無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
逃げゆく物語の話 ゼロ年代日本SFベスト集成<F> (創元SF文庫) 文庫 – 2010/10/28
- 本の長さ476ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2010/10/28
- ISBN-104488738028
- ISBN-13978-4488738020
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2010/10/28)
- 発売日 : 2010/10/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 476ページ
- ISBN-10 : 4488738028
- ISBN-13 : 978-4488738020
- Amazon 売れ筋ランキング: - 642,394位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
SF翻訳家、書評家、アンソロジスト。
1961年2月2日、高知県高知市生まれ。高知市立追手前小学校、土佐中・高等学校を経て、京都大学文学部文学研究科卒(英語アメリカ文学専攻)。
1986年、マリオン・ジマー・ブラッドリー『惑星救出計画』でSF翻訳者デビュー。訳書は、バリントン・J・ベイリー『時間衝突』『ロボットの魂』(以上、創元SF文庫)、P・K・ディック『ザップ・ガン』、コニー・ウィリス『ドゥームズデイ・ブック』『航路』など約100冊。共訳書に劉慈欣『三体』三部作、『円』『球状閃電』『超新星紀元』、『カート・ヴォネガット全短篇』全4巻(以上、早川書房)など。
編訳書に、シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』『輝く断片』(河出文庫)、コニー・ウィリス『最後のウィネベーゴ』(河出書房新社)、『マーブル・アーチの風』、(早川書房)など。
スタージョン「ニュースの時間です」、テッド・チャン「商人と錬金術師の門」、劉慈欣「流浪地球」(共訳)の翻訳により、第36回、第40回、第54回星雲賞海外短編部門を受賞。ベイリー『時間衝突』、劉慈欣『三体』『三体Ⅱ 黒暗森林』で星雲賞海外長編部門受賞。
〈小説奇想天外〉の翻訳SF時評「海外SF問題相談室」を皮切りに、各紙誌にコラム・書評を連載。〈本の雑誌〉新刊SF時評は1990年から(二度の中断をはさみ)継続中。
2004年3月に豊崎由美との共著『文学賞メッタ斬り!』を刊行。
2008年からアンソロジストとしても活動。創元SF文庫『年刊日本SF傑作選』(日下三蔵と共編)とその後継の『ベストSF』(竹書房文庫)、『不思議の扉』(角川文庫)の各シリーズや、『ゼロ年代日本SFベスト集成』全2巻、『時間SF傑作選 ここがウィネトカなら、きみはジュディ』などのSFアンソロジーを編纂。責任編集の河出文庫『NOVA 書き下ろし日本SFコレクション』全10巻で、第34回日本SF大賞特別賞、第45回星雲賞自由部門受賞。
著書に『20世紀SF1000』、『新編 SF翻訳講座』、『50代からのアイドル入門』、『現代SF観光局』など。
1995年4月に開設したウェブサイト(http://www.asahi-net.or.jp/~KX3M-AB/)の日記は、その一部が、『狂乱西葛西日記20世紀remix SF&ミステリ業界ワルモノ交遊録』にまとめられている。
ツイッターのアカウント(@nzm)は、http://twitter.com/nzm/
日本推理作家協会、本格ミステリ作家クラブ、日本SF作家クラブ会員。「ゲンロン 大森望 SF創作講座」主任講師。
カスタマーレビュー
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
収録作品は次のとおり。
「夕飯は七時」 恩田陸
「彼女の痕跡展」 三崎亜記
「陽だまりの詩」 乙一
「ある日、爆弾がおちてきて」 古橋秀之
「光の王」 森岡浩之
「闇が落ちる前に、もう一度」 山本弘
「マルドゥック・スクランブル"-200"」 冲方丁
「冬至草」 石黒達昌
「延長コード」 津原泰水
「第二箱船荘の悲劇」 北野勇作
「予め決定されている明日」 小林泰三
「逃げゆく物語の話」 牧野修
冲方丁のマルドゥック・スクランブルの外伝は、ファンとして読めて嬉しかったが、それ以外の作品もとても楽しめた。
特に良かったのは、乙一、山本弘、石黒達昌、津原泰水、小林泰三、牧野修の作品。乙一、牧野修の作品はロボット、AIモノ好きの私にはピッタリだし、山本弘、津原泰水はお気に入りの作家でもあるが、驚きは石黒達昌の「冬至草」。初めて読む作家だったが、いい文章書くなぁ。
小林泰三のソロバンで計算される世界という設定も、仮想世界ものにヒネリを加えてあって、面白かった。
最後に、編者、大森望氏による「ゼロ年代日本SF概況」は、SFファンとしては読むべし。この10年の日本SFの活況ぶりがよく分かる。自分も結構読んできたけど、まだ読んでない本もあった。日本SFブックガイドとしても使えそう。
いいアンソロジーでした。
ゼロ年代非リアルフィクション(って冲方丁のマルドックの外伝「マルドゥック・スクランブル“-200”」が収録されておりますが)ベスト短編小説集、Fより作品を集めた一冊です。
全12篇中、初出が一般小説誌である作品が6作。SF小説誌が2作(いや、3作かな?)。復活し、隆盛を迎え、そして拡散した(収束はしていないと信じたい!)この10年のSFを俯瞰できるのは もう一冊 よりもこちらでしょう。だからといって非SF者向けとは必ずしも言い切れませんが。
白乙一の「陽だまりの詩」は生命とは何かを問うハートウォーミングな秀作。古橋秀之「ある日、爆弾が落ちてきて」は同名の短編集から。高校時代のクラスメイトと一字違いの少女にして爆弾(文字通り)とのラヴコメ。挿絵がないと、この作品がギリギリでよく練りあげられた傑作であることにあらためて気づかされます。
津原泰水「延長コード」。家出した死んだ娘(病的な虚言癖あり)の痕跡を探す父親の物語。これだけは私にはどうしてもSFであると思えなかったのですが……。
やはり白眉は表題作でもある牧野修「逃げゆく物語の話」。エロと幻想が絶妙なバランス。人型のメディア‘ラングドール’という道具立てが奇抜で、彼ら(書物である)がかかえているテクストが物語に散りばめられている体裁もこの作者一流の手法。
いくら熱心なSF者といえど、これだけ幅のある掲載誌の作品を全て押さえるのは(たとえSFが拡散していることをよく理解しているとしても)困難でしょう。初見の作品が、かなりある筈です。また、巻末にはゼロ年代に主要なSFの賞を受賞した作品一覧も収められており、資料的価値もあります。
入門書としても秀逸なのでしょうが、SF者にこそお薦めです。
特に津原泰水と牧野修の二編、かたや延々と続く延長コードの先にあるもの、かたや狩られる物語の逃亡劇。作者は自身の奇想を文章で見事に表現しきっている。映像ではもちろん、漫画でやろうとしても陳腐だったり中途半端になるだろう。奇想を生み出す才能とその表現力の融合が現代日本で誕生した奇跡に感謝するしかない。
他には、恩田陸も山本弘も森岡浩之も目眩がおこるような物語を紡いでいる。これだからSFはやめられないんだな