■日本語訳タイトルでは「入門」となっていますが、なんのなんの。
読み通すだけでは、理解までには程遠い、
とても深さと広がりのある専門書です。
日本語訳を担われた研究者の先見性とご努力に敬意を表します。
なんといっても注目点は、
今までややもすると相反する文脈としてとらえられていた経済学と文化の関係を
「文化資本」という新しい概念を導入することによって、
そのギャップを埋め、双方の文脈の中で理解しようとするところでしょうか。
■ただ、興味深い「創造性の経済学」などの項目は、
一定分析がなされるものの、
「依然つかみどころのない現象」と結論づけざるをえないあたりは、
残念ながらこの学究分野の難しさというか、
まだまだ研究途上にあることを示すものなのでしょう。
また「価値の理論」のところで示されていた
美術館の経済的価値と文化的価値についての論述。
できれば音楽ホ−ルをケ−ススタディにした試みとして、
どなたか音楽に関心を持つ専門家の手による分析・研究を待ちたいものです。
<創造性の探求から都市再生>という副題が示すように
これからの問題意識の変化に応じて、さらに読み深めていきたい一冊です。
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文化経済学入門: 創造性の探究から都市再生まで 単行本 – 2002/9/1
デイヴィッド スロスビー
(著)
- ISBN-104532350050
- ISBN-13978-4532350055
- 版New
- 出版社日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
- 発売日2002/9/1
- 言語日本語
- 本の長さ317ページ
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
「モノの豊かさ」から「心の豊かさ」への転換が求められる今、都市再生や新産業創出の新たなアプローチとして注目を集める「文化経済学」の考え方を、斯界の第一人者が体系的に解説する。
登録情報
- 出版社 : 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2002/9/1)
- 発売日 : 2002/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 317ページ
- ISBN-10 : 4532350050
- ISBN-13 : 978-4532350055
- Amazon 売れ筋ランキング: - 549,832位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 381位経済学入門
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2004年9月11日に日本でレビュー済み
文化経済学という言葉は、しばしば芸術文化の経済効果やマネジメントに限定されて使われていたが、この本にはそういった従来の経済学者が考える“文化”という概念にとらわれず“文化”という概念を幅広い意味でとらえ、文化経済学の可能性を説明している。特にこの本で触れられている発展途上国における文化政策の可能性についてはこれからの文化政策・国際開発協力の面からもっと検討する必要がある。
経済学を勉強している人はもちろんのこと文学や文化人類学を学んでいる人も読むべきである。
間違いなく文化政策学の正典となりえる一冊
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