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大格差社会アメリカの資本主義 単行本 – 2015/12/1

4.4 5つ星のうち4.4 9個の評価

2015年、なぜピケティ理論がアメリカを席巻したのか。その背景には、日本とは比較にならない「大格差」がある――元リーマン勤務の著者が実体験に基づき、その実態に迫る。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2015/12/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2015/12/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 225ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4532262909
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4532262907
  • 寸法 ‏ : ‎ 11 x 1.2 x 17.4 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 9個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.4つ
5つのうち4.4つ
9グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2019年8月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
色々なことが書いてある本だった。
題名から,アメリカの格差社会と資本主義に関することなのかなと思ったが,それにとどまらず,アメリカの社会や政治,ウォール街の裏側,アメリカ人の考え方,歴史観,宗教観など,幅広いテーマが凝縮された一冊だった。

なぜ面白いかというと,アメリカ社会のことを書いている本は沢山あるけれど,経済エコノミストの視点から,書いている本は少ないからではないか。

「アメリカ」を理解するために,これ以上面白い本はないかもしれない。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は、長年金融業界で働いた人で、破綻前のリーマン・ブラザーズで働いた事もある人物だ。この本の主な内容は以下の2点だ。第一は、アメリカ投資銀行の実務の描写であり、第2はピケティの主張に対する反論である。ウォール・ストリートの投資銀行業務は、素人にはなかなか難しいが、その雰囲気は良く伝わってきたと思う。著者の実体験で、どのような経歴の人たちが働いているか、あるいはどのようにして業界に入ってくるのか、などが紹介される。かなりの割合で知り合い関係、悪く言えばコネクションで動いているようだ。

ピケティ批判については、著者は主流派の重鎮たちの主張を紹介し、著者自身もそれに賛成である。著者はシカゴ大のビジネス・スクールを卒業しており当然の立場だろう。ピケティは資本所有により、格差が固定されるとする。経済成長率より常に資本収益率が高いからだとされる。著者は、まず最初に、アメリカの大金持ちは2代目、3代目でなく企業の創業者が多いという事実がピケティの説を反駁しているとする。さらに、資本収益率が事後的に数%であるといっても、そこにはリスクを取って失敗し消えた起業家が多く存在する事実を捨象している。会社は永遠には続かないし、金持ちは入れ替わるという事だ。ニューケインジアンであるグレゴリー・マンキュー、格差について著作があるリバタリアンの経済学者タイラー・コーエンらによる具体的批判が紹介されていて有用である。相続税を考慮すれば、格差が広がり固定化される事はないだろうというのだ。さらに、格差に取って重要なのは、資本所有ではなくて、労働分配率や賃金の格差であるとする。ただし、金融界のCEOの度外れな報酬は彼らから見ても、歪んだ金融市場のせいで生まれている物で、望ましくないとされる。リスクを政府に保証されているので法外な博打に打って出られるからだ。

一方、クルーグマン等の擁護派は、同じヨーロッパ起源の啓蒙思想に由来するリベラル派だから、同調するのは当然とされる。フリードマンを含むシカゴ学派の主張は、アメリカにしか存在しないリバタリアン思想に基ずくから、やや理解しずらいので、その起源がアメリカ建国からの歴史とともに紹介される。連邦政府を信頼せず、個人の自発性、自由を最大限に尊重する。ただし、全てを市場に任せるべきという主張で要約されることの多いフリードマンも義務教育と貧困対策だけは、政府の介入を必要としていると認める、機会の平等のためには読み書きなどの基礎教育が必要だからで、それは個人のみでなく社会全体の利益になるからだ。ただし、高等教育はどうだろうか。面白い話しが紹介されている。アイビー・リーグの大学は授業料が4万ドルを超えるなど非常に高いし、有力者の子弟だと学力は割引されて入学できる。ただし、大学の評判を保つためには優秀な卒業生が必要で、その候補者たる学力テストで飛び抜けてできる学生は、大学で取り合いになり、学費の大幅割引で勧誘されるのだそうだ。だから、貧乏でも大丈夫なのだが、これは飛び抜けてできる人の話だから、学力レベル中間層には関係ない。

最後に、金融規制をどのように具体化するかについての著者の意見が記されて終わる。巨大化してグローバルに展開する金融の世界をどうより良くするか、という点では著者も格差に怒る人も同じだ。金融危機を引き起こした投資銀行の罪に対しては著者も自覚的である。

格差をどう解決するか、を結果の平等で考える人は同意できない内容が多いと思うが、ピケティの主張に対する合理的な反論を冷静に知る上では有用な本だと思う。ただし、ニーチェも言うように、人間にはルサンチマンという物があるので、この本を読んで頭から湯気が出てしまう人も多いだろう事は予想される。日本で考えるほどには、アメリカ人の大金持ちに対する反感は強くないと著者は言う。慈善事業に対する熱意なども良く知られている事だ。ただし、著者の交友関係には当然バイアスがある事も考慮すべきだろう。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本も近年はすっかり格差社会に定着してしまっており、『大格差社会アメリカ』も他人事とは思えなくなってきているので、その実態がどうなのかを知りたくて、本書を読んでみる気になった。 

その本書を読み終わって、面白かったか、面白くなかったかと問われれば、面白かったといえるので、その点は評価したいとは思うのだが、『大格差社会アメリカの資本主義』という本書のテーマからすると、トピずれが目立ったという不満も、はっきりと感じてしまった。 

具体的にいうと、『大格差社会アメリカの資本主義』について語っているといえるのは、実質的には第1章、第4章、第7章だけだと思う。 

まず第2章は、筆者がウォール・ストリートで携わった証券会社の立ち上げにまつわるよもやま話に、第3章は、筆者が一時期在籍していたというリーマン・ブラザーズの破綻に至るまでの物語に、完全に特化されている。 

第5章と第6章も、ピケティ理論について、アメリカのリバタリアン(自由至上主義)の批判とリベラル派の好意的な評価などに充てているのだが、こうした章立て以上に顕著なのが、本書の全編を貫いているピケティ理論に否定的な立場からの筆者のこだわりの強さだ。この点については、筆者自身が『プロローグ』で、「ピケティ理論がはたして現代の格差を説明するのに妥当なのか否かは、格差是正の政策がどうあるべきかに関わる」ので、「ピケティ理論の妥当性を批判的に検討することを、本書の全編で意識した」と認めている。 

筆者のいう「ピケティ理論が妥当なのか否かは、格差是正の政策がどうあるべきかに関わる」というのは、理屈の上ではそのとおりであり、筆者がピケティ理論にこだわるのは、私のような素人にも理解はできる。 

ただ、格差拡大の原因がピケティのいう資本所得の格差拡大にあるのか、リバタリアンのいう労働所得の格差拡大にあるのかは別にして、ピケティも資本に対する累進課税を提言しつつも、労働所得の格差拡大自体は認めており、労働格差是正の最良の方法は、教育への投資であると述べている(160ページ)。リバタリアンも、格差対策より貧困対策のほうがはるかに重要だとしつつ、その貧困対策の鍵は、教育への投資であるといっているし(162ページ)、リバタリアンの中には、日本の森村進氏やフリードマンのように、ピケティとは違う方法ながらも所得の再分配を提唱している人もおり、私には、両者のいっていることは、筆者がこだわっているほど違いはないように思える。第7章を読むと、そもそも、「結果の平等」派だというピケティの理論が、「機会の平等」を重視するアメリカ固有の政治・社会思想とは相容れない面があるというだけの話ではないかという気もする。 

また、筆者はその第7章で、前記貧困対策ととともに、金融機関の規制問題をアメリカの焦眉の課題として挙げている。筆者が金融畑の人で、この問題に関心が高いのは分かるが、労働所得の格差拡大の象徴であるCEOの超高額報酬問題を超えてまで、この問題を本書で深く論じる必要があったのだろうかとも思ってしまう。 
20人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大格差社会アメリカの資本主義といいつつ、実態と展望が見えにくい中で、よく整理されています。