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ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄 単行本 – 2009/7/31
白戸 圭一
(著)
2010年にFIFAワールドカップが開催される南アフリカ共和国をはじめ、アフリカの国々は、いま経済成長のさなかにいます。世界的な経済不況の影響はあるものの数パーセント以上の経済成長率を達成しています。
これは、石油、金、ダイヤモンド、レアメタル…など、先進国の経済を支える貴重な資源が大量に眠っているからです。先進国の投資によって、かつての貧困の地が今、高度成長を続けているのです。
しかし、マクロ経済の数値を調べれば好調としか言いようのない、アフリカの国々で、犯罪が蔓延し、武装組織が結成され、人身売買が横行し、住民虐殺が行われています。格差の拡大と暴力の洪水は、資源ブームに沸くアフリカで顕在化している問題なのです。しかも、海賊行為、麻薬の密輸、金融詐欺など、国境を越える暴力となって先進国にも襲いかかっています。もちろん、日本にもです。
成長し続けるアフリカでなぜ、格差が広がっているのでしょうか。資源は人と社会に何をもたらすのでしょうか。アフリカの今を描くことは、日本を含む世界の明日を占う手がかりになるのではないでしょうか。
資源ブームに沸くアフリカでなぜ、暴力の嵐が吹き荒れるのか。元現地特派員が自らの目で見たアフリカ社会の今を報告します。
これは、石油、金、ダイヤモンド、レアメタル…など、先進国の経済を支える貴重な資源が大量に眠っているからです。先進国の投資によって、かつての貧困の地が今、高度成長を続けているのです。
しかし、マクロ経済の数値を調べれば好調としか言いようのない、アフリカの国々で、犯罪が蔓延し、武装組織が結成され、人身売買が横行し、住民虐殺が行われています。格差の拡大と暴力の洪水は、資源ブームに沸くアフリカで顕在化している問題なのです。しかも、海賊行為、麻薬の密輸、金融詐欺など、国境を越える暴力となって先進国にも襲いかかっています。もちろん、日本にもです。
成長し続けるアフリカでなぜ、格差が広がっているのでしょうか。資源は人と社会に何をもたらすのでしょうか。アフリカの今を描くことは、日本を含む世界の明日を占う手がかりになるのではないでしょうか。
資源ブームに沸くアフリカでなぜ、暴力の嵐が吹き荒れるのか。元現地特派員が自らの目で見たアフリカ社会の今を報告します。
- 本の長さ326ページ
- 言語日本語
- 出版社東洋経済新報社
- 発売日2009/7/31
- ISBN-104492211829
- ISBN-13978-4492211823
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商品の説明
著者について
白戸圭一(しらと・けいいち)
1970年埼玉県生まれ。1995年立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。同年毎日新聞社入社。鹿児島支局、福岡総局(現西部本社報道部)、外信部を経て2004年から2008年までヨハネスブルク特派員。現在、政治部記者。共著に、『アフリカはいつもハッピー』(かもがわ出版、1993年)、『新生南アフリカと日本』(勁草書房、1994年)、『南アフリカと民主化』(勁草書房、1996年)、『地域研究調査法を学ぶ人のために』(世界思想社、1996年)、『社会開発論』(有信堂高文社、2001年)がある。
1970年埼玉県生まれ。1995年立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。同年毎日新聞社入社。鹿児島支局、福岡総局(現西部本社報道部)、外信部を経て2004年から2008年までヨハネスブルク特派員。現在、政治部記者。共著に、『アフリカはいつもハッピー』(かもがわ出版、1993年)、『新生南アフリカと日本』(勁草書房、1994年)、『南アフリカと民主化』(勁草書房、1996年)、『地域研究調査法を学ぶ人のために』(世界思想社、1996年)、『社会開発論』(有信堂高文社、2001年)がある。
登録情報
- 出版社 : 東洋経済新報社 (2009/7/31)
- 発売日 : 2009/7/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 326ページ
- ISBN-10 : 4492211829
- ISBN-13 : 978-4492211823
- Amazon 売れ筋ランキング: - 546,713位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 14,348位社会・政治の法律
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年4月8日に日本でレビュー済み
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アフリカ各国の西欧社会の侵食による、腐敗度合いがよく分かった。
2018年11月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作者も書いていたように、残念ながらアフリカ関連のニュースはあまり取り上げられず、取り上げられても数行という扱いなので、特に興味のない人達にとっては、アフリカはなじみの薄い、貧困と治安の悪い大陸と位しかのイメージがないのが事実だと思います。この本は、どうして貧困と治安がアフリカの問題なのか、「なぜ?」の部分を掘り下げた、非常に読み応えのある本でした。素晴らしい洞察と取材に基づいて書かれた本だと思います。
ただ二つ述べておきたい事は、この本はアフリカ諸国独立後に焦点を当てた本であり、それとはまた別にアフリカの問題は植民地、奴隷貿易の歴史にも深く根をおろしているという事実。そして、アフリカはもちろん治安の悪い場所もありますが、作者も本中で書いてある通り、大多数の人々は私達と同じ人間であり、全てのアフリカの町、村で、貧困と暴力がはびこっているというのは全く違います。その点も念頭に置いて読むと、もっと作者の意図に肉薄して読めると私は考えます。
ただ二つ述べておきたい事は、この本はアフリカ諸国独立後に焦点を当てた本であり、それとはまた別にアフリカの問題は植民地、奴隷貿易の歴史にも深く根をおろしているという事実。そして、アフリカはもちろん治安の悪い場所もありますが、作者も本中で書いてある通り、大多数の人々は私達と同じ人間であり、全てのアフリカの町、村で、貧困と暴力がはびこっているというのは全く違います。その点も念頭に置いて読むと、もっと作者の意図に肉薄して読めると私は考えます。
2019年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
再掲
毎日新聞特派員としてヨハネスブルグを拠点にアフリカ大陸をまさに縦横無尽に身の危険を顧みずに取材した白戸氏(1970-)の記録。取材は2004-2008に行われている。
南アフリカ、モザンビーク、ナイジェリア、コンゴ民主共和国、スーダン、ソマリアと言った国々が登場する。資源大陸と呼ばれ多くのレアメタルや金、ダイヤモンド、鉱物を産出するアフリカの国々。そこにはそれら資源を買う側の姿も見え隠れしている。決して日本はそれに関与していないとは言えないのである。暴力や犯罪を生み出す背景は決して単純な構造ではないであろうことは本書でも明らかである。国際社会とは何か、グローバリズムとは何を求めることなのか?援助という名の汚職支援は無かったのだろうか。
一つの答えとして終章で白戸氏は書く、
「地球規模の格差社会の底辺に置かれたアフリカかから染み出す犯罪などの負の側面は家具後の上で、競争礼賛で弱肉強食の道を突き進むのか。一方、先進国側も暴力の拡散に耐えきれず、資本主義の暴走に一定の歯止めをかけ、命の価値を平準化する努力に取り組むのか。私たちは今、命の価値を巡る一つの岐路に立たされているのではないだろうか。」
アフリカにほとんど係わりの無い方が本書を読まれると、アフリカというところは危険で腐敗し、訪問するような所ではないと思われてしまうかもしれない。
しかし多くのアフリカ諸国には、目をキラキラさせて明日の未来を夢見て勉強したり、サッカーに汗を流す多くの子供達が生きている。そしてそれぞれの国の文化や歴史がある。また大家族制の共同体を形成して助け合って生きて行く社会もあるのだ。植民地時代に列強国が勝手に引いた国境線に区切られた大陸を国際社会がどう対応していくのか一人一人が考えねばいけないのではないかと思ったのである。
毎日新聞特派員としてヨハネスブルグを拠点にアフリカ大陸をまさに縦横無尽に身の危険を顧みずに取材した白戸氏(1970-)の記録。取材は2004-2008に行われている。
南アフリカ、モザンビーク、ナイジェリア、コンゴ民主共和国、スーダン、ソマリアと言った国々が登場する。資源大陸と呼ばれ多くのレアメタルや金、ダイヤモンド、鉱物を産出するアフリカの国々。そこにはそれら資源を買う側の姿も見え隠れしている。決して日本はそれに関与していないとは言えないのである。暴力や犯罪を生み出す背景は決して単純な構造ではないであろうことは本書でも明らかである。国際社会とは何か、グローバリズムとは何を求めることなのか?援助という名の汚職支援は無かったのだろうか。
一つの答えとして終章で白戸氏は書く、
「地球規模の格差社会の底辺に置かれたアフリカかから染み出す犯罪などの負の側面は家具後の上で、競争礼賛で弱肉強食の道を突き進むのか。一方、先進国側も暴力の拡散に耐えきれず、資本主義の暴走に一定の歯止めをかけ、命の価値を平準化する努力に取り組むのか。私たちは今、命の価値を巡る一つの岐路に立たされているのではないだろうか。」
アフリカにほとんど係わりの無い方が本書を読まれると、アフリカというところは危険で腐敗し、訪問するような所ではないと思われてしまうかもしれない。
しかし多くのアフリカ諸国には、目をキラキラさせて明日の未来を夢見て勉強したり、サッカーに汗を流す多くの子供達が生きている。そしてそれぞれの国の文化や歴史がある。また大家族制の共同体を形成して助け合って生きて行く社会もあるのだ。植民地時代に列強国が勝手に引いた国境線に区切られた大陸を国際社会がどう対応していくのか一人一人が考えねばいけないのではないかと思ったのである。
2011年7月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
毎日新聞記者が書いた南アフリカ、ナイジェリア、コンゴ、スーダン、ソマリアの犯罪組織や紛争についてのルポルタージュ。アフリカの暴力に焦点をあて、そこで発生している様々なテロや紛争が、地球の裏側のごく限られた地域で起こっていることではなく、先進国や近隣諸国とのグローバルな関係性の中から生まれていることに気づかされる。取材を通じて紛争の現状や原因について迫っていく手法はみごとであるし、内容に引きつけられるものがあることも事実。
ただし、巻末で著者自身が指摘しているように、アフリカの多様な側面やプラスの面から目を背け、暴力的な側面にのみ焦点を当てることでステレオタイプや偏見を助長しかねないという点にはやはり留意が必要だろう。ここで書かれている事だけがアフリカの真実というわけではないし、巨大な大陸のごく一部、センセーショナルな部分について語っているにすぎない。
アフリカについて知るには、こうしたルポか旅行記、さもなければ分厚い専門書になってしまうので、手軽に読めるという点では便利だと思う。
ただし、巻末で著者自身が指摘しているように、アフリカの多様な側面やプラスの面から目を背け、暴力的な側面にのみ焦点を当てることでステレオタイプや偏見を助長しかねないという点にはやはり留意が必要だろう。ここで書かれている事だけがアフリカの真実というわけではないし、巨大な大陸のごく一部、センセーショナルな部分について語っているにすぎない。
アフリカについて知るには、こうしたルポか旅行記、さもなければ分厚い専門書になってしまうので、手軽に読めるという点では便利だと思う。
2017年1月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
グローバリゼーションに翻弄され、複雑な利害関係、歴史に翻弄された結果、暴力や貧困まみれになったアフリカの国々を取り上げている。
タイトルは暴力が結ぶ貧困と繁栄と書いてあるが、暴力と貧困が9割。
記者である筆者が、南アフリカ駐在時代に、昨今繁栄で注目を集めるアフリカの暗い部分をテーマに、実際の取材と各種文献の調査に基づく、レポート。綿密な調査と、実際に自分の脚で稼いだ事が伝わってくる丁寧な内容になっており、大変勉強になった。
アフリカ入門書には不適だが、他書と併せてアフリカの理解を深める事が出来る素晴らしい本と思う。
タイトルは暴力が結ぶ貧困と繁栄と書いてあるが、暴力と貧困が9割。
記者である筆者が、南アフリカ駐在時代に、昨今繁栄で注目を集めるアフリカの暗い部分をテーマに、実際の取材と各種文献の調査に基づく、レポート。綿密な調査と、実際に自分の脚で稼いだ事が伝わってくる丁寧な内容になっており、大変勉強になった。
アフリカ入門書には不適だが、他書と併せてアフリカの理解を深める事が出来る素晴らしい本と思う。
2018年5月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
テレビや新聞だけでは紹介しきれないアフリカの闇が著者の実体験によって浮き彫りになってます。日本などでは信じられないような腐敗、地域住民の解放を唄うゲリラ活動も所詮利益配分の不満から来るもので腐敗した体制側と実態は変わらない。つくづく日本に生まれてよかった
2017年1月4日に日本でレビュー済み
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ジャーナリズムの最高峰。アフリカに興味があろうとなかろうと読んで後悔のない一冊。
2016年1月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現在、アフリカが世界の治安の足を引っ張っているといわれる。しかし、アフリカのどこがどう問題なのかということを説明してくれる本は少ない。
本書は、著者の様々な計画、行動、そして身に降りかかる事件を細かく報告することで、問題の本質に迫っている。読み始めた時点では、著者の生活の仔細な記述にもどかしさを感じたが、読み進むうちに具体的で分かりやすく混沌としたアフリカ社会を目の当たりにしていると感じている自分がいた。これがまさに「ルポルタージュ」の力であろう。
アフリカ問題は、日本のマスコミから流れる情報では部族間抗争が大きな要因といわれているが、この本ではアフリカ社会の未熟さ、貧困、そこに付けこむ石油メジャーの横暴等が原因であると具体的な形で指摘している。社会の未熟さとは教育軽視、国家・政治家の真の役割の無理解、人の上に立つ者の社会性の欠如(強欲さ、凶暴さ)などであろうか。
要するにアフリカ社会の民主主義がまだまだ未成熟なのであろう。救いようのない現状からの脱出には、一世紀を超える時間を要するのだろう。
本書は、著者の様々な計画、行動、そして身に降りかかる事件を細かく報告することで、問題の本質に迫っている。読み始めた時点では、著者の生活の仔細な記述にもどかしさを感じたが、読み進むうちに具体的で分かりやすく混沌としたアフリカ社会を目の当たりにしていると感じている自分がいた。これがまさに「ルポルタージュ」の力であろう。
アフリカ問題は、日本のマスコミから流れる情報では部族間抗争が大きな要因といわれているが、この本ではアフリカ社会の未熟さ、貧困、そこに付けこむ石油メジャーの横暴等が原因であると具体的な形で指摘している。社会の未熟さとは教育軽視、国家・政治家の真の役割の無理解、人の上に立つ者の社会性の欠如(強欲さ、凶暴さ)などであろうか。
要するにアフリカ社会の民主主義がまだまだ未成熟なのであろう。救いようのない現状からの脱出には、一世紀を超える時間を要するのだろう。