欧米の大学院（博士課程）1年時に必ず学習する内容を、かなり丁寧に噛み砕いて説明した良書。CochraneやDuffieの分量・レベルに最初に圧倒された時、ひとまず挫折を回避し、その先の学習の取っ掛かりさえも与えてくれる気がする（現に、私がそうだった）。
もちろん、薄さ（内容ではなくページ数）を踏まえると、さらに先の分野（連続時間モデルや、実証への応用）に向かう場合は、他の教科書を用意しなくてはならない。欧米の分厚い教科書と比べると、その点だけはやや劣る。しかし、その際も、巻末の参考文献などが役に立つと思うので、本書の評価を下げるようなことは決してない。
金融専攻の学部生のみならず、欧米のMBA課程を修了したはいいものの、ファイナンスの真髄を味わい損ねた社会人にも最適。やや抽象的な議論に慣れる必要はあるが、それを乗り越えた先に、現実のマーケット動向をもう一段高い立場から見る目が涵養されていることに気付くだろう。
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イメージ付きのレビュー
現代ファイナンスの勘所を数式の迷子に惑わされることなくシンプル・ストレートフォワードに押さえる、読むべき最初の一冊
・本書は、現代的ファイナンス理論のうち、特に資産の価格付け理論にかかわる部分に焦点をあてて論じています。欧米のテキストでは大部になる要点を、シンプルな記述でストレートフォワードに、僅か２００ページ弱でまとめています。・「確率的割引ファクター」「ベータ価格式」「平均・分散フロンティア」の概念・関係・さまざまな条件が比較的簡潔な記述と初歩的な数学の展開により、見通しよく書かれています。数値例や計算例も豊富なので、抽象的な数式が意味するところ、実務へのインプリケーションなどを見失うことなく鮮やかに示す、読者にとても優しい構成です。
上位レビュー、対象国： 日本
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2021年12月30日に日本でレビュー済み
・本書は、現代的ファイナンス理論のうち、特に資産の価格付け理論にかかわる部分に焦点をあてて論じています。欧米のテキストでは大部になる要点を、シンプルな記述でストレートフォワードに、僅か２００ページ弱でまとめています。
・「確率的割引ファクター」「ベータ価格式」「平均・分散フロンティア」の概念・関係・さまざまな条件が比較的簡潔な記述と初歩的な数学の展開により、見通しよく書かれています。数値例や計算例も豊富なので、抽象的な数式が意味するところ、実務へのインプリケーションなどを見失うことなく鮮やかに示す、読者にとても優しい構成です。
・「確率的割引ファクター」「ベータ価格式」「平均・分散フロンティア」の概念・関係・さまざまな条件が比較的簡潔な記述と初歩的な数学の展開により、見通しよく書かれています。数値例や計算例も豊富なので、抽象的な数式が意味するところ、実務へのインプリケーションなどを見失うことなく鮮やかに示す、読者にとても優しい構成です。
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