この作品を読み始めた時、立石 泰則著「覇者の誤算」の大作を思い出した。
日本のコンピュータの歴史と後年の富士通・IBM秘密交渉を克明に記述した内容は本作品に引き継がれていると言っても良い。
この手の作品は個人的にも興味があり交渉の駆け引き、アングロサクソン人の交渉術と日本人の交渉術の違いが明確に解説されており著者言う通り官僚、団塊のビジネスマンにぴったりの作品だ。
両作品を合わせて読むことをお勧めします。
一般文学通算1193作品目の感想。2014/04/30 19:55
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雲を掴め: 富士通・IBM秘密交渉 単行本 – 2007/11/1
伊集院 丈
(著)
- 本の長さ198ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
- 発売日2007/11/1
- ISBN-10453231366X
- ISBN-13978-4532313661
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登録情報
- 出版社 : 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2007/11/1)
- 発売日 : 2007/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 198ページ
- ISBN-10 : 453231366X
- ISBN-13 : 978-4532313661
- Amazon 売れ筋ランキング: - 284,918位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 152位経済・社会小説 (本)
- - 20,554位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年12月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
25年前の「IBM事件」に伴う、富士通とIBMの紛争の過程を当時の富士通幹部が小説風に語ったもの。この事件によって、3年間以上、大型計算機のコンパイラを「from scratch」で(IBM関係者の方、本当です)創り続けた私は複雑な思いを持って本書を読んだ。
当時から思っていた事だが、この紛争においてIBMの主張は100%正しいのである。一方、日本の計算機メーカーが(通産省主導で)IBM互換路線を取っていなければ、日本の計算機技術はそれ以上発展せず(あるいは市場がなく)、今より早く大型計算機の開発分野から撤退していた事も事実である(互換路線を取らなかったメーカーは早々に撤退し、今では取ったメーカーもほぼ全て撤退している)。本書は富士通の関係者が書いたものだから、IBMのクレームにどう対応していくかというスリリングな闘争の物語にしているが、やはり内容的に無理があると思う。意図的かどうか否か不明だが、著者はソフトウェアの権利問題に対して誤解している(あるいは無視している)。現在のソフトウェア開発においてリバース・エンジニアリングは禁止されているし、マニュアル類に書かれたインタフェース情報等を無断で自身のソフトに利用する事は著作権違反である。本事件の際には上記の法規は未整備だったかもしれないが、考え方としてIBMの主張の方が当を得ている。国際的な「モノ作り」において、オリジナルなものを先行開発し、それを国際的に権利化し、更に業界標準に仕立てていく事が如何に重要かを本事件は物語っていると思う。他国の文化を巧く日本風にアレンジして活かすという得意手法が通用しない世界もあるのだ。通産省庇護業界の弱さも露呈している。
「他人のフンドシでは相撲は取れない」事を噛み締めながら、コンパイラ創りに明け暮れた若き日々を苦い気持ちで思い起こさせた一作。
当時から思っていた事だが、この紛争においてIBMの主張は100%正しいのである。一方、日本の計算機メーカーが(通産省主導で)IBM互換路線を取っていなければ、日本の計算機技術はそれ以上発展せず(あるいは市場がなく)、今より早く大型計算機の開発分野から撤退していた事も事実である(互換路線を取らなかったメーカーは早々に撤退し、今では取ったメーカーもほぼ全て撤退している)。本書は富士通の関係者が書いたものだから、IBMのクレームにどう対応していくかというスリリングな闘争の物語にしているが、やはり内容的に無理があると思う。意図的かどうか否か不明だが、著者はソフトウェアの権利問題に対して誤解している(あるいは無視している)。現在のソフトウェア開発においてリバース・エンジニアリングは禁止されているし、マニュアル類に書かれたインタフェース情報等を無断で自身のソフトに利用する事は著作権違反である。本事件の際には上記の法規は未整備だったかもしれないが、考え方としてIBMの主張の方が当を得ている。国際的な「モノ作り」において、オリジナルなものを先行開発し、それを国際的に権利化し、更に業界標準に仕立てていく事が如何に重要かを本事件は物語っていると思う。他国の文化を巧く日本風にアレンジして活かすという得意手法が通用しない世界もあるのだ。通産省庇護業界の弱さも露呈している。
「他人のフンドシでは相撲は取れない」事を噛み締めながら、コンパイラ創りに明け暮れた若き日々を苦い気持ちで思い起こさせた一作。
2007年11月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
当事者しか知りえない緊迫した交渉の様子をうかがいしることのできる小説。作者のいう交渉に対する姿勢というのは、普遍的なもので、現在においても参考になる示唆に富んだ内容。IBMは、この後OS/2やSNA等の失敗を教訓として、1社だけのクローズの世界では、全体最適を実現するIT環境の構築はできないという認識の元、インターフェース、プロトコル等をオープンにして、オープンスターンダードによる相互運用性の確保という方向に舵を切っている。現在のマイクロソフト、グーグルなど各社のオープンとクローズの境界についての戦略を考える際の基盤となる歴史小説。
2014年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は、他の方も書かれているように、富士通とIBMの交渉記録を記載した本です。
私もコンピュータ業界て働いているので、IBMが訴えたこの事件に興味があり、購入しました。
いまでは著作権なんて当たり前に意識する話ですが、当時はまだ著作権法がなく、プログラムのコピーが横行してた時代です。そんな時代に、IBMのソースコードを富士通がコピーして商売にしてたことを、当然IBMが怒り、アメリカ政府も巻き込みながら富士通に圧力をかけてきます。
そのとき富士通はなにを考えていたのか、どう打開していくのかが分かる本です。
コンピュータに関わる方は、コンピュータの歴史の一つとして、ぜひ読んだほうがいいと思います。
私もコンピュータ業界て働いているので、IBMが訴えたこの事件に興味があり、購入しました。
いまでは著作権なんて当たり前に意識する話ですが、当時はまだ著作権法がなく、プログラムのコピーが横行してた時代です。そんな時代に、IBMのソースコードを富士通がコピーして商売にしてたことを、当然IBMが怒り、アメリカ政府も巻き込みながら富士通に圧力をかけてきます。
そのとき富士通はなにを考えていたのか、どう打開していくのかが分かる本です。
コンピュータに関わる方は、コンピュータの歴史の一つとして、ぜひ読んだほうがいいと思います。
2008年3月23日に日本でレビュー済み
当時何があったのか、唯一交渉に成功した富士通が何をしたのかを知るにはよい本だと思います。
小説としてみた場合どうでしょう。話が表面的でまだまだという感じでしょうか。
筆者の交渉術などは参考になりますが、小説として本書を書いているのであればこういうのも不要ですね。
小説としてみた場合どうでしょう。話が表面的でまだまだという感じでしょうか。
筆者の交渉術などは参考になりますが、小説として本書を書いているのであればこういうのも不要ですね。
2008年2月8日に日本でレビュー済み
→出版社は小説と主張しているものの
その実態は
著者が50代以上の富士通関係者向けに送った
「あの時の」経緯報告書です
→現役関係者に迷惑がかからないよう
登場人物は仮名となっています
その仮名は、本当の名前に関連した別名のため
わかる人にはわかるだろうという姿勢です
→第6章までは、登場人物の説明が断片的に
出てきますが、その説明が第7章以降の
本編である「秘密交渉」場面における
効果的な説明になっていません
..これは著者の、現役関係者に対する
形を変えた「謝辞」なのでしょうか..
→第7章以降の「秘密交渉」は、
確かにその場にいた人でしか書けない
「生々しさ」があり、物語に引き込まれます
しかし、この物語の途中に挿まれた
「閑話休題」と題した
「著者が思う交渉のポイント」はいけません
報告書の匂いがプンプンしたこのコラムが
読んでいる人を物語の世界から
追い出してしまいます
→50代以上の富士通関係者以外に
得るものがあるとすれば1つだけ
それは富士通の社員が
自分たちの体質を表したこの言葉です
「富士通の体質はガンガンやる。
組織というより群れなんです。
秩序というものがない。」(P134)
→京都大学法学部を卒業したとされる
「白上太郎」に会ってみたいものです
上司の顔色を窺うようなことは一切せず
頑迷そのものでありながら
著者が当時一番信頼していた法務部課長に
彼は今 どこで 何をしているのでしょうか..
その実態は
著者が50代以上の富士通関係者向けに送った
「あの時の」経緯報告書です
→現役関係者に迷惑がかからないよう
登場人物は仮名となっています
その仮名は、本当の名前に関連した別名のため
わかる人にはわかるだろうという姿勢です
→第6章までは、登場人物の説明が断片的に
出てきますが、その説明が第7章以降の
本編である「秘密交渉」場面における
効果的な説明になっていません
..これは著者の、現役関係者に対する
形を変えた「謝辞」なのでしょうか..
→第7章以降の「秘密交渉」は、
確かにその場にいた人でしか書けない
「生々しさ」があり、物語に引き込まれます
しかし、この物語の途中に挿まれた
「閑話休題」と題した
「著者が思う交渉のポイント」はいけません
報告書の匂いがプンプンしたこのコラムが
読んでいる人を物語の世界から
追い出してしまいます
→50代以上の富士通関係者以外に
得るものがあるとすれば1つだけ
それは富士通の社員が
自分たちの体質を表したこの言葉です
「富士通の体質はガンガンやる。
組織というより群れなんです。
秩序というものがない。」(P134)
→京都大学法学部を卒業したとされる
「白上太郎」に会ってみたいものです
上司の顔色を窺うようなことは一切せず
頑迷そのものでありながら
著者が当時一番信頼していた法務部課長に
彼は今 どこで 何をしているのでしょうか..
2008年4月30日に日本でレビュー済み
富士通がIBMのソースコードを盗んだことを訴えられた事を元にした小説
この小説は1980年代に実際に起こった紛争とその交渉を題材に
その富士通側の当事者だった著者がまとめたものです。
小説はほとんど、著者の視点から展開されており、また時系列で
書かれているので、特に伏線などもなく、報告書とも言うべき内容に
なっている。しかし事実を元に書いているので目次は充分にインパクトが
あります。
結果的にはその時代の背景などをうまく利用した富士通が
交渉を有利に展開したという交渉術としては成功した事例だと考えます。
また著者も交渉の経緯を書きたいという意図どおりの内容になっています。
しかし残念ながら、ビジネス的には海外展開の道を塞がれ、
20年経った今、富士通のITビジネスに対する評価が無いこの交渉記述は
古き良き富士通の伝説を伝える小説ではないかと考えます。
交渉の焦点が知的財産であり、日本で起こった珍しい事例なので、
それを期待して読みましたが、ほとんど記述がありません。また
事実を元にしているとは言え、20年前で且つ小説とのことで
真実かどうか検証する手段が無い点で厳しい評価になっています。
この小説は1980年代に実際に起こった紛争とその交渉を題材に
その富士通側の当事者だった著者がまとめたものです。
小説はほとんど、著者の視点から展開されており、また時系列で
書かれているので、特に伏線などもなく、報告書とも言うべき内容に
なっている。しかし事実を元に書いているので目次は充分にインパクトが
あります。
結果的にはその時代の背景などをうまく利用した富士通が
交渉を有利に展開したという交渉術としては成功した事例だと考えます。
また著者も交渉の経緯を書きたいという意図どおりの内容になっています。
しかし残念ながら、ビジネス的には海外展開の道を塞がれ、
20年経った今、富士通のITビジネスに対する評価が無いこの交渉記述は
古き良き富士通の伝説を伝える小説ではないかと考えます。
交渉の焦点が知的財産であり、日本で起こった珍しい事例なので、
それを期待して読みましたが、ほとんど記述がありません。また
事実を元にしているとは言え、20年前で且つ小説とのことで
真実かどうか検証する手段が無い点で厳しい評価になっています。
2008年3月7日に日本でレビュー済み
帯に、中山信弘教授の推薦文が載っていたので、思わず購入してしまったが、まだまだ小説にはなっていない。他の人も書いていましたが、せいぜい報告書ですよね。
登場人物の性格の簡単な「説明」はあるのだが、いかにもその人物らしいと思わせるような行動や発言が乏しく、「性格描写」にはなっていない。主人公の人物像も、ちっとも立ち上がらない。
また、たとえば、交渉がいかに大変だったかを描写するのに、このような交渉が何時まで続いた、何日間続いた、では‥‥。
確かに、当事者本人であれば、相手に、「今まで続けてきた交渉を決裂させる!」とふっかけるのは、大変勇気の要る劇的な出来事だっただろうが、読んでいる側としては、「え? これで終わり? ヤマは?」という感じである。
登場人物の性格の簡単な「説明」はあるのだが、いかにもその人物らしいと思わせるような行動や発言が乏しく、「性格描写」にはなっていない。主人公の人物像も、ちっとも立ち上がらない。
また、たとえば、交渉がいかに大変だったかを描写するのに、このような交渉が何時まで続いた、何日間続いた、では‥‥。
確かに、当事者本人であれば、相手に、「今まで続けてきた交渉を決裂させる!」とふっかけるのは、大変勇気の要る劇的な出来事だっただろうが、読んでいる側としては、「え? これで終わり? ヤマは?」という感じである。