アメリカ人の体は、何とトウモロコシでできているそうだ。
それは、冷凍・加工食品に含まれている添加物の大半が、トウモロコシからできているせいだという。それなら、添加物づけの日本人の体だって、きっと同じようなものなのではないか。
トウモロコシからつくられるブドウ糖果糖液糖(高果糖コーンシロップ)こそが、肥満や糖尿病の原因だ。そう著者は指摘する。ブドウ糖果糖液糖なら、日本の大半の加工食品にだって入っている。日本で肥満や糖尿病が増えているのは、もしかしてそのせいなのか。
私たちが口にしているものは一体何だろう。それはどこからどうやってきたのだろう。素朴な疑問を抱いた著者は、食べ物のルーツを探す旅に出る。
第1部では農場の飼料用トウモロコシが肥育場の牛の餌となり、マクドナルドのハンバーガーになるまでを追う。第2部ではオーガニック(大手有機食品企業と小規模な有機農家の両方)食材の出どころを訪ね、ディープな有機農家(農場主のサルトン氏は非常に魅力的な人物だ)で農作業をし、鶏をと殺し、料理して食卓にのせるまでが描かれる。
第3部ではなんと自らハンティングに行き、キノコを採りサクランボを摘む。自分で手に入れた食材で、本来の食のあるべき姿である「完璧な食事」をつくる。
上下巻あり、読みごたえたっぷりだが、こういった翻訳本で省略されがちな参考文献まですべて丁寧に訳してあるのが嬉しい。読後は誰もが自分の食生活についてしばし考えることになるだろう。いや、しばらくは何も食べられなくなるかもしれない。現代人必読の、まれにみる名著だ。
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雑食動物のジレンマ 下──ある4つの食事の自然史 単行本 – 2009/10/23
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全米で話題沸騰! 数々の賞を受賞した全米批評家協会賞最終選考作!
料理界のアカデミー賞とも言われるジェームス・ビアード賞最優秀賞(食関連著作部門)、カリフォルニア・ブック賞(ノンフィクション部門)、北カリフォルニア・ブック賞(ノンフィクション部門)を受賞し、全米批評家協会の最終選考作に選ばれた本書は、『ニューヨーク・タイムズ』の10 Best Books of 2006、『ワシントン・ポスト』のTop 10 Best of 2006、Amazon.comのBest Books of 2006に選ばれるなど、発売早々から各種メディアで話題の書として注目され、現在もベストセラーリストの上位にランクインしています。
健康食ブームなのに増え続ける肥満や糖尿病、旬に関係なく食材が並ぶスーパーマーケット、工業化する有機農業、便利で簡単に料理ができる食品の開発、農業収入では生活できない農家、経済効率を求めた大規模農場や単一栽培……。同書に描かれている内容は、もちろん、アメリカの食と農業についてのことですが、読み進めるうちに、日本も変わらないのではと思えてきます。
本書のタイトルにある「雑食動物」とは、植物でも動物でも何でも食べる動物、つまり私たち人間のことです。何でも食べることができるので、人間はどのような環境でも生きてこられたわけですが、同時に何を食べるべきなのかと頭を悩まし続けきました。コアラのようにユーカリの葉しかたべない動物とは違い、自らの健康や、地球環境に害を及ぼすものでさえ食べることができるのですからなおさらです。
私たちがいつも口にしているものは一体何なのでしょうか? それはどこからどうやって食卓まで来たのでしょぅか? 私たちが食べるべきなのは、簡単で便利な冷凍・加工食品なのでしょうか? オーガニックフードなのでしょうか? その答えを見つけるために著者は、4つの食事――ファストフード、オーガニックフード、フードシェッドフード、スローフード──の食物連鎖を追いかける旅に出ます。
いつもの食卓に並ぶ野菜や肉など、誰もが口にしている食べ物の食物連鎖を求めて、トウモロコシ農場から食品科学研究所、肥育場やファストフード店から有機農場や狩猟の現場までを案内し、私たちが正体を知らないまま口にしているものが何か突きとめます。
そして、最後にたどり着いた完璧な食事とは?
雑食動物を英語で言うとomnivoreですが、この言葉には、雑食動物のほかに、「幅広分野に好奇心を持ち、あるものは何でも読み、勉強し、概して吸収する者」という意味があります。私たちが食べているものの食物連鎖を知るということは、私たちが何を食べるかという選択が、地球温暖化などの環境問題にもかかわっていることも知ることになります。同書は、私たちの健康のためだけでなく、自然界の健康のために、私たちが何をどのように食べるべきかという知的好奇心を刺激してくれます。
料理界のアカデミー賞とも言われるジェームス・ビアード賞最優秀賞(食関連著作部門)、カリフォルニア・ブック賞(ノンフィクション部門)、北カリフォルニア・ブック賞(ノンフィクション部門)を受賞し、全米批評家協会の最終選考作に選ばれた本書は、『ニューヨーク・タイムズ』の10 Best Books of 2006、『ワシントン・ポスト』のTop 10 Best of 2006、Amazon.comのBest Books of 2006に選ばれるなど、発売早々から各種メディアで話題の書として注目され、現在もベストセラーリストの上位にランクインしています。
健康食ブームなのに増え続ける肥満や糖尿病、旬に関係なく食材が並ぶスーパーマーケット、工業化する有機農業、便利で簡単に料理ができる食品の開発、農業収入では生活できない農家、経済効率を求めた大規模農場や単一栽培……。同書に描かれている内容は、もちろん、アメリカの食と農業についてのことですが、読み進めるうちに、日本も変わらないのではと思えてきます。
本書のタイトルにある「雑食動物」とは、植物でも動物でも何でも食べる動物、つまり私たち人間のことです。何でも食べることができるので、人間はどのような環境でも生きてこられたわけですが、同時に何を食べるべきなのかと頭を悩まし続けきました。コアラのようにユーカリの葉しかたべない動物とは違い、自らの健康や、地球環境に害を及ぼすものでさえ食べることができるのですからなおさらです。
私たちがいつも口にしているものは一体何なのでしょうか? それはどこからどうやって食卓まで来たのでしょぅか? 私たちが食べるべきなのは、簡単で便利な冷凍・加工食品なのでしょうか? オーガニックフードなのでしょうか? その答えを見つけるために著者は、4つの食事――ファストフード、オーガニックフード、フードシェッドフード、スローフード──の食物連鎖を追いかける旅に出ます。
いつもの食卓に並ぶ野菜や肉など、誰もが口にしている食べ物の食物連鎖を求めて、トウモロコシ農場から食品科学研究所、肥育場やファストフード店から有機農場や狩猟の現場までを案内し、私たちが正体を知らないまま口にしているものが何か突きとめます。
そして、最後にたどり着いた完璧な食事とは?
雑食動物を英語で言うとomnivoreですが、この言葉には、雑食動物のほかに、「幅広分野に好奇心を持ち、あるものは何でも読み、勉強し、概して吸収する者」という意味があります。私たちが食べているものの食物連鎖を知るということは、私たちが何を食べるかという選択が、地球温暖化などの環境問題にもかかわっていることも知ることになります。同書は、私たちの健康のためだけでなく、自然界の健康のために、私たちが何をどのように食べるべきかという知的好奇心を刺激してくれます。
- ISBN-104492043535
- ISBN-13978-4492043530
- 出版社東洋経済新報社
- 発売日2009/10/23
- 言語日本語
- 本の長さ302ページ
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商品の説明
著者について
著者紹介
マイケル・ポーラン
ジャーナリスト。食や農、ガーデニングなど人間と自然界が交わる世界を書き続け、ジェームス・ビアード賞、ジョン・ボローズ賞、QPBニュー・ビジョン賞、ロイター&国際自然保護連合環境ジャーナリズム・グローバル賞、全米人道協会ジェネシス賞など数々の賞を受賞。本書でも、カリフォルニア・ブック賞、北カリフォルニア・ブック賞、ジェームス・ビアード賞を受賞している。著書に『ガーデニングに心満つる日』『欲望の植物誌』『ヘルシーな加工食品はかなりヤバい』などがある。また、カリフォルニア大学バークレー校大学院でジャーナリズムの教鞭をとるとともに、食や農を中心に講演活動を行っている。妻で画家のジュディス・ベルザーと息子アイザックとバークレー在住。
訳者紹介
ラッセル秀子
翻訳家。聖心女子大学卒。米国モントレー国際大学院修士課程修了。フリーランス通訳を経て、翻訳業にたずさわる。訳書に『ツール・ド・フランス 勝利の礎』(アメリカン・ブック&シネマ、2008年)、『天使に会いました』(ハート出版、2008年)がある。また、ビジネス、医療、教育、観光、スポーツなど幅広い分野で実務翻訳を行うとともに、米国モントレー国際大学院の非常勤講師として英日翻訳を指導している。アメリカ在住。
マイケル・ポーラン
ジャーナリスト。食や農、ガーデニングなど人間と自然界が交わる世界を書き続け、ジェームス・ビアード賞、ジョン・ボローズ賞、QPBニュー・ビジョン賞、ロイター&国際自然保護連合環境ジャーナリズム・グローバル賞、全米人道協会ジェネシス賞など数々の賞を受賞。本書でも、カリフォルニア・ブック賞、北カリフォルニア・ブック賞、ジェームス・ビアード賞を受賞している。著書に『ガーデニングに心満つる日』『欲望の植物誌』『ヘルシーな加工食品はかなりヤバい』などがある。また、カリフォルニア大学バークレー校大学院でジャーナリズムの教鞭をとるとともに、食や農を中心に講演活動を行っている。妻で画家のジュディス・ベルザーと息子アイザックとバークレー在住。
訳者紹介
ラッセル秀子
翻訳家。聖心女子大学卒。米国モントレー国際大学院修士課程修了。フリーランス通訳を経て、翻訳業にたずさわる。訳書に『ツール・ド・フランス 勝利の礎』(アメリカン・ブック&シネマ、2008年)、『天使に会いました』(ハート出版、2008年)がある。また、ビジネス、医療、教育、観光、スポーツなど幅広い分野で実務翻訳を行うとともに、米国モントレー国際大学院の非常勤講師として英日翻訳を指導している。アメリカ在住。
登録情報
- 出版社 : 東洋経済新報社 (2009/10/23)
- 発売日 : 2009/10/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 302ページ
- ISBN-10 : 4492043535
- ISBN-13 : 978-4492043530
- Amazon 売れ筋ランキング: - 25,408位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 7,926位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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2011年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1部2部に比べて、3部は視線が内向きだ。
完全に自給的なディナーを目指して、精神的にも肉体的にも奮闘する著者の姿が描かれる。
すでに菜園を持つ著者にとって、自給が難しい食材は、野生のキノコと肉だ。
それでもキノコは、教えてくれる人を見つければ、それほど難しくない。
問題は肉だ。
肉を手に入れるためには、動物を殺さなくてはならない。
食べるために動物を殺すことは、倫理的に許されるのか。
実際の狩猟行為のレポートの前に、肉食という行為を正当化しようとして奮闘する著者の姿が描かれる。
そして、実際の狩猟のレポートでも、著者の心情が詳しく報告されている。
著者は「人類にとって食べ物とは、口や体だけでなく、意見にも合うもの」というレヴィストロースの言葉を冒頭で取り上げて、肉食という行為を自らに納得させるために、奮闘している。
私にはこの奮闘が理解できなかった。
私は最近ベジタリアンになったが、それは単に肉や魚が、私の口や体に合わないと考えたからで、倫理的な意見があったわけじゃない。
人は何かを決断するとき、いつも理性的に納得がいくまで考えて決断するわけではないだろう。もちろんそうしなければならない場合もあるけれど、そんなに多くはないはずだ。
私にとって食習慣は倫理を持ち出して理詰めで考える対象にはならない。だからそれをやっている著者が不思議だった。
そしてこういう思考回路で食習慣について考えるから、鯨を食べることに反対する人が出てくるわけかと妙に納得した。
完全に自給的なディナーを目指して、精神的にも肉体的にも奮闘する著者の姿が描かれる。
すでに菜園を持つ著者にとって、自給が難しい食材は、野生のキノコと肉だ。
それでもキノコは、教えてくれる人を見つければ、それほど難しくない。
問題は肉だ。
肉を手に入れるためには、動物を殺さなくてはならない。
食べるために動物を殺すことは、倫理的に許されるのか。
実際の狩猟行為のレポートの前に、肉食という行為を正当化しようとして奮闘する著者の姿が描かれる。
そして、実際の狩猟のレポートでも、著者の心情が詳しく報告されている。
著者は「人類にとって食べ物とは、口や体だけでなく、意見にも合うもの」というレヴィストロースの言葉を冒頭で取り上げて、肉食という行為を自らに納得させるために、奮闘している。
私にはこの奮闘が理解できなかった。
私は最近ベジタリアンになったが、それは単に肉や魚が、私の口や体に合わないと考えたからで、倫理的な意見があったわけじゃない。
人は何かを決断するとき、いつも理性的に納得がいくまで考えて決断するわけではないだろう。もちろんそうしなければならない場合もあるけれど、そんなに多くはないはずだ。
私にとって食習慣は倫理を持ち出して理詰めで考える対象にはならない。だからそれをやっている著者が不思議だった。
そしてこういう思考回路で食習慣について考えるから、鯨を食べることに反対する人が出てくるわけかと妙に納得した。
2009年11月10日に日本でレビュー済み
アメリカ人の体は、何とトウモロコシでできているそうだ。
それは、冷凍・加工食品に含まれている添加物の大半が、トウモロコシからできているせいだという。それなら、添加物づけの日本人の体だって、きっと同じようなものなのではないか。
トウモロコシからつくられるブドウ糖果糖液糖(高果糖コーンシロップ)こそが、肥満や糖尿病の原因だ。そう著者は指摘する。ブドウ糖果糖液糖なら、日本の大半の加工食品にだって入っている。日本で肥満や糖尿病が増えているのは、もしかしてそのせいなのか。
私たちが口にしているものは一体何だろう。それはどこからどうやってきたのだろう。素朴な疑問を抱いた著者は、食べ物のルーツを探す旅に出る。
第1部では農場の飼料用トウモロコシが肥育場の牛の餌となり、マクドナルドのハンバーガーになるまでを追う。第2部ではオーガニック(大手有機食品企業と小規模な有機農家の両方)食材の出どころを訪ね、ディープな有機農家(農場主のサルトン氏は非常に魅力的な人物だ)で農作業をし、鶏をと殺し、料理して食卓にのせるまでが描かれる。
第3部ではなんと自らハンティングに行き、キノコを採りサクランボを摘む。自分で手に入れた食材で、本来の食のあるべき姿である「完璧な食事」をつくる。
上下巻あり、読みごたえたっぷりだが、こういった翻訳本で省略されがちな参考文献まですべて丁寧に訳してあるのが嬉しい。文章が巧みでぐいぐいとひきこまれるのは、訳者の腕によるところもあるのかもしれない。読後は誰もが自分の食生活についてしばし考えることになるだろう。いや、しばらくは何も食べられなくなるかもしれない。現代人必読の、まれにみる名著だ。
それは、冷凍・加工食品に含まれている添加物の大半が、トウモロコシからできているせいだという。それなら、添加物づけの日本人の体だって、きっと同じようなものなのではないか。
トウモロコシからつくられるブドウ糖果糖液糖(高果糖コーンシロップ)こそが、肥満や糖尿病の原因だ。そう著者は指摘する。ブドウ糖果糖液糖なら、日本の大半の加工食品にだって入っている。日本で肥満や糖尿病が増えているのは、もしかしてそのせいなのか。
私たちが口にしているものは一体何だろう。それはどこからどうやってきたのだろう。素朴な疑問を抱いた著者は、食べ物のルーツを探す旅に出る。
第1部では農場の飼料用トウモロコシが肥育場の牛の餌となり、マクドナルドのハンバーガーになるまでを追う。第2部ではオーガニック(大手有機食品企業と小規模な有機農家の両方)食材の出どころを訪ね、ディープな有機農家(農場主のサルトン氏は非常に魅力的な人物だ)で農作業をし、鶏をと殺し、料理して食卓にのせるまでが描かれる。
第3部ではなんと自らハンティングに行き、キノコを採りサクランボを摘む。自分で手に入れた食材で、本来の食のあるべき姿である「完璧な食事」をつくる。
上下巻あり、読みごたえたっぷりだが、こういった翻訳本で省略されがちな参考文献まですべて丁寧に訳してあるのが嬉しい。文章が巧みでぐいぐいとひきこまれるのは、訳者の腕によるところもあるのかもしれない。読後は誰もが自分の食生活についてしばし考えることになるだろう。いや、しばらくは何も食べられなくなるかもしれない。現代人必読の、まれにみる名著だ。
2010年8月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
冒頭の章で、オーガニックの鶏や牛を解体する際のジレンマについて記載されています。政府が法律で定めている解体処理の設備や手順を順守するとコストなどが割高なるか、または工業的に育てられた鶏や牛と同一に扱われるため市場には出しにくいという問題が記載されています。
結局、本当に安全で美味しい肉を手に入れるには育てている地元まで実際に行き、こっそりと仕入れるしかないのが現状です。
それ以降の章は、著者が実際に鹿を狩ったり、キノコを採ったりして最高級のディナーを作成するまでの過程が記載されています。 蛇の道は蛇というようにその道で生活している人々がいて、著者はその人々の協力を得て取材を成功させています。
自分自身も、農作物を無農薬で育ててみたり、魚を採ったり、鶏を捌いたりした経験があるので判るのですが、本当に最高の食材は市場には出回りません。 またそれらの食材を保存食にしたり料理して食卓に載せるまでには手順と手間が掛かります。
結局のところ、現代の社会に生きる我々はどうしてもある程度、工業化された食材に頼らざる得ないのが現状なのかも知れません。
著者が最後に問いかけているように、自分が食べている食材はどのようにして自分の手元まで来ているのかを常に意識しておくことが、最低限の防衛策になるのかも知れません。
結局、本当に安全で美味しい肉を手に入れるには育てている地元まで実際に行き、こっそりと仕入れるしかないのが現状です。
それ以降の章は、著者が実際に鹿を狩ったり、キノコを採ったりして最高級のディナーを作成するまでの過程が記載されています。 蛇の道は蛇というようにその道で生活している人々がいて、著者はその人々の協力を得て取材を成功させています。
自分自身も、農作物を無農薬で育ててみたり、魚を採ったり、鶏を捌いたりした経験があるので判るのですが、本当に最高の食材は市場には出回りません。 またそれらの食材を保存食にしたり料理して食卓に載せるまでには手順と手間が掛かります。
結局のところ、現代の社会に生きる我々はどうしてもある程度、工業化された食材に頼らざる得ないのが現状なのかも知れません。
著者が最後に問いかけているように、自分が食べている食材はどのようにして自分の手元まで来ているのかを常に意識しておくことが、最低限の防衛策になるのかも知れません。
2010年1月7日に日本でレビュー済み
アメリカのエンゲル係数はわずか10%。日本、イタリア、フランスの半分だ。安くすまそうと思えば、加工食品をチンすればいいし、ファストフードも安い。それに、アメリカは伝統食が根付いていない。
「本物の食べ物」を探すが、下巻の目的だ。最後の章で「完璧な食事」を作る。これを作るまでが大きなドラマだ。その定義は:食事はすべて自分が狩猟、採取、栽培したもの。動物、植物、キノコ、塩をつかう。旬な食材をつかう。買い物はしない。料理は自分でする。
そのために、イノシシを狩り、キノコを探し、フルーツを探し、栽培し、粗塩をつくる(すごい大変)。これ工程をみるときに、分かるのが、なにげに食べている食事の真実の価値だ。
この本を読んで、おせち料理に加工食品をいれずに、自分で最初から作ってみたくなった。そして、やってみた。結局2日かかったが、食の価値を再認識することができた。
「本物の食べ物」を探すが、下巻の目的だ。最後の章で「完璧な食事」を作る。これを作るまでが大きなドラマだ。その定義は:食事はすべて自分が狩猟、採取、栽培したもの。動物、植物、キノコ、塩をつかう。旬な食材をつかう。買い物はしない。料理は自分でする。
そのために、イノシシを狩り、キノコを探し、フルーツを探し、栽培し、粗塩をつくる(すごい大変)。これ工程をみるときに、分かるのが、なにげに食べている食事の真実の価値だ。
この本を読んで、おせち料理に加工食品をいれずに、自分で最初から作ってみたくなった。そして、やってみた。結局2日かかったが、食の価値を再認識することができた。
2016年6月29日に日本でレビュー済み
上下巻通して,食育が重要視されている理由を理解した.
人による工業的畜産場の動物の扱いを知ると,人をこの動物達のように扱う人が多いように見える社会も不思議では無く,
生命,環境,倫理を考えさせられる.料理をしたくなる.
人による工業的畜産場の動物の扱いを知ると,人をこの動物達のように扱う人が多いように見える社会も不思議では無く,
生命,環境,倫理を考えさせられる.料理をしたくなる.
2013年4月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
毎日の食事を普通に食べられている現代の私たちは、様々な努力で、便利で安価でうまい物を追求していると思っていた。けれど、安価な餌を大量に造り出す産業にのせられて、今まで食べてこなかった食事と似た不自然なものが形を変えて、見かけのまったく違う餌に変えられて、実験動物のように供給されていることにショックを覚えた。
2021年4月2日に日本でレビュー済み
食べるために殺す、自分の目の届く由来の食べ物を料理して食べる、当たり前といえば当たり前をちゃんとプロ(や詳しい人)に取材して自分でやってみてるのが気持ちよくうらやましい。
上下巻めんどいなあという人は第三部、最後の18,19,20章から読むのも大変楽しい(そうか狩猟ってそういう興奮なのか)ワイルドでダイナミックかつ繊細な感謝あふれる文章。が、ここに至る前のページの考察があってこそ「食べるということ」の壮大さが身に染みると思います。
読み終わってこれからも毎日食べて生きていくんだが、いちいち深く考えなくてもどっか頭に残ってたらいいのではないかという内容です。
上下巻めんどいなあという人は第三部、最後の18,19,20章から読むのも大変楽しい(そうか狩猟ってそういう興奮なのか)ワイルドでダイナミックかつ繊細な感謝あふれる文章。が、ここに至る前のページの考察があってこそ「食べるということ」の壮大さが身に染みると思います。
読み終わってこれからも毎日食べて生きていくんだが、いちいち深く考えなくてもどっか頭に残ってたらいいのではないかという内容です。