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社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論 単行本 – 2007/3/1
購入オプションとあわせ買い
たのはずいぶん前からのことだ。私たちの会社では、本当に社員はいつでもサー
フィンに行っていいのだ。もちろん、勤務時間中でもだ。平日の午前十一時だろ
うが、午後二時だろうがかまわない。いい波が来ているのに、サーフィンに出か
けないほうがおかしい。
私は、数あるスポーツの中でもサーフィンが最も好きなので、この言葉を使っ
たが、登山、フィッシング、自転車、ランニングなど、ほかのどんなスポーツで
もかまわない。
私が「社員をサーフィンに行かせよう」と言い出したのには、実はいくつか狙
いがある。
第一は「責任感」だ。私は、社員一人一人が責任をもって仕事をしてほしいと
思っている。いまからサーフィンに行ってもいいか、いつまでに仕事を終えなけ
ればならないかなどと、いちいち上司にお伺いを立てるようではいけない。もし
サーフィンに行くことで仕事が遅れたら、夜や週末に仕事をして、遅れを取り戻
せばいい。そんな判断を社員一人一人が自分でできるような組織を望んでいる。
第二は「効率性」だ。自分が好きなことを思いっきりやれば、仕事もはかど
る。午後にいい波が来るとわかれば、サーフィンに出かけることを考える。する
と、その前の数時間の仕事はとても効率的になる。机に座っていても、実は仕事
をしていないビジネスマンは多い。彼らは、どこにも出かけない代わりに、仕事
もあまりしない。仕事をしている振りをしているだけだ。そこに生産性はない。
第三は「融通をきかせること」だ。サーフィンでは「来週の土曜日の午後4
時から」などと、前もって予定を組むことはできない。その時間にいい波がくる
かどうかわからないからだ。もしあなたが真剣なサーファーやスキーヤーだった
ら、いい波が来たら、すぐに出かけられるように、常日頃から生活や仕事のスタ
イルをフレキシブルにしておかなければならない。
第四は「協調性」だ。パタゴニアには、「私がサーフィンに行っている間
に取引先から電話があると思うので、受けておいてほしい」と誰かが頼むと、
「ああ、いいよ。楽しんでおいで」と誰もが言う雰囲気がある。一人の社
員が仕事を抱え込むのではなく、周囲がお互いの仕事を知っていれば、誰か
が病気になったとしても、あるいは子どもが生まれて三カ月休んだとしても、お
互いが助け合える。お互いが信頼し合ってこそ、機能する仕組みだ。
結局、「社員をサーフィンに行かせよう」という精神は、私たちの会社の「フ
レックスタイム」と「ジョブシェアリング」の考え方を具現化したものにほかな
らない。この精神は、会社が従業員を信頼していていないと成立しない。社員が
会社の外にいる以上、どこかでサボっているかも知れないからだ。
しかし、経営者がいちいちそれを心配していては成り立たない。私たち経営陣
は、仕事がいつも期日通りに終わり、きちんと成果をあげられることを信じてい
るし、社員たちもその期待に応えてくれる。お互いに信頼関係があるからこそ、
この言葉が機能するのだ。
(日本語版への序文より)
- 本の長さ333ページ
- 言語日本語
- 出版社東洋経済新報社
- 発売日2007/3/1
- ISBN-104492521658
- ISBN-13978-4492521656
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商品の説明
著者について
アウトドア衣料メーカー、パタゴニア社の創業者/オーナー。1950年代後半に
クライミング道具の製造販売から出発した同社は、世界で初めてすべてのコット
ン製品をオーガニックに切り替えたり、他社に先駆けてペットボトルからの再生
繊維を使ったフリースを販売するなど、製品品質と環境を重視する経営で知ら
れ、日本でも登山やスキーの愛好家や環境保護に共感する人たちを中心に人気が
ある。2001年には、売上高の1%以上を自然環境の保護および回復を精力的に
推進する団体に寄付する企業同盟「1% for the Planet(地球のための1%)」
を共同設立し、さまざまな環境団体を支援している。アメリカのみならず、ヨー
ロッパ、日本でもビジネスを展開する一方で、60歳を過ぎた今でも、サーフィン
やフライフィッシングなど、多くの時間を自然とともに過ごしている。
訳者:森 摂(もり せつ)
ジャーナリスト。東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社
入社。1998~2001年ロサンゼルス支局長。2002年退社。現在は、ジャーナリスト
のネットワークであるNPO法人ユナイテッド・フィーチャー・プレス(ufp)代表
および雑誌『オルタナ』編集長として、日米企業の経営戦略、マーケティング
戦略など、ビジネス分野を中心に精力的な取材・執筆活動を行っている。
登録情報
- 出版社 : 東洋経済新報社 (2007/3/1)
- 発売日 : 2007/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 333ページ
- ISBN-10 : 4492521658
- ISBN-13 : 978-4492521656
- Amazon 売れ筋ランキング: - 223,182位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 187位企業動向
- - 16,473位投資・金融・会社経営 (本)
- - 34,841位暮らし・健康・子育て (本)
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著者について
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「パタゴニア」の商品が気になって
どんな品質なのか、どんな人物が創業者なのか、
どんなストーリーがあるのか、会社の理念、
ビジョンは何なのか気になって購入しました。
まず「理念」ってなんだ!?
パタゴニアの答えは価値観を言葉にしたものでした。
私は「会社(お店)のビジョンや夢のために
社員(スタッフ)が何をすべきか明確に書かれてあること」
だと定義しました。
パタゴニアの「理念」は細分化されているのですが主に5つです。
1、吟味された生活をする
2、自己の行動を正す
3、罪を償う
4、市民が主役の民主主義を支援する
5、ほかの企業に影響を与える
アウトドア衣料メーカーの
パタゴニア社の創業者/オーナー
イヴォン・シュイナードの「理念」にとっても
共感というか、自分のお店もこんな「理念」だったら
社員やスタッフが楽しく会社のために働いて
くれると思いました。
私は上記の「理念」よりも序文に書かれてあった
言葉に深く共感した。
社員をサーフィンに行かせるために
1:「責任感」:これは社員一人一人が責任をもって
仕事をしてほしい。
2:「効率性」:自分が好きなことを思いっきりやれば
、仕事もはかどる。
3:「融通性をきかせること」:直ぐに(例えばサーフィンに)
でかけられるように常日頃から生活のスタイルを
フレキシブルにしておくこと。
4:「協調性」:お互いが信頼し合って
お互いが助け合う機能する仕組み。
5:「真剣なアスリート」:を多く会社に雇い入れ
引き止めることによって、誰よりも深い経験と
知識を活かすため。
つまりパタゴニアは「フレックスタイム」と
「ジョブシェアリング」の考え方を具現化している
会社なんです。しかも「環境保護活動」として
売上の1%を草の根で活動する環境グループに寄付しています。
そんな会社にとっても魅力を感じ、早速
パタゴニアのサーフパンツを買ってしまった。
沖縄ではこうと思ったら、長男が持っていないということで
貸してしまったが、後日水泳ではいて使ってみたら
はき心地が良く、軽く、水をはじき、生地も薄いのに
しっかりしていて動きやすい。
他の商品も欲しくなってしまった。
これが選ばれる会社なのだと感じた。
『パタゴニア使命とは私たちの地球を守る』
一流の老舗会社の「理念」は突き抜けていますね(笑)
この本を読むことで、創始者であるイヴォンの経営哲学に触れることができ、真摯に自らの理念に沿って活動するパタゴニアがますます好きになりました。
パタゴニア創業者イヴォン氏の回顧・経営論。
ビジネスを忌み嫌い最も遠い位置に自分をおきながら
クライマーとして"自分が"必要だ、ほしい、と思う製品を作ってきた。
高い品質、自分こそが顧客の一人であることを宣言していて興味深い。
これは利用者の立場から自社の商品開発に応用できる
基本的な考えではないか。
利益とは何か。
またパタゴニアは利益追求企業ではないという考えがある。
利益とは善行に対する顧客の信任票だとしていて
この点でも自分は顧客の立場に立って考えているか、と考えてみた。
服装自由、勤務中にサーフィンも
パタゴニアでは創業当時からの伝統で服装、勤務時間が自由であり
波がいい時には勤務時間中にもオフィス裏のビーチへ
サーフィンへ出かけたりする(!)
生きること、働くこと、遊ぶことの境界線がない点に猛烈に惹かれた。
[・・・]
そうでなくても、一つの企業の考え方として
読む価値あり。