一国の経済には陰陽両面がありますが、日本では他国の経済に対して、極端に一面的な解釈が多い。とりわけアメリカ経済に対しては、経済学的アプローチを無視し、かつ特定のイデオロギーを前提で解釈され、経済面でアメリカに関わる日本人にとって有害なものが目立つ。そうした不毛な議論に比べると、様々なデータを元に、一国の経済を多面的に掘り下げた本書は、文庫本ながら深い内容に仕上がっています。年金・医療問題から中国経済まで、特定の視点に偏らずに深い掘り下げが行われ、初心者でも十分読める平易な文章で書かれたみずほ総合研究所の書籍は、どれも読み応えがあります。
戦後の経済史を始め、銀行の合併・統合、住宅ブーム、GSEリスク、更にはオーナーシップ社会構想を始めブッシュ政権が現在抱える問題まで、本書を通じてアメリカ経済の多様な側面を豊富に学ぶことができます。日本にとって参考にすべきもの、慎重に検討すべきものなど様々な事象がありますが、本書のいずれの事象も、柔軟さや多様な側面を持ち合わせていることが読み取れます。例えばアメリカには日本の約3.5倍の中小企業が存在し、長期経済繁栄における雇用促進や技術革新を担った事実は、アメリカ経済の多面的な側面を象徴しています。また予算構造や公務員数が時代ごとの政府の役割に応じて絶えず変化し続けた事実や、ワールドコムの不正会計発覚後わずか1ヶ月で企業改革法が成立した事実は、アメリカ経済の柔軟性を象徴しています。
学生から会社員まで現在多くの日本人がアメリカと関わりを持ちますし、ビジネスであれ留学であれ、アメリカ経済の多様性・柔軟性を的確に評価し、有効に活用することは不可欠です。その際に、どのデータをどう評価すべきか、本書からは様々な教訓が得られます。アメリカに今後関わる全ての人にとって、本書は必読書だと思います。
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ベーシックアメリカ経済 単行本 – 2005/6/1
みずほ総合研究所
(編集)
再選されたブッシュ大統領に課された問題は限りなく多い。イラクなどへの市場経済拡大化の試み、双子の赤字問題、医療年金改革……。日本経済に多大な影響を与えるこの大国の経済をダイナミックに分析する。
- ISBN-104532118050
- ISBN-13978-4532118051
- 版New
- 出版社日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
- 発売日2005/6/1
- 言語日本語
- 本の長さ191ページ
登録情報
- 出版社 : 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2005/6/1)
- 発売日 : 2005/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 191ページ
- ISBN-10 : 4532118050
- ISBN-13 : 978-4532118051
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,231,976位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 107位アメリカ・カナダ・オーストラリアの経済事情
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