「世界の駄っ作機」の第4巻は33機を34のエピソード（アヴロ マンチェスターのみ前後編）と特別編で構成されています。
様式はいつもの機体名と仕様を書いた扉、筆者の手書きイラスト、本文3頁前後、本文に関係のあるトピック1頁で構成されています。
第二次大戦前に消えた機体9機、第二次大戦に参加したまたは計画された機体20機、第二次大戦後に計画運用された機体4機と言う比率だと思います。
本文はいつも通りの軽妙な語り口で肩の凝らない内容になっています。
幾つか捕捉したいと思います。
・ブリュースターXA-32のブリュースター社ですが元は貨車を製造する会社だそうで、その為か流れ作業に不向きな工程だったとF2Aバッファロー購入で会社を視察した蘭領東インドの関係者の証言があります。
・チェトベリエフSPL飛行艇でソ連海軍が航空機搭載潜水艦を作る気がなかったという27頁ですが大型のK型潜水艦は一時搭載を検討した時期があったそうです。
・パシーニンI-21を製作予定だった第21工場は後にラヴォチキンの主工場になりました。
・MiG SNで機首に可動式の銃を装備した機体が紹介されていますが、実はMiG設計局は後にYe-151という大型迎撃機で上下30°銃身が可動する銃座が機首周りを旋回する機体を試作しましたがモックアップ審査で旋回時に機体が不安定になる恐れが指摘され可動銃座戦闘機の系譜は断たれたそうです。
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