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名著で学ぶインテリジェンス 文庫 – 2008/11/1

2.8 5つ星のうち2.8 11個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2008/11/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/11/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 261ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4532194660
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4532194666
  • カスタマーレビュー:
    2.8 5つ星のうち2.8 11個の評価

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上位レビュー、対象国: 日本

2013年8月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
イギリス史が専門の中西輝政氏という歴史学者が、キャリア後期に、情報史研究会という学会を主宰し、インテリジェンスを研究する後進の指導を行ったようで、その成果の一つが、この本のようです。情報の収集だけでなく、解読、調査、分析のプロセスを含め、国家機密情報の総合的な管理と運用に関する研究は、重要な研究分野であることは確かであり、学会や出版活動によって研究が盛んになることは望ましいことでしょう。ただ、その事と、この本の完成度は別の事柄です。やや辛口な書評になりますが、この本に関しては、三つの問題点が指摘できると思います。

一つ目、「インテリジェンス」の語が本書の全編でおどっている割には、「インテリジェンス」とはいったい何か? 広い知的バックグラウンドを元に定義がなされていません。例えば、さまざまな言語の文献を元にして、いったん諸説を出した上でそれらを批判的に検討し、その上で、インテリジェンスを説得的に定義・紹介するという部分があるのかと思いましたが、そのような部分は全然ありません。なんとなく、インテリジェンスが既知の事柄のように語られ、前提になってしまっていますが、これからインテリジェンスを理解した上でさまざまな書評を読むぞ... という読者のために前提となる知が提供されないのです。言い換えれば、インテリジェンスそのものが、議論のために使える知として提供されないということです。本書を読んで、幾つかの書についての断片的な知識は残るが、インテリジェンスを他人に説得的に説明できる気がしない... この本に出ている本を読んだら、とすすめることしかできない... そういう印象を持つ読者は多いのではないかと思います。

インテリジェンスの定義に「類する」部分はあります。シャーマン・ケントSherman Kent のインテリジェンス論がそれです。しかし、彼が先駆者であったとしても、この一人の人物のインテリジェンス論をわれわれは鵜呑みにする必要はないでしょう。本書で展開されるような、S.ケントの説に対して全く批判的な検討を加えない断片的な書評だけで、読者はインテリジェンスが何かを一方的に納得しなければならないのでしょうか。そうは思えません。

それから、この本を、あまり構えずに手にとって読む読者は、「インテリジェンスとは、第二次大戦中〜冷戦下の総合的な危険予測とか、軍備を抑止力として使うための知識なのか?」という印象を受けるでしょう。主に戦後〜1990年前後までの本の書評が中心のため、そのような印象は否めません。冷戦の影響下にある本が多いのです。本書初版が出た2008年に、なぜ、これらの本を古典としてわざわざ読む必要があるのか? 冷戦が終わってから15年も経過していたのですから、なおさら批判的に「インテリジェンス」を2008年の時点で説得的に定義する必要があったでしょうし、冷戦後の現在も有効と判断できる指標を出しながら、書評する一貫した態度が必要とされたのではないでしょうか。

二つ目の問題は、「まえがき」にあります。日本に全く存在しなかった西側の知をゼロから受容しなければならない、そういう古すぎる前提がなされています。インテリジェンスに類する知は、かつて日本に一度も無かったかのような見立てがなされている。日本で新しい学知が紹介される体裁を取るときは、たいていこのような見立てがなされ、その学問の新しさが主張されます。本当にそうでしょうか? 確かに、戦後の日本において、GHQの戦後政策が災いし、日本の国家の主権のもとに国家機密を専権的に扱うことのできる組織は作れませんでした。公職追放によって、真っ先に追放されたのは、戦前のインテリジェンスを担当していた特高警察の6000人だったのです。そのような事柄に触れないで、戦後の今の状態と、戦前の状態が、インテリジェンスから取り残されていたという意味で同じだなどと判断する意味があるでしょうか。 

日本の歴史の中では、明治維新の前から、武士による一定の高度な戦略的な情報の収集、分析、運用、そして使節の交換が行われてきています。その長い伝統がありました。さらにサムライの戦争の文化には、国際法の原型をなすような慣習法もありました。このような高度な戦略的な情報文化、戦争文化が一体化して「武士道」を構成していたことで、維新後、国際法の理解と導入を容易にしたと解釈することも可能でしょう。また、明治維新以降では、日露戦争がある意味で典型的なインテリジェンス戦争ではないでしょうか。ドイツへ留学して晩年のモルトケの講義を受けた川上操六と乃木希典は、情報分析体制の重要性に気づき、帰国後それに着手し実現します。児玉源太郎は、台湾への海底通信ケーブルを敷設し独自のネットワークを構築しました。無線や暗号の知の重要性も認識し、ただそれを導入するだけでなく、実際にスキルをもって運用し情報収集と分析ができたからこそ、日露戦争を有利に進めることができたのです。日露戦争は、知識であり組織であり活動であるところの「インテリジェンス」が発揮された最も顕著な例ではないでしょうか。当時のこれらの知が、一貫して、いわゆる暗黙知tacit knowledgeだったならば、ここまで合理的に運用されなかったでしょう。

三つ目、書評の対象が英語にあまりにも偏り過ぎていることです。本書の母体となっている情報史研究会の主催者:中西氏がイギリス史研究者だからという理由もあるのかもしれませんが、なぜ、英語に偏っているか理由が説明されていません。これでは、インテリジェンスは英語圏で専ら研究されているのか、と読者は疑念を持つのではないでしょうか。仮に、日本で、戦後に欧米を中心に行われてきたインテリジェンスの研究がスタートしたばかりだとしても、各国語で研究されている内容や各国語の概説書や基本文献を元にアウトラインをがっちり提示しなければ、学問として認知されることは難しいでしょう。ドイツ語とフランス語の書評が1つずつ収録されていますが、その内容や発展的な文献紹介の内容は、完全に初歩的なものに止まっています。

一般の読者が、本書を手に取る理由は様々だろうと思いますし、多くの読者を得ること自体はわるくないと思います。しかし、日本の既存の学問や教養との関連づけや、学問としてのベースの提示は極めて不十分な印象を受けました。「グローバル化する世界の常識」というような判断指標で評価を受けるためには、おそらく、日本における学問として更なる深化が必要でしょうし、一般の読者へ向けた有用性の提供が必要だと感じさせます。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年3月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書が指摘するように、特に日本では、インテリジェンス関連の書物と言えば実務家による自慢話や暴露、あるいは安易なスパイ物が多い中、本書はアカデミズムの観点からインテリジェンスにアプローチし、インテリジェンスの学術研究に資する名著を紹介している。日本に類書が無いということもあり、文献案内として大変貴重であり、意義も大きいと思う。米国や英国のみならず、ソ連、フランス、ドイツ、そして日本の情報機関に関する書物が紹介されている点もいい。文庫ということもあって平易な文章で書かれており、読みやすいのも好感が持てる。

ただ、本書には難点も多い。まず、紹介されている本の多くには訳書が存在しない他、訳書があっても既に絶版になっているものが多いことだ。専門書であればこれでもいいだろうが、文庫本の読者を想定してこの内容というのはあり得ないのではないか。また、いろいろな名著が紹介されているのはいいのだが、それぞれの解説があまりにも貧弱である。それぞれの著作の筆者の経歴についてはそれなりにリサーチして書かれてあるのだが、肝心の著作の内容についての分析が浅い。私はこの辺りに実務経験が無い学者によるインテリジェンス研究の限界を感じる。インテリジェンスは他の公共政策分野とは異なり厳格なセキュリティ・クリアランスが必要とされている分野であり、部外者には実態が全く見えない。実務経験が無い人間にはインテリジェンス活動の実態は絶対に分からない制度になっている。本書で紹介されている名著の著者のほとんどが実務家出身であるのは当然のことであろう。勿論、純粋な学者によるインテリジェンス研究にも一定の意義はあるのだろうが、今後の日本に求められるのは、実務経験を有するインテリジェンス研究者の出現ではないか。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年11月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
インテリジェンス関連の世界の名著を紹介することで、インテリジェンス研究の手ほどきを行おうとする書。著書の紹介ゆえ、インテリジェンスの本質に迫るようなダイナミックさはないが、インテリジェンスの入門書としておすすめできる。
15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
学問としてのインテリジェンスを追求し続ける情報史研究会の力作。思い切って「本邦未訳の名著」も取り上げた点は、逆に高く評価できる。ケント、ヒンズリー、ローウェンソール、ハーマン、クラドック、アンドリュー・・・。さすが情報史研!この選択の趣味の良さには、涙が出ます。「いきなり原書を読むのはちょっと敷居が高い」とインテリジェンス研究の入り口で逡巡している方は結構おられるはず。そんな人たちに突破口を与えてくれる作品に仕上がった。
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2011年6月7日に日本でレビュー済み
インテリジェンスに興味があれば一読をお薦めするが、一見さんには厳しい感じがする。
私のような初心者では、書かれていることが断片的に理解できるだけで、学ぶレベルまで行かなかった。
名著紹介に近いような気がした。

もちろん、名著で学ぶと銘打っている以上、かなりの努力と工夫が成されている。
紹介されている本は一級品だし、それぞれの本について、概要・著者紹介・内容紹介・解説という構成が取られている。
著者紹介では、著者のその他の重要な業績が示されている。
内容紹介では、紹介する本の読みどころや特徴が簡潔に示されており、かなり興味深い内容が含まれる。

それでも、ある程度は歴史・戦史・各国の情勢などに詳しくないと理解しにくい部分もある。
中級者以上向けといったところだろうか。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年12月7日に日本でレビュー済み
「インテリジェンス」とは情報活動とか諜報で、
単に情報を得ることだけではない。
ある情報が然るべきところから得られたとして、
その情報・内容の信憑性を判断することが求められます。
すなわち、情報を得て、事実確認を行い、
分析、評価などの活動までを言うのだと理解している。

と長い前置を述べておいて、
自分としてはこの本に「インテリジェンス」の説明が
詳しくなされていることを期待していました。が、
本著はその「インテリジェンス」をある時代の国などを
その国の置かれた立場を説明しながら、それを説明した
本のタイトルを記述されています。
ということで、タイトル通りですが、期待を外されました。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2011年4月25日に日本でレビュー済み
 まずまずの出来栄え。2008年までに出版されたインテリジェンスの主なテキストが網羅されている。しかしファラゴーやプランゲ、ジョーンズといった軍事系のインテリジェンスにはあまり触れられていない。その後も重要な著作が出版されているので、続編が出ないものか。特にMI5やMI6の公式史などを解説してほしいものだ。あと些末だが岩島久夫氏の『奇襲はなぜ成功するのか』が『なぜ奇襲されるのか』に誤植されてしまっている。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2010年12月24日に日本でレビュー済み
国家機関による情報収集・分析活動(インテリジェンス)と防諜活動(カウンターインテリジェンス)に関する米英を中心とする書籍をそれぞれ5〜6頁程度で簡潔に紹介した本。あたかも大学の「インテリジェンス概論」を聴講する感覚でこの分野の基本的流れを把握できる。現代日本では,この分野を学ぶ場所がないこと、一方で国際情勢理解にはこの分野の基礎知識が不可欠であることを考えると、本書の価値は極めて高い。個人的には旧ソ連の対米諜報謀略活動を記した「ウ゛ェノナ」が面白い。なお、ウ゛ェノナは現在日本語訳が出版済みである。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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