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徹底分析 アベノミクス 単行本 – 2014/6/28
- 本の長さ280ページ
- 言語日本語
- 出版社中央経済社
- 発売日2014/6/28
- ISBN-104502097500
- ISBN-13978-4502097508
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登録情報
- 出版社 : 中央経済社 (2014/6/28)
- 発売日 : 2014/6/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 280ページ
- ISBN-10 : 4502097500
- ISBN-13 : 978-4502097508
- Amazon 売れ筋ランキング: - 297,654位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 21,308位投資・金融・会社経営 (本)
- - 31,489位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
【私の問題意識】
90年代の長期停滞-「失われた10年」を経て、デフレを伴った不十分な景気回復、そして世界金融危機に翻弄される日本経済。私はこの20年間を「失われた20年」としてみています。
この「失われた20年」は我々にとっては甘んじて引き受けねばならない事態だったのでしょうか?そうではありません。私の主張は、過去20年間の経済停滞に大きな影響を及ぼしたのは経済政策の失敗ではないか、ということにあります。
「経済政策の失敗」は様々な視点から考察することが可能です。一つは経済政策の手段の視点ですが、政策には様々な主体が個々の意図を持ちながら行動した結果としても見ることが可能です。そうすると、経済政策の政策過程論、政治学としての側面も明らかとなります。更に、マクロ経済は幾多の政策の失敗と成功の経験から紡がれてきたものと理解すれば、政策担当者の思想の影響も無視できません。
我々は過去と未来という二つの時代の接点としての「現代」に生きています。現代を考えるには過去の事象を詳細に考察することが必要です。一方、望ましい未来を構想することで現代何をすべきかという視点も得られるでしょう。
主に経済の視点に立脚しつつ関連領域の幅を広げながら、実証的事実を大切に地道な議論を重ねていくこと、これが私の問題意識です。
【略歴】
1972年生まれ。愛知県常滑市出身。
2001年慶應義塾大学商学研究科修士課程(計量経済学専攻)修了。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済政策部上席主任研究員(2016年7月現在)。
1996年三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)に入社して現在に至る。
専門は応用計量経済学、マクロ経済学、経済政策論。論文「我が国の経済政策はどこに向かうのか-「失われた10年」以降の日本経済」で藤原書店主催第4回河上肇賞本賞受賞(2008年度)、『日本の「失われた20年」』(藤原書店)で第2回政策分析ネットワーク シンクタンク賞受賞(2011年度)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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だが、これらを収めたことも含めて、資料的価値を認めたい。
理系人間からすると、マクロ経済学は、因果律の逆転が自在に生ずる魔境の如き世界である。
この本の、リフレVS反リフレの戦いも、どちらがその地雷を踏んでいるかで勝負が決まると言え、ゼロ金利下では貨幣数量関係が破壊されるとする、反リフレが地雷をそこで踏まずに済むので、分がいい。
河野龍太郎論文は、唯一、因果関係を正確に論じていて、オアシスのようだった。曰く、
「日銀マネタリーベースの規模を気にしながら、価格付けを行っている小売業者が果たして存在するだろうか。」
一冊で賛否両論をカバーしたいと言う意図は判るのですが、論文によって説得力にバラつきがあるように感じられて微妙だと思いました。
これだったら賛成派の本、反対派の本、それぞれ詳しそうなものを1冊ずつ買った方が良さそうな気がします。
各論者の論文の後に原田、斉藤、両編者から論者に対する質問が載っていますが、
いくつかはツッコミとして価値あるものも見られたので、この点は良かったかも。
以下、特に気になった論者について、もう少し細かい感想です。
・翁邦雄氏
原田氏のツッコミが的確ですが、バーナンキFRB総裁(当時)の発言を都合よく解釈しているように感じられます。
またアベノミクス開始後のインフレ率についてコアコアインフレとの乖離から、円安によるコストプッシュインフレを強調していますが、
13年末時点でコアコア指標もプラスに転じていることについて言及がありません。
これらが金融緩和抜きでも達成できたのか?という視点もないため、都合の悪いところを無視しているように思えてしまいます。
・片岡剛士氏、安達誠司氏
片岡氏は金融政策以外のデフレ原因説に対する反論、安達氏はレジーム転換の計測。
両者とも多数のグラフでポイントになる点を示しているので説得力があります。
安達氏の論文については「そんなものが本当に計測できるのか」という点で疑問がありますが
モデルも明示されているので問題があれば専門の人から指摘できるでしょう。
・斉藤誠氏
90年代以降の景況についてモデルに基づく需給要因の分析と、総括として国際環境の変化について書かれています。
論考自体は興味深いのですが、モデル分析へのツッコミで実際の具体的要因を問われて
「計量経済学的に識別する作業を待たなければならない」は科学者としては誠実ですが、逃げの印象は免れません。
アベノミクスという現実の課題に答えなければならない本なのだから、ここはある程度具体性のある答えを用意しておいて欲しかった。
編者として他の論者への質問も載っていますが、斉藤先生の質問は純粋理論的なものが多いように感じられます。
理論の完成度を高めるのも重要でしょうが、経済学はいつでも政策に応用できるような工学的実用性も求められると思います。
この辺りの感覚が欠けているように感じられて残念でした。
・高橋洋一氏、原田泰氏
両氏ともやってることは片岡、安達両氏と大差無いと思うのですが、いまいち説得力が感じられません。
強い言葉で断定していて明快ではあるのですが、それが逆に結論ありきに思えるのかもしれません。
・吉松崇氏
米国のこれまでの金融政策のまとめとして判りやすいです。
ただ定量的な分析部分が図表化されてないのでビジュアルな判断ができないのはもったいないと思いました。
・竹中平蔵氏、小峰隆夫氏
成長戦略として竹中氏は戦略特区、小峰氏は労働政策についての論考。
両者とも定量的な分析がほとんどありません。成長戦略絡みの論文ってこういうものなんでしょうか。
女性の労働参加についての八代氏の論文では現状の定量分析が載っているので、そんなことはないと思うのですが。
これでは彼らが信じている思想を政策に落とし込んだだけではないかという疑問が消えません。
・八田達夫氏/北崎朋希氏/谷山智彦氏
三氏の共同論文で過去の特区制度における都市再生の定量的検証。
きちんと定量的な分析がされていますし、政策評価という観点でも重要な論文だと思います。
個人的に説得力を感じたのは片岡氏(2章)、安達氏(4章)、吉松氏(7章)、八田氏/北崎氏/谷山氏(12章)。
興味深いことにこれらの論者は八田氏を除いて全員民間企業のエコノミストです。
そういう意味では経済分析そのものよりもプレゼン能力の差も大きいのかもしれません。