クトゥルフ作品に、ヒロイックファンタジー要素を加えた名作シリーズ。
46年前のシリーズとは思えない面白さで、特に今作ではクトゥルフの兄弟でありながら善なる神のクタニトと娘の存在が見事!
約100年前に二次創作を推奨したラブクラフトの素晴らしさを改めて感じる名作!
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幻夢の時計 (タイタス・クロウサーガ) (創元推理文庫) 文庫 – 2011/11/30
ブライアン・ラムレイ
(著),
夏来 健次
(翻訳)
神々の国エリシアへと戻るクロウからの申し出を受け、時空往還機で彼の地を目指すアンリ・ド・マリニーは、クロウとその恋人が〈夢の国〉でクトゥルー眷属邪神群の手によって虜囚の身となり、危機に面していることを知る。〈夢見人〉の血を引くド・マリニーは〈夢の国〉に潜入するが、二人が囚われていると覚しき街ダイラス=リーンは、すでに邪神ナイアルラトホテップの配下の巣窟と化していた……〈タイタス・クロウ・サーガ〉第3弾。
- 本の長さ285ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2011/11/30
- ISBN-104488589049
- ISBN-13978-4488589042
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2011/11/30)
- 発売日 : 2011/11/30
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 285ページ
- ISBN-10 : 4488589049
- ISBN-13 : 978-4488589042
- Amazon 売れ筋ランキング: - 759,152位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,486位創元推理文庫
- - 3,702位SF・ホラー・ファンタジー (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2011年12月26日に日本でレビュー済み
本書(ブライアン・ラムレイ著、夏来健次『幻夢の時計』東京創元社、2011年)はタイタス・クロウ・サーガの一作である。オカルト探偵のタイタス・クロウと盟友アンリ・ド・マリニーが夢の国を舞台に冒険を繰り広げるファンタジー小説である。
もともとクロウは現実社会のオカルト事件に取り組む探偵であった。それがシリーズを経ることで次第に邪神と戦う冒険活劇に進化していった。卑近な例を挙げると日常のドタバタを描く少年漫画が連載長期化により、バトル中心になっていくようなものである。
一方で少年漫画が往々にして人間社会を滅ぼす悪と戦うという形で風呂敷を広げ過ぎて破綻する傾向にある。これに対して『幻夢の時計』の構造はシンプルである。ド・マリニーは囚われた友クロウを救うために夢の国に向かう。クロウは連れ去られたティアニアを救うために怪物と戦う。戦う動機は明確であり、人類全体を救うというような変な気負いはない。
『幻夢の時計』は創元推理文庫に所収されているが、ミステリーの要素は乏しい。敵と味方は明確に線引きされている。真の敵は意外な人物というようなサプライズよりも、悪と戦う分かりやすさが色濃い。クロウは推理力を駆使して謎を解明する探偵ではなく、戦士である。それでも青さのあるド・マリニーとの対比では老練である。
『幻夢の時計』の特徴は夢の国の想像力豊かな設定である。それは一朝一夕に形成されたものではない。その土台は怪奇小説家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの小説世界から生まれたクトゥルー神話である。中盤の「グラント・エンタビーの述懐」は同じ著者の短編「ダイラス=リーンの災厄」と同一の出来事を扱っている。この舞台となった夢の国の港湾都市ダイラス=リーンはラヴクラフト『未知なるカダスを夢に求めて』に登場する。
人気作家は多作であることが多いが、それは過去の作品を放り投げて次々と新たな作品を生産していくことではない。過去の作品の中に新たな創作の芽がある。過去の作品を大切にすることが表現者として成功の道であることを示している。(林田力)
もともとクロウは現実社会のオカルト事件に取り組む探偵であった。それがシリーズを経ることで次第に邪神と戦う冒険活劇に進化していった。卑近な例を挙げると日常のドタバタを描く少年漫画が連載長期化により、バトル中心になっていくようなものである。
一方で少年漫画が往々にして人間社会を滅ぼす悪と戦うという形で風呂敷を広げ過ぎて破綻する傾向にある。これに対して『幻夢の時計』の構造はシンプルである。ド・マリニーは囚われた友クロウを救うために夢の国に向かう。クロウは連れ去られたティアニアを救うために怪物と戦う。戦う動機は明確であり、人類全体を救うというような変な気負いはない。
『幻夢の時計』は創元推理文庫に所収されているが、ミステリーの要素は乏しい。敵と味方は明確に線引きされている。真の敵は意外な人物というようなサプライズよりも、悪と戦う分かりやすさが色濃い。クロウは推理力を駆使して謎を解明する探偵ではなく、戦士である。それでも青さのあるド・マリニーとの対比では老練である。
『幻夢の時計』の特徴は夢の国の想像力豊かな設定である。それは一朝一夕に形成されたものではない。その土台は怪奇小説家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの小説世界から生まれたクトゥルー神話である。中盤の「グラント・エンタビーの述懐」は同じ著者の短編「ダイラス=リーンの災厄」と同一の出来事を扱っている。この舞台となった夢の国の港湾都市ダイラス=リーンはラヴクラフト『未知なるカダスを夢に求めて』に登場する。
人気作家は多作であることが多いが、それは過去の作品を放り投げて次々と新たな作品を生産していくことではない。過去の作品の中に新たな創作の芽がある。過去の作品を大切にすることが表現者として成功の道であることを示している。(林田力)
2011年11月30日に日本でレビュー済み
タイタス・クロウ・サーガ第三弾だが、タイタスが主役だったのは前作迄で、本作ではワトスン役だったアンリが主役。夢の国を舞台に、ランドルフ・カーターやクラネスも登場する他、著者の短編「ダイラス・リーンの災厄」もこの巻で完結。
タイタスは前作で若返っているが、「機械仕掛けの心臓」とあるのでサイボーグになっているのだろう。夢の国に悪夢を蔓延させようとするクトゥルーも悪夢の製造工場なるものを地下に作っているらしく、時空往還機と云い、ここに来て魔術的なものから機械技術的なものに比重が移っている。
それにしてもヒロインで旧神の女神ティアニアは、どうにも魅力に欠ける。役立たずで捕虜になるばかりだし・・・
タイタスは前作で若返っているが、「機械仕掛けの心臓」とあるのでサイボーグになっているのだろう。夢の国に悪夢を蔓延させようとするクトゥルーも悪夢の製造工場なるものを地下に作っているらしく、時空往還機と云い、ここに来て魔術的なものから機械技術的なものに比重が移っている。
それにしてもヒロインで旧神の女神ティアニアは、どうにも魅力に欠ける。役立たずで捕虜になるばかりだし・・・