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光のロボット (創元SF文庫 ヘ 2-5) 文庫 – 1993/11/1
- 本の長さ325ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日1993/11/1
- ISBN-104488697054
- ISBN-13978-4488697051
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (1993/11/1)
- 発売日 : 1993/11/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 325ページ
- ISBN-10 : 4488697054
- ISBN-13 : 978-4488697051
- Amazon 売れ筋ランキング: - 538,230位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
SF翻訳家、書評家、アンソロジスト。
1961年2月2日、高知県高知市生まれ。高知市立追手前小学校、土佐中・高等学校を経て、京都大学文学部文学研究科卒(英語アメリカ文学専攻)。
1986年、マリオン・ジマー・ブラッドリー『惑星救出計画』でSF翻訳者デビュー。訳書は、バリントン・J・ベイリー『時間衝突』『ロボットの魂』(以上、創元SF文庫)、P・K・ディック『ザップ・ガン』、コニー・ウィリス『ドゥームズデイ・ブック』『航路』など約100冊。共訳書に劉慈欣『三体』三部作、『円』『球状閃電』『超新星紀元』、『カート・ヴォネガット全短篇』全4巻(以上、早川書房)など。
編訳書に、シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』『輝く断片』(河出文庫)、コニー・ウィリス『最後のウィネベーゴ』(河出書房新社)、『マーブル・アーチの風』、(早川書房)など。
スタージョン「ニュースの時間です」、テッド・チャン「商人と錬金術師の門」、劉慈欣「流浪地球」(共訳)の翻訳により、第36回、第40回、第54回星雲賞海外短編部門を受賞。ベイリー『時間衝突』、劉慈欣『三体』『三体Ⅱ 黒暗森林』で星雲賞海外長編部門受賞。
〈小説奇想天外〉の翻訳SF時評「海外SF問題相談室」を皮切りに、各紙誌にコラム・書評を連載。〈本の雑誌〉新刊SF時評は1990年から(二度の中断をはさみ)継続中。
2004年3月に豊崎由美との共著『文学賞メッタ斬り!』を刊行。
2008年からアンソロジストとしても活動。創元SF文庫『年刊日本SF傑作選』(日下三蔵と共編)とその後継の『ベストSF』(竹書房文庫)、『不思議の扉』(角川文庫)の各シリーズや、『ゼロ年代日本SFベスト集成』全2巻、『時間SF傑作選 ここがウィネトカなら、きみはジュディ』などのSFアンソロジーを編纂。責任編集の河出文庫『NOVA 書き下ろし日本SFコレクション』全10巻で、第34回日本SF大賞特別賞、第45回星雲賞自由部門受賞。
著書に『20世紀SF1000』、『新編 SF翻訳講座』、『50代からのアイドル入門』、『現代SF観光局』など。
1995年4月に開設したウェブサイト(http://www.asahi-net.or.jp/~KX3M-AB/)の日記は、その一部が、『狂乱西葛西日記20世紀remix SF&ミステリ業界ワルモノ交遊録』にまとめられている。
ツイッターのアカウント(@nzm)は、http://twitter.com/nzm/
日本推理作家協会、本格ミステリ作家クラブ、日本SF作家クラブ会員。「ゲンロン 大森望 SF創作講座」主任講師。
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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前作の最後で再び世界に戻ることを決意したジャスペロダスは、辺境の独立したロボット国に所属して旧世界の歴史を調査している時、山中でゾロアスター教の神殿を発見し、アフラ・マズダの最後の崇拝者と名乗る男から、ロボットはすべて光の王子アフラ・マズダに対立する闇の王子アーリマンの手先だと聞かされます。光と闇は永遠の闘争を続けていますが、アフラ・マズダの光こそが意識であり、アーリマンは意識を持つことのないロボットを闇の象徴である物質界の先兵としているというのです。太陽は光を統べ、月は闇を統べる。ジャスペロダスが、月光に輝く風景にロボットの王国を幻視する場面は戦慄的に美しい。
この時代、前作に登場したタンシアン帝国はすでに力を失いつつあり、ジャスペロダスの国ではロボットたちがいくつもの新しい宗教を独自に生み出しながら社会を築いていましたが、ロボットを敵視する新興のボルゴル同盟が攻勢を強めており、ジャスペロダスもその嵐に巻き込まれていきます。
そんな時、ジャスペロダスのもとにガーガンという超知性ロボットの使者が現れます。ロボットに意識を持たせるための計画に協力して欲しいというのです。
人工意識の創造は不可能とされた意識公理は打破されるのでしょうか?また、人間とロボットの対立は何を生み出すのでしょうか?
本書のテーマは、日本では鉄腕アトムをはじめとするロボット漫画でおなじみです。
ゾロアスター教を基軸に据えたことが荒唐無稽なベイリーの物語に奥行きを与えています。一方で、3つものオリジナルのロボット教が提示されたり、赤外線頭脳だとか、永遠に続くサッカーゲームなど、ベイリーらしいぶっ飛んだアイデアも健在です。ロボット伯爵も登場しますが、日本人の発想とはかなり違います。また、ロボットが意識を獲得する方法についても新しい理論が提示されます。超越的光って何?物理的光の解放のイメージ(原題 The Rod of Light)は美しい。
波乱万丈だった前作と比べると、ちょっと図式的な気がします。何より、人間とロボットの中間に立つ主人公の悩みというテーマは、30年前の作品ということを考慮しても、いまさらという気がします。ゾロアスター教の概念で説明する結論はそれなりに納得するけれども、冒頭のイメージを十分に回収しているとは言い難い。結末も、続編の可能性を意識したような感じです。
日本のマンガ、アニメが、黎明期からいかに先鋭的な問題に取り組んでいたのか(多くは無意識だったのかもしれませんが、少なくとも手塚は意識していた筈。)ということに驚きます。
悪漢小説として読め、ジャスペロダスの秘密がおまけでついていた前作と比べ、
序盤は目標がリセットされ、迷走している、つまりは読みづらい感は否めなかった。
途中から敵役のロボット・ガーガンの陰謀を阻止する、
という目標が出てくるので、そのあたりからはノれるようになってくる。
光と闇の対立、ゾロアスター教、
そして意識の扱いなどはベイリーらしいサービスといえるが、
解説やあとがきで言われるほどのものではないように思う。
ただ、ラストでガーガンが取った行動などはちょっと感動的であり、
エドモンド・ハミルトンの良質なスペースオペラを見るような読後感はあった。
あくまでもジャスペロダスの冒険SFとして読めば充分に楽しい作品。
本書以外の作品でもそうだが、ベイリーさんのその翼は手作りで、しかもよく出来ている。
物語は、主人公(ロボット)が、世界最高の知性を持つロボットの推進するある”計画”に巻き込まれるというもの。
とにかく登場する様々なガジェットが楽しい。
ロボットの作り出した宗教、次々に登場する怪しげな、それでいてもっともらしい理論、
主人公が出会う様々なロボット(××にふけるロボットなんてのも出てきます。その描写がまた・・・)などなど。
そのなかでも私の一番のお気に入りは、主人公が、旅の途中立ち寄る伯爵(ロボット)の領地で出会う××駆動式ロボット。
読んでる時は笑っちゃったが、あとからなんだか切なくなってしまった。
しかし、映画なら そのあとエンディングクレジットが流れるのが目に浮かぶようなラストシーン、
ベイリーさん、確信犯ですね(笑)。