【概要】
(分野)人事評価、処世術
(頁数)前書&目次22頁 + 本文191頁 + 後書2頁
(出版日)2012/2/16
筆者は世界的な人事コンサルティングファームであるマーサー日本支社の元副社長です。本書では、いわゆる「出世」をする上で、仕事の「評価」よりも、社内の「評判」の方が重要視されるという経験則について述べられています。
筆者は冒頭で「昨今は“評判社会”と言ってもよい状況になりつつある」と述べているように、この「評判」は仕事に限らず、私たちの価値判断の大きな基準になりつつあると主張しています。ただ、本書ではもっぱら仕事関連での「評判」の影響力について述べられています。
【内容】
本書では「評判」が、「不特定の多くの人間から形成される」という点に着目しています。つまり、「評判」が重要視されるのは、「組織人」としての良し悪しが反映されているからという主張です。筆者は、現在社会の仕事のほとんど全ては「チーム」での仕事であり、仕事をうまく運ぶには、個人の卓越した能力よりも、チーム全体の生産性の方が重要であるため、「評判」が重視されるのだと述べています。
一方で、興味深いのは、「評判」が形成されるスタート地点である「印象形成」の段階では、「驚くほど少ない情報から印象が形成される」という点です。
その人に対して最初に形成される「温かい or 冷たい」という印象が「中心特性」となり、その人に対する他の情報も、それに基づき解釈されるのです。よく聞く「第1印象が大事」というのもあながち嘘ではなさそうです。
他にも、「評判」が悪くなるには、「口は出しても手は出さない」「ある種の能力が低いのに高いと勘違いしている」など、その人の言動に「良からぬギャップ」がある場合が多いという指摘は興味深いです。
【感想】
本書では、「評判社会になりつつある」という主張もなされていますが、近年の「ビッグデータ解析」の発展によって個人についてのありとあらゆる情報が手に入ることで「評判」も相当に定量化され、かなり現実味を帯びた内容となってきました。
本書の刊行は2012年2月ですが、「ビッグデータ」という言葉自体は2013年の『現代用語の基礎知識』選の流行語大賞候補となっていましたから、当時としては少しだけ先駆けた内容だったのだと思います。

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会社人生は「評判」で決まる 単行本 – 2012/2/1
相原 孝夫
(著)
評判がいい人は、働きやすく、成果も上げられる。では、どんな人の評判が高まるのか。人事コンサルタントとして多くの会社員を観察してきた著者が、さまざまな具体例から、評判の重要性、高める方法を解説します。
- 本の長さ215ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
- 発売日2012/2/1
- 寸法11 x 1.3 x 17.4 cm
- ISBN-10453226152X
- ISBN-13978-4532261528
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登録情報
- 出版社 : 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2012/2/1)
- 発売日 : 2012/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 215ページ
- ISBN-10 : 453226152X
- ISBN-13 : 978-4532261528
- 寸法 : 11 x 1.3 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 235,914位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 607位MBA(経営学修士)
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トップレビュー
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2016年3月4日に日本でレビュー済み
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2014年6月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ほされた理由がわかりました。取り返します。必ず。この本で決意しました。
2018年1月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
その通りなんでしょうけれど、表題以外の言葉は頭に残らなかった。
2014年12月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
能力が高く評判の悪いAと能力はそれほどではないが評判の良いBがいたとしたら、出世するのはBである。
能力が高くヘットハンディングされたとしても、結果が出せなくなれば、リストラ候補となる。
仕事ができても、上司と対立した事により、ホームレスになる事もある。
すべて会社で求められるのは、評判の良い人である。求めらるのは協調性という事になる。
能力が高くヘットハンディングされたとしても、結果が出せなくなれば、リストラ候補となる。
仕事ができても、上司と対立した事により、ホームレスになる事もある。
すべて会社で求められるのは、評判の良い人である。求めらるのは協調性という事になる。
2015年4月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
確かに、評価はいいが評判は悪いというケースは多い。
改めて評判というか、人間性が大事か分かった気がする。
出世がすべてではないが、出世したい人は読んで損はないでしょうね。
改めて評判というか、人間性が大事か分かった気がする。
出世がすべてではないが、出世したい人は読んで損はないでしょうね。
2012年3月3日に日本でレビュー済み
タイトルからは、ちょっと過激な印象を受けますが、内容は至って冷静であり、データと説得力のある論理展開によって読ませる実用書になっています。
職場における評判と個人の幸福感の間には、密接な関係がありそうだという直観は、多くの人が持っていると思います。本書は、この点に関して、著者の人事業界における確かな経験、広く深い知見と信頼性の高いデータを用いつつ、迫っていくものです。
本書の主張は、職場での評判を高めるような「パーソナル・レピュテーション・マネジメント」を効果的に行っていくことで、個人のキャリアは、よりよいものになっていくというものです。そのための施策としては大きく3つ提案されていて(1)他者への配慮(2)評論家ではなく実行の人になる(3)自分に与えられた役割を理解し役割を演じ切る、としています。
その他、個人的に気づきをもらえた記述を引用してみます。
・職場において、どういう人が最も活き活きとしているか、幸せそうにしているか?といえば、おそらく業績が良い人でも、優秀な人でもない。評判が良く、周囲の人たちとの関係が良い人である。(p7)
・「評価」は短期的な指標なので、昇給や賞与などの短期的な処遇には反映される。一方、異動や昇進昇格など、長期的な処遇に関わる人事となると、「評価」に代わって「評判」が前面へと出てくる。(p26)
・自己評価は実力よりも25%高く、他者による評価は実力よりも25%低いと一般的に言われる。これだけでも50%の開きが出る。(p27)
・「功ある者に禄を与え、徳ある者に地位を与えよ」という言葉がある。功とは功績、業績であり、禄とは報酬である。つまり、業績の高かった者には賞与などの報酬で報い、徳のある者には昇進などでより高い地位を与えよということだ。(p35)
・実際にヘッドハントして企業に紹介し、失敗に終わるケースのほとんどが、「他者と良好な関係で仕事ができる能力」が欠けているケースであると、あるヘッドハンターは語っていた。(p64)
・「彼は(彼女は)本当によくやっている」という言葉は、地味な仕事や日のあたらない仕事、他者がやりたがらない仕事、損な役回りなどを懸命にやっている場合や、環境や状況の悪い中でもあきらめずに取り組んでいる場合などに用いられる。その献身的な姿勢への共感、あるいは同情が含まれるだけに、熱のこもった言葉として語られることが多い。(p90)
・米ブリガムヤング大学などの研究チームは、「家族や友人、隣人に恵まれた高齢者は、孤独な高齢者に比べ、生き伸びる確率が1.5倍も高い」と発表した。孤独であることは、アルコール依存症やたばこを1日15本吸うのと同じぐらい健康に悪いという。(p132)
・「ええか、きみ、経営をしておっても、どの人も王者だという考え方を根底に持っておらんとあかん、そこが大事やで。社員の誰に対しても、ああ、この人はすばらしい存在なんや、偉大な力を持った人なんやと考えんといかんね」(p193)
・「印象管理」とは、自分に対する他者の印象を、自分にとって望ましいものに保つことであり、3つの次元があるとされている。第1は“まともな人間”であることを呈示しようとする、「公共的なルールやマナー」の次元。第2は“優秀な人間”であることを呈示しようとする、「社会的役割」の次元。第3は“いい人”“やさしい人”“頼れる人”であることを呈示しようとする、「個人的な人柄」の次元である。(p209)
非常に大切なことが書かれている、読んでおくべき1冊だと思います。
職場における評判と個人の幸福感の間には、密接な関係がありそうだという直観は、多くの人が持っていると思います。本書は、この点に関して、著者の人事業界における確かな経験、広く深い知見と信頼性の高いデータを用いつつ、迫っていくものです。
本書の主張は、職場での評判を高めるような「パーソナル・レピュテーション・マネジメント」を効果的に行っていくことで、個人のキャリアは、よりよいものになっていくというものです。そのための施策としては大きく3つ提案されていて(1)他者への配慮(2)評論家ではなく実行の人になる(3)自分に与えられた役割を理解し役割を演じ切る、としています。
その他、個人的に気づきをもらえた記述を引用してみます。
・職場において、どういう人が最も活き活きとしているか、幸せそうにしているか?といえば、おそらく業績が良い人でも、優秀な人でもない。評判が良く、周囲の人たちとの関係が良い人である。(p7)
・「評価」は短期的な指標なので、昇給や賞与などの短期的な処遇には反映される。一方、異動や昇進昇格など、長期的な処遇に関わる人事となると、「評価」に代わって「評判」が前面へと出てくる。(p26)
・自己評価は実力よりも25%高く、他者による評価は実力よりも25%低いと一般的に言われる。これだけでも50%の開きが出る。(p27)
・「功ある者に禄を与え、徳ある者に地位を与えよ」という言葉がある。功とは功績、業績であり、禄とは報酬である。つまり、業績の高かった者には賞与などの報酬で報い、徳のある者には昇進などでより高い地位を与えよということだ。(p35)
・実際にヘッドハントして企業に紹介し、失敗に終わるケースのほとんどが、「他者と良好な関係で仕事ができる能力」が欠けているケースであると、あるヘッドハンターは語っていた。(p64)
・「彼は(彼女は)本当によくやっている」という言葉は、地味な仕事や日のあたらない仕事、他者がやりたがらない仕事、損な役回りなどを懸命にやっている場合や、環境や状況の悪い中でもあきらめずに取り組んでいる場合などに用いられる。その献身的な姿勢への共感、あるいは同情が含まれるだけに、熱のこもった言葉として語られることが多い。(p90)
・米ブリガムヤング大学などの研究チームは、「家族や友人、隣人に恵まれた高齢者は、孤独な高齢者に比べ、生き伸びる確率が1.5倍も高い」と発表した。孤独であることは、アルコール依存症やたばこを1日15本吸うのと同じぐらい健康に悪いという。(p132)
・「ええか、きみ、経営をしておっても、どの人も王者だという考え方を根底に持っておらんとあかん、そこが大事やで。社員の誰に対しても、ああ、この人はすばらしい存在なんや、偉大な力を持った人なんやと考えんといかんね」(p193)
・「印象管理」とは、自分に対する他者の印象を、自分にとって望ましいものに保つことであり、3つの次元があるとされている。第1は“まともな人間”であることを呈示しようとする、「公共的なルールやマナー」の次元。第2は“優秀な人間”であることを呈示しようとする、「社会的役割」の次元。第3は“いい人”“やさしい人”“頼れる人”であることを呈示しようとする、「個人的な人柄」の次元である。(p209)
非常に大切なことが書かれている、読んでおくべき1冊だと思います。
2012年3月25日に日本でレビュー済み
冒頭、こんなトピックから始まります。
「A君はたいへん優秀ですが、残念ながら人望がありません」
「B君は際立って優秀ではありませんが、周囲の人をやる気にすることができます」
この会社の抜擢人事は、B君が選ばれました。
A君の”評価”は高くても、”評判”はB君のほうがよい。A君は仕事はできるけど、昇格は人望のあるB君。A君は僕は仕事ができるのに!と不満を持っているのだと思うけど、やはりB君が抜擢されるのはよくわかります。会社人生、「評価<評判」であることが多いです。この本ではいろんなエピソードを交えてそれを検証しています。
人の悪口ばかり言っている人についても言及しています。その人は、自分が言った悪口で自己拘束がかかり、悪く言った相手との関係が悪化し、仕事がしづらくなり、成果はでなくなるし評判も下がる。結果、悪口を言って気分はスッとしたのかもしれないけど、何も得るものがなかったわけです。会社でもそういう人を良く見かけます。本人は何も考えずに悪口を言っているのかもしれませんが、周りは悪口を言っている人にこそ悪い”印象”を持ち始めてしまいます。
では、どうすればよいか。筆者は”パーソナル・レピュテーション・マネジメント(自分の評判を管理・維持・向上させること)”を勧めています。
「一人一人に十分に関心を持つ」→周りのメンバーを深く知る
「プロセスに集中する」→現在の足元もしっかりと固めていく
「自らの役割を演じきる」→組織から与えられた役割にこたえる
の3点だそうです。冒頭「評価<評判」を紹介しましたが、評判ばかりを気にして人に媚を売ったり人脈作りに奔走したりしてもダメだ、と、筆者も念押ししています。
かなり勉強になる本でした。若手からベテランまでにオススメできる本です。
「A君はたいへん優秀ですが、残念ながら人望がありません」
「B君は際立って優秀ではありませんが、周囲の人をやる気にすることができます」
この会社の抜擢人事は、B君が選ばれました。
A君の”評価”は高くても、”評判”はB君のほうがよい。A君は仕事はできるけど、昇格は人望のあるB君。A君は僕は仕事ができるのに!と不満を持っているのだと思うけど、やはりB君が抜擢されるのはよくわかります。会社人生、「評価<評判」であることが多いです。この本ではいろんなエピソードを交えてそれを検証しています。
人の悪口ばかり言っている人についても言及しています。その人は、自分が言った悪口で自己拘束がかかり、悪く言った相手との関係が悪化し、仕事がしづらくなり、成果はでなくなるし評判も下がる。結果、悪口を言って気分はスッとしたのかもしれないけど、何も得るものがなかったわけです。会社でもそういう人を良く見かけます。本人は何も考えずに悪口を言っているのかもしれませんが、周りは悪口を言っている人にこそ悪い”印象”を持ち始めてしまいます。
では、どうすればよいか。筆者は”パーソナル・レピュテーション・マネジメント(自分の評判を管理・維持・向上させること)”を勧めています。
「一人一人に十分に関心を持つ」→周りのメンバーを深く知る
「プロセスに集中する」→現在の足元もしっかりと固めていく
「自らの役割を演じきる」→組織から与えられた役割にこたえる
の3点だそうです。冒頭「評価<評判」を紹介しましたが、評判ばかりを気にして人に媚を売ったり人脈作りに奔走したりしてもダメだ、と、筆者も念押ししています。
かなり勉強になる本でした。若手からベテランまでにオススメできる本です。
2012年2月27日に日本でレビュー済み
国内で初めてコンピテンシーを広めた前MERCER社副社長の相原氏。
そんな本物中の本物が書いた、分かりやすく、極めて実態に近いキャリア本。
会社勤めをされる方、採用に関わる方にとって必読の書となるでしょう。
これまでの評価・キャリアの常識がくつがえるかも。。
純粋に読み物として面白いので心からお奨めです。
そんな本物中の本物が書いた、分かりやすく、極めて実態に近いキャリア本。
会社勤めをされる方、採用に関わる方にとって必読の書となるでしょう。
これまでの評価・キャリアの常識がくつがえるかも。。
純粋に読み物として面白いので心からお奨めです。