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心でっかちな日本人: 集団主義文化という幻想 単行本 – 2002/2/1

4.3 5つ星のうち4.3 17個の評価

商品の説明

商品説明

終身雇用制の崩壊やリストラ、いじめなどといった日本が抱える問題の根本原因を、すべて「伝統的な文化の衰退」に求める論調がある。西欧の個人主義思想が入ってきて思いやりの心がなくなってきたため、日本文化が衰退し、殺伐とした世の中になってきたという説は、果たして本当なのだろうか。

本書のタイトルにもある「心でっかち」とは、心と行動のバランスがとれなくなってしまっている状態を指す、著者の造語である。日本人は集団主義だなどという通説も、実は心でっかちの思い込みにすぎないということをユニークな実験で実証しているが、心でっかちな思考が、どれだけ私たちの「現実を見る目」を曇らせているかが理解できる。

ただし、本書の大半を占める社会心理学の実験は、似て非なる内容が続き、あまり耳にしない用語も出てくるため、丁寧にたどっていかないと混乱してしまう。やさしい言葉に置き換えて説明されているとはいえ、読み通すには少し努力が必要かもしれない。

「文化は、私たち自身の行動によって生み出され支えられている」ということが理解できると、次に気になるのは、大きな変化の時代にどう行動するべきかであろう。その答えは、本書にはない。ただ、現実を正しく見ようとする人と、心でっかちな見方しかできない人との行動には、大きな差が出てくることは確かなようだ。(朝倉真弓)

内容(「MARC」データベースより)

なぜ出る杭は打たれるのか? なぜ派閥が出来るのか? 集団主義文化という幻想によって生み出される摩訶不思議な現象と、そのメカニズムを解明。「実は日本人は集団主義ではなかった」という事実を説き明かす。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2002/2/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2002/2/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 261ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4532149665
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4532149666
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 17個の評価

著者について

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山岸 俊男
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カスタマーレビュー

星5つ中4.3つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2024年2月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
たまりませんね。
綺麗なお品をありがとうございました。

前の所有者さまのメモ(喫茶店の紙ナプキンの紙片を細くちぎったもの)が数枚ありましたが、ページ自体への影響はありませんでした。
2015年4月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
書店ではなかったので、こちらで購入できてよかったです。ほんの状態も問題ありませんでした。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年8月30日に日本でレビュー済み
著者は『社会的ジレンマ』の人。本書は、進化心理学を注入した社会心理学を使って、日本人の持つと言われる「集団主義文化」の批判的検討を通して、文化そのものの概念を扱う試みなのだと思われる。

まず個人的な偏見を書いておく。私は、コントロールされた条件下で、少数の人間の被験者を使ってその行動を調べるという心理学的実験を、特に調べる対象が社会的影響の強い行動であり、結論として文化的な違いを引き出そうとしている場合には、あまり信用しない。『女の能力、男の能力』のように、生物学的な基盤があることがはっきりとしている性差の表れ方が文化によって違うという研究や、社会的な影響が強いと思われる行動がどの文化でも見られるという研究を見ると、たしかにその実験は何か意味のあるものを測定しているのだろうと感じる。しかし本書で取り上げられているような、社会的な影響の強いと思われる行動が国によって異なり、それはそれぞれの国の「文化」の違いを表しているというような研究はあまり信用する気になれないのである。そのような違いはたぶんあるのだろうけれども、その種の研究の証拠としての力は、普通の観察者の直感とそれほど変わらないんじゃないかと思う。そのように思う理由はいくつかあるけれども、その代表的なものはサンプリングの偏りと実験者効果(具体的には実験者によるハンドリング)だ。大きな母集団の統計的データをベースにした研究はもうちょっと信用する気になる。

そういうわけで、本書で論じられている具体的な話、つまり「日本人が集団主義文化を持つという説は本当か」というトピックについてはあまり細かく考える気がしないのである。本書は主に日本人とアメリカ人を対象とした、実験的な「囚人のジレンマ」的条件での協力のしかたを調べる研究を紹介しており、通念とは反対にアメリカ人の方が「集団主義」と呼びうるような行動をとる局面があるというような結論を引き出しているのだが、仮に実験の分析手順が妥当だとしても、結論を「日本人一般とアメリカ人一般」に敷衍するのは無理なように感じる(被験者の選び方が明記されていないので確信はないが、たぶん私の危惧は当たっているだろう)。

この問題は、「集団主義/個人主義」と呼びうるような行動パターンが、両国の労働マーケットの変化に対する個人の適応であるというような言い方をする結論の部分でいっそう深刻になる。たとえば、日本的雇用関係においては内集団ひいきが合理的な行動となるというストーリーはたぶん正しいだろう。しかし、「日本的雇用関係」と呼ばれるものが歴史的に見て別に大昔から存在するものでなかったことはよく知られているし、見方によるけれども、そのような場に直接に身を置いたのは高度成長期時代の大手企業の従業員ぐらいであろう。では、そのような場に身を置いていなかった中小企業の従業員、自営業者、主婦、子供たちはどうだったのか。通念上は、これらの人々も「日本人的な集団主義」を持つものと考えられている。それは本当なのか、もし本当ならばいかなる経路でこの人々にまで影響が波及したのか、といった疑問が生じてくる。

それと対照される「アメリカ人」の側の話も話はややこしい。『それでも新資本主義についていくか』は興味深い本だが、これを引き合いに出さなくても、このところ目につくようになった1960~70年代を回顧するアメリカ映画を見ていればすぐにわかる。アメリカ人はニュー・エコノミー下のアメリカの労働環境を嘆き、60~70年代(50年代はもっと良かった)のアメリカの労働環境がいかに安定したものだったかを懐かしく思い出しているのである。これは中層階級と下層階級の両方に当てはまることで、「アメリカ的な雇用習慣」はほとんどのアメリカ人にとってやっぱり新しいものなのである。「アメリカ人」という括り方のもっと大きな問題は、そのエスニシティの多様性である。人間を対象とした心理学/行動学で、特に修飾なしに「アメリカ人」という集団が記されている場合、その母集団は多くの場合、中流家庭の出身者の学生で、80年代以前の研究ならばそのほとんどが白人であろう。われわれのカウンターパートとしてはそこだけ見ていればいい、と言ってもいいかもしれないが、「日本人とアメリカ人の比較」の中に北海道の漁師、大阪の工場経営者、テキサスのヒスパニック、ハーレムの黒人などは入っていないということを忘れてはならない。

そういった具体的な話以外の部分のロジックは、進化心理学の文化に対する適用として妥当なように思われた。ただ、「心でっかち」というような造語のターゲットとなる読者が本書を読んでこれを理解できるのかどうかは私にはわからない。

なお最後の章には、進歩的文化人の主張がバブル崩壊後にようやく有効性を発揮するようになるという興味深い考察がある。著者によれば、戦後の進歩的文化人が日本的な集団主義を批判したのは時期尚早であり、高度経済成長期の日本には集団主義が必要だった。だからその時期に進歩的文化人の主張が人気をなくしたのは無理はないことである。しかし、バブル経済が崩壊したいまの日本には、彼らが主張していた個人主義が有利になるし、社会全体としても必要になる。

私の感触からすると、進歩的文化人の主張の人気が完全になくなったのはむしろバブル経済の時期以降なのだけど、これは勘違いなんだろうか。このあたり、個々の人の立ち位置によって受け取り方がずいぶんと違うようではある。

2002/3/11
2014年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今まで知らなかった視点を知ることができました。
既成の概念、思考方法にいかに自分がとらわれていたか、考え直させられました。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年6月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
期待外れでした。
2012年2月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
心理学の実験を基に書かれているため,カバーやタイトルと比べ,一般受けはしない内容かもしれません。
「少年犯罪の増加や凶悪化」を「ゆとりに欠けた教育が生み出した若者の心の荒廃の結果」ととらえるのは心でっかちの落とし穴にはまった人の典型である,という著者の考えにはとても賛成で,「少年犯罪って減ってきているよね」という素朴な疑問も呈してはいけないような現代には辟易してしまうのですが,統計のからくりをあばく本ではなくて,心理学の実験によって,その間違いを正していくあたりが,少し眠くなってくるのは残念なところ。
それでもなお,テレビのコメンテーターがそれらしく話しているような内容には,「おい,待て」と言えるぐらいの考え方は身につく本です。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2002年4月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なぜいじめがなくならないのか?。よくマスコミなどで言われる「若い世代の心のすさみ」とうの紋切り型の表現に対して抱く不信感に答えてくれる本です。その他にも、「終身雇用が日本の文化」というような「常識」にたいして、科学的な実験の結果をもとに、終身雇用が社会のディファクトスタンダードになっていった本当の理由を明らかにしていく過程は非常にエキサイティングです。
心よりももっと重要な原因がたくさんあるのに、私たちは心の働きをあまりにも重視しすぎて、いろいろなことを見落としてきたことに気づかされました。
40人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年3月19日に日本でレビュー済み
極端な例を除けば、

いい心も悪い心もない。

「日本人だから働き者」なわけでもない。

周りの環境によって
自分が一番利益になると思われる方向に
行動した結果、

いい心や悪い心を持った行動に見えるだけ、、、。

働き者に見えるだけ、、、。

あと
実験部分の記述、
結果はとても面白いのですが
文章だけでは
すぐにイメージが湧きにくい部分もあるかも、です。

漫画とか
絵でわかりやすく解説したら

ベストセラーになるのではないかと
感じますがいかがでしょうか、、、。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート