頭ではなく肚で物事を考えるというのは、ひとつの面白いアイデアだと思う。本初中の対話「母を語る」などは、このアイデアの生まれた背景を推測するヒントになっていて興味深い。
しかし、アイデアが面白いだけに、本書が全体にふんわりと書かれていることや、母系制と母権制がごちゃごちゃと混同されていることなどは残念でもある。文化人類学的には母権制社会の存在はほぼ否定されている。アイデアは面白いけれど、根拠が曖昧なのである。
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