インド生まれの経済学者、ジャグデッシュ・バグワティ氏の著作です。
著者は“グローバリゼーション”という単語だけで状況を判断しないよう勧めています。世界で起こっている事は、それほど単純ではない、と主張し、様々な状況を分析、紹介して下さっています。
例えば、グローバリゼーションのため、貧しい人々の職が、海外に流出してしまっていると主張する人がいます。しかし、著者は、職を守ろうとして資本流出を止めてしまうと、製品群の価格が上がり、結果、貧困者の出費が増えてしまう可能性を指摘しています。
著者は、グローバリゼーションが全く問題を引き起こさないとは言っていません。同時に、いかなる問題が起きるかを事前に予測することが非常に難しいとも主張されていません。そこで、著者は、失業保険など、問題が起きた時の対策を用意しておくことを推奨しています。
その他、多くの観点での課題と対策が議論されています。
インドから、また、一つ、学びました。
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グローバリゼーションを擁護する 単行本 – 2005/4/1
グローバリゼーションは経済や社会にどんな影響を及ぼすのか? 当代随一の自由貿易論者であり、クルーグマンの師としても知られる著者が、経済学の考え方をベースに今世界で起きていることを分かりやすく論じる。
- 本の長さ456ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
- 発売日2005/4/1
- ISBN-104532351405
- ISBN-13978-4532351403
登録情報
- 出版社 : 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2005/4/1)
- 発売日 : 2005/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 456ページ
- ISBN-10 : 4532351405
- ISBN-13 : 978-4532351403
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,018,525位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,372位経済学・経済事情
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年3月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
偉い先生か知らないが、全然説得力ない。反グローバリゼーションに反論する形を取ってるけど、それぞれの反論として挙げた事実のデータの詳細を示さないのだから具体性はあまりなく、仲間内で気勢を上げている風情だ。私自身はリバタリアン的だし、グローバリゼーションにはどちらかと言えば賛成だ。この私が説得されないのだから、反グローバリゼーション派の人は勢いづくのではないだろうか。読んでいてあまりの意味のなさに1/3ほど読んだところで放り出してしまった。
もうお年だから緻密に反論する文章なんてかけないのかしらねえ。正統経済学ではあまりに当然なので、この程度の反論でいいと本当に思っているなら、大問題だ。足下をすくわれますよ。
もうお年だから緻密に反論する文章なんてかけないのかしらねえ。正統経済学ではあまりに当然なので、この程度の反論でいいと本当に思っているなら、大問題だ。足下をすくわれますよ。
2005年8月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は世界的に最も著名な自由貿易論者であり,この本では
最近のNGOや左翼団体が批判するところの,グローバリゼーションによる
1.貧困の拡大
2.児童労働の増加
3.女性問題の悪化
4.地域文化の衰退
5.賃金と労働水準の低下
6.環境問題の深刻化
7.多国籍企業による搾取
が客観的なデータや経済学研究に 基づかない単なる妄想であることを最近の実証研究を数多く挙げながら議論している。
一方で資本移動の問題点や国際機関のガバナンスにも言及しているので,タイトルよりも中立的な本である。
この本は国際経済学を勉強した人にとっては特に学術的に
新しいものではなく,想定している読者は
主にNGOや市民運動団体に興味ある人たちだと思われる。
なおクルーグマンの「良い経済学悪い経済学」とテーマは似ているが,
内容はこちらのほうが包括的で内容も深い。
最近のNGOや左翼団体が批判するところの,グローバリゼーションによる
1.貧困の拡大
2.児童労働の増加
3.女性問題の悪化
4.地域文化の衰退
5.賃金と労働水準の低下
6.環境問題の深刻化
7.多国籍企業による搾取
が客観的なデータや経済学研究に 基づかない単なる妄想であることを最近の実証研究を数多く挙げながら議論している。
一方で資本移動の問題点や国際機関のガバナンスにも言及しているので,タイトルよりも中立的な本である。
この本は国際経済学を勉強した人にとっては特に学術的に
新しいものではなく,想定している読者は
主にNGOや市民運動団体に興味ある人たちだと思われる。
なおクルーグマンの「良い経済学悪い経済学」とテーマは似ているが,
内容はこちらのほうが包括的で内容も深い。
2012年10月31日に日本でレビュー済み
本書は有名教授の一般向けの書に見えて、実はけっこうこれまで彼がやってきた研究やら思いがこもっていて手間暇かかっている。グローバリゼーションがアジアを資すると欧米人が言うと、アジアの人間からするとなんか上から目線だし、バタくさくて居心地が悪いのだが、インド出身の彼が言うと切実にそうだと思えるのがいい。同じような立場をとるキショール・マブバニも、「我が家に水洗トイレがやってきた日」を近代が訪れた日として表現している。そう言われたら、居心地の良い家に生まれた欧米の左派学生はぐうの音も出ないはずだ。バグワティが欧米の学生の運動家が実は現実を何もわかっていないところを論破するところは、実に気持ちがよい。インドが裕福になった結果、学のある若い女性が自らの贅沢ではなくNPOに興味を抱いているところの説明など、いい分析だ。
とはいえ、経済学者はやはり物事の大きな趨勢を論じる一方、政治には立ち入らず、また周縁には眼をあまり向けない傾向にある。バグワティは頑張ったが、根拠のない世論への反論で防戦一方になる結果、大きな世界観がいま一歩提供できていない。また、インドの貧困や暴力をどうとらえるのかも問題だ。その意味で、★四つ。だが、とても面白かった。
とはいえ、経済学者はやはり物事の大きな趨勢を論じる一方、政治には立ち入らず、また周縁には眼をあまり向けない傾向にある。バグワティは頑張ったが、根拠のない世論への反論で防戦一方になる結果、大きな世界観がいま一歩提供できていない。また、インドの貧困や暴力をどうとらえるのかも問題だ。その意味で、★四つ。だが、とても面白かった。
2011年11月6日に日本でレビュー済み
サブプライム問題からリーマンショックを経て今や欧州ソブリン危機となった様相のある世界経済。そして、連日のように米国ではデモが繰り広げられているという。
恐らく、本書の著者のバグワテイは忸怩たる思いでそれを見ていることだろう。
著者はインド出生の経済学者。簡単に言えば「グローバリゼーションを前進させた方が、させないよりも遥かに得るものが大きい(但し、資本の自由化やガバナンスなど注意を要するものがある)」ということが、本書では徹頭徹尾述べられている。
読んでいると感じるのだが、グローバリゼーションにいささか前向きでなかった母国インドが、瞬く間にグローバリゼーションにうまく適応した中国に経済の点で一気に置いて行かれてしまったということが、著者には悔しくてたまらないようだ。
今まさに日本ではTPP参加を巡る動きで、国論を二分するかのような状況にある。そんな時に、本書に書かれているような情報や知識を知らずして、どうして適切な判断ができるだろうか。やや大部な本ではあるが、多くの日本人が読むべき本だと思う。
恐らく、本書の著者のバグワテイは忸怩たる思いでそれを見ていることだろう。
著者はインド出生の経済学者。簡単に言えば「グローバリゼーションを前進させた方が、させないよりも遥かに得るものが大きい(但し、資本の自由化やガバナンスなど注意を要するものがある)」ということが、本書では徹頭徹尾述べられている。
読んでいると感じるのだが、グローバリゼーションにいささか前向きでなかった母国インドが、瞬く間にグローバリゼーションにうまく適応した中国に経済の点で一気に置いて行かれてしまったということが、著者には悔しくてたまらないようだ。
今まさに日本ではTPP参加を巡る動きで、国論を二分するかのような状況にある。そんな時に、本書に書かれているような情報や知識を知らずして、どうして適切な判断ができるだろうか。やや大部な本ではあるが、多くの日本人が読むべき本だと思う。