最初に読んだ時はとても違和感がありました。というのはこういった類いの本は、章立てから全体の構成に至るまで系統立てて理路整然と書かれてあるのが普通だからです。 しかしこの本は話題が飛躍したり、違う箇所で同じことが繰り返されたり、一般的に知られていることとは矛盾していたり、話し言葉でおよそ専門書らしくない…。
しかし、何度も読み返していると、「これがプロの頭の中なのか…」「これが現実に起こっていることなのか…」と妙に納得してしまいました。 現実の金融経済の世界で起こる様々な事象は、教科書通りには何ひとつ進みません。この難解で矛盾に満ちた世界を考えるために必要な、柔軟で鋭敏な“プロの頭の中”が見える画期的な書だと思います。
初心者でこの本の内容が難しいという人はネット上の氏のコラムを毎日読むと良いでしょう。超入門的な内容から専門的な時事ネタまでとても勉強になります。そして知識も蓄えつつまた本書に戻ると、読むたびに新しい発見があります。そして何度も何度も繰り返し読んで少しでもプロの頭脳に近付けたらなと思う今日この頃です。
この本は“金”で儲けようとか、ましてや“金”を買うことを勧める宣伝本でもありません。氏の人柄がよく表れているような“金を通して世界を読む”ための啓蒙書のような本です。
「自分で金を買うときには純金積立と決めている…相場に魔法の杖はないことを骨身にしみて分かっている」という一文が私にとっては新鮮であり、百戦錬磨のプロが到達した考えだと思うと、とても示唆に富み、心に染みました…。
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金を通して世界を読む 単行本 – 2008/12/1
豊島 逸夫
(著)
サブプライム問題を発端にした不況を尻目に高値を維持する金(ゴールド)。その背景には何があるのか。金本位制の復活は? 金を中心に眺めれば世界経済の動きが見えてくる。ETFの動向も解説した最良の入門書。
- 本の長さ238ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
- 発売日2008/12/1
- ISBN-104532353386
- ISBN-13978-4532353384
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登録情報
- 出版社 : 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2008/12/1)
- 発売日 : 2008/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 238ページ
- ISBN-10 : 4532353386
- ISBN-13 : 978-4532353384
- Amazon 売れ筋ランキング: - 411,276位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 994位一般・投資読み物 (本)
- - 41,868位ビジネス・経済 (本)
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2009年6月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2009年6月3日に日本でレビュー済み
内容は、とても興味を引かれるものでしたが、理解するのはとても難しいです。
よほど金融や経済の知識がなくては読みこなせない本だと思います。
金についてよりも、通貨や金融市場、ヘッジファンド等の記述が多く、投資初心者の私にはわからない事だらけでした。読んでいて難しすぎて頭が痛くなってしまいました。
よほど金融や経済の知識がなくては読みこなせない本だと思います。
金についてよりも、通貨や金融市場、ヘッジファンド等の記述が多く、投資初心者の私にはわからない事だらけでした。読んでいて難しすぎて頭が痛くなってしまいました。
2009年2月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
10年前から、愚息3人の誕生日ごとに金貨を1オンスずつ購入。
最初は「記念品」くらいのつもりが、値上がりで無視できない「財産」に…
と、いうわけで国際経済も株も債券も、まったくシロートの私ですが、
思わず「なるほど」ってうなってしまいました。
本書は「金の歴史」だの「金本位制」とかゆーことはあまり触れていません。
通読して感じたのは
「今」の金の価値を裏付けている「人間の生々しい欲望」や「思い」。
金を大事に持っている人も、売り買いのタイミングを狙っている人も一度読んではいかがでしょう。
ちなみに、本書で最も印象に残った言葉は「噂で買って、ニュースで売る」でした。
最初は「記念品」くらいのつもりが、値上がりで無視できない「財産」に…
と、いうわけで国際経済も株も債券も、まったくシロートの私ですが、
思わず「なるほど」ってうなってしまいました。
本書は「金の歴史」だの「金本位制」とかゆーことはあまり触れていません。
通読して感じたのは
「今」の金の価値を裏付けている「人間の生々しい欲望」や「思い」。
金を大事に持っている人も、売り買いのタイミングを狙っている人も一度読んではいかがでしょう。
ちなみに、本書で最も印象に残った言葉は「噂で買って、ニュースで売る」でした。
2010年10月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
金(ゴールド)を通して金融・世界経済を見るとより理解が深まるのだということを
非常に分かりやすい解説で実感させてくれる名著。
著者自身が経験したエピソードを多数盛り込んでいるため、
飽きずに最後まで読み進められます。
貨幣や金融について他書では今ひとつ分かった気がしない人は、
本書を読むと良いかもしれません。
非常に分かりやすい解説で実感させてくれる名著。
著者自身が経験したエピソードを多数盛り込んでいるため、
飽きずに最後まで読み進められます。
貨幣や金融について他書では今ひとつ分かった気がしない人は、
本書を読むと良いかもしれません。
2010年1月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中国・インド・アラブ・ロシア・アメリカ・スイス・南アフリカなどの幅広いエピソードと著者自身の「金」業務の豊富な経験を駆使して
書かれた、「金」の総合情報が楽しく身につく有益な本です。グリーンスパンの原稿料、金価格の通信簿など、”ふむふむ”、”なるほど”
といった興味深い話題が満載されています。金融危機後1年有余の今読むと、各国の国家戦略や思或が透けて見えるようで、大変興味深いものがあります。一読の価値ありのお薦め本です。
書かれた、「金」の総合情報が楽しく身につく有益な本です。グリーンスパンの原稿料、金価格の通信簿など、”ふむふむ”、”なるほど”
といった興味深い話題が満載されています。金融危機後1年有余の今読むと、各国の国家戦略や思或が透けて見えるようで、大変興味深いものがあります。一読の価値ありのお薦め本です。
2010年8月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は金業界の重鎮ですが、ニュートラルな視点で金を取り巻く状況を、淡々と落ち着いた調子で説明してくれます。金も含む金融を、一般人も、単に自分の金勘定だけではなく、もっと全体のシステムとして包括的に理解せねばならない時代でしょう。その点で、おすすめの本です。
2009年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
個人で金に投機している人が本書の内容を知っているか甚だ疑問である。「金融危機による国債大量発行→貨幣価値下落→金価格上昇」といったプロセスだけで投機しているのではないか。当初私もそうだったが、中東マネーのインパクト並びに生産量一位南アフリカの政情及び鉱山環境等は目から鱗の内容であり、これらは今後の投機目線に変化をもたらす極めて重要な情報であった。
金市場は未だ発展途上である。日本でも金ミニ先物が2007年に開始されたばかりか、中国では今後規制緩和が進んでいき、ダイナミックな市場変遷をもたらすだろう。
この類の本の章分けは「過去→現在→未来」が一般的であるが、本書の良い所は、「未来」の部分で著者独特の相場観により市場インパクトのあるイベントを列挙していること。読者は「プレイヤーはこういった視点なのか」、「このイベントを押さえておけばいいのか」と容易にイメージを膨らませやすい。もちろん、「過去」及び「現在」の部分も十分参考になる点は念頭に置かれたい。
金市場は未だ発展途上である。日本でも金ミニ先物が2007年に開始されたばかりか、中国では今後規制緩和が進んでいき、ダイナミックな市場変遷をもたらすだろう。
この類の本の章分けは「過去→現在→未来」が一般的であるが、本書の良い所は、「未来」の部分で著者独特の相場観により市場インパクトのあるイベントを列挙していること。読者は「プレイヤーはこういった視点なのか」、「このイベントを押さえておけばいいのか」と容易にイメージを膨らませやすい。もちろん、「過去」及び「現在」の部分も十分参考になる点は念頭に置かれたい。
2009年1月8日に日本でレビュー済み
基本的に著者のウエッブ上のコラムで、過去に紹介された内容が多いように感じるが、「金」について需要供給双方の面から多様な事情が明らかにされている好著だと思う。
この内容は、少なくとも日本人では豊島氏にしか書けないであろう。
決して気取った内容でなく、学問書のような系統だった書き方もされてないが、読み物としてはかえってこの方が親切だろう。非常に読みやすい。
上記のコラムでも触れられているが、書店での売れ行きも好調だそうだ。
個人的には終盤にあった「活字になった情報はプロの目からみれば相場を動かす新鮮味もサプライズもないのだ。」という言葉が、胸に染み入った(笑)。
この内容は、少なくとも日本人では豊島氏にしか書けないであろう。
決して気取った内容でなく、学問書のような系統だった書き方もされてないが、読み物としてはかえってこの方が親切だろう。非常に読みやすい。
上記のコラムでも触れられているが、書店での売れ行きも好調だそうだ。
個人的には終盤にあった「活字になった情報はプロの目からみれば相場を動かす新鮮味もサプライズもないのだ。」という言葉が、胸に染み入った(笑)。