「まえがき」でも触れていますが、この書籍は2004年7月から9月の毎日曜日に、13回にわたり、『日本経済新聞』で連載されたコラム「御用達を味わう」がベースになっています。
私はこのコラムを読みながら、「いずれ一冊の本になればいいな」と思っていましたので、本書の刊行を知ると、喜び勇んで読ませていただきました。
本書を読んでまず感心したことは、御用達各店をじつに丁寧に取材された上で書かれている点です。ご当主の方々のお話をしっかりと聞きながら、商品が完成するまでの手間のかけようを、一つひとつの言葉に置き換えている点でした。「宮内庁御用達」という制度自体は、いまから約半世紀前になくなっているようですが、いまだに多くの方々から愛されている理由を知った思いがします。
著者の鮫島敦さんは、本書に著す視点として、「宮内庁御用達の品々を通じて、己の人生を賭け、モノづくりに精魂を傾ける人間たちの息遣いだった。伝統の製法、手法にこだわり、誠の手づくりを大切する姿勢をお伝えしたかったのだ」と語っています。そして、「日本の庶民は手仕事の中で己を鍛え、磨いてきた」と。
この視点に、私は心惹かれました。小さな本ですが、中味はぎっしりと濃くて深いと思いました。

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これが宮内庁御用達だこだわりの名品50 文庫 – 2005/10/1
鮫島 敦
(著)
陛下のネクタイ、雅子妃愛用の傘、宮中晩餐会のデザート、贈答品の煎餅――。最高の素材と職人技と伝統によって、究極のブランドを維持してきた「宮内庁御用達」の商品パワーと成功の秘密を第一人者が描き尽くす。
- 本の長さ301ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
- 発売日2005/10/1
- ISBN-104532193117
- ISBN-13978-4532193119
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登録情報
- 出版社 : 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2005/10/1)
- 発売日 : 2005/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 301ページ
- ISBN-10 : 4532193117
- ISBN-13 : 978-4532193119
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,033,240位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2013年8月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
写真は 白黒の物で、殆ど文章です。カラー写真で カタログ的なものではなかったので、私の期待から外れました。
2005年10月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とにかく、各商品の紹介が繊細で素晴らしい。実際にその商品を手にし、目にしているような錯覚にとらわれる。
そのためか、〝宮内庁御用達〟という言葉の持つ重みを初めて知ったような気がしている。さらに、ここに挙げられている品物の数々は、日本人であるならば、熟知しておきたいとも思う。日本人としての〝ものづくり〟の原点がここにあるし、長い年月をかけて培ってきた技の成り立ちを知ることもできる。日本人としての誇りが凝縮されている。
余談だが、嬉しかったのは、この中で「たぬき煎餅」さんが、紹介されていたこと! 以前、たぬき煎餅さんの本を読ませてもらって感動したので、「なるほど!」と納得したと同時に、赤面! 超有名な店だったことを知らず、失礼しました! この場を借りて、たぬき煎餅さん、ごめんなさい!
そのためか、〝宮内庁御用達〟という言葉の持つ重みを初めて知ったような気がしている。さらに、ここに挙げられている品物の数々は、日本人であるならば、熟知しておきたいとも思う。日本人としての〝ものづくり〟の原点がここにあるし、長い年月をかけて培ってきた技の成り立ちを知ることもできる。日本人としての誇りが凝縮されている。
余談だが、嬉しかったのは、この中で「たぬき煎餅」さんが、紹介されていたこと! 以前、たぬき煎餅さんの本を読ませてもらって感動したので、「なるほど!」と納得したと同時に、赤面! 超有名な店だったことを知らず、失礼しました! この場を借りて、たぬき煎餅さん、ごめんなさい!
2005年10月12日に日本でレビュー済み
最近「いいもの」に惹かれている私。宮内庁御用達という、聞き慣れないけど気になる品をチェックしようと思ったのだけど…。
びっくり!もっと手の届かないものだと思ってたのに、あんな店やこんな店まで宮内庁御用達。
インポートブランドばっかり見てる場合じゃないよ!メイドインジャパンをもっと見て!と、言いたくなる一冊でした。
びっくり!もっと手の届かないものだと思ってたのに、あんな店やこんな店まで宮内庁御用達。
インポートブランドばっかり見てる場合じゃないよ!メイドインジャパンをもっと見て!と、言いたくなる一冊でした。
2005年10月11日に日本でレビュー済み
宮内庁御用達…私とはまったく縁のないものだが、いったいどんなものがあるのだろう?と興味をかきたてられて手にしてみました。
てっきり御用達の料理店などが載っているのかと思いきや、フォークなどの銀製品・お箸・扇子・足袋・傘・ワイシャツ・さらには眼鏡にいたるまで、あらゆる品物の御用達のお店について、創業から御用達になるまでの経緯や歴史、こだわりや精神など、写真を交えながらわかりやすく解説されています。
とはいっても、やはり1番目がいってしまうのは、味噌や日本酒・煎餅・和菓子などの美味の食品!お店の場所も載っているので便利です。お饅頭の誕生秘話などもわかり、豆知識盛りだくさんでおすすめです!!
てっきり御用達の料理店などが載っているのかと思いきや、フォークなどの銀製品・お箸・扇子・足袋・傘・ワイシャツ・さらには眼鏡にいたるまで、あらゆる品物の御用達のお店について、創業から御用達になるまでの経緯や歴史、こだわりや精神など、写真を交えながらわかりやすく解説されています。
とはいっても、やはり1番目がいってしまうのは、味噌や日本酒・煎餅・和菓子などの美味の食品!お店の場所も載っているので便利です。お饅頭の誕生秘話などもわかり、豆知識盛りだくさんでおすすめです!!
2005年10月13日に日本でレビュー済み
表紙にひかれてなんとなく手にとってみたところ、中の写真が目に飛び込んできました。「御用達」の世界へ―と書かれていて、そこに美しい写真が。これが御用達かぁと思いました。この際どんな世界か知ってみるのも悪くないと思い、文庫本なので、あまり迷いなく買ってみることにしたんです。いかに雅かといったことが書き連ねてあるのかと思っていたのですが、意外なことにそういった感じではなく、一軒一軒の店がそれぞれにおもしろく、商いとは、といったことが伝わってきて、へえと感心することも多かったです。店の主人の生き方など、ちょっと自分の人生のためになりそうです。いい本だと思います。
2005年10月10日に日本でレビュー済み
主人が、「この本、おもしろいぞ、読んでみたら」と渡されました。それでさっそく本書を読んで印象に残ったお店は、お饅頭の塩瀬総本家、粽の川端道喜、磁器の深川製磁、漆器の山田平安堂、扇子の宮脇賣扇庵、織物の龍村美術織物、昆布の松前屋、フランス料理の萬養軒、お茶の三星園上林三入本店、味噌の本田味噌本店、ワイシャツの大和屋シャツ店などでした。もちろん、他のお店も一度は手にしたいなと思ってしまいました。文庫本ですが、口絵があって、本文にも多くの写真が掲載されて、丁寧な解説を読みながら、紙上で堪能できる内容でした。著者の方は、この分野について「心を込めて書かれているんだな」という思いが伝わってきました。だから、日経ビジネス人文庫から出せたのでしょうね。