ダーコーヴァは少年時代の終わりから青年時代の初めにかけて夢中で読みました。
フェミニズムが根底にあるともいわれますが、それ故かどうか女性よりも思春期の男性にこそ訴えるものがあったのかと、初老に差し掛かった今は思います。
お話の筋立てはべつとして、設定はSFでも、テイストは限りなくファンタジーです。
ゲド戦記はどうみてもファンタジーですが、ル・グインはSF作家として世に認知されてます。
とはいえ、例えば闇の左手などは、舞台装置として外宇宙の異星が設定されているだけで、読んでいるうちにそんなことはすっかり忘れてしまうような物語です。
まあそんなわけで、良い物語にジャンル分けは不要なのだと思いますが、SF斜陽の時代にあって、SFとして出版されたことが、今や知る人ぞ知るという結果になったのでしょうか。
いまでは入手困難、と言いたいところですがそこはネットショップ全盛の時代、稀覯書でない古本はちょっと検索すれば廉価に購入できてしまいます。
新刊ですら発行部数の少ないものは書店をはしごしてもなかなか手に入れられなかったことを思えば、今は良い時代ですね。
ダーコーヴァ年代記も翻訳、出版されたものはアマゾンで手に入れられそうです。
当時読み損ねたものもふくめ、改めて読み直そうか。そんな気持ちになりました。
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