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歴史の使い方 文庫 – 2010/1/1

4.3 5つ星のうち4.3 21個の評価

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「本能寺の変――明智光秀と豊臣秀吉の勝負は総論(ビジョン)の違いで決まった」「明治維新――社会を変える要因は、人々の美意識と倫理観」――どうすれば歴史を楽しく知ることができるのか。過去を知り、未来を読み解きながら、明日の決断をするための方法を、著者独自の歴史観と具体的事例を用いながら解説します。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2010/1/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2010/1/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 315ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 453219525X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4532195250
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.7 x 1.2 x 15 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 21個の評価

著者について

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堺屋 太一
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作家、元経済企画庁長官。1935年大阪府生まれ。60年東京大学経済学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。62年の通商白書で「水平分業論」 を展開して注目され、70年には日本万国博覧会を手がけた。78年同省を退官し、作家としての執筆活動を開始。98年7月から2000年12月まで、小渕 恵三内閣、森喜朗内閣で経済企画庁長官を務めた(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『東大講義録 文明を解く』(ISBN-10:4532195632)が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2012年1月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 堺屋太一さんの本を読むのは初めてなのだが、非常におもしろかった。歴史の楽しみ方、捉え方、使い方、という切り口から始まって現代(2004年当時)の世相を読んでいくという流れでいろいろ考えさせられる。
・物証主義(遺跡が発見されれば信じる)から歴史を捉えると、偽物の土器を「発見」することで歴史が歪められることもある。物証主義は、万能な歴史的手法ではない。
・世界の政治は、独裁制、官僚制または諸勢力割拠状態(民主主義はこの非暴力形態)のいずれかである。集団指導体制は長続きしない。
・プロジェクトを始めるとき、組織のトップから口説くとうまくいかない。石田三成は関ヶ原に臨んで、直江兼続や安国寺恵瓊などの中堅実務家を口説いて家老連合を先に作った(だからうまくいった。少なくとも家康よりは数段格下の三成が「天下分け目の戦い」をプロデュースできた)。
・江戸は超過密都市で出生率がすごく低かった。地方からの流入で人口をまかなっていたブラックホール。ウィリアム・H・マクニールも同じようなことを書いていた。
・年貢ベースの武士は経済成長の恩恵にあずかれない。元禄時代までは日本は高度経済成長したが、相対的に武士は貧しくなった。江戸時代の武士は警察力以上の軍事力をもっていないのでほとんど一揆を軍事制圧できていない。そのため、年貢の大幅引き上げができなかった。意外に年貢は安かった(ホント?)。
・ある政治体制が崩壊するパターンは2つ。治安の維持に失敗するか、支配層の文化(存在理由?)が信用と尊敬を失うか。
・トウ小平は、経済特区などの小さな穴を作り、共産党一党独裁を維持して共産党員の権限欲は満たつつも、中国に競争原理をもちこんだ。一方、ゴルバチョフは、いきなり「ペレストロイカ」というスローガンを掲げて大改革をしようとしたので官僚機構が身構えてしまって命令をきかなくなってしまった。
・小泉内閣は政治から政治家を排除し、官僚独裁にみちびいた。このあと官僚主導の政党大連合(大政翼賛会)まで至るとマズイ。
・モンゴルとアメリカは軍事思想が似ている。常駐兵は少ないが、反乱が起これば主力軍を投入して全力報復する。
など。一種の奥義書だと思う。
・・・2013年6月10日再読・・・
 やはりためになる。再読の価値あり。
 曰く・・・
 日本国内で敗れた集団が外国に日本人の国を造ろうとしたこともないし、複数の日本に分裂したこともない。この単一性は世界史では非常に珍しい。
 幕末維新のころ、アメリカは南北戦争で忙しくなり、フランスは普仏戦争でいそがしくなり、ロシアは学べるほど先進的でもない。イギリスしかなかったし、イギリス陣営に属したから日露戦争にも勝てた。
 16世紀に堤防技術が普及し、河口開発が進む。戦国大名は開発も熱心。応仁の乱から関ヶ原までは人口2倍、GDP3倍の大成長だった。
 日本人が学ぶ世界史は、いいとこどりの歴史なので、悲惨な後退や征服される側の苦悶の記述が乏しい。特に、西洋史は、栄光と進歩の歴史として描かれている。これが日本人の西洋観を独特なものにしている。
 古代エジプトでは、余剰生産物と余剰労働力をピラミッド建設という再生産力を産まない事業につぎこむことで余剰生産物の蓄積をなくし、社会の階級化を防止した。造ることが目的の公共事業。
 千年の都は、ローマ、パリ、イスタンブール、京都の4つだけ。
 日本文化は生成りの文化(あるがままを美しく感じる美意識の文化)。日本料理は人工的な味付けをしみこませないし、日本舞踊は日常有り得る姿勢で構成される。
 本能寺の変は、秀吉よりも和泉にいた信孝や丹羽長秀の方がさきに情報キャッチした。しかし、信孝たちが決断するまえに噂が将兵に流れて逃亡兵が続出した。残兵をまとめるので精一杯だったらしい。情報源に近いことが裏目に出た。
 総論賛成各論反対というが各論に反対するのは総論に賛成していないから。光秀は信長のビジョン(総論)を理解できていなかった。
 リーダーの仕事は決断。総理大臣も日程のほとんどは儀式や社交(選挙運動含む)でついやされている。物理的に忙しくない。本来の仕事で忙しいのは、決断力がないか基礎知識がないかのどちらか。
 江戸時代に六公四民だと、人口の2割の人が6割の米を消費することになりつじつまがあわない(輸出も出来ないし)。要するに課税補足率が低かった。実質は、天領でも20%程度の税率。
 徳川家康のスローガンは、欣求浄土厭離穢土。つまり、低成長の安定封建社会。複数帆柱の船の建造を禁止し、物流活性化による生産構造変化、人口構造変化、ひいては、大名の政治力変化というリスクを嫌った。
 田沼意次は批判され、吉宗は名君とされる。これは歴史の記述者が下級武士階級だったことも原因。武士は賃上げなしの公務員みたいなものなので田沼のような好景気の恩恵にあずかれない。吉宗の享保の改革により、不況になったとき、相対的に武士の地位が上がった。
 黒船来航のころ、将軍家慶は重篤だし、次の家定は知的障害がある。老中も頼りにならない連中ばかりなので、首座の阿部正弘は諸藩や朝廷に広く意見を求めた。
 近代の侵略戦争は、たいてい「自国民の生命と財産保護」から始まっている。薩英戦争も同様。
 徳川慶喜はかなりの改革をしている。フランス流の軍制改革を行い、内閣制とし、産業振興も行っている。公武合体政府をつくり首都を大阪に移すことも考えていたらしい。しかし、武士の武士たるゆえんは様式美であり、慶喜がここから抜け出すような改革をすると幕臣から大反対される。結局、人材は武士の中から探す。ここに限界があった。明治維新は、すっぱりと「武士の文化」を否定した。
 軍隊とは、他に隔絶した大型兵器を組織運用し、平時の社会機能が喪失したときにも活動するために工兵やら軍医などをかかえる自己完結性がある組織。警察は、平時の社会機能が喪失していないという前提の組織。この定義からすると江戸時代の武士は軍ではない。
 明治維新は、支配階級=武士という武士の文化を完全否定した。フランス革命は貴族文化を否定しきれなかったので王政復古を許した。明治政府は完全に組織をつくりなおした。
 張作霖爆殺事件のとき、田中義一総理は天皇によく調べると奏上しながら軍部に押されて前言撤回。昭和天皇は陸軍特務機関の仕業と聞いていたので田中を叱責。田中はショックでノイローゼになってそのまま死去。これには昭和天皇もびっくりして発言を慎むようになった。このため官僚主導がいっそう鮮明になってくる。
 社会主義の前提は、物財が多いことは幸福である、物財を大量につくる方法は規格生産である、最適規格は有能で私利私欲のない官僚が発見できる、の3つ。
 トウ小平は、人間は物財だけを追及するのではなく、すべての人の報酬を等しくすれば権限の争奪に走って退廃し、周囲の評判を気にして怠惰に陥る、と喝破。競争原理を導入し、私利私欲で働かせるしかない。
 これからの時代のポイントは、(世界的な)人口減少、価値主観化、国家希薄化。中世と共通する部分がある。違いはグローバル化。
 モンゴルは職人を招集して生産力の移転をこころみた。アメリカも、外国企業に投資させて生産力を移転させようとしている。アメリカは内需旺盛でそれでもまかないきれない。モンゴルも軍需旺盛でまかないきれなかった。モンゴルは不換紙幣の発行で差をおぎなう。アメリカも資本流入でまかなっている。
 第2次大戦後に石油などの資源価格が下落。これで先進国は植民地として囲い込む熱意をうしなった。安いところから買ってきた方がいい。
 みたいな話。
・・・2015年9月15日再読・・・
 曰く・・・
 ミケランジェロがサン・ピエトロ寺院を設計したとき、コロセウムはすでに1500年を経過していた。今日の我々以上に違和感のある存在だったのだろう。古いだけではなく、神を知らぬ野蛮な異教徒の残骸だったのだから。
 永楽通宝は質の良さと数量の多さが抜群。真田家が永楽通宝を6枚並べた六文銭を旗印にしたのは、一族家臣みな良質、の意味もあるらしい。
 バクテリアが腐植しなかったものが残っているのだから、近代歴史学はバクテリアの選択に任されている、ともいわれる。
 崇仏派の豪族たちを納得させながら天皇家の地位を守るには、神と仏の両方を同時に信じることを許容する習合思想を開発するしかなかった。聖徳太子はただ一人でこれを独創し、広めることに成功している。
 織田信長は本能寺の変の直前に、明智光秀に近江・丹波から毛利領である出雲・石見に領地替えを命じている。これは、革命の中で居場所を失いつつある修正主義者・光秀への好意だったのかもしれない。
 三成は、家康と戦うプロジェクトのため、諸大名に「勝てる」と思わせ、かつ、徳川の世になると損、と信じさせようとした。まず、大義名分を掲げる。人を動かすのは利害と恐怖だが、人は、この世の中には大義のある方に加担する者が多いと考えるロマンだけは持っている。だから、大義のある方は過大評価される。三成は堺の商人から碁打ちまで使って家康の非を宣伝し、しかも、徳川政権になると百万石の大領やら通商やら採掘権を残しておくはずがないという噂も広めた。毛利や上杉にはこれが効いた。ビッグ・プロジェクトの第一段階は、問題提起と世論の喚起。
 情報不足のまま(乗せられて)集まった大勢は、烏合の衆になるか、世論の嵐となって旧体制を吹き飛ばすか。情報不足で集まった連中も集まれば情報を知ることになる。それまでに事を進め、大きな期待と小さな現実を固定しなければならない。参加者や出資者が増えると、それだけで期待が膨らみ、現実との差が問題になる。
 三成は商人から多くの情報を入手していたが、これは平常の情報網であり三成には有事の諜報網がなかった。だから、関ヶ原の合戦直前まで家康の動きをつかめなかった。事業の局面ごとに必要な情報と入手経路は変わってくる。事業に成功するためには複数種類の異なる情報ルートを持つべき。
 社長や会長は功成り名を遂げた人たちなので危機感が薄く、非常事態への対応力も乏しい傾向にある。ゆえに耳障りのよい情報と安易な方法を吹きこまれている。プロジェクトに熱中することも少ないし、成功しなければという決意も薄い。一方、事業実現を委託された者は実現だけを目標としてそのあとの採算性を考えない傾向がある。
 徳川家康は「欣求浄土、厭離穢土」というスローガンが明確。上下の秩序が整い(浄土)、身分の安定した封建社会(非穢土)をめざすというスローガン。すでに大名になっている人にはありがたい思想。守りの姿勢に入った多くの大名には家康の提案はうれしい。
 決断力と基礎知識があれば、政治や経営の仕事はそんなに忙しいものではない。ただし、精神的緊張が大きいのでストレスが溜まる。
 筆者が大阪万博を企画したとき各議員に手製の資料を配るのに大変な労力をかけた。支持者が多いと見せるには、事務能力が豊富と思わせなければならない。
 大阪、東京、名古屋などの沖積平野に多くの人が住むようになったのは戦国時代。大水が出るたびに河川は河道が変わるし、湿地帯だったので、泥沼で魚介を拾うくらいだった。大型の堤防を築く技術が普及し河道が定まるようになってから米作をできるようになった。
 経済成長しても農地に依存する武士は相対的に貧困化する。幕末には領土を返上してでも借財から逃れたいという大名も少なくなかった。そんなときに黒船がやってたので、黒船の「進歩主義」のメッセージは強く日本人の心を捉えた。特に強く反応したのが(生活が特に苦しかった)下級武士。
 組織は業績が悪化するととまず人を変えるが、時代が抜本的に変わっているときには人事だけでは対処できない。
 武士の武士たるゆえんは様式美でありそれを尊重する精神である。勇気なら火消しにもあるし、忠義なら商家の番頭にも忠義者はいる。武士は過去の形式や行儀作法を受け継ぎ、それを尊ぶ。この身分と様式美という武士の文化から徳川慶喜が抜けだすことはできない。幕末維新の動乱の本質は「武士の文化の否定」にある。
 経済の悪化で体制が崩壊した例は、歴史上、一度もない。国内の治安が維持されていれば、爆撃や宣伝で体制が崩壊することもない。
 日本はギリギリのタイミングで近代化した。20世紀になってから80年間、1980年代になって韓国や台湾が工業化するまで、日本のあとから工業化した国はない。20世紀になると規格大量生産の時代になり、発展途上国の幼稚な工業が大きく育つのは難しくなった。
 日露戦争以来危機に瀕していた国際収支は第一次世界大戦で一気に改善した。第一次世界大戦がなければ、日本は対外債務を支払えず、不況と財政破綻に陥り、もしかしたら、過剰投資で破滅した発展途上国の一つで終わっていたかもしれない。
 人間は物財だけを追求するものではない。権限を欲する点で強欲であり、周囲の評判を気にする点では臆病である。すべての人の報酬を等しくすれば人間は権限争奪に走って退廃し、周囲の評判を気にして怠惰に陥る。
 1941年のハル・ノートを受諾していれば、日本の国際的信用は地に堕ち、産業経済は大打撃を受けて、軍人と官僚の士気は阻喪し、治安が悪化し、内乱状態になったかもしれない。
 日中戦争は、1937年ごろは、外務省、大蔵省だけでなく陸海軍の大勢も停戦に傾いていた。これをつぶしたのは内務官僚(警察官僚)。この停戦条件では不満分子が暴走するため治安に責任をもてない、というのが理由。それであればこそ、ここで停戦すべきだった。
 人間と動物の違いは、言語を語り記録すること(歴史すること)、方向を定め、ものを作る前に想像すること(設計すること)、将来を考え、貯え、計画すること(未来を予測すること)の3つ。
 アメリカは、軍事力、技術や情報の文化力、それが生み出す権威(信用)によって、全世界からお金を吸い上げることによって成り立つ経済構造になっている。
 などなど。
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2016年11月5日に日本でレビュー済み
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肩が凝らず面白く読める本であった。
この人の歴史についての知識は該博で、ユニークな視点が意表をついて感心するところも多々ある。

が、歴史を役立てようという視点が強く、文明や国家や政権、権力すら企業のアナロジーで説明されると、いささか我田引水ではないか、と歴史観全体の信憑性が心配になる。

とくに、お得意の「知価社会」論の段になると、あれだけ抽象的なことを言っていれば、なんでも後付けで自分の先見の明を誇れるのではないか、と少々、意地の悪い見方もできる。

まあ、高尚な通俗歴史作家というところだろうか。経営者や管理職などのビジネスマン向けの月刊誌に、戦国武将に経営を学ぶ、ような記事があったが、そういう意味での歴史の使い方の参考になる本であった。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2005年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 歴史は繰り返す?
 現在の日本は、世界の動きに対して逆行して突き進み、時代に乗り遅れている。そうならないための「歴史の使い方」を丁寧に説明している。
 本書は世界の歴史、日本の歴史を顧みて今後の日本の行く末を提示している。官僚主導の政治になる恐さや、歴史の結果を興味深く書いてあるのでとても面白い。
2020年7月6日に日本でレビュー済み
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ためになりました。
2011年3月29日に日本でレビュー済み
筆者は、まず歴史を楽しむことから入り、そして歴史から学び、現象から原因を探し、原因の間から原理原則を見極め、現在に活かすべきと説く。
本書前半の歴史からの過去分析も大変興味深く面白いが、本書後半での歴史からの知見を用いた現状分析が特に素晴らしい。この点で私は名著として現在の日本の状況を理解したいとする方に勧めたい。特に第6章が白眉。

著者は、歴史分析を基に、
「戦後六十年。明治から昭和に至る道に似た路線を歩んで来た今日の日本にとって、絶対に許してはならないのは、人気と体裁にこだわり、官僚統制を「改革」と信じる「格好よい軽薄才子」の独裁である。これからの十年に予測し得る最も恐ろしい事態は、官僚主導の下に政党大連合の連立内閣が生まれることである。」
と結論付ける。この一文を読んだ時、暗澹たる気持ちになった。

細かな誤字脱字が3箇所ほどあるが、その真価に対しては微々たるもの。
何度も繰り返し読みたい本です。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2012年11月4日に日本でレビュー済み
歴史を知ることで将来の決断に役立てようという趣旨のビジネス本である。
2000年ごろに内閣に出入りしていた堺屋氏が元官僚だとは知らなかったが、本書を通読すると、どちらかというと官僚主導社会はネガティブに書かれているようであって、そのへんのギャップは興味深い。

さて帯紙にもあるように、歴史を知ることで、現在の状況をより的確に理解しよう、判断しようというのが狙いである。過去の成功事例を真似ればよいという主張ではない。したがって、過去の歴史的事件や社会的大変動についての考察が多数出てくるが、それらは基本的にはその背景事情についての理解を深めようという論理で語られる。事例集としてお手軽に使おうと思って読んでいると(実はそういう下心があった・・・)、だいぶ肩透かしをくらうというものだ。

後半になって近代の話になってくると、だんだんと情報の解像度が上がってくるからか、多少(かなり?)強引な論理展開が目立ってくるようにも思える。歴史的事象の解釈としてA〜Dが考えられるような状況でも、AとBだけ述べて、結論を知っている現代人の立場でもって、結局Aがよかったのだ、といった論理が目に付くのだ。また、ところどころではあるものの、過去の自らの著作や発表などについて、私は先見の明があった、的なあからさまな記述も気になる。

本書は、これを読んで、即日活用できる知識なり手法なりが手に入る、というようなものではない。著者としての目的が、歴史に関する基本的な接し方を啓蒙するところまで、となっている気がしないでもない。その後は講演なりで聞いてくれということなのかも。
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2010年1月17日に日本でレビュー済み
「歴史は繰り返す」といいますが、学校で習う歴史ではそのことを応用できないとして、その「使い方」を示しています。我々が歴史を読む時には結果を知っていますが、当時の人間は少ない情報や誤報などの中で判断していたこと、革命とはそれまでの文化を変えること、日本人の組織の特徴、世界史の中の日本史などを面白い視点で語ってくれます。
そして著者のパータンともいえますが、現在の状況の分析をした上で、説得力のある未来像を示してくれます。初出は2004年ですが、加筆されていないにも関わらず結構言い当てているなと、少しため息をつきながら、感じた次第です。
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2010年5月29日に日本でレビュー済み
著者の「歴史からの発想」もなかなか楽しく読ませて頂いた

で、この本続けて読んでみたのだが
「あら?何か前の本の方が勉強になったかな?歴史好きの人が歴史の面白さを解説してるだけの様な感じで・・・」
と思いながら、少し読んでいくと心配は杞憂に終わる

タイトルに偽り無しで、場所は国内外、時期は戦国時代はもちろんペレストロイカなんていうわりと最近の出来事まで、数々の事象を紹介しながら、そこから学ぶ事の出来る事柄を分かり易く解説してくれる

プロジェクトメーキングの仕方や、体制が崩壊する条件、どうしたら改革に失敗するのか等々

日々の生活に役立つ「ヒント」が満載されている

世の中って物について考え始める位の年になったら、一読をお勧めする1冊だ

(こういった本を読むと、歴史を年号と固有名詞の暗記と勘違いしていた自分を反省する
 子供達に歴史を学ばせる時、何故歴史を学んだ方が良いのか、ちゃんと説明出来るようになる1冊だった)
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