな呪いをボリフォルスに、引いてはチャリオン国に及ぼそうとしていた。
一種の逃走であった巡礼の旅の目的は庶子神の介入によって一転し、今再び呪いへ立ち向かうことをイスタに求めるが、彼女は過去にもチャリオンから呪いを取り除くべく尽力し、意図せぬ事ながら殺人という苦い結果に終わっている。
砦の外で行われる血肉の戦いに並行して描かれる、魂を相手にしたイスタの戦いは、彼女の深い葛藤とともに大きな見所だろう。
軽々に神が顕現するファンタジーはチープに感じられるものだが、人に働きかけることでしか力を及ぼせない<五神教>の神々は、見方によってはリアルな存在と言える。
また、異世界ファンタジーには国家や世界全体を巻き込む壮大なものが多いが、そのような目で見ると本書で描かれるのはさして重要とも言えない一地方の城砦の防衛戦に過ぎず、国太后という高貴の身分とは言えどもイスタはチャリオンの歴史上では脇役であり、更に定石から外れた中年の主人公でもある。
舞台としての異世界や架空の歴史を入念に整備しつつも、それへ執着することなく、背景を持った主人公を活かすべく比較的小規模な時間/空間の中で物語を展開させた定石破りは、結果として前作以上にのめりこませる効果を生み出している。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年2月6日に日本でレビュー済み
物語は、イスタ・ディ・チャリオン(チャリオン国太后)が、
半ば幽閉状態のヴァレンダ城暮らしを、疎ましく思って、
抜け出して、巡礼の旅に出ようとするところから始まります。
なぜ幽閉状態なのかは、シリーズ前作に詳しいようですが、
前作を読んでいない僕にも、この本を読み進めばわかります。
その意味では、しっかり独立した作品と言えるでしょうし、
それとなく前作を匂わせる進み具合も、興味深いのです。

そして始まるイスタの冒険は、中世を思わせる架空の舞台で、
城壁都市の様子や、その間を繋ぐ森や街道の様子など、
過不足なく描きながら、全体としてのバランスも実にいい。
しかもそれを読んでいると、次は必ず劇的な何かが起きる。
決して唐突でなく、しっかりと伏線を持った出来事が始まって、
その新しい出来事は、必ず古い出来事と繋がっているのを、
読者はイスタの思考と共に、納得して読み進めるのです。

波瀾万丈でありながら、かならずしも荒唐無稽ではない。
すべての出来事が、神の祝福と魔の虚無の間にあって、
その世界に気付きさえすれば、すべては繋がっているのに、
神の啓示を受けているイスタにさえ、それはなかなか見えない。
ましてほとんどの者は、何がどうなっているのかわからない。
それでも少数の人は、イスタと心を通わせることができて、
その信頼関係は、少しずつ広がっていくのがわかるのです。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年1月20日に日本でレビュー済み
購入前に色々な書評を見た感じでは前作『チャリオンの影』に劣るとのこと。
で、実際に購入し読んでみると……

さすが!!!

普通はシリーズとはいえスピンオフ(…と言えるかどうか分かりませんが)物は
前作が面白ければ面白いほど、前作の登場人物に出てくるキャラクターに思い入れが強いほど
作品の評価が低く、ストーリーも面白みが無くなる事が多い中、この作品は予想以上にぐいぐい読ませる傑作でした。
チャリオンの影で活躍した主要人物はほぼ名前のみの登場ですが、全く気になりません。
逆に、前作でそれほど詳しく描写されずにいたグーラ兄弟やルテス卿の事が仔細に語られ、
肝心のヒロイン、イスタも40歳中年(…と本文でしつこく記載/笑)とは思えないほど
生き生きと描かれており、ストーリーに引き込まれずにはいられませんでした。

第三部では五神教の神々が干渉する世界とはいえチャリオンから全く離れてしまうそうですが、更なる期待を持つことが出来そうです。

それにしてもビジョルドの才能もさることながら、それを生かす翻訳をしていらっしゃる
鍛冶靖子さんも素晴らしい!!
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年1月14日に日本でレビュー済み
 待ちに待ったビジョルドのファンタジー第二段がついに登場。
前作の主人公カザリルの境遇もすごかったが、今回のヒロインのイスタ(40歳!)のそれも
勝るとも劣らない。若くして政略結婚で国王の後妻となるが夫と死別し、先妻の子が即位してからは
周りから狂人とみなされ、自分の子供が王位を継いで実家で老母を看取った後
人生を振り返り、贖罪のための巡礼を思いつく。その旅の途中で亡夫の寵臣の子と出会うが・・・。
ビジョルド作品の主人公たちは決して運命には恵まれていない。前作のカザリルが病み上がりで
無職の中年男として登場したように。しかし主人公たちは決してあきらめたりはしない。
自分の才能や能力を生かして運命に抗い、自ら幸福をつかみとっていく。だからヒロインの境遇に
びびらず、是非この作品を手にとっていただきたい。読み始めたら止まらない面白さを保障します。
あと本作だけでも読めないことはないが、前作からの伏線などがあるので、そちらからどうぞ。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート