本書はゴミ問題を経済学の立場から総合的に論じたもの。「入門」と銘打ってはいるが、経済学の素養をある程度もっていないと、通読することは難しいように思う。特に、外部費用、社会的限界費用、私的限界費用といった概念の理解が、本書の言わんとすることを正しく理解するためには必須であると感じた。
「第16章 おさらい」に書かれている次の文章が本書の要諦を表していると思った。
「『悪い』ことを禁止したり、『良い』ことを義務づけるのは、たいていの場合セカンドベストにしかならない。悪い行為をゼロにするのも、良い行為への参加を全員に義務づけるのも、ふつう最適ではない。そうしたぞんざいな政策手段に頼る前に、価格付けを変えて、人々に社会的に望ましい行為を取ってもらうようにする道を探るべきだろう。」
その他、本書を読んで、印象的であった点は、日本や欧州ではゴミの処理方法としては焼却が一般的だが、焼却はコストのかかる処理方法であり、国土の広い米国では埋め立てが一般的であるということである。おそらくロシア、ブラジル、オーストラリアなども事情は同じであろう。日本にいると、埋立=悪と思い込みがちなので意外だった。そういう意味で、日本以外、非欧州のゴミ問題を考える際には、特に有益であろう。
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入門廃棄物の経済学 単行本 – 2005/2/1
現代はごみ問題を避けて通ることはできない。本書は廃棄物の発生、収集、処理、リサイクルを、経済学の立場からきわめて平易に解説したテキスト決定版。廃棄物問題の全貌がわかる。
- ISBN-104492313443
- ISBN-13978-4492313442
- 出版社東洋経済新報社
- 発売日2005/2/1
- 言語日本語
- 本の長さ395ページ
登録情報
- 出版社 : 東洋経済新報社 (2005/2/1)
- 発売日 : 2005/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 395ページ
- ISBN-10 : 4492313443
- ISBN-13 : 978-4492313442
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,104,735位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,916位都市開発・都市問題 (本)
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