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経済政策の政治学: 90年代経済危機をもたらした「制度配置」の解明 単行本 – 2005/9/1

4.0 5つ星のうち4.0 1個の評価

70年代後半以降の経済成長、80年代のバブル発生、90年代の金融危機発生といった一連の出来事を、日銀と大蔵省の政策策定過程から説明しようとした、若手研究者の野心的研究
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東洋経済新報社 (2005/9/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2005/9/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 351ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4492211551
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4492211557
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 1個の評価

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上川 龍之進
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上位レビュー、対象国: 日本

2011年12月23日に日本でレビュー済み
 平成の長期的な経済低迷をもたらした政治・行政側の要因について、70〜90年代前半の金融政策運営と90年以降の金融行政運営の2側面から描き出そうとする、政治経済学的事例研究の書。著者、上川龍之進(1976〜)は大阪大学法学部准教授(2011年12月現在)、京都大学博士(法学)。ここでは、特に前半の金融政策に関してレビューをしたい。
 既存の議論においては、1998年の日本銀行法改正以前においては、日本銀行は政府から低い独立性しか有しておらず、それ故に政治的圧力にさらされて物価安定的な運営に失敗してきたこと、また70年後半代からバブル発生に至るまでの経済的成功については、大蔵省が政治からの圧力の防波堤になったり、また政治家自身が介入を自重したため、とする見解が有力であった。
 これに対し本書では、大幅な金融緩和を政府与党や大蔵省が求めてきたのに対し、日本銀行が自らの努力によって実質的独立性を高め、インフレ抑制を最優先目標とした金融政策を実施したとする議論が展開される。上川によれば、少なくとも70年代後半以降を対象とした場合、上述した3つの仮説は全て棄却される。つまり日本銀行は、第一次石油危機前後の「狂乱物価」の反省を踏まえ、1970年代半ば〜90年代前半を通じて、マネー・サプライ重視、金融機関と共同での金利自由化運動、「開かれた日銀」の名の下での情報提供・広報、特別調査室設置を始めとした専門性の蓄積、などの様々な手段を獲得・活用することによって実質的な独立性を獲得し、物価の安定という自らの政策指向の貫徹に成功した。また、大蔵省が日本銀行と政治との防波堤になったとする2つ目の仮説も、逆の事実を示す事例が多く観察されるとして否定される。さらに保守長期政権である自由民主党は、1970年代半ば以降も引き続き金融緩和を求め、要所々々で圧力をかけ続けた。むしろ野党左派の方が、政府与党に批判的立場から日本銀行の独立性を尊重する傾向にあることが示され、3つ目の仮説にも疑念を投げかける。最後に1980年代の過剰な金融緩和も、政府・大蔵省からの圧力というよりは、当時の日本銀行国際派による金融緩和支持の論調、および資産インフレの発生を見逃した日本銀行内部の事情などを重視すべきだ主張する。 
 日本銀行法改正以前の上川の議論には、確かに指摘されるべき問題点もある。例えば、国際比較における日本の経済パフォーマンスを位置づけるにあたり、上川は第2見解を示すアイバーセンの比較モデルを全面的に継承している。だが既述のとおり、その後の事例研究ではアイバーセンが前提とした大蔵省・日本銀行の「同盟関係」は否定され、むしろ大蔵省は日本銀行への介入を行う主体に位置づけられる。また実証方法に関しても、鹿毛利枝子も指摘するように 、「政治家が官僚組織に対して制裁を科すことを可能にする制度が機能しているのか否か」を説明変数として日本銀行の長期的な目的追求可能性の如何を説明しようとする以上、仮説検証上の力点は、政府・自由民主党の側の持つ体系的な政策選好、および制裁手段、制裁発動に伴うコストの論証にもおかれるべきだろう。しかし、多くの文献や資料を読み込んだ上での事例検証により、法制度重視論、大蔵省防波堤論、自由民主党介入自粛論の3説を否定し、法改正前から日本銀行が実質的に独立性の高い金融政策運営を果たしてきたと評価する上川の一連の議論の価値は高い。筆者も、様々な対立状況に直面しながら、日本銀行が自らの意思貫徹に概して成功してきたとする限りにおいて、上川の解釈に概ね賛同したい。
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