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日本の危機―私たちは何をしなければならないのか 単行本 – 2012/11/1
正村 公宏
(著)
- 本の長さ310ページ
- 言語日本語
- 出版社東洋経済新報社
- 発売日2012/11/1
- ISBN-104492395814
- ISBN-13978-4492395813
登録情報
- 出版社 : 東洋経済新報社 (2012/11/1)
- 発売日 : 2012/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 310ページ
- ISBN-10 : 4492395814
- ISBN-13 : 978-4492395813
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,645,172位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 187,121位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今好調になってきているからこそ、過去の事例から日本の本質的な危機的状況を把握して、対処していく心構えが必要だと理解し、自分の日常をも反省する為にもいろいろな人に読んで欲しい。
2018年7月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は、元々マルクス経済学者で構造改革論争を経て徐々に脱マル経をはかってきた人だ。
右か左かという二分法でいえば、明らかに左の人ということにはなるのだが、例えば、
消費税が導入される際には「消費税は低所得者ほど税負担が重くなる逆進的な税だ」と
いう自称革新陣営の主張を批判し、消費税の課税ベースは消費なのだから消費支出を
基準にとれば比例的な税であって逆進的ではないと指摘するなど、右だ左だという枠には
収まらない立ち位置でもある。
ただ、細かく見ていくと、経済学のロジックよりも常識的な立場かなと思えることもある。
貿易摩擦に関連して「輸出を猛烈に伸ばして貿易黒字を稼ぎ出すのは好ましくない」と
いった議論は、貯蓄・投資バランスやマンデル=フレミング・モデルを踏まえると、
違和感を禁じ得ない。
本書においても、デフレ脱却のためのインフレ・ターゲティングに関して「インフレ・
ターゲティングはインフレ脱却・インフレ抑制のために行うもので、デフレ脱却に使う
なんて話は聞いたこともない」という趣旨の記述が見られるが、実際にはデフレ脱却
のためにインフレ・ターゲティングは使われており、何も日本だけではない。
そもそも、バブル崩壊後に「よいデフレ」論を唱えて金融緩和に強硬に抵抗した日銀の
速水優総裁(当時)らこそが世界の中央銀行の中でも異質な存在だった。翁邦雄氏は
中央銀行の会合に出席すると、他の中央銀行の関係者から「なぜ、日本銀行は金融を
緩和しないのか?」と毎回尋ねられて返答に困ったと述べているが、当然だろう。
好況期には金融引き締め、不況期に金融緩和を行うというのは政策運営の基本だ。
それを無視して「よいデフレだ」とか「構造改革が必要だ」とか寝言のようなことを
速水総裁が口走っているのだから、他国の中央銀行が「どうしたんだ? 大丈夫か?」
といぶかしく思うのは至極当然だろう。
著者としては、不況期には金融緩和ではなく財政出動が効果的だという認識のようだが、
具体的にどういうモデルを想定してその結論が導かれるのかは不明だ。少なくとも、
教科書的なマンデル=フレミング・モデルからは出てこない。
ただの評論家と経済学者の違いは、議論に当たって何かしらのモデルを想定するか
しないかだと思う。評論家はモデルなしで経験や勘に基づいて感覚的な議論を展開する。
感覚的だから、前後で矛盾するようなことも平気で主張する。一方、経済学者は一応
モデルに基づいて議論をするので、一貫性はとりあえずある。ただし、教科書的な
モデルというのは抽象度が高いから、そのままで複雑な現実に当てはめるのは無理。
職人芸的なパッチワークで、あれこれのモデルをつなぎ合わせて説明する工夫も
時には必要だ。
著者の場合、比較的単純なモデルを使って、骨太な議論を展開するというのが魅力
ではあるものの、内生的貨幣供給論をベースにして、教科書的な貨幣乗数理論を
「金融政策の現場、現実を知らない人たちの主張」と切って捨てていいのかとも
思う。
右か左かという二分法でいえば、明らかに左の人ということにはなるのだが、例えば、
消費税が導入される際には「消費税は低所得者ほど税負担が重くなる逆進的な税だ」と
いう自称革新陣営の主張を批判し、消費税の課税ベースは消費なのだから消費支出を
基準にとれば比例的な税であって逆進的ではないと指摘するなど、右だ左だという枠には
収まらない立ち位置でもある。
ただ、細かく見ていくと、経済学のロジックよりも常識的な立場かなと思えることもある。
貿易摩擦に関連して「輸出を猛烈に伸ばして貿易黒字を稼ぎ出すのは好ましくない」と
いった議論は、貯蓄・投資バランスやマンデル=フレミング・モデルを踏まえると、
違和感を禁じ得ない。
本書においても、デフレ脱却のためのインフレ・ターゲティングに関して「インフレ・
ターゲティングはインフレ脱却・インフレ抑制のために行うもので、デフレ脱却に使う
なんて話は聞いたこともない」という趣旨の記述が見られるが、実際にはデフレ脱却
のためにインフレ・ターゲティングは使われており、何も日本だけではない。
そもそも、バブル崩壊後に「よいデフレ」論を唱えて金融緩和に強硬に抵抗した日銀の
速水優総裁(当時)らこそが世界の中央銀行の中でも異質な存在だった。翁邦雄氏は
中央銀行の会合に出席すると、他の中央銀行の関係者から「なぜ、日本銀行は金融を
緩和しないのか?」と毎回尋ねられて返答に困ったと述べているが、当然だろう。
好況期には金融引き締め、不況期に金融緩和を行うというのは政策運営の基本だ。
それを無視して「よいデフレだ」とか「構造改革が必要だ」とか寝言のようなことを
速水総裁が口走っているのだから、他国の中央銀行が「どうしたんだ? 大丈夫か?」
といぶかしく思うのは至極当然だろう。
著者としては、不況期には金融緩和ではなく財政出動が効果的だという認識のようだが、
具体的にどういうモデルを想定してその結論が導かれるのかは不明だ。少なくとも、
教科書的なマンデル=フレミング・モデルからは出てこない。
ただの評論家と経済学者の違いは、議論に当たって何かしらのモデルを想定するか
しないかだと思う。評論家はモデルなしで経験や勘に基づいて感覚的な議論を展開する。
感覚的だから、前後で矛盾するようなことも平気で主張する。一方、経済学者は一応
モデルに基づいて議論をするので、一貫性はとりあえずある。ただし、教科書的な
モデルというのは抽象度が高いから、そのままで複雑な現実に当てはめるのは無理。
職人芸的なパッチワークで、あれこれのモデルをつなぎ合わせて説明する工夫も
時には必要だ。
著者の場合、比較的単純なモデルを使って、骨太な議論を展開するというのが魅力
ではあるものの、内生的貨幣供給論をベースにして、教科書的な貨幣乗数理論を
「金融政策の現場、現実を知らない人たちの主張」と切って捨てていいのかとも
思う。
2013年3月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容的に満足するものではなかった。もっと確かめて購入すべきだった。