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グリンプス (創元SF文庫 シ 7-1) 文庫 – 1997/12/1

4.9 5つ星のうち4.9 9個の評価

【世界幻想文学大賞受賞作】
ステレオ修理屋の青年は、父親を事故で亡くしたのち、自らの不思議な能力に気づく。60年代のロック・ミュージックに思いを馳せるや、当時の“幻の名盤”がスピーカーから流れ出た! ドアーズ、ビーチボーイズ、ジミ・ヘンドリックスの音源を求めて過去へのトリップが始まる。ロックSFファンタジイ。

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東京創元社 (1997/12/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1997/12/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 605ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 448870901X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4488709013
  • カスタマーレビュー:
    4.9 5つ星のうち4.9 9個の評価

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ルイス・シャイナ−
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カスタマーレビュー

星5つ中4.9つ
5つのうち4.9つ
9グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2014年1月10日に日本でレビュー済み
原題 Glimpses 原著1993年刊行

ビートルズの『ゲット・バック』
ドアーズの『セレブレーション・オブ・ザ・リザード』
そしてビーチ・ボーイズの『スマイル』
名高い未完のアルバム・・・オーディオ修理屋のレイが得た不思議な能力、それは時空を遡り、ロック史上の幻の名盤を完成させる力だった。

ジャック・フィニイ的な時間改変ファンタジーの枠組の中で1960年代から70年代前半、ロックが単なる娯楽にとどまらない時代、文化を、そして世界全体を動かす力を持っていた時代への想いが溢れる。それは単なる甘美なノスタルジーではなく、音楽を通して、ありえたかもしれない搾取や欺瞞の無い理想的な社会への渇望、今も消えることのない切実な痛みを伴った願望なのだ。

事故死した父親への愛憎半ばする回顧が物語のもう一つの柱に据えられているが、そこで語られる普遍的な感情、哀惜は切なく胸を打ち本書を更に豊潤で忘れがたいものとしている。
そしてブライアン・ウィルソンやジミ・ヘンドリックスが実名で登場し、ライヴシーンの臨場感や時代風俗の描写のディテイルも見事で、余り小説に興味がないクラシック・ロックのファンにも強く推薦したい。(本書刊行後、取り上げられたいくつかの幻の作品の音源が世に出ているが、それは本書の価値をいささかも減ずることが無いことは言うまでもない)

復刊により新たな読者を獲得することは心底喜ばしい、ロマンティックで繊細な筆致とロックへの偏執的なまでの愛情が融合した幻想文学の稀有な傑作。少なくとも僕はビーチボーイズの「サーフズ・アップ」を聴くたび本書を想い出すだろう。
ポール・ウィリアムズが本書を評した「音楽がぼくたちの人生になぜこれほど重要なのかという問題を描くのに成功した、数少ない作品の一つである」という言葉はまさに至言だ。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2005年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本作のストーリーの軸のひとつは、主人公がタイムトリップして、ドアーズのジム・モリスン、ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルスン、ジミ・ヘンドリクスの未完成アルバムを完成させるというもの。軸のもうひとつは、主人公が、行き詰まった夫婦関係、親子関係を整理・修復するというもの。
SFとしてはおおがかりな仕掛けもなく、退屈かもしれません。でも、60年代ロックに関してためになる知識が満載です。そして、世界幻想文学大賞受賞作ということで、読み物としてさすがに読み応えがありました。過去へのトリップと、行き詰まった夫婦関係、親子関係の整理・修復とを組み合わせた物語ということであれば、本作は、日本で言うと、そして60年代ロック抜きで言うと、山田太一原作、大林宣彦監督の映画『異人たちとの夏』に近い雰囲気をもっています。
ジャンル分けが難しい本なので、あまり認知度がなく、売れていないようです。でも、ロック・ファンを中心にもっと読まれてほしい本です。
なお、現在では、本書刊行時には未発表だったブライアンの『スマイル』、ジミの『ファースト・レイズ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン』は、公式にリリースされています。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年7月13日に日本でレビュー済み
「そうだ、アマゾンで買えばいいんだ!」

この本が読みたくて読みたくって、いったい何軒の本屋を廻ったことか…。そして何度注文を申し込んだ事か…。
その度に「絶版らしく、注文が出来ません。」と、何処に行っても手に入りませんでした。

そしたら、アマゾンで買えるじゃありませんか!

こんなにも良い本が絶版になっているなんて、すごく残念ですね。
『スマイル』のくだりは、もう何回読んだことでしょう。読む度に、物語なのにもかかわらずブライアンに本当に起きた事の様に勘違いしてしまいます。

SF的な個所は余りにも強引過ぎて「…」なところも有りますが、この作品全体を包み込む作者の愛情の前ではそんなものは吹っ飛んでしまいます。

ブライアン・ウィルソンもきっとこの本を読んだと思いたいですけど、もし本当に読んだとしたなら、いったいどんな感想もったのかを聞いてみたいですよね。

ロックが好きな人、これからロックを聴こうと考えている方は是非読んだ方がいいし、読むべきな本だと思います。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2002年8月29日に日本でレビュー済み
SFファンよりも、日常的にブートレグを買ってるようなクラシックロックのマニアが読むと楽しめる作品。
タイトルの「Glimpses」とはヤードバーズの曲で、ライノをモデルにしたと思われる再発専門レコード会社カーニヴァル・ドッグが出してるコンピレーションのタイトルでもあり、曲そのものがタイムスリップへのお膳立ての役割も果たしています。
ジミヘンやドアーズも登場しますが、ハイライトは何と言っても、幻のアルバム「スマイル」を製作中のブライアン・ウィルソン(ビーチ・ボーイズ)のもとへ主人公がタイムスリップして行って完成させてしまう、という辺り。ここは感動もの。「スマイル」ブートを聴き込んでいる人は必読でしょう。
マニアックな内容以外に、この小説の裏テーマとして、死んだ父親に対する複雑な思いがあり、主人公のイメージが映画「フィールド・オブ・ドリームス」とだぶってきます。そう言えば、そこでも主人公の名前はレイでした。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年1月25日に日本でレビュー済み
ビーチ・ボーイズ版『スマイル』の発売に刺激され、最近再読しました。
再発見もあり、またとても楽しく読むことができました。
本書でのハイライトは何と言っても『スマイル』をめぐってブライアン・ウィルソンが登場する箇所です。
本書の発売当時、幻の作品と言われた『スマイル』が、なぜ未完成のままになってしまったかを理解するのには、本書を読むのが一番でした。
私は本書に出会ったからこそ、数年前に発表されたブライアン・ウィルソン版『スマイル』を聴いたときに、とてつもない感激を味わうことができました。
その点で本書にはとても感謝しています。
またジミ・ヘンドリックスやジム・モリソンについては、当時彼等が置かれていた状況を理解する助けともなり、各作品に接する時、以前とは違った新たな魅力を感じることができました。
絶版本を推薦するのはどうかとも思いましたが、素晴らしい作品ですので特にロック好きの方は、機会があればお読みする事をお薦めします。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年7月8日に日本でレビュー済み
SFの体裁をまとっているが、本書の眼目はそこにはない。それは、話を進めるだけの一つの手法であって本書で描かれる真のテーマは親と子の確執である。そう書けば、なんと辛気臭い話なんだと思われる向きもあるかもしれないが、ちょっとまっていただきたい。話はそんな単純なものではないのだ。決してリーダビリティに富んだ本ではないのは確か。しかし、なんと奥深く深遠な世界だろう。SFとしての意匠をまとい、事実そういう要素も出てくるが全体としての印象はSF小説を読んだときのものではない。それは、言葉にできない素晴らしい体験だ。尚、本書には他にも数多くの楽曲が登場する。これは、ルイス・シャイナー自身の音楽体験をそのままなぞらえているのだろう。そういった意味で、本書は自伝的要素の濃い作品でもあるのだ。60年代の狂騒が圧倒的な質量でもって再現されるのも、そのためである。
というわけで、本書は人を選ぶ本かもしれないが、ぜひ臆せず手にとってみて欲しい。60年代の音楽に詳しくなくても結構興味深く読み進めていけるだろうと思う。本書にはそれだけの力があるのだから。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート