新品:
¥1,297 税込
無料配送5月24日 金曜日にお届け
発送元: Amazon
販売者: JYFショップ (内容を確認した上で購入して下さい)
¥1,297 税込
無料配送5月24日 金曜日にお届け
詳細を見る
または 最も早い配送 本日中にお届け(4 時間 15 分以内にご注文の場合)
詳細を見る
残り1点 ご注文はお早めに 在庫状況について
¥1,297 () 選択したオプションを含めます。 最初の月の支払いと選択されたオプションが含まれています。 詳細
価格
小計
¥1,297
小計
初期支払いの内訳
レジで表示される配送料、配送日、注文合計 (税込)。
出荷元
Amazon
出荷元
Amazon
支払い方法
お客様情報を保護しています
お客様情報を保護しています
Amazonはお客様のセキュリティとプライバシーの保護に全力で取り組んでいます。Amazonの支払いセキュリティシステムは、送信中にお客様の情報を暗号化します。お客様のクレジットカード情報を出品者と共有することはありません。また、お客様の情報を他者に販売することはありません。 詳細はこちら
支払い方法
お客様情報を保護しています
Amazonはお客様のセキュリティとプライバシーの保護に全力で取り組んでいます。Amazonの支払いセキュリティシステムは、送信中にお客様の情報を暗号化します。お客様のクレジットカード情報を出品者と共有することはありません。また、お客様の情報を他者に販売することはありません。 詳細はこちら
¥106 税込
◆◆◆非常にきれいな状態です。中古商品のため使用感等ある場合がございますが、品質には十分注意して発送いたします。 【毎日発送】 ◆◆◆非常にきれいな状態です。中古商品のため使用感等ある場合がございますが、品質には十分注意して発送いたします。 【毎日発送】 一部を表示
配送料 ¥240 5月26日-28日にお届け(23 時間 45 分以内にご注文の場合)
詳細を見る
通常2~3日以内に発送します。 在庫状況について
¥1,297 () 選択したオプションを含めます。 最初の月の支払いと選択されたオプションが含まれています。 詳細
価格
小計
¥1,297
小計
初期支払いの内訳
レジで表示される配送料、配送日、注文合計 (税込)。
Kindleアプリのロゴ画像

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません

ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。

携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。

KindleアプリをダウンロードするためのQRコード

何か問題が発生しました。後で再度リクエストしてください。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち 単行本 – 2018/2/2

4.4 5つ星のうち4.4 3,439個の評価

{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,297","priceAmount":1297.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,297","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"iqwyzwOK5R3r%2BL0fU5X4ukUicYZPeS68g0JBMWIHaZ8DpHuQfHLNjvKUMSszELR%2FKcfKdK%2F9ro7gOHsRcx6LSd4ENVg5zSphldPYudsOANV03kxmS70dvoKOnyjWRIQBMDT2E1h5bTV8FfsL8z7VQmAK9OVOFQKv2sVhH6b03CRxcgJ42jSsoQ%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥106","priceAmount":106.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"106","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"iqwyzwOK5R3r%2BL0fU5X4ukUicYZPeS68N%2B%2FXRQv37bF%2FX0wLe8EMNcLk6%2Fc8pvtsidgcJEeqP3ADtTaqYyXcylsfk8a8h8cv2BtHXdXEkWMA0jzafTvfgcAphuTOghQAd2dN63hdAC8Dm7WxD%2Bg49SuTo8G5HmYw46gw5Wyb%2BFGZD3Jxc699eg%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}

購入オプションとあわせ買い

東ロボくんは東大には入れなかった。AIの限界ーー。しかし、"彼"はMARCHクラスには楽勝で合格していた!これが意味することとはなにか? AIは何を得意とし、何を苦手とするのか? AI楽観論者は、人間とAIが補完し合い共存するシナリオを描く。しかし、東ロボくんの実験と同時に行なわれた全国2万5000人を対象にした読解力調査では恐るべき実態が判明する。AIの限界が示される一方で、これからの危機はむしろ人間側の教育にあることが示され、その行く着く先は最悪の恐慌だという。では、最悪のシナリオを避けるのはどうしたらいいのか? 最終章では教育に関する専門家でもある新井先生の提言が語られる。
目次
はじめに

第1章 MARCHに合格――AIはライバル

AIとシンギュラリティ
偏差値57.1
AI進化の歴史
YOLOの衝撃――画像認識の最先端
ワトソンの活躍
東ロボくんの戦略
AIが仕事を奪う

第2章 桜散る――シンギュラリティはSF

読解力と常識の壁――詰め込み教育の失敗
意味が理解しないAI
Siri(シリ)は賢者か?
奇妙なピアノ曲
機械翻訳
シンギュラリティは到来しない

第3章 教科書が読めない――全国読解力調査

人間は「AIにできない仕事」ができるか?
数学ができないのか、問題文を理解していないのか?――大学生数学基本調査
全国2万5000人の基礎的読解力を調査
3人に1人が、簡単な文章が読めない
偏差値と読解力

第4章 最悪のシナリオ

AIに分断されるホワイトカラー
企業が消えていく
そして、AI世界恐慌がやってくる

おわりに
続きを読む もっと少なく読む

よく一緒に購入されている商品

¥1,297
最短で5月24日 金曜日のお届け予定です
残り1点 ご注文はお早めに
この商品は、JYFショップ (内容を確認した上で購入して下さい)が販売し、Amazon Fulfillment が発送します。
+
¥1,760
最短で5月24日 金曜日のお届け予定です
在庫あり。
この商品は、quickshop 横浜店が販売し、Amazon Fulfillment が発送します。
+
¥1,078
最短で5月24日 金曜日のお届け予定です
在庫あり。
この商品は、Amazon.co.jpが販売および発送します。
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計: pt
詳細
追加されました
spCSRF_Control
これらの商品のうちのいくつかが他の商品より先に発送されます。
一緒に購入する商品を選択してください。

出版社より

AI vs. 教科書が読めない子どもたち
AI vs. 教科書が読めない子どもたち

著者:新井紀子(あらい・のりこ)

国立情報学研究所教授、同社会共有知研究センター長。

一般社団法人「教育のための科学研究所」代表理事・所長。

東京都出身。一橋大学法学部およびイリノイ大学数学科卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院数学研究科単位取得退学(ABD)。東京工業大学より博士(理学)を取得。専門は数理論理学。

2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務める。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

ビジネスパーソン、親世代に大反響。25万部のベストセラー!ビジネスパーソン、親世代に大反響。25万部のベストセラー!

東ロボくんは東大には入れなかった。AIの限界。

しかし、”彼”はMARCHクラスには楽勝で合格していた!

これが意味することとはなにか? AIは何を得意とし、何を苦手とするのか?

AI楽観論者は、人間とAIが補完し合い共存するシナリオを描く。

しかし、東ロボくんの実験と同時に行なわれた全国2万5000人を対象にした読解力調査では恐るべき実態が判明する。

AIの限界が示される一方で、これからの危機はむしろ人間側の教育にあることが示され、その行く着く先は最悪の恐慌だという。

では、最悪のシナリオを避けるのはどうしたらいいのか? 最終章では教育に関する専門家でもある新井先生の提言が語られる。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち 内容紹介

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

第1章 MARCHに合格――AIはライバル

  • AIとシンギュラリティ
  • 偏差値57.1
  • AI進化の歴史
  • YOLOの衝撃――画像認識の最先端
  • ワトソンの活躍
  • 東ロボくんの戦略
  • AIが仕事を奪う

第2章 桜散る――シンギュラリティはSF

  • 読解力と常識の壁――詰め込み教育の失敗
  • 意味が理解しないAI
  • Siri(シリ)は賢者か?
  • 奇妙なピアノ曲
  • 機械翻訳
  • シンギュラリティは到来しない

第3章 教科書が読めない――全国読解力調査

  • 人間は「AIにできない仕事」ができるか?
  • 数学ができないのか、問題文を理解していないのか?大学生数学基本調査
  • 全国2万5000人の基礎的読解力を調査
  • 3人に1人が、簡単な文章が読めない
  • 偏差値と読解力

第4章 最悪のシナリオ

  • AIに分断されるホワイトカラー
  • 企業が消えていく
  • そして、AI世界恐慌がやってくる

AI 教育 読解力 子供 東洋経済 新井紀子 AIに負けない子どもを育てる AI vs. 教科書が読めない子どもたち 人工知能 AI時代 シンギュラリティ 最新教育 受験 リーディングスキルテスト AI 教育 読解力 子供 東洋経済 新井紀子 AIに負けない子どもを育てる AI vs. 教科書が読めない子どもたち 人工知能 AI時代 シンギュラリティ 最新教育 受験 リーディングスキルテスト AI 人工知能 東洋経済 新井紀子 教科書が読めない子ども 融合スキル 人間+マシン HUMAN+MACHINE 人口減少 仕事 奪われる 工場 AI 人工知能 人口減少 これから日本で何が起きるのか 中原圭介 東洋経済 未来予測 新井紀子 AIに負けない 教科書が読めない AI時代 人生100年時代 協働 読解力 リーディングスキル  AI時代 数学 論理思考 文系 AI人材
AIに負けない子どもを育てる AI vs. 教科書が読めない子どもたち HUMAN+MACHINE 人間+マシン: AI時代の8つの融合スキル AI×人口減少 これから日本で何が起こるのか AI時代に生きる数学力の鍛え方 文系AI人材になる
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.4
797
5つ星のうち4.4
3,439
5つ星のうち4.1
40
5つ星のうち3.7
86
5つ星のうち4.0
123
5つ星のうち4.1
591
価格 ¥1,760 ¥1,297 ¥1,172 ¥1,111 ¥1,740 ¥1,596
著者 新井 紀子 新井 紀子 ポール・R・ドーアティ、H・ジェームズ・ウィルソン 中原 圭介 芳沢 光雄 野口 竜司
内容紹介 AI時代を生き抜く読解力を身につけるには? ベストセラー『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』待望の続編。問題集付き!AIが苦手とする読解力を人間が身につけるにはどうしたらいいのか? AIは何を得意とし、何を苦手とするのか? AIの限界が示される一方で、これからの危機はむしろ人間側の教育にあり、その行く着く先は最悪の恐慌だという。最悪のシナリオを避けるにはどうしたらいいのか? AI革命とは、「人間の能力を拡張する」ために業務プロセスを根本的に変えることである。GE、マイクロソフト、BMW、グーグル、アマゾン... など、先進企業に学ぶ「これまでと違う仕事」と「これまでと違う仕事のやり方」とは? 本書はこの新しい時代を理解し、勝ち抜くためのガイドとなる。 これから5年、私たちの仕事、給料、生活が大きく変わる! 「定年はどこまで延びるのか、年金はどうなるのか 」「AI時代のビジネスエリートの条件とは何か 」「シェア経済の進化でモノは売れなくなるのか」など、もっとも予測が当たる経済アナリストによる最新の未来予測! 本書では、わが子を暗記数学に陥らせないために必要な、学びの姿勢や習慣について述べられている。「興味の持てる例を題材にすること」「試行錯誤の手間を惜しまないこと」。このような学習によって、応用力や発想力を身につけることができる。 AIを活用したビジネスプランを豊富に紹介。本書は、AIを、機能別に4分類、役割別に2分類し、合計4×2=8分類にわけている。その分類を用いて、事例を解説しているので、自分の仕事への適用・応用を検討することができます。
ページ数 332ページ 287ページ 352ページ 254ページ 310ページ 343ページ

商品の説明

メディア掲載レビューほか

28万部突破、日本中を揺るがした衝撃の書! ビジネス書大賞2019大賞受賞!
教育関係者や親たち、ビジネスパーソンから圧倒的支持!


【怒濤の受賞ラッシュ! 】

ビジネス書大賞2019 大賞
第27回 山本七平賞
第39回 石橋湛山賞
第27回 大川出版賞
第66回 日本エッセイスト・クラブ賞
ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書 TOPPOINT大賞 2018年上半期
日本の人事部 HRアワード2018 書籍部門 優秀賞


【テレビで話題! 】

★TBSテレビ「サンデーモーニング」 2019年5月5日
★TBSテレビ「報道特集」 2019年2月9日
★TBSテレビ「林先生が驚く初耳学! 」 2018月4月1日
★NHKスペシャル「マネー・ワールド」 2018年10月7日
★BSフジLIVE「PRIME NEWS」 2018年7月2日
★日本テレビ「ZIP!」2018年4月18日
★TBSテレビ「上田晋也のサタデージャーナル」2018年4月14日
★TBSテレビ「王様のブランチ」 2018年3月17日


【メディアで書籍紹介、著者インタビュー等多数掲載されました! 】
★ラジオ TBSラジオ・伊集院光とらじおと/NHKラジオ第一・Nらじ ほか
★新聞 日経/朝日/読売/毎日/産経/東京/北海道/高知 ほか
★週刊誌 週刊文春/週刊現代/AERA ほか
★ビジネス誌 週刊ダイヤモンド/プレジデント/週刊エコノミスト/週刊東洋経済 ほか
★月刊誌 文藝春秋/正論/Voice ほか
★女性誌 女性セブン/婦人公論/anan/VERY ほか
★ネット ほぼ日刊イトイ新聞/ニューズウィーク日本版オンライン/東洋経済オンライン ほか

人間がAIに勝つためには「読解力」を磨くしかない
先日惜しまれつつ世を去ったホーキング博士は、数年前に「完全な人工知能(AI)が実現すれば、人類は終焉を迎える」という意の発言をしていた。いわゆる「シンギュラリティ」、つまりAIの進化が人間のそれを上回るという「技術的特異点」のことだ。
しかし、東大合格を目指した「東ロボくん」の開発者である著者は言う。「AIが人類を滅ぼす?……滅ぼしません! 」「シンギュラリティが到来する?……到来しません! 」。それどころか、東大合格すらAIには無理だろうと言うのだ。
とはいえ、個人的にあまり笑っていられない。「東ロボくん」は既に私の勤める大学の入試は十分に突破する偏差値を模試で叩き出している。では、MARCHレベルと東大との入試の間に、AIが決して越すことのできないどのような溝があるというのか。
それは国語、読解力だ。AIが自然言語を読みこなすことは金輪際できないというのだ。その不可能性の仕組みは本書にあたってもらいたいが、ここでほっと胸を撫でおろすのも束の間、シンギュラリティよりもっと切迫した問題があった。
実は中高生の多くが、「東ロボくん」以下の読解力しか持っていないということが調査から浮かび上がってきた。二つの文章の意味が同じかどうかを判定する問題で、中学生の正答率はなんと57%。しかも、それを聞いたある新聞記者が、57%もあるなら悪くないんじゃないかと言ったそうで、もうこうなると日本人の読解力は壊滅的と言わざるを得ない。二択の問題なら誰でも五割はとれる。
他のタイプの問題でも、サイコロを転がすのと同じ程度の正答率しかなかったというこの若者の読解力の現状で、小学校からプログラミングや英語が導入されようとしているが、著者は言う。「一に読解、二に読解」と。そうしなければ、AIの進化を待たずに人間が職場をAIに明け渡さねばならなくなる日が遠からず訪れることになるだろう。
評者:伊藤氏貴
(週刊文春 2018年04月12日号掲載)

読解力が世界を支配
藤井聡太が羽生善治を破った朝日杯。やっぱり将棋は人間対人間がおもしろい。いくら強くても、コンピュータでは味気ない。
『AIvs.教科書が読めない子どもたち』は、AI(人工知能)と人間の現状と未来についての本である。著者は国立情報学研究所教授で数学者。東大合格を目指すAI「東ロボくん」の育ての親だ。この本には、同プロジェクトから見えてきたAIの可能性と限界、そして人間との関係が書かれている。
良いニュースと悪いニュースがひとつずつ。まず、良いニュースから。AIが人間を超える、いわゆるシンギュラリティが到来することはない、と著者は断言する。なぜなら、AIはコンピュータであり、コンピュータは四則計算をする機械でしかないから。どんなに高度になっても、その本質は変わらない。
たとえば東ロボくんの偏差値は57・1。東大は無理だけど、MARCHなら入れそうだ。ただし国語や英語は苦手だ。なぜなら、AIは意味を理解しないから。読解力がないのである。
しかし、これで人類の未来は明るいぞなんて安心してはいられない。AIでもできる仕事は、この先どんどん奪われていくのだ。これが悪いニュース。
ならばAIにできない仕事をやればいい、と思うだろう。ところがこれもお先真っ暗だ。全国読解力調査によると、教科書の文章を正しく理解できない中高生が多いというのである。なんと3人に1人が簡単な文章すら読めない。これからの世界は、読解力がある一握りのエリートに支配されてしまうのか。
評者:永江朗
(週刊朝日 掲載)

著者について

新井 紀子(アライ ノリコ) 国立情報学研究所教授、同社会共有知研究センター長。 一般社団法人「教育のための科学研究所」代表理事・所長。 東京都出身。一橋大学法学部およびイリノイ大学数学科卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院数学研究科単位取得退学(ABD)。東京工業大学より博士(理学)を取得。専門は数理論理学。2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務める。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導。主著に『ハッピーになれる算数』『生き抜くための数学入門』(イースト・プレス)、『数学は言葉』(東京図書)、『コンピュータが仕事を奪う』(日本経済新聞出版社)などがある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東洋経済新報社 (2018/2/2)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2018/2/2
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 287ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4492762396
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4492762394
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.1 x 1.8 x 18.8 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 3,439個の評価

著者について

著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
新井 紀子
Brief content visible, double tap to read full content.
Full content visible, double tap to read brief content.

東京都出身。一橋大学法学部およびイリノイ大学数学科卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院を経て、東京工業大学より博士(理学)を取得。専門は数理論理学等だが、人工知能や地方創生等、文理融合分野で幅広く活動をしている。具体的な研究成果としては、教育機関向けのコンテンツマネージメントシステム NetCommonsや、研究者情報システム researchmapの研究開発、リーディングスキルテストの開発、edumapの開発、米原駅東口再開発プロジェクトへの助言等がある。

2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務める。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導。

科学技術分野の文部科学大臣表彰、日本エッセイストクラブ賞、石橋湛山賞、山本七平賞、大川出版賞、エイボン女性教育賞、ビジネス書大賞などを受賞。

2017年にTEDで行った講演は、23カ国語に翻訳され150万人以上が視聴した。2018年にはマクロン大統領の招待により世界のトップAI研究者とともにフランスのAI政策について進言。また、同年、国連において持続可能な開発目標(SDGs)と科学技術との関係を討議する第3回 STIフォーラムで基調講演を行った。

主著に「生き抜くための数学入門」(イーストプレス)、「数学は言葉」(東京図書)、「AI vs 教科書が読めない子どもたち」「AIに負けない子どもを育てる」(東洋経済新報社)など。

一般社団法人 教育のための科学研究所 代表理事・所長。

カスタマーレビュー

星5つ中4.4つ
5つのうち4.4つ
3,439グローバルレーティング

この商品をレビュー

他のお客様にも意見を伝えましょう

上位レビュー、対象国: 日本

2024年2月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一気に読みました。「子供たちの読解力の現状」が実によくわかりました。著者が開発したRSTに感銘を受けました。
 ここのところ、進められている「GIGAスクール構想」に基づく、「教育のデジタル化」の危うさにも改めて気付かされました。中教審が提言し、実際に実施に移された「小学校への英語科導入」や「プログラミングの必修化」など、現在、並びに、これからの教育にとって本当に大切なことなのか。とても、教育界からの内発的必要性に基づいて、進められている施策とは思えない。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2024年2月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても勉強になった。読解力が大事です。

子どもたちが出てくるまで「AIとは何か」の話が続くが、大事なところなので、一生懸命読んでほしいです。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年11月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
AI についての知識がほぼない状態で読んだので、前半の「昨今のAI 幻想」の説明も後半の「そんな非柔軟なAI に人間が負けている」と警鐘を鳴らす項目も、全体を通して多く学びを得られた時間になりました。

どんどんと加速していくAI を救いととるか脅威ととるかは、人の能力により二極化していきます。

今後自分自身が社会で生き残るためにも、そして子どもがいる親なら何が子どもにしてあげられることかを考え始め、何が足掛かりになるかを知るためにも、よくまとめられた一冊だと思います。

個人的に特に印象的だった項目を少し紹介します。

1 AI への幻想

コンピューター上のシステムであるAI は、徹頭徹尾「数字」だけでできている。

例えば人間が「苺」を認識するのに数個見ればその特徴を理解することが可能だが、機械がそれを「苺である」と判別するには数万、モノによっては数億のデータが必要になる。

また、AI はただ情報を提供すれば勝手に学習する夢のようなシステムではない。

加えて、「好き」と「嫌い」、「暑い」と「寒い」、「美味しい」と「不味い」の違いが”わかる”こともなく、「太郎は花子が好き」を「花子は太郎に好かれている」や「Taro likes Hanako.」と言い換えられたところで本当のその意味が”わかる”こともない。

例えばジュースを冷蔵庫から取り出すという幼稚園児にもできる単純そうな作業が、AI にとっては「ジュースはどこに入れられている可能性が高い?」「どんな方法で扉を開ける?」「どれがジュースでどれがジュースではない?」「手前に他のものがあればどのように避ければ良い?」などについて、莫大なデータから複雑な手順を追わなければ達成できない。

人間の柔軟性は、そうそう真似できるものではない。

2 大学入学水準に達したAI

著者が作成したAI には、すでに高偏差値大学に合格できるだけの回路が出来上がっている。

対して、AI が苦手としていたはずの文章読解を、正しくできない子どもが現在かなりの割合を占めている。

単純作業はこれからどんどんAI に取って代わっていくことから、企業が欲しいのはもちろん創造力や柔軟性を備えた人材であるが、教科書を正しく理解できない人がそのような人材になれるかは甚だ疑問である。

このような懸念から著者は、「将来人手不足と失業者、格差拡大が顕著になる」としている。

3 AI が経済活動に与える影響

経営学の基礎で学ぶ項目に、
・一物一価(同時期の同一市場における同一商品の価格は同じになる)
・情報の非対称性(商品についての情報が買い手より売り手に傾き、公平な取引の弊害となる)
・需要と供給が一致したところで価格が決まる
という原則がある。

AI はすでに広く浸透しており、消費者は即商品の比較が可能になる。

よって企業はさらに価格低下競争を熾烈にする他なく、結果その皺寄せを最初に受けるのは労働者(=消費者)であり、生産性の低下、非正規雇用、格差拡大がより問題になるとも考えている。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2024年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
東大合格を目指して努力を重ねていた「東ロボ君」は、結局、東大入試を断念しました。その理由は、国語と英語がどうにも克服できなかったからだそうです。読解力(文章を読んで正確に理解する能力)の問題のようです。

本書の中には、読解力を試すための文章題(係り受け、同義文あるいは推論など)が、幾つか挙げられています。それらの中には、「日本人大学院生」全員が不正解(外国人留学生1名のみ正解)だったり、「某新聞社の論説委員から経産省の官僚まで」なぜか苦戦するような難問があります。

「東ロボ君」は、こうした文章題をクリアーできなかったのでしょう。

その一方OpenAIは、2022年11月、会話型の言語モデル「ChatGPT」を一般公開しました。その有料版であるChatGPT4は、上記数種類の文章題を難なく理解して、解答に至る道筋を論理的に説明することができます。

AIの論理的思考能力は、飛躍的に高まっています。そうしたAIと今後良い付き合いを重ねて、世の中を改善していくには、人間の側にも、更なる論理的思考能力の向上が求められています。

ところが今、大人たちだけでなく、小中高生の読解力の低下が目立つようです。その原因を探るのはもちろんのこと、将来の人材を育てるためには、教科書をしっかりと読み込みながら、読解力を高めるための教育改革が急務です。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2024年4月8日に日本でレビュー済み
私は、大学の卒業研究で人工知能の研究をしました。
「AI(人工知能)」という言葉を毎日のように聞く時代が私の生きている間に来るとは思ってもいませんでした。
マスメディアはAIがいいもののように報道していますが、本当は、そうではないんですね。
それから、子どもたちの読解力の低さが書かれていますが、大人たちも少なからぬ人たちが読解力が低いと実際の経験から思います。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分の感覚ですがAIの大枠が把握できてるなら後半だけで充分と思いました。

ハッキリいって前半は読むのやめようかなと思うくらい倫理的で退屈ですが、後半はエンターテイメント(ではないけど)的に読み進められます。

内容の濃さも含めて全国民に読んでほしいです、リテラシーを高めた上でですけど。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2024年1月3日に日本でレビュー済み
理系の学科については、とても得意とはいえなかったので、この本の著者である新井紀子氏の明快な論理展開に基づく試論はまさしく参考になり、今後の学習に役立つと感じた。

恥ずかしながら、「奇数と偶数の合計は必ず奇数になる」と言う出題については、迷答しか思い浮かばず、忸怩たるものがある。もちろん解答を見れば、こう言った発想ができることが数学者なのだな、と肯くのであった。

数学に直接結びつかないその他のリーディング・スキル・テストについても頭を捻りながら、答えることに四苦八苦と言う状態であった。しかしこうした問題を解くことによって、自分がいかにAIに置き換えられやすい存在であることを痛感したのであった。

一方で新井氏の読書量についても、驚愕したのであった。これだけ頭脳明晰な人でも、年間数冊しか読めないという。新井氏は米国の大学院で学んだそうだが、どうやってあの巨大なテキスト群を読んだのだろう。

しかしAIに仕事を奪われないためにはどうしたらよいのか、そしてどのような技術を身につけていけばよいのか、考えさせてくれることの多い本であった。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年6月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
※本レビューは昨年の夏に公開されたが、何故か消えてしまうので再度公開する。
☆一つは本書を薦めないという意味でない。題名からの「本の買いやすさ」?を評価した。プラスやマイナス評価群のレビューを読み、本書を手に取り自分の頭で考えれば「アマゾン大学」となる。

【教科書が読める皆さんへ】

 まず、本書の表紙を見て嫌な気持ちがした。
 昭和初期の「エロ、グロ、ナンセンス」という言葉を思い出した。

 エロ(扇情的)ー「教科書が読めない子どもたち」、必要以上に子どもたちを貶めている。
 グロ(悪趣味)ー「人工知能はすでにMARCHレベル」、大学生や人の価値を十把一絡げの輪切りにしている。
 ナンセンス(無意味)ー「人間が勝つために必要なこと」、SF映画の宣伝文句のような問いである。(初版の帯、表紙)

 こんな表紙だったらよかったのに、
「AI vs. 愚かな大人たち 
 人工知能はすでに東大レベルをこえている 
 人が生きていくために大切な事とは」。

 読後の第一印象は、テーマがてんこ盛りで、文章がくどく(読み手によっては丁寧と感じる方もいるだろうが)、論旨の展開もすっきりしない、というものだった。
 敬体(です、ます)で記述してあるから読みやすいとは限らない。

 内容的には、著者の主張に納得できない点が多々あった。
 その要因は主に3つ考えられる。

① 著者のAIのとらえ方。
② 学生、生徒への調査方法の適切さ。
③ ①と②を結びつけた本書の構成。

①について
 専門的な定義は知らないが、私にとって人工知能とは、その機械に知性を感じるか、ということを意味する。
 AI将棋に知性を感じた。真剣勝負の限定的な能力であるからこそ、人間の頭脳と同じような知性を感じる。
 東大で一番強い人たちを、AIは完全に凌駕している。

 シンギュラリティという変なカタカナ語は使いたくないが、人間の持っている限定的な能力であっても、機械が人間をこえるという意味であれば、シンギュラリティ(技術的特異点)は、そう遠くない。

 著者にとってAIは、もっと人間に近い自律的で汎知性的なものらしいので、AIの技術がどんなに進んでも、「シンギュラリティは到来しない」と言い続けることができる。
 それを予感させるような、あいまいな「真の意味でのAI」という言葉を使っている。
 
 著者は、量子コンピュータの可能性やコンピュータの性能向上を過小評価しているように思える。
 
 「1秒間の演算処理の回数と知性に、科学的な関係があるとは思えないからです。」(p.84)と著者は述べる。果たして本当にそうであろうか。

 唐突の感がある、GPU(画像演算装置)の話題(p.45)は理解できる。
 CPU(中央演算装置)とGPUを上手く活用したパソコンでは、AI将棋を動かすことができる。

 性能の向上した家庭用のパソコンで、多くの人がAIに親しみ、それが新たな手法やアイデアの発見につながり、新製品が開発されたとする。
 もし、その製品に人々が知性を感じたとすれば、上記の著者のような主張はできなくなる。

 私は、自分の素朴な好奇心から、深層学習や量子コンピュータの啓蒙書を数冊読んだにすぎない「ど素人」である。

 ただ、「畳み込みニューラルネットワーク」の手法に、計算機であるコンピュータで、ここまでできるのかと素直に驚き感心した。

 また、量子コンピュータでは、ファインマンの、「世の中のすべてのものは量子力学に従って動いているのだから、量子力学の原理をうまく使って動くコンピュータを作れば、いろいろなシミュレーションが効率よくできるはずだ」という発想に天才性を感じ、限定的であれ実際に製品化されていることに驚嘆した。

 著者は、数学的に細部まで理解しているので、さらっと流しているのかもしれないが、専門家であるからこそ、かえってその可能性や限界を早々に見極めてしまっている危険性もある。

②について
「問題 次の報告から確実に正しいと言えることには○を、そうでないものには×を、左側の空欄に記入してください。

 公園に子どもたちが集まっています。男の子も女の子もいます。よく観察すると、帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。そして、スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは、一人もいない。」(p.182)

 「大学生数学基本調査」とはいえ、こんな文を読まされて能力を判定される学生が気の毒だ。

 私は、(2)でひっかかりそうになった。(2)でひっかかると(3)も間違える。

 本書の品のない文が続く。・・・国立Sクラスでは、○○%が正答・・・、私大B、Cクラスでは正答率が○割を切りました。・・・私大Sクラスでは・・・等々。

 最後はこう結ぶ。「どこの大学に入学できるかは、学習量でも知識でも運でもない、論理的な読解と推論の力なのではないか、6000枚の答案を見ているうちに、私は確信するようになりました。」(p.183)

 著者がどう確信しようと勝手だが、こんなやる気のでない、知能テストのようなことをして何の意味があるのかと思ってしまう。
 男の子は、裸足か、サンダルか、と突っ込みたくなる。

 中卒でも、高卒でも、4流大学でも、結果を気にする必要はない。大切なのは、好奇心や知識欲である。

 知らないことを知るのは楽しいことだ。子どもの図鑑でも楽しめる。ルビが多くふってあれば漢字の読み間違えもない。

 時々、科学や数学の啓蒙書を読みたくなる。仕事に生かそうとか勉強のためにいう意識は全くない。ただ知りたいという思いだけで読んでいる。もし、誤読を誘うような文が多くある本に出会ったら、作者の日本語能力を疑ってしまう。

 知りたい理解したという気持ちがあれば、重要な所や難しい所は自然とゆっくり読むようになる。

 これは、読解力調査の問題である。
「[問2]
次の文を読みなさい。

 Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

Alexandraの愛称は(  )である。

①Alex  ②Alexander  ③男性  ④女性 」(p.200)

 先の大学生と同様、こんな誤答をさそうような面白くも何ともない問題を多数やらされ、読解力のないことの証明に利用される生徒たちがかわいそうだ。
 
 著者が問題として適切だと主張しても、誤答をさそう問題であることには変わりがない。

 調査に利用する日本語の文章として、適切であるかも疑問である。
 字数に制限があったのか、悪文だ。愛称の意味がわからなければ混乱する。そもそも、愛称=名前?、あだな=名前?
 
 英語の教科書の「註」から採用された文章だそうだ。いくら英語の教科書といっても、ラテン文字で名前が表記されている、こんな不自然な生活実感から離れた文を作問に利用する必然性はあるのか。

 こうした素朴な疑問に対して、著者は予防線をはる。
「教科書に悪文が多いかどうかは別として、もしそうだったとしても、それが理解できなければ、その人が不利益を被りますから、教科書を読める力は是非必要です。」(p.198)

 また、著者は、医者が患者にデータを見せて、うむを言わせないような、「このように科学的に分析することで、どの子にどのような読みの偏りがあるかがわかります。そこまでして初めて「処方箋」を出せるようになるのです。」(p.202)という表現を使う。

 「これまで作問した中で難易度がとても高かった係り受けの問題に次のような問題があります。」(p.203)と続く。

 今度は、誤答をさそう問題だと予期しているので、ひっかからない。
 著者は、得意げに?、こう述べる。
 「某新聞社の論説委員から経産省の官僚まで、なぜかグルコースを選ぶので驚きましたが、正解は①のデンプンです。」(p.204)

 わざと誤答をさそう問題を作成し、その理由もわかっているのに、これはない。

 説明は容易につく。「デンプン」という語は日常語に近い、それに対して、「セルロース」「グルコース」は、専門用語に近く、音の響きも似ているので同列の概念としてとらえてしまい、安易に誤答してしまったにすぎない。

 分かりにくい専門書があるのは仕方がないが、一般の啓蒙書において、誤読をさそうような文体は、避けるべき作者や編集者の責任である。

 調査する方も、される方も空しい時間を過ごしているな、というのが率直な感想である。
 すこし前の血気さかんな学生生徒だったら、「こんなことに俺たちを利用するな」と抗議してもおかしくない。

 著者は、「実はさらに驚くべきことが発見されました。」(p.220)と読者を煽る。その後に、「旧帝大進学率」、「御三家」、「超有名私立中高一貫校」という、いやらしい言葉が並ぶ。

 AIロボットを抱えて、学ぶことの楽しさ、研究することの面白さ、読書の大切さなどを、学校を訪問して説いて回るほうが、著者らにとっても、余程有意義で愉快なことであろうに。

 先の問題であれば、中ほどの
「この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。」という文を読ませ、意味が理解できていれば全員合格にしたい。
 総ルビの、教科書があってもよいと思っている。

 そもそも、各教科ともわかりやすい自然な文章を選び調査をして、生徒の読解力に大きな問題はない、という結論も得られたはずである。そうしなかったのは大人の都合である。無理にAIと結びつけようとする作為が感じられる。

 国語の大切を説くのであれば、著者も引き合いに出している(p.226)、藤原正彦氏の『祖国とは国語』の最初の数十ページを読めば事足りる。七十八頁からが特に示唆に富んでいる。

③について ―とりあえずのまとめ―
 本書のような突っ込みどころ満載の著書を、簡潔に論評しようとすると、言葉が荒くなる。まだまだ突っ込みたいので、まとめを最初に記す。

・本書は、数学のできる頭のよい著者が、ご自身の知っている、あるいはかかわった研究による知見を、拙速に組み合わせて、新たな言説を生み出そうとした著作である。
・本書は、刺激的な言葉を書名に冠し、読者に誤解と不安を与えてしまいそうな著作である。
・本書は、東ロボくんの限界を、著者らの能力や意欲の限界でなく、必然だとする「いいわけ」と「ひらきなおり」と「あきらめ」を感じさせてしまう著作である。

 著者らに期待するのは、安易な教育評論でなく、東ロボくんの継続である。

 多教科、多様な入試問題をAIに解かせることには、ど素人の私でも大きな困難を伴うことが予想できる。

 著者が本書で説明する限界が、本当に必然的な限界なのかは腑に落ちなかった。

 以下、気になった文章を引用し、コメントする。
 「本当の目的は、AIにはどこまでのことができるようになって、どうしてもできないことは何かを解明することでした。」(p.20)
 「いいわけ」を感じさせる。
 プロジェクト紹介の概要には、「2021年度に東京大学入試を突破することを目標に研究活動を進めています」と記してあった。

 「それでもなお、東ロボプロジェクトに対して「なぜ諦めるのだ。『真の意味でのAI』を目指して頑張れ」という声が少なからずあります。ですが、冒頭でもお伝えした通り、私たちが目指したのは、近未来のAIの可能性と限界をすべての人がわかるような形で公開することでした。ですからその声援(?)は、「真の意味のAIが実現できる」、「シンギュラリティが到来する」と主張している研究者にこそ向けられるべきものでしょう。」
(p.106)
 「ひらきなおり」を感じてしまう。

 「2011年の段階でワトソンを開発したIBMの技術陣は、それを経験しているからこそ、2021年までにAIが日本の大学入試で最難関校に合格するのは無理だと、わかっていたのです。」(p.156)
 「あきらめ」を感じる。

 「もう一つ、私が科学者として肝に銘じていることがあります。それは、科学を過信せず、科学の限界に謙虚であることです。」(p.158)
 著者らの限界を、倫理の問題にすりかえているような気がしてしまう。

 「論理、確率、統計。これが4000年以上の数学の歴史で発見された数学の言葉のすべてです。そして、それが、科学が使える言葉のすべてです。」(p.117)
 数学者としての著者は確信をもった文体で記しているのだから、そうなのであろう。
 著者は続けて、
 「(中略)では、私たちの知能の営みは、すべて論理と確率、統計に置き換えることができるでしょうか。残念ですが、そうはならないでしょう。」(p.118) 
 こうした発想に著者の限界を感じる。

 逆ではないかと思う。
 AIの可能性や限界をとことん突き詰めることによって、知性とは何か、意識や脳の働き、ひいては人間とは何かという大問題に対する光明が、少しでもさすのではないかと考える。

 部分的であっても、人がそのAIに知性を感じる、そうした部分が増えていけば、総体としては、人間の知能に近づいていくのではないだろうか。

 それが、著者のいうような「真の意味でのAI」か否か、「シンギュラリティ」が到来するしないと言ってみても、意味のない単なる言葉遊びになってしまう。

 現実の世界と人々の意識が、いずれそれを明らかにする。

 重要なことは、どんな理屈をつけようとも、著者らの東ロボプロジェクトは、ストップし、世界のどこかでは、似たようなプロジェクトを推し進めているということだ。

 一日本国民としては、このプロジェクトを、国家プロジェクトとして、期限をもうけずに進めてほしかった。あるいは英国でクロノメーターの発明につながった経度測定のための懸賞金制度のように、議会で東ロボ法を制定し、民間の知恵を広く呼びこむというのはどうだろうか。懸賞金は◯千万円。

【本書に関する余談あれこれ】

 本書で特に興味深かったのは以下の二箇所である。

 東ロボくんに英語の例文を教えるくだり(p.99)で、著者は、『基本英文700選』を暗記して一橋大学に合格したというエピソードを紹介している。
 私は十代の頃、全くといってよい位、勉強をしていなかった。英文の一つも暗記したことがない。だから、こういう人が本当にいるのだという新鮮な驚きがあった。

 もう一つは、著者自身の「・・・読書は苦手なほうです。」(p.246)という箇所だ。
 怠け者の私だったが、十代の後半から自分の興味関心のおもむくままに読書だけは続けてきた。

 数年前、本に埋もれる危険性が本当にあったので大半を処分した。古書店の店主に聞いたら約1万冊だった。1万冊÷40年=250冊、その位だろうなと納得した。今でもほぼ毎日、本が届き、生活空間を圧迫し始めている。

 著者の「年間5冊くらい」という記述に目を疑った。謙遜?、洋書?、数学と哲学の本のこと?。きちんと読めるってどういう意味だ?。正直で何だか可愛らしさを感じるが、私のとらえ方が浅いのか?。
 沢山読めば偉いというわけではないが、これでは著者に大局観を期待するのは無理ではないかと突っ込みを入れたくなった。

 著者はこう述べる。
 「自分でない赤の他人が何年もかけて書いた本を理解するためには、著者が書くのに要した時間の倍はかかって当たり前だと思いませんか?」(p.246)
 私、「うーん、そういう本もあるだあろうし、著者の考え方を否定はしないが・・・」。
 ただ、長年の読書の経験から、作者の学識と、それを説明する記述のわかりやすさは、必ずしも一致しないということを会得した。それでもつきあいたい人は、ゆっくり読めばよい。

 ダーウィンの『種の起源』は一度目に挫折した。その時は、自分の頭のせいにした。新訳が出て読み通せた。それでも読みにくかった。今では、図々しくなったので、ダーウィンの説明の仕方が上手くないのだと思うことにしている。
 
 著者には悪いが、本書も一気に読んだ。自然と速読になってしまう。止まると眠くなるか放り出すかになってしまうからである。ただ、こうして、レビューを書いているように、ひっかかりが多くあった。

 私の読書スタイルは美しくない。マーカーでぐりぐりやったり、本を平気で折り曲げたりする。だから、購入しなければならない。

 著者が20回読んだというデカルトの『方法序説』は、私も高校生の時、感銘をもって読んだ記憶がある。後に、違う訳者でもう一度読んだときは、さめた目で読んでいる。
 
 著者は、仏文で読んでいるのだろうか。だとすると、ただただ感服するのみである。
 同じ訳本で20回読んでいるのだとしたら、これも驚きだが、色々な訳者で読んでみることをおすすめする。
 ご先祖様たちが苦労して哲学などの学術用語を日本語にした事実に感銘するし、日本語や漢語に対する感謝の気持ちもより深まる。

 人間の脳は器質的に同じでも、その働きは、人それぞれによって微妙に違ってくる。
 それが顕著になる人々もいる。以前「サヴァン」に関する本を読んだときに、それを強く感じた。

 著者は、もしかしたら言葉と論理の人なのかもしれない。
 私が、この文章は誤読をさそいそうだなと感じても、ごく自然に読んで正答する(特殊な?)力を持っているのかもしれない。

 そう感じたもう一つの理由は、本書の前半で説明する「機械学習」や「ディープラーニング」の項に、理解を助ける図がないことだ。

 あくまでも推測だが、この文章だけでは、AI技術の何たるかをイメージできない人もいるはずだ。

 私は、どちらかといえば、直感やイメージで理解しようとする。

 著者がヒントとする、精読や深読(ふかよみ?しんどく?)は時に必要で、私もそうした読みをしていることはあるだろうが、万人向けではない。

 著者の読みのスタイルは、意識してそうなってのではなく、どちらかというと生得的に近いものであるような気がする。

 前にも触れたが、もう少し付け加えることがある。著者らの調査は、大いなる徒労に感じてしまう。
 昔、統計学の本(啓蒙書)を読んでいて、バリマックス法を知ったとき、これは無理をして因子を探す方法だなと、間違っているかもしれないが、そう感じてしまった。
 
 「今のところ、「こうすれば読解力は上がる」とか「このせいで読解力が下がる」と言えるような因子は発見されなかったのです。」(p.223)
 これは正直でよい。
 ただ、「・・・就学補助率が高い学校ほど読解能力値の平均が低いことがわかったのです。つまり、貧困は読解能力値にマイナスの影響を与えています。」(p.227)という落ちがつく。

 こうした調査は、ほとんど無駄である気がしてしまう。

 重要なことは、読解力の大切さを、データや、東ロボくんとの対比で感じるのではなく、自分の頭で考え、自分の経験や体験から、その大切さを感じることだ。

 AIがあろうとなかろうと、読解力の大切さは変わらない。

 江戸時代、あるいは明治の初期であっても、士族の子弟たちは(貧しい家庭が多かった)、5,6歳の頃から素読を始める。幼児であっても読みなら大丈夫で、文字に対する抵抗感をなくすことにもなる。

 明治初期の小学校は、得体の知れないものであったから、明治になっても多くの子弟は、慣れ親しんだ寺子屋や私塾、漢学塾などに通った。

 読むことと学ぶ姿勢が一体となる素読などの方法は、その子の人格形成に重要だと、ご先祖様たちも理解していたのである。

 本書のような拙速な構成は、あぶない結論を導く出す可能性があるが、幸いにして、本書の結論は、英語やプログラムよりも、まず読解力だということを説くものである。

 また、筆者は小学校での身体を使った遊びや、グループによる給食の準備や清掃活動などの大切さを認めていて、この点も共感できる。

 ただ、何度も繰り返すが、読解力の大切さは、AIとは関係ない。
 日本語の読解力で身につけた知識を、多くの国民が共有することで、社会の平和や安定、そして発展を支えることができる。

 日本語の読解力が低下し、語彙が貧弱になれば、思考も思慮深さを失い感情的になる。
 それがいつか国家の危機となることを忘れてはいけない。

【「教科書が読めない」と言われてしまったAI時代の君たちへ】
 
 大人は、大人の都合や思惑でいい加減なことを言う。
 また調査は、調査の対象や方法によって正反対の結果を導き出すこともある。

 詳細は忘れてしまったが、OECD(経済協力開発機構)の実施した大人の読み書き能力調査で、日本はランキングの第1位であったと記憶する。
 
 たまたま日本に生まれた君たちは、ご先祖様が残してくれた2つの贈り物を手に入れることができる。

 その一つが「漢字かな混じり文」である。

 以下の引用文は、ある本の書き出しである。
「宇宙の誕生 
 今から約137億年前。より正確にいうと137億年プラスマイナス2億年の昔。
 私たちの住むこの宇宙が誕生しました。
 想像するのがとても難しいところですが、それまでは文字通り何もありませんでした。
 もちろん宇宙は存在していません。時間も宇宙のひとつの要素ですから、時間すらありませんでした。
 そこに突然、極微の大きさの宇宙が生まれたのです。
 誕生した宇宙は、誕生から10の44乗分の1秒後(1000兆×1000兆×100兆分の1秒後!)の時点で、10の34乗分の1センチメートル(1000兆×1000兆×1万分の1センチメートル!)ほどの大きさだったと考えられています。
 そして宇宙は、この時点から急激な膨張(ぼうちょう)をはじめます。宇宙は、「真空のエネルギー」という固有のエネルギーを持っており、これが宇宙を急速に押し広げていったのです。
 この現象を、宇宙の「インフレーション」といいます。」

(p.2 眞淳平著 松井孝典監修『人類が生まれるための12の偶然』岩波ジュニア新書※漢数字は算用数字に直した)

 「漢字かな交じり文」でこのような文章が読める。
 宇宙に関心のある人は、ここに書かかれていることが驚くべき内容であることを理解したはずだ。
 
 日本は、君たちが知りたいこと、関心のあることの、ほぼ全てを日本語で読める有難い国だ。

 勉強が嫌いだ苦手だという人は、まず意識して日本語(漢字や言葉など)の勉強から始めてみるのがよい。

 読めない漢字が多いと嫌になってしまうので、ルビ(漢字のふりがな)が多くふってある子ども向けの本や図鑑類を見てほしい。
 
 子ども向けといっても馬鹿にしてはいけない。難しい事柄をやさしく記述するためには作者の力量が必要だ。

 それと国語辞典を1冊用意すること、これは大人向けがよい。初めは難しくても使い慣れてくれば一生使える。

 こうして「漢字かな交じり文」に親しめるようになれば、きっとお気に入りの1冊に出会えるはずだ。

 例えば、「私は勉強が嫌いだったが、今はこうして生きている」というような本だ。

 充実した人生を送っている大人を見極めるのは、「顔つき」を見るのがよい。

 この夏、山口で2歳の男の子を発見救出した、ボランティアの70代後半の男性を覚えているだろうか。
 
 私よりも人生の先輩だが若々しい。
 何よりもいい顔をしていた。
 熱い思いと行動力に誰もが感心したはずだ。

 こうした大人を身近な所やテレビで発見したら、なぜよい顔をしているのか考えてみよう。あるいは聞いてみよう。

 その理由がわかったなら、その人やその分野に関する本を読んでみるのもよい。

 君たちもよく知っている野球の大谷選手は、日本史が好きで、勝海舟の『氷川清話』を読んでいるという。

 幕末から明治に活躍した幕臣で、咸臨丸で太平洋を渡った人である。

 「漢字かな交じり文」が読めることで、時空をこえて勝海舟と対話ができるのだから、「漢字かな交じり文」は、ご先祖様からの素敵な贈り物である。

 AI(人工知能)について少しふれてみる。

 この技術も先人の努力の積み重ねによってできている。機械学習の可能性を論じたアラン・チューリング、脳細胞の働きをモデルにして論理回路での記述を可能にしたマカロックやピッツを思い出す。

 最近、人工知能や量子コンピュータに関する本を読んで、その技術の進歩に驚かされた。

 「知能、対、知能」という意味では、AI将棋やAI碁の方がわかりやすい。
 コンピュータの性能向上によって、今では家庭用のパソコンでもAI将棋の開発が可能となった。

 今後10年で、この分野は驚くべき進歩をとげることだろう。

 こうしたプログラムの働きを理解するためには、プログラムや数学の知識も必要になる。

 私にも何となくわかった気にさせてくれたのは、「漢字かな交じり文」のプログラムや数学の本を読むことができたからである。

 ところで、私は10代の後半まで、とても不熱心な生徒だった。 
 私たちの態度と理解力が悪かったのか、数学の先先から「君たちに微分、積分を教えても仕方がない」と言われてしまった。

 微分、積分は後に独習した。基本事項の理解は、それほど難しくない。慌てず諦めずに順を追っていけばよい。

 今は微分、積分に関する啓蒙書が多数ある。図書館で比べて、自分にあった1冊に取り組んでみるのもよいだろう。
 微分と積分の関係や、その計算法が理解できたときは、私も感心した。

 勝海舟は、10代の頃は、身体の鍛練に集中したという。
 それが後の蘭学学習や国事に役に立ったのである。

 20歳を過ぎてから蘭学(オランダ語による学問)に取り組み、それをものにした。

 勝海舟の蘭学に対する驚くべき根気力と集中力は、ドラマや伝記で知ることができる。

 身体の鍛練は、競技スポーツでよい成績をとるということだけでなく、自分なりの方法でやってみるのもよい。
 勝海舟は、師の教えを守り座禅にも取り組んでいた。

 日本語の学習と身体を鍛えるだけで10代を過ごしたとしても、決して無駄にはならない。

 英語や数学、プログラムの本格的な学習は、20歳からでも決して遅いということはない。

 10代の私には、こうした知恵はなかった。

 ご先祖様からのもう一つの贈り物は、「自然」である。
 
 今年の夏は暑かった。このまま夏の平均気温が上がり続けたら人間が生きていけなくなるのではないかと心配になる。

 人間は、他の生き物と同じように、地球環境が育んだ、空気、水、土、植物などに依存して生きている。

 AIの技術がどんなに進歩しようとも、地球における、生き物としての人間の立場は変わらない。

 地球規模の、気候変動の原因を決定的に証明するデータは不足している。
 現代的な気象観測態勢が整ったのは、地球時間で考えれば、つい最近のことだから、観測データが少なすぎるのである。

 それでも、人間の経済活動に伴う都市化などが原因であると指摘されている。
 私が子どもの頃、夏休みの日記に、今日は30度を越えたと、驚いて記していたのがうそのようである。
 エアコンなどなかった時代だが、何とかやり過ごすことができた。
 家の前の路地は、土の道だったし、古い家はがらんとしていて、どこの家も開け放たれていた。
 東京近郊でも、少し郊外の農道は、両脇に木々が植えてあり、日陰伝いに歩くことができた。
 こうした光景は、「都市化」によって失われてしまった。
 生き物としての人間にとって、これが進歩か後退か、若い柔軟な頭で考えてみてほしい。
 パソコンやスマホを操れる君たちは、国土交通省の古い航空写真を簡単に見ることができる。
 昭和30年代までは、江戸時代の土地活用の痕跡が残っていた。
 江戸時代のご先祖様たちは、村々の田畑や里山、鎮守の森などを、勤勉に守ってきた。
 昭和40年代以降の自然破壊は、すさまじいものであった。
 私たちの世代は、ブルドーザーで、ご先祖様が残した自然を食いつぶして生きてきてしまった。
 よかれと思い実現した「都市化」は、君たちに、どのような財産を残しただろうか。
 
 賢い知恵を使っている生きている大人たちもいる。
 昔の知恵やAIを上手く使って、ご先祖様たちが残した「自然」を生かした、新しい世界を見出してほしい。
(「お前の文章の方が余程くどくてまとまりがない」という声が聞こえそうなので、以上)
169人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート