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最後の資本主義 単行本 – 2016/12/2

4.3 5つ星のうち4.3 54個の評価

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購入オプションとあわせ買い

ライシュの提案する、新しい資本主義の形。政府か市場か、の二者択一ではなく、市場メカニズムの根幹となる市場のルールを見直すことで、資本主義を壊すことなく、サステナブルな資本主義を構築できる。
市場メカニズムのルール自体が、勝者だけが勝ち続け、富が一方的に上方に移動するような仕組みになっている。ここにメスを入れずして、ゲーム終了時の所得再分配の率だけを議論しても意味がない。ルールそのものを、そして資本主義そのものを、一部の勝者のためだけに利するものではなく、大勢の人が生き残っていけるようなものにしていこう。
このままでは、人間の働くことの価値はますます小さくなり、稼ぐことのできるものは資本のみとなってしまう。技術が発達し、ロボットがどんなにすばらしい財・サービスを提供できても、それを買うことのできる層は消滅する。そしてロボットが代替するのは単純労働だけではないのだ。頭脳労働でさえも、ロボットにとって代わられる時代が来ている。
今こそ、新しいルールの下で資本主義を立て直さなければならない。そうでないと、資本主義はその土台部分から壊れてしまう。
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商品の説明

著者について

ロバート・B・ライシュ
カリフォルニア大学バークレー校教授
1946年、ペンシルバニア州に生まれる。ハーバード大学教授などを経て、現在、カリフォルニア大学バークレー校公共政策大学院教授。クリントン政権での労働長官をはじめ三つの政権に仕えたほか、オバマ大統領のアドバイザーも務めた。著書は『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ』、『暴走する資本主義』など多数。雑誌『ニューヨーカー』、『アトランティック』や、『ニューヨーク・タイムズ』、『ワシントン・ポスト』、『ウォールストリート・ジャーナル』各紙への寄稿多数。雑誌『アメリカン・プロスペクト』の共同創立編集人。2008年、『タイム』誌の「最も業績を収めた20世紀の閣僚10人」の1人に選ばれたほか、『ウォールストリート・ジャーナル』紙で「最も影響力のある経営思想家20人」にも選出された。2013年、ライシュ自身をモチーフにして制作された映画『みんなのための資本論』(ジェイコブ・コーンブルース監督)が、サンダンス映画祭ドキュメンタリー部門にて審査員特別賞を受賞。2014年、アメリカ芸術科学アカデミーのフェローに選ばれる。

雨宮 寛(アメミヤ ヒロシ)
コーポレートシチズンシップ代表取締役
コーポレートシチズンシップ代表取締役
コロンビア大学ビジネススクール経営学修士およびハーバード大学ケネディ行政大学院行政学修士。モルガン・スタンレーおよびクレディスイスにおいて資産運用商品の商品開発を担当。2006年コーポレートシチズンシップを創業。明治大学公共政策大学院兼任講師、法政大学現代福祉学部兼任講師。DWMアセットマネジメント日本代表。CFA協会認定証券アナリスト。NPO法人ハンズオン東京副代表理事。日本Bコーポレーション推進支援委員会。今井章子氏との共訳書に『あなたのTシャツはどこから来たのか?』ピエトラ・リボリ著、『金融恐慌1907』ロバート・F・ブルナー/ショーン・D・カー著、『暴走する資本主義』『余震』『格差と民主主義』ロバート・B・ライシュ著(以上、東洋経済新報社)など多数。

今井 章子(イマイ アキコ)
昭和女子大学教授、コーポレートシチズンシップ取締役
昭和女子大学教授 コーポレートシチズンシップ取締役
ハーバード大学ケネディ行政大学院行政学修士。英文出版社にて外交評論誌の編集に携わる。ジョンズホプキンス大学ライシャワー東アジア研究所客員研究員、東京大学法学政治学研究科客員研究員等を経た後、政策シンクタンクにて提言などの国内外への広報、海外専門家との政策対話、CSR研究などに従事。現在、昭和女子大学グローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科教授として、グローバル化による社会課題やリーダーシップの在り方、CSR(企業の社会的責任)などについて研究している。雨宮寛氏との共訳書に、『あなたのTシャツはどこから来たのか?』ピエトラ・リボリ著、『金融恐慌1907』ロバート・F・ブルナー/ショーン・D・カー著、『暴走する資本主義』『余震』『格差と民主主義』ロバート・B・ライシュ著(以上、東洋経済新報社)など多数。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東洋経済新報社 (2016/12/2)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2016/12/2
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 363ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4492444408
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4492444405
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.7 x 2.5 x 19.6 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 54個の評価

著者について

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ロバ−ト・B.ライシュ
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上位レビュー、対象国: 日本

2016年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原題Saving Capitalism(資本主義を救う)通りの内容です。
まず、論旨を組み立てる事実の紹介や蘊蓄が面白いです。例えば、

株主資本主義論は1980年代に定着したもので、
米国もそれまではステークホルダー資本主義だった、とか、

モンサントは、米国で農家が植える大豆の9割以上、トウモロコシの8割の遺伝形質を所有している。この種子から育つ大豆とモロコシは自身の種を作らず、農家は毎年モンサントから種子を購入しなければならない。商品穀物農家の大部分がモンサントの傘下に。そして、生活費の伸びをはるかに上回る種子の価格の上昇。
モンサントのロビー活動は同業に比して群を抜いて多額(2013年は700万ドル)で、同社の元従業員が農業や食品関連の官僚や議会や大統領顧問に就任して影響力がある、とか、

あのハイエクも、ベーシックインカムを支持していた(『法と立法と自由Ⅲ』p81)とか、

『コモン・センス』の著者、トマス・ペインも、「農民の正義」という論文で、「土地は共有財産だけど、農耕社会になって土地所有は仕方なく、ただし、それでも、収穫の分け前はすべての市民に正当な報酬を与える事が必要、とか、

対策として、「ベネフィット・コーポレーション」という新しい形態の経営
などなど、「へー」の連続なのです。

そして、全体として
今日の資本主義の症状(経済格差と機会不均等)を明らかにし、
その要因を分析し(富裕層がより豊かになるルールを構築し、
中間層が徐々に転落していくが、
その変化は社会に気づかれないように進行している)、
処方箋(大多数の人々のためのルールに戻す拮抗力の回復)
を書いています。
このルールの改正は、過去(1896年以降や1970年代後半など)、
何度も行われてきたのだから、
皆が上記の事実に気づいて、やる気になればできるという。

米国の大統領選挙や英国のEU離脱国民投票の前の
2015年に著されたものだが、その結果の背景になる
現象や原因を詳細に明らかにしている。
米国では、共和党保守派だけでなく、
(著者のライシュ自身も参画した)民主党のクリントン政権も
富裕層に取り込まれ、富裕層のための政策が実行されてきたこと等々。
そして今後数年後、「共和党か民主党か」ではなく、
「体制派か反体制派か」へと米国政治の対立の軸が変わる可能性が高いと。

こうした良識派の優れた学者が台頭するところに
米国社会の健全性と強さがあるように思えます。
25人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年3月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 著者は、アメリカで中間層が減り、富が一部の者に集中し、富の偏在と格差が拡大したことを、具体的に述べている。これは、自由市場の法的なルールが不公正な結果であり、市場の法的なルールを公正なものにすれば、中間層を復活させ、資本主義経済を救済できると述べる。
 「自由な市場」か「政府」かではなく、どのような市場にするかが問題であり、それは、法的なルール次第だと著者は述べる。市場は人間が作るものであり、私有財産の内容は、法律によって定まる。かつて、トマス・ペインは、私有財産は人間による作為だと述べたそうだ(284頁)。確かに、ヨーロッパでは土地所有権の規制が広く、日本とアメリカでは土地所有権の保障が厚いという違いがあり、私的財産制度のあり方は国によってかなり異なる。自由にすれば、弱肉強食になるのは、当たり前だろう。大雑把な印象としては、北欧、ドイツ、スイス、オランダなどでは自由市場の規制が多く、それが格差の拡大を防いでいる。特に、北欧では規制が強い。
 アメリカの格差の拡大は既成政治に対する不満をもたらし、それが、トランプの当選をもたらしたのだろう。しかし、トランプは、共和党であり、格差のいっそうの拡大をもたらしそうだ。アメリカの大衆は、ライシュが期待するほど賢明ではないようだが、著者は希望を持っている。著者は、既成政治に対する対抗勢力の重要性を指摘する。
 第二次世界大戦前のドイツ国民は、もっと賢明であれば、自由な選挙でナチスを選択することはしなかっただろう。国民が事実を知り賢明な選択をすることは、容易ではない。自由な選択が大きな過ちを犯すことは多い。戦後のドイツは、ナチスへの反省から始まったが、アメリカは今までそのような「反省」の機会がない。日本はどうか。
 日本は、もともと市場の規制がけっこうあり、市場がそれほど自由ではなかったので、格差も小さかったが、近年の規制緩和の結果、格差が拡大しつつある。日本でも格差の拡大に対する国民の不満は大きいが、選挙の時は気にしない人が多いようだ。

 国民が賢明な選択をするうえで、市場を形成する法律の仕組みが非常に複雑で、国民の目に見えにくいという問題がある。税制度、著作権法、独占禁止法、会社法、契約、金融、財政、原発の規制基準などを理解することは、一般の国民には難しい。資産と能力が次世代に承継される今の社会のシステムは国民の目にはわかりにくい。公務員の天下りが問題になっているが、大企業でも退職後に関連団体に再就職する。格差を維持、温存、拡大するシステムは、細かい法令を全体的に分析しなければ、全体が見えてこない。一般の庶民は、難しい本を読まず、マスコミの影響を受けやすい。この本でアメリカとドイツの企業に対する規制の違いが指摘されているが、それを理解しているアメリカの一般庶民は少ないだろう。ライシュは、市場の仕組みを国民が理解することが重要だと述べるが、それが難しい。この点は、日本も同じである。
 複雑な仕組みは専門家でなければわからないが、専門家の多くは役所に所属し、研究者の行政や企業との関係が強まっている。国や企業は大学の資金源と深く関わり、その結果、最近は文部官僚の大学への天下りが増えているようだ。 
 一般に、専門家は専門分野に詳しくなればなるほど、全体が見えなくなり、視野が狭くなる傾向があるが、この本は、著者の幅広い博学によって広い視野から格差や自由市場の問題を考察している。
 ライシュが述べるように、アメリカの市場経済に、「まだ、救済の余地がある」とすれば、日本では、もっと可能性が大きいということになりそうだ。
27人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年2月7日に日本でレビュー済み
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原題は、Saving Capitalism。資本主義を立ち直らせるにはどうしたらいいのか、資本主義をどのように取り戻すか、についての論考である。ライシュはステグリッツと並ぶリベラル派の経済学者であり、「暴走する資本主義」(2007年)、「余震」(2011)において大企業が大きな影響力を持ち、民主主義を脅かしていることを予言した。

ライシュは本書の冒頭でもはや大きな政府か自由な市場かという議論は意味がない、と書く。大資本と富裕層が政治に働きかけて自分たちに有利なようにルールを作り変えているので、市場はますます力がある側にとって有利な仕組みに変わっていく。ライシュはそのことを、所有権、独占、契約、倒産、執行について具体的に論証していく。市場ルールが富裕層と貧困層を増やすように機能している以上、政府が後追いで少々の再配分を試みても焼け石に水だと言うのである。こうして貧困層が増大し、中間層が減少へ向かいつつある。このまま中間層が消滅に向かえば、富の集中によって市場が縮小し、資本主義そのものが終わってしまう、とライシュは警告する。

それを防ぐためには何が必要か。これが本書のもう一つの主題である。ヒントとして挙げられるのが 1960年代までの分厚い中間層が存在した繁栄の時代である。この時代に経済成長と中間層形成が両立したのは、労働組合や農協などの拮抗勢力が力を持ち、政府が大企業を牽制するような市場ルールを制定せざるを得なかったからだと指摘する。しかし、現代は民主党、共和党共にウォール街になびき、貧困層、中間層の側に立ってはいない。したがって今後の対立軸は民主党対共和党ではなく、大企業、富裕層対中間層、貧困層であり、新しい多数派の結集によって市場のルールの変更を実現しなければならないとライシュは説くのである。先の大統領選を顧みるならば、サンダース候補の善戦やトランプの勝利が現体制への不満の結果であるならば、ライシュの指摘と符合する。

ライシュの主張は、ステグリッツの経済のルールと政府の政策を変えようとの主張(「これから始まる『新しい世界経済」の教科書」2015)と重なるが、拮抗勢力の台頭による市場ルールの改革へと踏み込んだところに新しさがある。草の根的な市民レベルの力が徐々に力を持ち、社会を変える原動力となるとライシュは熱く語るのである。日本においても富の偏在と格差の拡大は緊要の課題であり、ライシュの問題提起に耳を傾けるべきであろう。示唆に富む一冊である。
22人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年7月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ライシュ氏の本はすでに日本語版で何冊か出ていますが、2017年時点では本書が最新になります。原題はSaving Capitalism、つまり資本主義を救え、ということです。ライシュ氏の主張を一言で言えば、今の資本主義は大多数の人間のための仕組みではなく、少数の富める人間のためのシステムになってしまっているから、そのルールを修正することで資本主義を健全な形に戻そう、ということです。その意味では、訳者解説の中にもありましたが、本人は共産主義者でもアナーキストでもなく、資本主義礼賛者であって、今の「ゆがんだ」資本主義を「健全な」資本主義に戻す必要がある、というのが主眼になっています。

また彼の主張の中心にあるのが、特に米国を中心に起こっている「自由主義」(右)vs.「政府の介入」(左)という政府の介入度合いをベースにした対立はまやかしであって、資本主義のルールが「誰を利するようになっているか」という視点で対立軸を考えるべきという主張でしょう。「自由主義」(右)vs.「政府の介入」(左)という視点は、特に知識人の間では根強く、おそらくその根底には、ハイエクvs.ケインズの論争があります。それに対してライシュの視点は、むしろ資本家と労働者の対立にフォーカスをあてたマルクス色が強いと言えるのかもしれません。ただ厳密に言えば、ライシュ氏自身も本書で述べているように、現代の資本主義では「資本家になった経営者」と労働者の対立と言った方がよいとは思います(つまりストップオプションを大量に付与された経営者と従業員の対立)。

本書で説得力があると感じたのは、米国が過去にも同様の境地に陥った際に、民主主義が最後は機能して、多数のための資本主義、つまり資本主義が民主主義と折り合いをつけた事例をいくつか紹介していることです(19世紀のジャクソニアンの登場など)。それらを事例に挙げながら、ライシュ氏は米国の資本主義はまだ終わっていない、今は修正の時である、と力説されていてそこは希望が持てる点でした。その意味では邦題の「最後の資本主義」というのは少し誤ったニュアンスを読者に与える気がしました。このタイトルだけを見てしまうと、あたかもライシュ氏はアンチ資本主義者であって、資本主義の終焉は近いぞ!と歓喜の声を上げている論者かのような印象を与えてしまいます。ですから邦題は素直に「資本主義を救え」のようなものにした方が著者のメッセージが伝わるのではないでしょうか。
32人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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