SFには最近の面白い作品はあるけれど、古典SFにはまた別の楽しみがある。これはハインラインの未来史シリーズ。ハインラインが独自に作った未来の世界観に沿った作品のシリーズなのだが、1950年時点から見た未来ということで、ハインラインの未来予測も面白いけれど、50年代の人がどんな夢を見ていたのかという、振り返りならではの面白さもある。
また、ハインラインは他のSF作品もそうだけど未来や異星の社会制度や経済の予測、創作が面白い。『月を売った男』では、人類が月に行くことの経済的合理性をなんとか捻り出そうとする。人間が月に行くというのは夢としてはあるけれど、冷静に経済的合理性を考えた場合、ほぼない。もしかしたら何か科学的な発見があるかもしれないけれど、何兆もの資金とバランスが取れるのかというと疑問が残る。
しかし現実では、ソ連のスプートニクショックが引き金になってアメリカの宇宙開発にエンジンがかかるのだが、そう考えると現実の方がよっぽどSFぽいところがまた面白い。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
月を売った男 (創元推理文庫 618-2) 文庫 – 1964/10/1
ロバート A.ハインライン
(著),
井上 一夫
(翻訳)
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日1964/10/1
- ISBN-104488618022
- ISBN-13978-4488618025
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (1964/10/1)
- 発売日 : 1964/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 336ページ
- ISBN-10 : 4488618022
- ISBN-13 : 978-4488618025
- Amazon 売れ筋ランキング: - 20,433位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
イメージ付きのレビュー
5 星
古典の名作
表題の「月を売った男」続編「鎮魂歌」、デビュー作の「生命線」を含む5編の中短編集。古典だけに全体に古めかしいが、「月を売った男」「鎮魂歌」の2編だけで十分元は取っておつりが来ます。2編の主人公が骨っぽい信念と情熱の塊で、自分の夢に対するスケールの大きさ、行動力に圧倒されます。周囲を取り囲む人々もプロフェッショナル揃いで、今の世の甘ったれた皮相的なヒューマニズムなど毛ほども無い。まさに、「男子の本懐」という言葉がピッタリの物語です。
フィードバックをお寄せいただきありがとうございます
申し訳ありませんが、エラーが発生しました
申し訳ありませんが、レビューを読み込めませんでした
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年1月3日に日本でレビュー済み
書名にもなっている中篇が,非常に面白い.
月を巡る話であるにも拘らず,技術話よりも法と経済の話をメインにしている点で,非常にユニーク.
冒頭に強い口調のセリフで読者をひきつけておき,そこから先は月ビジネスのアイディアの洪水.
(現実の国際法に照らし合わせると,疑問な箇所も幾つもあるものの,そんなことは些細な瑕疵に過ぎず)
環状地帯の買収(p.137)
「国内で燃料割り当てを期待できないなら,外国から買おう」(p.192)
初の月パイロットを選ぶ際の,ユニークな決断要素(p.210)
「彼は新しい泥棒男爵の先駆だよ」(p.218)
「知識」も売買対象(p.248)
その他色々.
それらビジネスによって起こる喜劇もふんだんに.
そして最後に,聖書のある物語を,思い切り陽気なものに仕立て直したものだと気付く.
それが本当のオチ.
▼
「鎮魂歌」は蛇足かも.
▼
「光あれ」は,「発明家vs既得権益」モノの嚆矢?
ただし,「解決策」の実効性には疑問.
間欠ワイパー裁判など,実例もあるので.
▼
「道路を止めてはならない」は,いかにもSFらしい奇想モノ.
かつ,「システムへの人間の叛乱」モノでもあり.
ただし,決着のつけ方は,いかにもアメリカらしい西部劇風.
奇想が更なる奇想を生み出すようなオチでないことが残念.
▼
読め.
【関心率47%:全ページ中,手元に残したいページが当方にとってどれだけあるかの割合.当方にとっての必要性基準】
月を巡る話であるにも拘らず,技術話よりも法と経済の話をメインにしている点で,非常にユニーク.
冒頭に強い口調のセリフで読者をひきつけておき,そこから先は月ビジネスのアイディアの洪水.
(現実の国際法に照らし合わせると,疑問な箇所も幾つもあるものの,そんなことは些細な瑕疵に過ぎず)
環状地帯の買収(p.137)
「国内で燃料割り当てを期待できないなら,外国から買おう」(p.192)
初の月パイロットを選ぶ際の,ユニークな決断要素(p.210)
「彼は新しい泥棒男爵の先駆だよ」(p.218)
「知識」も売買対象(p.248)
その他色々.
それらビジネスによって起こる喜劇もふんだんに.
そして最後に,聖書のある物語を,思い切り陽気なものに仕立て直したものだと気付く.
それが本当のオチ.
▼
「鎮魂歌」は蛇足かも.
▼
「光あれ」は,「発明家vs既得権益」モノの嚆矢?
ただし,「解決策」の実効性には疑問.
間欠ワイパー裁判など,実例もあるので.
▼
「道路を止めてはならない」は,いかにもSFらしい奇想モノ.
かつ,「システムへの人間の叛乱」モノでもあり.
ただし,決着のつけ方は,いかにもアメリカらしい西部劇風.
奇想が更なる奇想を生み出すようなオチでないことが残念.
▼
読め.
【関心率47%:全ページ中,手元に残したいページが当方にとってどれだけあるかの割合.当方にとっての必要性基準】
2011年12月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表題の「月を売った男」続編「鎮魂歌」、デビュー作の「生命線」を含む5編の中短編集。
古典だけに全体に古めかしいが、「月を売った男」「鎮魂歌」の2編だけで十分元は取って
おつりが来ます。
2編の主人公が骨っぽい信念と情熱の塊で、自分の夢に対するスケールの大きさ、行動力に
圧倒されます。周囲を取り囲む人々もプロフェッショナル揃いで、今の世の甘ったれた
皮相的なヒューマニズムなど毛ほども無い。
まさに、「男子の本懐」という言葉がピッタリの物語です。
古典だけに全体に古めかしいが、「月を売った男」「鎮魂歌」の2編だけで十分元は取って
おつりが来ます。
2編の主人公が骨っぽい信念と情熱の塊で、自分の夢に対するスケールの大きさ、行動力に
圧倒されます。周囲を取り囲む人々もプロフェッショナル揃いで、今の世の甘ったれた
皮相的なヒューマニズムなど毛ほども無い。
まさに、「男子の本懐」という言葉がピッタリの物語です。
表題の「月を売った男」続編「鎮魂歌」、デビュー作の「生命線」を含む5編の中短編集。
古典だけに全体に古めかしいが、「月を売った男」「鎮魂歌」の2編だけで十分元は取って
おつりが来ます。
2編の主人公が骨っぽい信念と情熱の塊で、自分の夢に対するスケールの大きさ、行動力に
圧倒されます。周囲を取り囲む人々もプロフェッショナル揃いで、今の世の甘ったれた
皮相的なヒューマニズムなど毛ほども無い。
まさに、「男子の本懐」という言葉がピッタリの物語です。
古典だけに全体に古めかしいが、「月を売った男」「鎮魂歌」の2編だけで十分元は取って
おつりが来ます。
2編の主人公が骨っぽい信念と情熱の塊で、自分の夢に対するスケールの大きさ、行動力に
圧倒されます。周囲を取り囲む人々もプロフェッショナル揃いで、今の世の甘ったれた
皮相的なヒューマニズムなど毛ほども無い。
まさに、「男子の本懐」という言葉がピッタリの物語です。
このレビューの画像