ちょい読みで、しかもこの筋のシロウトなのですが…
西尾維新の項では、ひたすら現代思想やヌーヴェル・クリティックの論者や論ばかり引用しているのには少し閉口しました。
また、蓮実重彦を大塚英志と同列に扱うのはどうか、と。たしかに、ハスミンは「小説から遠くはなれて」で村上春樹や井上ひさし等の小説をリニアな物語として解き明かし批判はしました。しかし、大江や中上健次の作品ではしっかりテマティックしてます。その意味で、プロップ=蓮実=大塚というのはちと乱暴な論評でしょう。ジュネットのような、後退したテマティック（ロブ＝グリエからプルースト分析への後退）なんかも、それなりにハスミンは批判していたのを、図書館で読んだ覚えも…。
なにげに、上から目線の論文（？）でこの業界ではいまだに現代思想をやってるんだぞというだけで大手を振れる？その上、作品についてはほとんどちゃんと触れていない…ようするに、現代思想やらヌーヴェル系の名詞や用語が業界ではいまだに神託なのか…。それも、シロウトが読んでもどうか、とういうような誤読？まがいの論の引用が「ちょい」読みでも散見されるんでは、プロのディシプリンやら倫理も、この業界では確実に溶解してしまっている、というドキュメントとしてなら面白い？のかも。
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