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異星人の郷 下 (創元SF文庫) (創元SF文庫) 文庫 – 2010/10/29

3.3 5つ星のうち3.3 13個の評価

遠い故郷に帰るという異星人たちの願いは叶うのか。黒死病が忍び寄る中世で、異なる文明をもつ者たちが相互に影響する日々を描き、感動を呼ぶ傑作。ヒューゴー賞最終候補作。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東京創元社 (2010/10/29)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2010/10/29
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 366ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4488699022
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4488699024
  • カスタマーレビュー:
    3.3 5つ星のうち3.3 13個の評価

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マイクル・フリン
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上位レビュー、対象国: 日本

2011年4月24日に日本でレビュー済み
 14世紀ドイツに不時着した異星人たち。小村である上ホッホヴァルトの人々は彼らをクレンク人と名づけて交流を始める。おりしもペストがヨーロッパ中で猖獗を極めていた時代。やがて黒死病は上ホッホヴァルトにも押し寄せてくる…。

 上下二巻本で700頁を超える長編SF小説です。
 上ホッホヴァルトの人々は当時の科学知識の範疇でクレンク人と接しているので、姿かたちが自分たちとは大きく異なるとはいえ、彼らが天空を越えてやってきた客人であるとは理解できていません。ルネサンス期以前でなおかつキリスト教絶対の時代に行われたファーストコンタクト。そこで人間(=西洋人)は彼ら異星人の価値観に敬意を払いながら、自分たちの価値観とどう折り合いをつけていくかを大きな課題とします。

 肉体が単なる器にすぎないこと、そして肝心肝要なのはその中に容れられた魂であること。(「肉体は莢にすぎません。大事なのはその中の魂です。」下巻191頁)こうしたいかにも中世らしい神学的思索が幾度も繰り返されます。ディートリッヒ神父ら主要登場人物たちは異形の人々の肉体の奥にある魂の姿を見つめようとひとえに努めます。

 ですからこれは、今日の目から見れば頑迷にしか見えない中世の価値観をのみ取り扱った小説ではありません。
 いみじくも現代の宇宙物理学者シャロンが言うように「宇宙を航行できる種族だからって、高い倫理観を持ってるとは限らない。海洋を航行できたヨーロッパ人が、インディアンより高い倫理観を持ってたわけじゃないのと同じこと」(下巻333頁)なのです。

 現代の歴史学者で西洋人のトムの助手に聡明なベトナム系女性ジュディが配されているのもまた、14世紀の中世と21世紀の現代とを並列化して異文化間接触を描くための必然的な設定です。
 人類が生来持つ狭量さとそこからの脱却・成長の可能性。人類にとって永遠のテーマを思考するための糧といえる小説です。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年12月9日に日本でレビュー済み
いやぁ、とにかくその設定が面白い歴史SF小説だった。傑作かもしれない。今年自分が読んだSF小説の中でも、かなり上位に来ると思う。

異星人が中世ドイツの小さな村に漂着する。バッタのような外見をした異星人の困惑ぶり、そして彼らと出会った村の人々やカトリックの神父の反応が、とてもきめ細やかに描かれていて、SF小説というより歴史ものを読んでるようだった。

カトリックが人々の生活を文字通り支配していた中で、異種の人々と接触した人々が、反発しながらも、遠く故郷を離れた異星人に共感もしていく。そして異星人たちも望郷の気持ちを持ちながら、人間とともに生きていく。中世のヨーロッパの歴史については疎いのでここで書かれている背景をすべて理解できているのではないが、あとがきにも書かれているように、決してヨーロッパ中世が「暗黒の時代」だけではなかったことが伝わってくる。

ネタばれになるので、物語の後半について書くのはやめておくけど、涙なしでは読めなかった。

ところどころ、現代の話が出てくるが、上巻を読んでいると物語の展開を邪魔していて、余計な気がした。しかし、最後の最後にこの現代のエピソードを加えた意味がわかってきた。

面白かった。
19人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年4月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 14世紀のペストが猛威をふるっていたヨーロッパに異星人の宇宙船が座礁する。相対する人類は敬虔なキリスト教徒達。一見、SF小説に見えるが、異星人まで改宗させてしまう、キリスト教宣伝小説としか思えない。キリスト教徒の人、中世ヨーロッパの風物に興味のある人以外には勧められない。何故、これが「SFが読みたい!ベストSF2010第1位」なのか不思議である。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年9月25日に日本でレビュー済み
姿も思考も虫に似たエイリアンと、キリスト教の強い影響下にある農村の人々の出会い
人々は迷信深く、差別やリンチや暴動や戦争の話も聞こえてきます。あげくにペスト
でも舞台になる村では苦悩する神父さんの活躍も有ってエイリアンは結構受け入れられちゃいます。エイリアンと人間の衝突の話は少なめです
村を治めている殿様も凄い話がわかる人
キリスト教的な世界解釈を破壊しかねない異形の人々が存在したら教会の偉い人が黙ってないわけですけど、そういう描写は話の流れを間延びさせない程度に抑えられています
村の外の世界の存在も感じられる程度で、外野があんまり出しゃばらないのは個人的に○

遭難したエイリアン、ペストに襲われた村の人たち、エイリアンと村人の架け橋になった神父さんそれぞれにとって、良い終わりかどうかは読んだ人次第だろうけど、
私は読んだ後とても良い気分になりました。大げさに言うと歴史の目撃者になったような気分(笑)
頭の良い登場人物が多いので私には難解なパートもありましたけど(特に現代パート)、解らないところは斜め読みでも特に問題なく楽しめたと思います
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年12月24日に日本でレビュー済み
自分に世界史の記憶が残ってればもう少し楽しめたのかも。なになに何世だとかなんとか伯だとかいわれてもちんぷんかんぷん。ああ、あの時代か。とか、この史実とからめてるわけね、という感覚が残念ながら味わえなかった。
しかし、中心となる異星人と人間との交流に関しては、異星人が先進の技術を持った理解しがたい生物ではなく、悩んだり苦しんだりするわれわれとあまり変わらない存在というのは自分としては目新しくてよかった。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年3月2日に日本でレビュー済み
中世ドイツとほぼ現代である近未来を行き来して、ストーリーが語られていく。中世ドイツの章立ては、カソリックの典礼暦が時のタイトルとして使われる。「四季の祭日の聖燭祭」「マントンのベルナールの祝日」といった具合に。現代のように「時間」に追い立てられる生活ではない中世においては、こういった祝祭や聖人の記念日のほうが、流れる時間につけていくラベルとしてはふさわしかったのだろう。ディートリヒ神父らが上巻で訪れるフライブルクの町はすでに賃労働や利子といった、時間に支配される生活が始まっているが、主な舞台である上ホッホヴァルトの田園ではゆったりとした時間が流れている。作家が米国人と知って、少し驚いた。
スペース活劇があるわけでも、夢の超新技術が登場するわけでもない。(しいていえば、クレンク人の移動手段ぐらいだろうか)ハリウッド映画のように、未来の知識と技術がペストから救ってくれるわけでもない。中世の時間と同様にたんたんと流れていく異星人との交流。
粉引きの仕組みやカムを使った仕掛けが作れるのだから、その延長上に異星人が使っている電子機器が登場しても不思議はないと考える論理的なディートリヒ神父。自分の利益を重んじつつも、わけありのディートリヒをかかえ、異星人さえ臣下とする領主マンフレートの合理主義者ぶり(ディートリヒの次に好きなキャラクターでした)。改宗する異星人を含め、紋切り型でない人物(異性人物?)像がストーリーに深みを与えています。異文化接触・受容や自己犠牲、献身、贖罪といったテーマが扱われ、それが「異星人との関係」を軸に展開されているという点をのぞけばSFと限定するより文学なのではないか。下巻は読み進めるうちに涙がでてしまった。
現代の部がどうしても必要なのか。「そうだったんだ。。。」という効果はあるし、それがSFらしくしている要素かもしれない。が、現代部分がなくても十分なりたつ文学。そんな作品でした。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート