設定は2021年の近未来。その約20年後の未来から送り込まれる巨大戦勝記念碑の衝撃と、発現時に周囲の熱を吸収することからおこる超低温による周辺破壊で、荒廃していく時代。
記念碑の碑文に書かれた支配者を、将来の戦争で打倒するために軍備増強しようとする者と、その支配者に社会変革を期待する者との思惑の違いが、政治や経済を背景に絡み合っていく。
盛り上がりそうな設定なのですが、SF的な面より、群像劇が中心になっています。おしい。
時間遡行と思われる物理現象の研究者、その協力者、政府関係者、元配偶者、配偶者、親、子供といった人間関係、家族関係を中心に描写が進んでいきます。
各キャラクターの人物像と人間関係は綿密に書きこまれていくのですが、どうも私の好みからいうと人物が類型的なような気がしました。
またSFとしての設定に掘り下げが感じられませんでした。因果律に疑問を呈するような設定なので、もう少しじっくりと背景やそれにより発生する事態を考察してはどうかと思いました。
群像劇部分が人間関係の小説を読みたい人には良いのでしょうが、私にとってはSFとして、ちょっと残念な作品です。
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クロノリス-時の碑- (創元SF文庫) 文庫 – 2011/5/28
ロバート・チャールズ・ウィルスン
(著),
茂木 健
(翻訳)
20年先の未来から次々と送り込まれる巨石、クロノリス(時のモノリス)がその出現エネルギーで都市を破壊してゆく。空前の時間侵略戦争。『時間封鎖』の著者が贈る巨編。
- 本の長さ483ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2011/5/28
- ISBN-10448870607X
- ISBN-13978-4488706074
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2011/5/28)
- 発売日 : 2011/5/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 483ページ
- ISBN-10 : 448870607X
- ISBN-13 : 978-4488706074
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,109,157位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2011年6月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年6月25日に日本でレビュー済み
未来からの目的不明の侵略が語られる。
本当に侵略であるのかどうかも不明で、むしろその為に発生する社会現象の方が徐々に問題になって来る。兎に角、意表を突かれた奇想SF。解決策も意表を突かれた。しかし、侵略者の正体が作品中で匂わされている通りならば、この侵略が原因となる訳で、原因と結果が循環構造になっており、この点では典型的なタイムパラドックスものか。
本当に侵略であるのかどうかも不明で、むしろその為に発生する社会現象の方が徐々に問題になって来る。兎に角、意表を突かれた奇想SF。解決策も意表を突かれた。しかし、侵略者の正体が作品中で匂わされている通りならば、この侵略が原因となる訳で、原因と結果が循環構造になっており、この点では典型的なタイムパラドックスものか。
2017年6月11日に日本でレビュー済み
巨大な建造物が、突然現れて破壊をもたらす。どうやら、時間に影響を及ぼしているらしい? 主人公が居合わせたのは偶然ではない・・という設定にわくわくしながら読んだのだけれど、どうも、主人公がろくな目に遭わなくて、読んでいるのが苦しかったです。
主人公だけではなくて、出て来る人みな、さんざんな目に遭います。夫婦の不仲、離婚、父親としての責任、子どもの喪失、暴力、レイプ、不幸な家庭での生育、テロリストの銃乱射、指の切断、という要素満載で、だんだん暗い気持ちになっていって、SFを読んでいる気がしませんでした。
SF理論っぽいものは出てくるのだけれど、味付け程度です。
1年もしないうちに内容をすっかり忘れてしまって、もう一度読み直しましたが、やっぱり、主人公とその周囲の人たちの、不幸だけれどそれほど深みがあるわけでもない人生がメインで、SFの比重が少なすぎて、ストーリーがかすんでいるような気がします。
多分またすぐ、内容を忘れてしまうだろうから、手元には置いておくつもり。
主人公だけではなくて、出て来る人みな、さんざんな目に遭います。夫婦の不仲、離婚、父親としての責任、子どもの喪失、暴力、レイプ、不幸な家庭での生育、テロリストの銃乱射、指の切断、という要素満載で、だんだん暗い気持ちになっていって、SFを読んでいる気がしませんでした。
SF理論っぽいものは出てくるのだけれど、味付け程度です。
1年もしないうちに内容をすっかり忘れてしまって、もう一度読み直しましたが、やっぱり、主人公とその周囲の人たちの、不幸だけれどそれほど深みがあるわけでもない人生がメインで、SFの比重が少なすぎて、ストーリーがかすんでいるような気がします。
多分またすぐ、内容を忘れてしまうだろうから、手元には置いておくつもり。