ざっくりと恐竜を知りたいなら、または
当時の恐竜たちの迫力や生活を垣間見たいなら、
広く出回っているカラーの図鑑が良い。
けれど、各々の恐竜についてもっと掘り下げて知りたいとき、
「生きていた時代・地域・骨格・容姿・大きさ」などが一目で詳解に分かり、
緻密な線画で描かれた恐竜の姿に想像力をかきたてられるような魅惑的な本を、
私はこれ以外に知らない。
実際のところ、1990年代までの情報を基にしているのだから
スピノサウルスの頭はまるでティラノサウルス科のそれだったり（状態のよい上顎は2005年に発見）、
内容が陳腐化していると言えなくもない。
それでも、発見済みの下あごからワニとの類似を見出し
「魚を捕食していたかもしれない」と当時の学説や考え方が記されているおかげで
後年発見された事実との検証も楽しい。
恐竜の進化・分類に関する詳細なデータだけでなく、
近現代に大衆にどのように恐竜が紹介されてきたのかの考察まで載った、
これ以上ない恐竜知識のデータベースだと思う。
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